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ぽちゃん。湯船のお湯が跳ねた。寮とは正反対の、広い湯船に浸かっている。久しぶりに足を伸ばせたから気持ちが良い。マンションの中は綺麗に掃除されている。このバスルームも綺麗だ。
「細かいところまで掃除されてるなあ。うーんっ、気持ちがいい~」
美味しい食事と快適な風呂。ギターを弾ける環境。最高だ。早瀬がセットだが。夏樹達には何と説明しよう。奥村だけに伝わっても意味がないだろう。
「はあ。SPだと思えばいいのか……」
「ゆうとくーん」
「はーい!」
曇りガラスの向こうから声を掛けられた。 返事をすると扉が開いた。早瀬の手には、バスボムや入浴剤の袋があった。いつも使っているのだろう。
「入浴剤を入れ忘れていたよ。どれがいい?」
「いいよ、もう出るし。勿体ないから」
「俺は使わないから」
「そうなんだ?」
どうして使わないのに持っているのだろう? 付き合っていた人が使っていて、残っているのかも知れない。
「早瀬さんが使ってよ。俺はいいから」
「裕理さん、だろう?」
「ああ……、裕理さん……」
「よく出来ました」
「な、何だよ?」
「泡が残っていたからだよ。あれ?こっちも付いているよ」
「どこ?」
「ここだ……」
首の後ろに手が添えられた。そのまま引き寄せられて、彼の口元が耳に触れた。すると、高校時代の光景が脳裏によぎり、慌てて体を引き離した。トラウマを思い出してしまった。
「わあーーっ」
「シャンプーの泡が残っていないか、見ただけだよ」
早瀬が呆れた顔になって、ため息をついた。いつもなら笑っているのに、今回の反応は違う。謝ろうとすると、早瀬が小さな袋を開封して、入浴剤を湯船に入れた。すると、乳白色の湯が湯船に広がり、良い匂いがした。しかし、俺はそれを沈み込んだ気持ちで見つめた。早瀬に悪かったと思ったからだ。そして、彼が風呂から出て行った。
(自意識過剰だったかも。さすがに呆れたのかな?)
恋愛感情には応えられないと言ってある。早瀬はそれを承知しているし、キス以上はしない約束だ。それなのに、過剰に反応するのは失礼だ。
ミルクの匂いがする湯船に、鼻の下まで浸かった。こんなに悩むのは、早瀬がどういう男なのか知らないせいだ。夏樹や桜木さんからは、いい人だと聞かされただけだ。
(夏樹達に話してみようっと……)
ペナルティーの事を打ち明ければ、すっきりすると思えた。
そろそろ出よう。そう思いながら風呂から出る時に、扉に体をぶつけてしまった。そそっかしい俺のことを好きだという早瀬の気持ちが不思議だ。桜木さんとは正反対のタイプなのに。またモヤモヤとした気持ちが浮かんでしまった。
「細かいところまで掃除されてるなあ。うーんっ、気持ちがいい~」
美味しい食事と快適な風呂。ギターを弾ける環境。最高だ。早瀬がセットだが。夏樹達には何と説明しよう。奥村だけに伝わっても意味がないだろう。
「はあ。SPだと思えばいいのか……」
「ゆうとくーん」
「はーい!」
曇りガラスの向こうから声を掛けられた。 返事をすると扉が開いた。早瀬の手には、バスボムや入浴剤の袋があった。いつも使っているのだろう。
「入浴剤を入れ忘れていたよ。どれがいい?」
「いいよ、もう出るし。勿体ないから」
「俺は使わないから」
「そうなんだ?」
どうして使わないのに持っているのだろう? 付き合っていた人が使っていて、残っているのかも知れない。
「早瀬さんが使ってよ。俺はいいから」
「裕理さん、だろう?」
「ああ……、裕理さん……」
「よく出来ました」
「な、何だよ?」
「泡が残っていたからだよ。あれ?こっちも付いているよ」
「どこ?」
「ここだ……」
首の後ろに手が添えられた。そのまま引き寄せられて、彼の口元が耳に触れた。すると、高校時代の光景が脳裏によぎり、慌てて体を引き離した。トラウマを思い出してしまった。
「わあーーっ」
「シャンプーの泡が残っていないか、見ただけだよ」
早瀬が呆れた顔になって、ため息をついた。いつもなら笑っているのに、今回の反応は違う。謝ろうとすると、早瀬が小さな袋を開封して、入浴剤を湯船に入れた。すると、乳白色の湯が湯船に広がり、良い匂いがした。しかし、俺はそれを沈み込んだ気持ちで見つめた。早瀬に悪かったと思ったからだ。そして、彼が風呂から出て行った。
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恋愛感情には応えられないと言ってある。早瀬はそれを承知しているし、キス以上はしない約束だ。それなのに、過剰に反応するのは失礼だ。
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