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早瀬から肩を抱かれた。今日はたくさん遊んだ。体が密着することも多かった。でも、楽しかったから意識しなかった。しかし今はそうではない。さらに心臓の鼓動が高鳴った。
「悠人君」
「な、なに?」
「よく知っている相手でも、上手くいくとは限らないよ。王子様とお姫様が結ばれて、一生幸せに暮らしたケースもあるだろう。恋人同士になった瞬間が、新しいスタートだからね」
「そうだよね……。分かっているけど抵抗があるよ」
「そのことを聞けて嬉しかったよ。よく知らないから、付き合えないんだよね?恋愛対象外ではないという事だ」
「そういう意味じゃないよ!」
「今日一緒に過ごして、もっと好きになった」
「ええ?」
「君のことが好きなんだ。考えてほしい」
「裕理さん……」
胸がキュウッと締め付けられた。名前を呼ぶことしか出来ない。沈黙が続いた後、早瀬が腕時計に視線を向けた。そして、俺はさらに胸が痛くなった。どうしてだろう。早瀬が時計を見るのが嫌だ。ここから動きたくない。もっと星空を眺めたいからだ。早瀬と一緒に。そこへ考えが行きついた途端、声を上げてしまった。
「わあーーっ」
「悠人君?どうした?」
早瀬から肩を揺すられ始めた。俺の頭の中はパニックだ。肩を掴まれている場所から伝わる体温が、頭の中でサイレンを鳴らしているかのようだ。何もされていないのに、勝手に後ずさりをした。 どうしてここで思い出すのか?目の前にいるのは早瀬なのに、あの男の顔が重なった。
それは、俺は高校2年生の時の話だ。あの男は大学1年生だった。一人暮らしを始めた彼のマンションに、よく泊まるようになった。バンド仲間の一人として。あの時の会話を思い出した。
『悠人。寂しいのを我慢しなくてもいいんだぞ?一人暮らしだから気にするな』
『いいよ。悪いし……』
『今晩も泊っていけよ。再来週はライブだ。スタジオも学校も近いだろう?』
あの夜、笑いながらベッドに押し倒された。非力さと恐怖心で身動きが取れなくなった隙に、着ている物を脱がされた。肌に唇が触れる寸前で逃げ出すことができた。その後、バンドは解散した。春から受験生ということもあり、バンド活動をやめた。
誰にも話していないが、現在のバンドメンバーで、高校と大学の先輩でもある、並川さんはこのことを知っている。嫌な思い出を引きずらずに、前に進もうと誘われて、今のバンドに入ることを決めた。
おかげで新しい仲間に囲まれて、あの夜のことが過去になりつつある。夢を見なくなっていたのに、今更、思い出してしまった。身体が小刻みに震えているのが分かった。
「悠人君」
「な、なに?」
「よく知っている相手でも、上手くいくとは限らないよ。王子様とお姫様が結ばれて、一生幸せに暮らしたケースもあるだろう。恋人同士になった瞬間が、新しいスタートだからね」
「そうだよね……。分かっているけど抵抗があるよ」
「そのことを聞けて嬉しかったよ。よく知らないから、付き合えないんだよね?恋愛対象外ではないという事だ」
「そういう意味じゃないよ!」
「今日一緒に過ごして、もっと好きになった」
「ええ?」
「君のことが好きなんだ。考えてほしい」
「裕理さん……」
胸がキュウッと締め付けられた。名前を呼ぶことしか出来ない。沈黙が続いた後、早瀬が腕時計に視線を向けた。そして、俺はさらに胸が痛くなった。どうしてだろう。早瀬が時計を見るのが嫌だ。ここから動きたくない。もっと星空を眺めたいからだ。早瀬と一緒に。そこへ考えが行きついた途端、声を上げてしまった。
「わあーーっ」
「悠人君?どうした?」
早瀬から肩を揺すられ始めた。俺の頭の中はパニックだ。肩を掴まれている場所から伝わる体温が、頭の中でサイレンを鳴らしているかのようだ。何もされていないのに、勝手に後ずさりをした。 どうしてここで思い出すのか?目の前にいるのは早瀬なのに、あの男の顔が重なった。
それは、俺は高校2年生の時の話だ。あの男は大学1年生だった。一人暮らしを始めた彼のマンションに、よく泊まるようになった。バンド仲間の一人として。あの時の会話を思い出した。
『悠人。寂しいのを我慢しなくてもいいんだぞ?一人暮らしだから気にするな』
『いいよ。悪いし……』
『今晩も泊っていけよ。再来週はライブだ。スタジオも学校も近いだろう?』
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