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早瀬が画面をスクロールしながら、奥村から入ったラインを読み進めていった。彼の表情が固くなっていた。良い内容ではないからだ。
「なるほど。一週間前から何回も入っているようだね。『こんなに可愛くて信頼できる子がいるなんて、嬉しすぎる☆』……『今日は本当にありがとう!!!』 ……『返信まだ?』……一時間前の返事を催促しているね。……『ご飯行こうよ!』……10回連続。金曜日は送って来なかったのか。土曜日から後が、えーーっと、……『昨夜は遅かったね。誰と遊びに行っているわけ?』……今朝は、『今日もあの男と会うのかよ?』……これは俺のことだね」
夏樹達のことには触れていないから安心していたのに、早瀬のことが奥村の視界に入ってしまった。迷惑をかけそうだ。しかし、早瀬は大丈夫だと言ってくれた。
「いい方法があるよ。こっちに来て」
「うん?」
「はい、笑ってー」
「え?」
カシャ!早瀬が俺達を自撮りして、ラインへ添付していた。
「何をするんだよ?」
「送るよ」
「やめろよ!」
「このお兄さんと遊んでいるって教えるといい」
「早瀬さんに何かあったらどうするんだよ?」
「俺に何かあるのか?」
「大学へ迎えに来てくれた時に、何か言いに来るかも」
「その方が好都合だよ。送信」
「げえええっ」
話している間に送られてしまった。強引なやり方に驚いていると、奥村から返信が入った。それを早瀬が読んで、眉をひそめた。
「へえ。『燃える☆』か」
「しつこいな。もう一回断るよ」
早瀬の手からスマホを取ろうとすると、高く持ち上げられて届かなかった。立ち上がって奪い返そうとすると、反対の手で持ち替えられてしまい、届かなくなった。反射神経の差を見せつけられてしまった。
「もう一度、撮るよ。こっちへ来て」
「わあっ」
早瀬から肩を抱かれて引き寄せられた。目の前のスマホが、俺達を写し出している。また撮られるのは嫌だから、じたばた動いて阻止しようとした。それでも、早瀬の腕の力が強くて身動きが出来ない。
「はい、こっち向いてー」
「やだよ」
「動かないで」
「ええ?」
ちゅっ、カシャ。何と、早瀬から頬にキスをされた瞬間を撮られてしまった。残っている熱い感触にショックを受けているうちに、彼がスマホの操作を始めた。なんと、今の写真をラインで送ろうとしている。
「わーーー!」
「よし。この人と付き合っています。送信!」
「ああ……」
冷静に行動が出来ず、項垂れるしかなかった。こんな写真を広められては、大学内を歩けない。
「みんなに広められたら、どうするんだよ!?」
「好都合だよ。声を掛けて来た子は他にもいるだろう?彼だけで終わるとは思えないよ。これからも同じ事がある」
「そうだけど……。こんな嘘、すぐにバレるよ!もっと面倒くさいことになるから」
「いいアイデアがあるよ。事実にすればいい」
「ええ?」
「いい話だよ。悠人君はギターを弾く環境と機材が手に入る。俺の方は寂しい思いをせずに済む」
「それって……」
寂しいから俺のことが好きだということなのか。そして、誰かと付き合うのは寂しいからなのか。早瀬の言葉を聞き、胸がチクチクと痛くなった。
「寂しいから、俺のことが好きになったわけ?」
「それだけじゃないよ。面白いからだ。この提案を受けてもらえない?」
「妙なことをしてくるだろ?」
「キスぐらいはさせてほしい」
「やだよ!」
「信憑性がなくてバレて、面倒なことになるよ?」
「うっ。でも……。どっちに転んでも、平穏な毎日は過ごせそうもない。このままでいい!」
「事実になった以上、奥村君のような相手が出てくれば守るよ。約束する。俺のことはSPだと思えばいい」
「でも……」
「守るから」
「ああ……」
真剣に見つめられて告げられた。たった一言なのに、力強く感じた。こういう短い言葉で言い切るのは、同じ男としてカッコいい思った。
「本当に大丈夫かな」
「大丈夫だ」
早瀬が軽く頷いた後、俺の事を抱き寄せた。嫌な予感がして逃げ出すと、簡単に捕まえられた。至近距離に早瀬の顔がある。真剣な顔をしていた。そして、彼の瞳に引き寄せられるように見つめ返すと、あることに気づいた。彼の瞳の色が明るいことに。色素が薄めなのだろうか。茶色をしている。夏樹みたいだと思った。そして、瞳の色のことを聞こうとすると、彼から名前を呼ばれて、胸がドキッとした。
「いい子にして」
「あああ……」
