ラベンダーに想いを乗せて

光海 流星

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9 2人の傷

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勇「それでずっとなんとかなってたのに
2年になったらおもしろくないから
やっぱり痛めつけたいって言いだしたんだよ
だからやめてくれって頼みこんだ

そこで1つ提案したんだ
暴力も精神的に追い詰めるのも苦しいから
そこにいないように無視してって
そしたら淋しくて辛いだろうけど
暴力もないし嫌な言葉を言わなくてもいい

だから何度も土下座してお願いしたよ
そしたら誰も純を相手にしなくなるから
どこかでこっそり会って話せると思った
でも、考えが甘かった…」

ここで勇介は拳を強く握りしめ
怒りの表情に変わった
そこまでしてまだ僕のこと考えてくれてたのか
勇介ごめん

勇「俺がこっそり純を見ているのがバレて
まだあいつのこと好きなのかって
思い切りボコられちゃってさ
マジでビビって何もできなくなったよ

純にまた矛先が向かいそうになったから
それだけはやめてくれって言ったら
おとなしく俺のおもちゃになれって言われた
肉体関係のない暴力だけのおもちゃ」

龍「1人で抱え込んでいたんだな…」

勇「誰かに言ったらどうなるかわからない
だから耐えるしかなかった
純にこんなことさせるわけにいかない
1度デートで水族館に行ったことがあって
笑顔の純の写メがあって
それを見ていつも明日もがんばろうって
なんとかやっていくことができたよ

純を失うとかマジでありえないから
誰かにとられようものなら俺…」

そう言いかけたとこでこれヤバそうと
ちょっと止めに入る

真「ヤンデレみたいになってるぞ」

ハッと勇介が自分に驚いた顔をした
好きすぎて語ってしまった
ヤバイ奴って思われてないか不安

純「そんな風に想ってくれてたんだね」

ここまで想われたことなんてないから
自分よりもはるかに強い愛情に驚くも
ちょっとうれしくなってしまう

僕だったら勇介のために同じことできたかな?
たぶんできないよな
そんなこと考えながらボーっとしていたら
勇介の続きの話が始まり
罪悪感にしめつけられてしまう

勇「それである日とんでもないことを言われた
俺の前で純をやるって
そんなの耐えられないから理性飛んで
思い切り詰め寄って嫌だと言ったら
キレさせてしまってボコられると思ったら
ニヤっと笑って仲間に何か耳打ちして
何かわからないけど仲間がどこか行って
戻ってきた時やかん2つ持ってた
俺はビビってしまってひたすら謝ったけど
許してもらえなかった

そしてゆっくり背中に熱湯をかけられた
覚えてないんだけど気絶したみたいなんだ
どれぐらい経ったかわからないけど
気がついた時あまりの激痛で泣いてた」

純「ごめん!その時たまたま近くを通って
勇介が泣いているの見たんだけど
誰かいたから僕は何もしないで逃げた」

本当に最悪だ
自分のこと庇ってくれている人を放置して

勇「それでよかったよ」
純「逃げたんだから最低だよ」

勇「目が覚めて泣いていたのは夕方だった
その頃はもう誰もいないよ
純が見たのは気絶する前のはず
そこへ純が来てたらまきぞいになってた」

純「でも勇介に消えない傷ができた」
勇「これ、純を守った証にしてるんだ
俺の中のちょっとカッコつけだよ
だから何ともないんだよ」

純は涙が止まらなくなってしまった
自分を犠牲にするレベルじゃない傷
僕の心の傷なんかよりもずっと
はるかに何倍もひどいはず

純「もうやめよ…
僕よりも勇介の方が辛かったのに
もう自分が悪いなんて思わないでほしい」

勇「俺はたしかに純を傷つけた
だから罰が俺にもきただけのことだよ」

冷静な真玖はやはり大人だった

真「お前らお互い傷を持ってるんだろ?
だったらもういいんじゃない?
お互いに許すとか許さないとか
そんなのたぶんできないんじゃないか?」

そうだよな
許すとかそんな上から目線できない
お互い十分なほど傷ついたし
今ようやくわかり合うこともできたんだし

真「なぁ、2人に聞きたいことがある」

マジメな顔をして真玖が言うから
何だろうと背筋をのばしてしまった
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