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再びダーメリアへ
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俺達はアルザス宰相との会談が終わり、部屋から出る。そしてルル達が待機している部屋へと向かい、話した内容を伝えた。
「また面倒事を⋯⋯」
何度目かわからないが、マシロが呆れた様子でこちらに視線を送ってきた。
「魔界の魔物は俺達しか倒せないんだ。このまま放って置くわけにはいかないだろ? それにあの光も気になるし⋯⋯」
「はいはい⋯⋯ユートの病気は今に始まった訳じゃありませんし」
病気言われたよ。人助けの何が悪いと、反論してやりたいぞ。
「それにしても⋯⋯まさかユートがそこまでして、王になりたいとは思いませんでした」
「いや、そういうわけじゃ⋯⋯」
「はっ!なるほど! 王になってハーレムを作るつもりですね」
マシロはとんでもない妄言を吐いてきた。本当やめてほしい。皆に変な目で見られるじゃないか。
俺は周囲に視線を向ける。
するとリズとノア以外が冷たい目でこちらを見ていた。
「そうだったの! ユートは最低ね!」
「英雄色を好むと本に書いてありました。ユートさんならあり得る話ですね」
「ハーレムは男の夢ですから。この世界では一夫多妻が認められていますから問題ないでしょう。私ももう少し若ければ⋯⋯」
「男の夢ですって!」
ヨーゼフさんが余計なことを言うからフィーナが激昂してしまったぞ。余計なことを口にしないでほしい。
「俺はそんなこと考えてないから」
「どうですかね。ユートには色々前科がありますから」
前科だと? マシロは何を言ってるんだ。もしかして湖畔でルルとフィーナを尾行したことを言ってるのか? それとも以前宿屋でリズの裸を見てしまったことを言ってるのか? 思い当たることが多過ぎて言葉を返すことが出来ない。
どうしたらいいものか。
俺が困り果てていると、その不穏な場の空気を壊したのはリズだった。
「ハーレム? とはどういう意味でしょうか?」
王家で純粋培養されて育ったリズには、ハーレムの意味がわからなかったようだ。
「フィーナさん教えて下さい」
リズは清らかな目でフィーナに尋ねる。
するとフィーナは頬を少し赤らめながら答えた。
「ひ、一人の男性が複数の女性に好意を寄せることよ」
「初めて知りました。でもそれはよくないことなのですか?」
「エ、エルフは数が少ないから人間社会みたいに一夫多妻は認められてないの。ほら、奥さんがたくさんいるとその⋯⋯ね」
子供が出来にくいといいたいのだろうか。フィーナは恥ずかしいのか、ハッキリと言葉には出さない。
「さすが、詳しいな」
「へ、変な言い方はやめて! こ、こんなの普通だから普通。常識よ」
「私は知りませんでした。ありがとうございます」
「ど、どういたしまして。とにかくこの話題は終わりよ」
フィーナは顔を真っ赤にして話を切り上げてしまった。
本当はもっと追及してフィーナの恥ずかしがる姿をみたいけど、今はアルザス宰相の依頼について考えるのが先だ。
「もう一度ダーメリア行ってみようと思っている」
刑事じゃないけど現場百遍と言うしな。
あの光がなんなのか、何故光の後に魔界の魔物がいたのか。この件に関してわからないことが多過ぎる。
少しでも情報を得るために、ダーメリアへ行くべきだろう。
「でしたら⋯⋯」
「それなら⋯⋯」
「ダメだ!」
リズとフィーナが何を口にするのか予想出来たため、先に断りを入れる。
「二人も行きたいっていうんだろ? 悪いけどリズとフィーナはここに残ってくれ」
「ですが⋯⋯ユート様だけ危険な場所に行かせる訳にはいきません」
「私も気になるからユートがダメって言っても行くわよ」
何でこのお姫様達はこんなにアクティブなんだ? 人のことは言えないけど、進んで危険に飛び込むのはやめてほしいぞ。だけど二人の言葉は想定の範囲内だ。
「確かに危険かもしれない。だけど現状魔界の魔物を倒せるのは俺達だけだ。もし全員でダーメリアに向かって帝都が襲われたら対処出来なくなる」
「それは⋯⋯」
「⋯⋯その通りね」
「だからここは俺とノアがダーメリアに行ってくる。みんなは万が一に備えて、帝都に待機してほしい」
ちなみにノアを選んだのは、もしかしたらマシロとは違う視点で、何か情報を得られないかと思ってのことだ。
「わかりました。ユート様の仰る通りにします」
「ユートの言う事も一理あるわね」
どうやら二人は俺の言葉に納得してくれたようだ。これで気兼ねなくダーメリアに旅立つことが出来るぞ。
「方針も決まったから、早速ダーメリアに出発するよ」
時間が惜しい。
俺は部屋の外に出るため、ドアを開ける。
すると俺達を待っていたのか、部屋の外に一人の青年が立っていた。
そして青年はこちらを睨みつけると、怒りを滲ませながら言葉を発する。
「やはり姉上の言うとおりだったようだ。何故お前がここにいる⋯⋯ルル!」
「また面倒事を⋯⋯」
