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もう息苦しさがなくなったし、胸の痛みも起こらずに済んだ。これからどうしようかと、ため息をついた。何をどう、黒崎にぶつけるのか考えた。優衣さんの家に行って欲しくなかったということと、パーティーに出るのが不安だというのが今の悩みだ。でも、優衣さんの場合は解決する必要があるから、行かないわけにはいかなかった。パーティーは無理強いはされていない。そこで俺は考えた。新しい環境が待ち受けているのが怖いのではないかということだ。
大学進学にはネガティブじゃない。積極的に行きたいと思っている。だったら黒崎について行くのが怖いということだ。黒崎のことが怖くて一緒に居たくないということだろうか。それはない。まだ心を開いて貰えていないと感じているけれども、彼のことは大好きだ。俺の視界に入らなくなるのが怖いと言って貰えた。
そこでやっと気がついた。黒崎に対して、本気で”NO”だと意思表示をしていないことに。だったら黒崎も同じだろうか。まだ知り合って数ヶ月しか経っていない。いくら喧嘩をしても、まだお互いのことが分かっていないと思う。その上で黒崎について行くのは不安があるのは仕方が無いと思う。でも、俺は自分のことは自分でできる。でも、自分に自信が出ないでいる。それが迷っている原因だと思った。
(だから、黒崎さんにぶつけておけってことか。最初のうちは、俺、ぶつけてばかりいた気がするのにな……)
まだ片想い状態だったとき、黒崎から告白されて“NO”だとはっきり言ってきた。あの頃の自分はどこに行ったのだろう。黒崎と付き合うのを迷っていた。今も彼との関係に悩んでいる。でも、始まったばかりだ。もっと付き合いが長くなったら悩まないかもしれない。
そう思ったら、急にお腹が空いてきた。心の中がクリアになった。まるで月に掛かった雲が途切れたかのようだ。そして、また別の雲が覆うだろう。想像でしかできない未来だ。手で払うことのできない距離にあるから、今はその雲を想像して眺めるしか出来ない。でも黒崎本人は近くにいるから、ぶつかり合える。
(嫌われるのが怖いのかな。やっと答えに行き着いた。振出しに戻った気分だ。いいや。これから先を見て……。ああー、黒崎さんが迎えに来た)
ガラス窓の向こうを眺めると、黒崎が店の方に歩いてきているのが見えたから、急に元気が出て来た。涙を拭き、トレーの上を片づけた。でも、すぐに入って来ると思ったのに、黒崎が電話に出ていた。優衣さんだろうか。それともお父さんだろうかと思った。遠目からでも分かるぐらいに、機嫌の悪さを醸し出しているからだ。
(どうしたんだろう……)
電話が長くなりそうだと思った。店に入って来るまでに時間があるだろうから、その間に、カウンターでスコーンを買って来た。これで気分が明るくなり、これで泣いていたのがバレなくて済むと思った。いや、バレてもいい。本音をぶつけて泣いてやると決めた。
後ろを振り返ると、さっき声をかけてくれた人達が席を立っていた。俺が会釈をすると、微笑み返しを受けた。きちんとお礼が言えなかった。ありがとうございましたと、心の中で呟いた。
大学進学にはネガティブじゃない。積極的に行きたいと思っている。だったら黒崎について行くのが怖いということだ。黒崎のことが怖くて一緒に居たくないということだろうか。それはない。まだ心を開いて貰えていないと感じているけれども、彼のことは大好きだ。俺の視界に入らなくなるのが怖いと言って貰えた。
そこでやっと気がついた。黒崎に対して、本気で”NO”だと意思表示をしていないことに。だったら黒崎も同じだろうか。まだ知り合って数ヶ月しか経っていない。いくら喧嘩をしても、まだお互いのことが分かっていないと思う。その上で黒崎について行くのは不安があるのは仕方が無いと思う。でも、俺は自分のことは自分でできる。でも、自分に自信が出ないでいる。それが迷っている原因だと思った。
(だから、黒崎さんにぶつけておけってことか。最初のうちは、俺、ぶつけてばかりいた気がするのにな……)
まだ片想い状態だったとき、黒崎から告白されて“NO”だとはっきり言ってきた。あの頃の自分はどこに行ったのだろう。黒崎と付き合うのを迷っていた。今も彼との関係に悩んでいる。でも、始まったばかりだ。もっと付き合いが長くなったら悩まないかもしれない。
そう思ったら、急にお腹が空いてきた。心の中がクリアになった。まるで月に掛かった雲が途切れたかのようだ。そして、また別の雲が覆うだろう。想像でしかできない未来だ。手で払うことのできない距離にあるから、今はその雲を想像して眺めるしか出来ない。でも黒崎本人は近くにいるから、ぶつかり合える。
(嫌われるのが怖いのかな。やっと答えに行き着いた。振出しに戻った気分だ。いいや。これから先を見て……。ああー、黒崎さんが迎えに来た)
ガラス窓の向こうを眺めると、黒崎が店の方に歩いてきているのが見えたから、急に元気が出て来た。涙を拭き、トレーの上を片づけた。でも、すぐに入って来ると思ったのに、黒崎が電話に出ていた。優衣さんだろうか。それともお父さんだろうかと思った。遠目からでも分かるぐらいに、機嫌の悪さを醸し出しているからだ。
(どうしたんだろう……)
電話が長くなりそうだと思った。店に入って来るまでに時間があるだろうから、その間に、カウンターでスコーンを買って来た。これで気分が明るくなり、これで泣いていたのがバレなくて済むと思った。いや、バレてもいい。本音をぶつけて泣いてやると決めた。
後ろを振り返ると、さっき声をかけてくれた人達が席を立っていた。俺が会釈をすると、微笑み返しを受けた。きちんとお礼が言えなかった。ありがとうございましたと、心の中で呟いた。
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