異世界転移の……説明なし!

サイカ

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 翌日、お城へ王妃様に会いに行くと皆さん揃っていた。

「しばらくは私が家を空けることが多いので、家のゲートのカギは当分の間開けておこうと思います」

「週に1回はお城に来てくれるのでしょう?」

「はい。皆さんがよろしければ毎週土曜日にお城に伺いたいと思いますがいかがでしょうか」

そう言うと王妃様にありがとう、と抱きしめられそれから、危ない事だけはしないでね、と耳元で囁かれた。
王妃様…………何か知ってます……?


それからノシュカトには私が集めた植物が温室と庭にあることを伝えておいた。

オリバーにもできる時だけでいいからノシュカトのお手伝いをお願いして何時でもゲートを使っていいからねと言っておく。

ノクトはうちの庭に熊さんが来ていたら手合わせをしていいかときかれたので、熊さんに伝えておくねといい、ケガはさせないでねと言っておく。

ノバルトには土曜日だけではなく時間ができたら何時でもおいでと言われ頭を撫でられた。


皆さんにとりあえずまた来週の土曜日に伺います。といい家に帰った。

帰ってから三毛猫さんに公爵家の使用人用の部屋にゲートを作ったら遊びに来てねと話して撫で回した。

ザイダイバ王国はどんな国なんだろう。
王都の街はどんな感じかな? 
公爵家の使用人さん達も優しいかな? 
メイド長はやっぱりメリッサメイド長のように尊敬できる方かな? 
メアリみたいな素敵な先輩はいるかな?

三毛猫さんにきいてもらいながら何だかワクワクしてきた。

それから夜、久しぶりに1人でゆっくり温泉を堪能した。

貸し切りの温泉を楽しんで三毛猫さんと熊さんとキツネさん達とたわむれたり家の中の整理と庭の手入れをして過ごしているとあっという間に水曜日になった。

荷造りはゲートがあるからいいかなって思ってたけれどあまりにも少ないとおかしいと気付き適当に大きめの鞄に詰めこんだ。

三毛猫さんに行ってくるねとナデナデして結界を張る。

さて、出発しますか。

レオンが滞在していた街を越えて更にいくつかの街と森と平原を越えると見えてきた。ザイダイバ王国の王都。

上からみた感じリアザイアの王都と変わりないように見える。街の中心に大きな広場と噴水があって素敵。

お城には見張りの兵隊さんがたくさんいる。

ひとまず長距離の馬車の発着所へ行き、到着した馬車から降りてきた人達に紛れこむ。

人の流れに乗って街の大通りへ出て噴水のある広場まで行く。
広場からは放射状に何本か道が広がっている。

そこでレオンに書いてもらった宿の名前と道を確認してそちらに向かう。

途中の可愛い雑貨屋さんやお菓子屋さん、金物屋さんとかを横目に後で絶対観光しようと思いながら歩いていく。

王都だけあって宿屋さんもたくさんあるみたいだけれど、レオンのいる宿屋さんは噴水広場から真っ直ぐ進み通りを一本入った所にあったので迷うことなく到着した。

カウンターのお姉さんに1人部屋を1部屋お願いしてカギをもらう。
1階は食堂になっていて宿の宿泊客でもそうでなくても利用出来るらしい。
お昼時ということもあってザワザワしている。

部屋は2階の角部屋。部屋に入り荷解きをしているとノックが聞こえた。

「どなたですか?」

「俺だ。レオンだよ」

ドアを開けると茶髪に褐色の肌の美丈夫がにこり。

「やぁ。無事に着いたね」

レオンは下の食堂にいたらしい。

「お昼を持って来たんだ。ここで一緒に食べてもいいかな?」

これからの事を食べながら話すことになった。

明日の朝乗り合い馬車が道を一本出た大通りに停まるから、それに乗って公爵家の近くで降りる。
手紙は出してあるから門番にでも声をかければ通してもらえるらしい。

「もし、仕事が辛いようなら無理はしなくていいからね」

「? メイドのお仕事だよね? 至らないところもあると思うけれど大体のことはできるから大丈夫だよ」

そういうとレオンは何ともいえない顔をする。
どういう感情?

公爵家の家族構成をきくと

当主 バンダラ・ファル・ベルダッド

妻  アメリア・ファル・ベルダッド

長男 アーロン・ファル・ベルダッド

長女 シュゼット・ファル・ベルダッド

4人家族でアーロン様は25才、シュゼット様は23才と歳も近い兄妹で家族仲も良かった。

……良かった?

レオンが感じる違和感の1つだと言う。
頻繁に会える人達ではないからこそ会えたときは家族の話しもすることが多かったのにいつからか様子が変わったように感じられたそうだ。

「ノアは以前シュゼット様の噂をきいたことがあると言っていたね。最近の噂は……まぁ大体想像がつくよ。多くの使用人がクビになっているのも本当だしね。だから公爵家は常に新しい使用人を募集しているんだよ」

……だから断られることはないのか…………

噂通りならなかなか手強そうなご令嬢だけれど……まぁ入りたて下っ端の私には近づくことも許されない存在なのだろう。

昼食が終わりレオンはやることがあるらしくまた夜一緒にご飯を食べる約束をして別れた。

街をぶらぶらと歩いていると雑貨屋さんに王族の姿絵が飾ってあった。
絵だから実際はどうなのかはわからないけれど美しい家族だなと思った。
リアザイアの使用人食堂できいた話を思い出してみる。
確か世代交代をして長男が即位しているだったかな。

絵にかかれている中年のお二人が先王と前王妃様で三人の若者が殿下方か。

先王と現国王と第二王子はプラチナブロンドで、前王妃様と、第三王子は銀髪。

現国王は毒を盛られてお姿が……と誰かが言っていたけれど、本当なら気の毒だ。

王城に行く事はないと思うけれどこれで知らない間に知り合ってしまうということはないでしょう。

それから何軒かお店をまわって果実水を買って噴水のある広場に行って木陰にあるベンチを見つけてそこに座って飲みながら行き交う人を観察してみる。

広場には小さな子供達が小さな花束を売っている姿もあり大人達は足を止めてお話をしたり、お菓子をあげたり、いくつか買ってあげたりしている。
活気もあり子供達にも優しくいい街みたい。

日が暮れて宿に戻るとカウンターのお姉さんはお兄さんと交代していた。夜からは男性になるらしい。

聞かれたくない話しはお昼に済ませたので、夜はレオンと宿の食堂でご飯を食べた。

街を歩いていろんなお店に入ってみた事や街の人達の様子を話していたらレオンが優しい顔でこちらを見ている……
故郷を誉められるのは嬉しいものだよね。

食事が終わりレオンが部屋の前まで送ってくれた。

「ノア、明日は見送ることは出来ないけれど気を付けて……頼んでおいてなんだけど無理はしないで、絶対に危険なことに近づいたりしないでね」

「わかった」

とは言ったけれど大袈裟じゃない? これから戦場に行くわけでもあるまいし。
レオンは意外と過保護なのかなぁ。

なんて思いながらベッドに入る。


そして翌朝、紹介状を片手にベルダッド公爵家へ向かい、レオンの言った通り断られる事もなく公爵家のメイドとして働ける事となった。


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