何度目かわからないが、マシロが呆れた様子でこちらに視線を送ってきた。
「魔界の魔物は俺達しか倒せないんだ。このまま放って置くわけにはいかないだろ? それにあの光も気になるし⋯⋯」
「はいはい⋯⋯ユートの病気は今に始まった訳じゃありませんし」
病気言われたよ。人助けの何が悪いと、反論してやりたいぞ。
「それにしても⋯⋯まさかユートがそこまでして、王になりたいとは思いませんでした」
「いや、そういうわけじゃ⋯⋯」
「はっ!なるほど! 王になってハーレムを作るつもりですね」
マシロはとんでもない妄言を吐いてきた。本当やめてほしい。皆に変な目で見られるじゃないか。
俺は周囲に視線を向ける。
するとリズとノア以外が冷たい目でこちらを見ていた。
「そうだったの! ユートは最低ね!」
「英雄色を好むと本に書いてありました。ユートさんならあり得る話ですね」
「ハーレムは男の夢ですから。この世界では一夫多妻が認められていますから問題ないでしょう。私ももう少し若ければ⋯⋯」
「男の夢ですって!」
ヨーゼフさんが余計なことを言うからフィーナが激昂してしまったぞ。余計なことを口にしないでほしい。
「俺はそんなこと考えてないから」
「どうですかね。ユートには色々前科がありますから」
前科だと? マシロは何を言ってるんだ。もしかして湖畔でルルとフィーナを尾行したことを言ってるのか? それとも以前宿屋でリズの裸を見てしまったことを言ってるのか? 思い当たることが多過ぎて言葉を返すことが出来ない。
どうしたらいいものか。
俺が困り果てていると、その不穏な場の空気を壊したのはリズだった。
「ハーレム? とはどういう意味でしょうか?」
王家で純粋培養されて育ったリズには、ハーレムの意味がわからなかったようだ。
「フィーナさん教えて下さい」
リズは清らかな目でフィーナに尋ねる。
するとフィーナは頬を少し赤らめながら答えた。
「ひ、一人の男性が複数の女性に好意を寄せることよ」
「初めて知りました。でもそれはよくないことなのですか?」
「エ、エルフは数が少ないから人間社会みたいに一夫多妻は認められてないの。ほら、奥さんがたくさんいるとその⋯⋯ね」
子供が出来にくいといいたいのだろうか。フィーナは恥ずかしいのか、ハッキリと言葉には出さない。
「さすが、詳しいな」
「へ、変な言い方はやめて! こ、こんなの普通だから普通。常識よ」
「私は知りませんでした。ありがとうございます」
「ど、どういたしまして。とにかくこの話題は終わりよ」
フィーナは顔を真っ赤にして話を切り上げてしまった。
本当はもっと追及してフィーナの恥ずかしがる姿をみたいけど、今はアルザス宰相の依頼について考えるのが先だ。
「もう一度ダーメリア行ってみようと思っている」
刑事じゃないけど現場百遍と言うしな。
あの光がなんなのか、何故光の後に魔界の魔物がいたのか。この件に関してわからないことが多過ぎる。
少しでも情報を得るために、ダーメリアへ行くべきだろう。
「でしたら⋯⋯」
「それなら⋯⋯」
「ダメだ!」
リズとフィーナが何を口にするのか予想出来たため、先に断りを入れる。
「二人も行きたいっていうんだろ? 悪いけどリズとフィーナはここに残ってくれ」
「ですが⋯⋯ユート様だけ危険な場所に行かせる訳にはいきません」
「私も気になるからユートがダメって言っても行くわよ」
何でこのお姫様達はこんなにアクティブなんだ? 人のことは言えないけど、進んで危険に飛び込むのはやめてほしいぞ。だけど二人の言葉は想定の範囲内だ。
「確かに危険かもしれない。だけど現状魔界の魔物を倒せるのは俺達だけだ。もし全員でダーメリアに向かって帝都が襲われたら対処出来なくなる」
「それは⋯⋯」
「⋯⋯その通りね」
「だからここは俺とノアがダーメリアに行ってくる。みんなは万が一に備えて、帝都に待機してほしい」
ちなみにノアを選んだのは、もしかしたらマシロとは違う視点で、何か情報を得られないかと思ってのことだ。
「わかりました。ユート様の仰る通りにします」
「ユートの言う事も一理あるわね」
どうやら二人は俺の言葉に納得してくれたようだ。これで気兼ねなくダーメリアに旅立つことが出来るぞ。
「方針も決まったから、早速ダーメリアに出発するよ」
時間が惜しい。
俺は部屋の外に出るため、ドアを開ける。
すると俺達を待っていたのか、部屋の外に一人の青年が立っていた。
そして青年はこちらを睨みつけると、怒りを滲ませながら言葉を発する。
「やはり姉上の言うとおりだったようだ。何故お前がここにいる⋯⋯ルル!」
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続きが楽しみです。
ありがとうございます。これからも読んでいただけるようがんばります。
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では
読んで頂きありがとうございます。
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