悠長に考え事をしている余裕はなかった。早瀬から唇を押し当てられて、ソファーの背に追い詰められた。今までで一番長いキスだ。そして、唇の感触が分かるぐらいになった頃に、ゆっくりと離れた。
「なるほど。一週間前から何回も入っているようだね。『こんなに可愛くて信頼できる子がいるなんて、嬉しすぎる☆』……『今日は本当にありがとう!!!』 ……『返信まだ?』……一時間前の返事を催促しているね。……『ご飯行こうよ!』……10回連続。金曜日は送って来なかったのか。土曜日から後が、えーーっと、……『昨夜は遅かったね。誰と遊びに行っているわけ?』……今朝は、『今日もあの男と会うのかよ?』……これは俺のことだね」
夏樹達のことには触れていないから安心していたのに、早瀬のことが奥村の視界に入ってしまった。迷惑をかけそうだ。しかし、早瀬は大丈夫だと言ってくれた。
「いい方法があるよ。こっちに来て」
「うん?」
「はい、笑ってー」
「え?」
カシャ!早瀬が俺達を自撮りして、ラインへ添付していた。
「何をするんだよ?」
「送るよ」
「やめろよ!」
「このお兄さんと遊んでいるって教えるといい」
「早瀬さんに何かあったらどうするんだよ?」
「俺に何かあるのか?」
「大学へ迎えに来てくれた時に、何か言いに来るかも」
「その方が好都合だよ。送信」
「げえええっ」
話している間に送られてしまった。強引なやり方に驚いていると、奥村から返信が入った。それを早瀬が読んで、眉をひそめた。
「へえ。『燃える☆』か」
「しつこいな。もう一回断るよ」
早瀬の手からスマホを取ろうとすると、高く持ち上げられて届かなかった。立ち上がって奪い返そうとすると、反対の手で持ち替えられてしまい、届かなくなった。反射神経の差を見せつけられてしまった。
「もう一度、撮るよ。こっちへ来て」
「わあっ」
早瀬から肩を抱かれて引き寄せられた。目の前のスマホが、俺達を写し出している。また撮られるのは嫌だから、じたばた動いて阻止しようとした。それでも、早瀬の腕の力が強くて身動きが出来ない。
「はい、こっち向いてー」
「やだよ」
「動かないで」
「ええ?」
ちゅっ、カシャ。何と、早瀬から頬にキスをされた瞬間を撮られてしまった。残っている熱い感触にショックを受けているうちに、彼がスマホの操作を始めた。なんと、今の写真をラインで送ろうとしている。
「わーーー!」
「よし。この人と付き合っています。送信!」
「ああ……」
冷静に行動が出来ず、項垂れるしかなかった。こんな写真を広められては、大学内を歩けない。
「みんなに広められたら、どうするんだよ!?」
「好都合だよ。声を掛けて来た子は他にもいるだろう?彼だけで終わるとは思えないよ。これからも同じ事がある」
「そうだけど……。こんな嘘、すぐにバレるよ!もっと面倒くさいことになるから」
「いいアイデアがあるよ。事実にすればいい」
「ええ?」
「いい話だよ。悠人君はギターを弾く環境と機材が手に入る。俺の方は寂しい思いをせずに済む」
「それって……」
寂しいから俺のことが好きだということなのか。そして、誰かと付き合うのは寂しいからなのか。早瀬の言葉を聞き、胸がチクチクと痛くなった。
「寂しいから、俺のことが好きになったわけ?」
「それだけじゃないよ。面白いからだ。この提案を受けてもらえない?」
「妙なことをしてくるだろ?」
「キスぐらいはさせてほしい」
「やだよ!」
「信憑性がなくてバレて、面倒なことになるよ?」
「うっ。でも……。どっちに転んでも、平穏な毎日は過ごせそうもない。このままでいい!」
「事実になった以上、奥村君のような相手が出てくれば守るよ。約束する。俺のことはSPだと思えばいい」
「でも……」
「守るから」
「ああ……」
真剣に見つめられて告げられた。たった一言なのに、力強く感じた。こういう短い言葉で言い切るのは、同じ男としてカッコいい思った。
「本当に大丈夫かな」
「大丈夫だ」
早瀬が軽く頷いた後、俺の事を抱き寄せた。嫌な予感がして逃げ出すと、簡単に捕まえられた。至近距離に早瀬の顔がある。真剣な顔をしていた。そして、彼の瞳に引き寄せられるように見つめ返すと、あることに気づいた。彼の瞳の色が明るいことに。色素が薄めなのだろうか。茶色をしている。夏樹みたいだと思った。そして、瞳の色のことを聞こうとすると、彼から名前を呼ばれて、胸がドキッとした。
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「あああ……」
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