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(何かあるな。いつもは近くに座らないから……)
4月のことを思い出した。 このドイツ語クラスで一緒になる生徒と集まった日のことだ。桜木さんから夏樹を紹介された日でもある。お互いに打ち解けて話していた時、北添と山下に邪魔をされた。夏樹が因縁を付けられてしまったからだ。その時の会話を思い出した。
「君が中山夏樹君なんだね?開明高校出身の……」
「うん、そうだよ」
「全国模試の数学と物理で、いつも上位にいたね。俺は北添健太だ。ランキングで名前を見たことあるだろう?」
「名前が沢山あり過ぎて、覚えていないんだ。これからもよろしく」
「へえ。自分より上がいないから、見る必要がなかったのか」
「そんなことはないよ」
「すごく高そうな服だね」
北添達が夏樹が着ていた服装を眺め始めた。黒崎さんが選んだというシャツとを着ていたから、目立っていた。その時、山崎がやって来た。夏樹の着ている服がかっこいいから褒めていた。そこで彼と打ち解けるきっかけにもなったし、助けてもらえたと思った。
「これからよろしく。俺、山崎来庵っていうんだ。近くで見たかったんだ。イタリアブランドだよね?すっげーー。黒塗りの高級車で来た子だよね?運転手からドアを開けられて……」
「うん。転びそうになったところも見られていたかな?」
「ううん。友達と一緒に入って行ったから、声をかけられなかったんだ。あれ?こいつら、友達?」
「いやーー、俺達は違うよなーーー」
「そうだよなーー」
「なんだよ?どうしたんだよ?」
山崎が不思議そうな顔をしていた。しかし、北添達は因縁をつけるのをやめなかった。夏樹の過去を話し始めたからだ。
桜木さんから話を聞いているから、俺は少しだけ夏樹のことを知っていた。中学時代は暴力的で、喧嘩ばかりしていたことを。そして、北添達が言った。開明高校の中山夏樹といえば、暴力沙汰で有名だったということを。
「やめろよ!!」
「何だよ……」
さすがに腹が立って割って入った。完全に言いがかりだからだ。夏樹は本気で相手にせずに、微笑みまで浮かべて切り返していた。それを見て、こういうことが初めてではないと察した。俺は北添達に言った。
「お前らなあ!同じ基準で物を考えるな。ドングリの背比べは、自分達だけでやれよ!」
「何だよ……っ。久田か……」
俺達の気迫に押されたのか、北添達が逃げて行った。
あの集まりが終わった後、学食に入って夏樹と話した。ここの大学では、さっきのような奴は一部だと伝えるためだ。
「あのさ。並川さんから聞いたんだけど。入学したばかりの時は、同じ学校の出身者が集団を作っているんだよ。その他は塾が一緒だったり、予備校の模試で名前を見たことがあったりする。高校時代からお互いに名前を知っているんだよ。そのうち変わってくるよ。夏樹のことを守るよ。平気だからね!」
「ありがとう。これからもよろしく」
「まかせておけよーー」
あの出来事がきっかけで、夏樹と森本と山崎と仲良くなった。そして、その夜、父から電話が掛かってきた。入学関係だと思い電話に出たのに、用件を聞いて呆れてしまった。
「……同じ学年に中山夏樹君がいる。もう会ったか?」
「仲良くなったよ」
「そうか。彼のお父さんは中山和司さんという。法学部時代からの友人だ」
「そうだったんだ。中山さんって、お父さんと同じ弁護士さんだったっけ?」
「そう。弁護士だ。彼の息子というだけが理由じゃない。黒崎製菓は知っているだろう?」
「うん。最近、ニュースで見たよ。合併したよね?」
「中山夏樹君は黒崎製菓と繋がりがある。代表取締役社長の息子とは、パートナー関係だ」
「何それ?」
「同性のパートナーだ。トップの黒崎隆氏が、中山夏樹君のことを息子同然に可愛がっている。親しくなっておけ」
「そういう理由で友達は作らない!」
「悠人。司法試験対策の塾へ行け」
「バンドを始める!バイトもやる!」
