ラベンダーに想いを乗せて

光海 流星

文字の大きさ
15 / 16

15 友達

しおりを挟む
純「そんなことしても何も解決しない
僕ならわかってあげられるから」

そこにいた4人は唖然としてしまった

真「何を言ってるんだ!」

自分も命の危機にあっていたにも関わらず
どうして助けるのかわからない
どういう神経しているんだ純は

純「僕も独りだったことあるよ
でも気づけなかっただけで周りを見たら
誰かがいてくれてたかもしれないよ」

森「俺はいじめられてたしいつも孤独
この会社でも目立たないし
ちゃんと人と付き合いできないから
こうやって純くんに
ひどいこともしてしまったんだ」

そっか、やっぱりそうだったかと
純は優しく声をかける

純「いつも早く出勤して準備してる
備品の整理してやりやすくしてくれてる
会社の周り掃除してくれてる
そういうところ僕は知ってるから
でも、声かけなくてごめんね」

そう言われて森はポロリと涙をこぼした
別に誰のためにとかでやってはいない
でも自分のやってることを知る人がいた
初めて自分の存在を感じることができた
うれしいけど、どう受け止めたらいいのか
戸惑ってしまった

純「僕も誰にも声かけてくれない時あって
同じように毎日苦しかったことあるんだ
だったらさ、僕と友達にならない?」

「「「「は?」」」」

全員の声が見事に重なり合った
信じられないという目をしている
この状況でそりゃそうだろうな
友達になるってストーカーされてたのに
また何かあったらどうするんだろう

森「なんで優しくしてくれるんですか?」

純「たしかに怖い思いしたんだけど
僕と仲良くなりたいって思ってくれたから
ただ形がやり方が間違っただけ
違うかな?」

目を丸くして黙り込んでいる森
こんな優しい言葉をかけてもらって
すんなりすぐに甘えてしまっていいのか
純くんは言ってくれてはいるけど
他のみんなは良く思っているわけないし

森「ちゃんとしないといけないから
警察に行って自首してきます…」

そう言って頭を下げて足早に入口ドアへ
森は向かって行ったが

純「そんな所へ何しに行くの?」
森「えっ…?」
純「警察になんか行ってどうするの?」
森「どうって…純くん達に迷惑を…」

純「迷惑かけたと思うなら償わないとね
償うのに警察はいらないよ」

純の発言にまたしても4人は首をかしげる
またおかしなこと言い出したぞ

勇「さっきから言うことよくわかんない」

純「悪く言えば縛り付けるやり方がある
お互い嫌な思いしてきたでしょ?
友達だって少ないんだし、償うのなら
僕とずっと友達で仲良くして
あ、彼氏はいるから友達としてだからね」

森「でも…」
純「警察に何て自首するの?」
森「傷害とか、殺人未遂とか」
純「そんなことした?記憶になくてさ」

少しの間沈黙が流れた
こんな発言なんて普通はありえない
そんな沈黙を破ったのは

龍「プハハッ!
純にはまいっちゃうよね」

勇「マジで彼氏の俺の前でよくもそんなこと
普通に言える気が知れないわ」

森「えっと…」

純「友達にならないんだったら
この会社ではやり辛くなるだけだよ
それに傷害とかの記憶戻るかも」

森の目から涙が流れ嗚咽が始まった
新しく友達が増えたことがうれしい
強い絆でつながっていくであろう友達

森「ありがとうございます…」

真「純は最強にある意味とんでもなく
恐ろしい奴だよな」

純「それってどういう意味なの?」

真「これだもんな、自覚ないのが怖い
ストーカーでさえも友達にしちまうんだから」

そんなこと言われてもよくわかってない純
ポカンとした顔に4人が笑う
なんで笑ってんの?と純が騒いでいても
みんなハイハイと放置されていた

勇「俺とも仲良くしてな、博文!」
龍「もうみんな友達だよ」

純「ねぇ、何が最強なの?」
真「まだそんなこと言ってんのかよ」

なんか今になって学生時代にできなかった
青春をやれてるって感じがするなぁ
男は大人になっても心は子供だからな
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

姉の男友達に恋をした僕(番外編更新)

turarin
BL
侯爵家嫡男のポールは姉のユリアが大好き。身体が弱くて小さかったポールは、文武両道で、美しくて優しい一つ年上の姉に、ずっと憧れている。 徐々に体も丈夫になり、少しずつ自分に自信を持てるようになった頃、姉が同級生を家に連れて来た。公爵家の次男マークである。 彼も姉同様、何でも出来て、その上性格までいい、美しい男だ。 一目彼を見た時からポールは彼に惹かれた。初恋だった。 ただマークの傍にいたくて、勉強も頑張り、生徒会に入った。一緒にいる時間が増える。マークもまんざらでもない様子で、ポールを構い倒す。ポールは嬉しくてしかたない。 その様子を苛立たし気に見ているのがポールと同級の親友アンドルー。学力でも剣でも実力が拮抗する2人は一緒に行動することが多い。 そんなある日、転入して来た男爵令嬢にアンドルーがしつこくつきまとわれる。その姿がポールの心に激しい怒りを巻き起こす。自分の心に沸き上がる激しい気持に驚くポール。 時が経ち、マークは遂にユリアにプロポーズをする。ユリアの答えは? ポールが気になって仕方ないアンドルー。実は、ユリアにもポールにも両方に気持が向いているマーク。初恋のマークと、いつも傍にいてくれるアンドルー。ポールが本当に幸せになるにはどちらを選ぶ? 読んでくださった方ありがとうございます😊 ♥もすごく嬉しいです。 不定期ですが番外編更新していきます!

グラジオラスを捧ぐ

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
憧れの騎士、アレックスと恋人のような関係になれたリヒターは浮かれていた。まさか彼に本命の相手がいるとも知らずに……。

《一時完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ

MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。 「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。 揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。 不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。 すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。 切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。 続編執筆中

君の恋人

risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。 伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。 もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。 不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。

その言葉を聞かせて

ユーリ
BL
「好きだよ、都。たとえお前がどんな姿になっても愛してる」 夢の中へ入り化け物退治をする双子の長谷部兄弟は、あるものを探していた。それは弟の都が奪われたものでーー 「どんな状況でもどんな状態でも都だけを愛してる」奪われた弟のとあるものを探す兄×壊れ続ける中で微笑む弟「僕は体の機能を失うことが兄さんへの愛情表現だよ」ーーキミへ向けるたった二文字の言葉。

末っ子王子は婚約者の愛を信じられない。

めちゅう
BL
 末っ子王子のフランは兄であるカイゼンとその伴侶であるトーマの結婚式で涙を流すトーマ付きの騎士アズランを目にする。密かに慕っていたアズランがトーマに失恋したと思いー。 お読みくださりありがとうございます。

片思いの練習台にされていると思っていたら、自分が本命でした

みゅー
BL
オニキスは幼馴染みに思いを寄せていたが、相手には好きな人がいると知り、更に告白の練習台をお願いされ……と言うお話。 今後ハリーsideを書く予定 気がついたら自分は悪役令嬢だったのにヒロインざまぁしちゃいましたのスピンオフです。 サイデュームの宝石シリーズ番外編なので、今後そのキャラクターが少し関与してきます。 ハリーsideの最後の賭けの部分が変だったので少し改稿しました。

処理中です...