「その時間はない」
父親の言うとおりに、受験の時は法学部を選んだ。3年生の時に正式に学部選択をするから、まずは従った。本当は別のことをやりたかったのに。意気地なしで中途半端だ。親元から完全に出て行く力がないと思い知った出来事だった。
4月のことを思い出した。 このドイツ語クラスで一緒になる生徒と集まった日のことだ。桜木さんから夏樹を紹介された日でもある。お互いに打ち解けて話していた時、北添と山下に邪魔をされた。夏樹が因縁を付けられてしまったからだ。その時の会話を思い出した。
「君が中山夏樹君なんだね?開明高校出身の……」
「うん、そうだよ」
「全国模試の数学と物理で、いつも上位にいたね。俺は北添健太だ。ランキングで名前を見たことあるだろう?」
「名前が沢山あり過ぎて、覚えていないんだ。これからもよろしく」
「へえ。自分より上がいないから、見る必要がなかったのか」
「そんなことはないよ」
「すごく高そうな服だね」
北添達が夏樹が着ていた服装を眺め始めた。黒崎さんが選んだというシャツとを着ていたから、目立っていた。その時、山崎がやって来た。夏樹の着ている服がかっこいいから褒めていた。そこで彼と打ち解けるきっかけにもなったし、助けてもらえたと思った。
「これからよろしく。俺、山崎来庵っていうんだ。近くで見たかったんだ。イタリアブランドだよね?すっげーー。黒塗りの高級車で来た子だよね?運転手からドアを開けられて……」
「うん。転びそうになったところも見られていたかな?」
「ううん。友達と一緒に入って行ったから、声をかけられなかったんだ。あれ?こいつら、友達?」
「いやーー、俺達は違うよなーーー」
「そうだよなーー」
「なんだよ?どうしたんだよ?」
山崎が不思議そうな顔をしていた。しかし、北添達は因縁をつけるのをやめなかった。夏樹の過去を話し始めたからだ。
桜木さんから話を聞いているから、俺は少しだけ夏樹のことを知っていた。中学時代は暴力的で、喧嘩ばかりしていたことを。そして、北添達が言った。開明高校の中山夏樹といえば、暴力沙汰で有名だったということを。
「やめろよ!!」
「何だよ……」
さすがに腹が立って割って入った。完全に言いがかりだからだ。夏樹は本気で相手にせずに、微笑みまで浮かべて切り返していた。それを見て、こういうことが初めてではないと察した。俺は北添達に言った。
「お前らなあ!同じ基準で物を考えるな。ドングリの背比べは、自分達だけでやれよ!」
「何だよ……っ。久田か……」
俺達の気迫に押されたのか、北添達が逃げて行った。
あの集まりが終わった後、学食に入って夏樹と話した。ここの大学では、さっきのような奴は一部だと伝えるためだ。
「あのさ。並川さんから聞いたんだけど。入学したばかりの時は、同じ学校の出身者が集団を作っているんだよ。その他は塾が一緒だったり、予備校の模試で名前を見たことがあったりする。高校時代からお互いに名前を知っているんだよ。そのうち変わってくるよ。夏樹のことを守るよ。平気だからね!」
「ありがとう。これからもよろしく」
「まかせておけよーー」
あの出来事がきっかけで、夏樹と森本と山崎と仲良くなった。そして、その夜、父から電話が掛かってきた。入学関係だと思い電話に出たのに、用件を聞いて呆れてしまった。
「……同じ学年に中山夏樹君がいる。もう会ったか?」
「仲良くなったよ」
「そうか。彼のお父さんは中山和司さんという。法学部時代からの友人だ」
「そうだったんだ。中山さんって、お父さんと同じ弁護士さんだったっけ?」
「そう。弁護士だ。彼の息子というだけが理由じゃない。黒崎製菓は知っているだろう?」
「うん。最近、ニュースで見たよ。合併したよね?」
「中山夏樹君は黒崎製菓と繋がりがある。代表取締役社長の息子とは、パートナー関係だ」
「何それ?」
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