33 / 74
連載
スローライフは簡単には送れない
しおりを挟む
エルウッドさんの部屋を退室した後、俺はムーンガーデン王国に戻る準備をして、待ち合わせである城門へと向かう。
すると既にリズとフィーナと見たことのない中年男性が俺のことを待っていた。
「時間通りね。さあ行きましょ」
「いや、ちょっと待ってくれ。こちらの方は?」
「え~と⋯⋯ヨーゼフよ。私のお目付け役。お父さんの差し金でついて来ることになったの」
なるほど。フィーナとしては、ヨーゼフさんについてきてほしくないと言った所か。少し不機嫌に見えるのは気のせいじゃないだろう。
「ヨーゼフです。お見知りおきを」
「ユートです。よろしくお願いします」
何だかヨーゼフさんから圧を感じるのは気のせいか?
仏頂面だし、怒っているのか顔が赤い。俺のことが⋯⋯いや、人族のことが嫌いなのかもしれない。
もし俺の考えている通りなら、これからの旅は少し気が重いな。
「ユート、気にしないでいいわよ。ヨーゼフは寡黙なだけで、人族が嫌いという訳じゃないから」
表情に出ていたのか、フィーナが心配して声をかけてくれた。
「むしろ漆黒の牙を倒した猛者と旅が出来るなんて光栄だって言ってたし」
「そうなの?」
俺はヨーゼフさんの方をチラリと見る。視線が合うとヨーゼフさんは明後日の方を向いてしまった。
えっ? 何? ヨーゼフさんの顔が赤い理由は、実は恥ずかしかっただけってこと?
フィーナはそう言っているが、にわかには信じられない話だ。
「ヨーゼフは恥ずかしがり屋だから、いないものとして扱った方が本人のためだから」
「本当に?」
でもフィーナの言葉でヨーゼフさんは首を縦に振っていた。
どうやらフィーナの言うことが正しいという訳か。
それならあまり気にしないでいいのかな?
「それじゃあ行くわよ。マシロ、ノアおいで」
「あっ! フィーナさんずるいです。独り占めはダメですよ」
「わかったわ」
フィーナはマシロを肩に乗せ、リズはノアを抱っこする。
相変わらず、マシロとノアはお姫様達に大人気だな。
でも護衛の意味も兼ねて、どちらかが常に二人の側にいてくれると助かる。
そしてフィーナとリズがムーンガーデン王国へと足を向け、俺とヨーゼフさんは後ろからついて行く。
「何もトラブルがなければ、明後日には城に到着出来ると思います」
チラッ。
「僕は何か起きる予感がします」
チラッ。
「あなた達の話を聞く限り、何が起きてもおかしくないと思うわ」
チラッ。
「とにかくこれ以上面倒なことは起こさないで下さい。ユート、わかりましたね」
「俺は何もしてないぞ。トラブルの元みたいな言い方しないでくれ」
リズとノアとフィーナはチラリと俺の方に視線を送るだけだったが、マシロは名指しで宣言してきやがった。
俺だって好き好んでトラブルを招いている訳じゃない。この異世界での目標は、のんびりとスローライフを送ることだからな。
でも天界から地上に降りてきてから、本当にトラブル続きだよな。マシロとノアを拾って、リズはベッドで寝ているし、ムーンガーデン王国の跡目争いにも関わってしまった。そしてフィーナと出会ってエルフの国、ガーディアンフォレストに来て神剣を抜き、漆黒の牙を倒してフォラン病にかかってしまった人を救った。
でも地上での生活は、最初は穏やかだった。
だけどあの事件からトラブルに巻き込まれるようになった気がする。
そう、あの事件とは盗賊から公爵令嬢を助けたことだ。
あれがターニングポイントだったのか、その後ギアベルのパーティーに推薦され、人生が狂ったように感じる。
だけど今の俺は帝国の人間ではないし、ムーンガーデン王国とガーディアンフォレスト王国の争いの種になりそうなことは全て解決済みだ。
これからは俺が望んだスローライフが送れるはず。
そして俺の願いが通じたのか、一日目は何のトラブルもなく、旅をすることが出来た。
しかし二日目に事件は起こる。
「ユート、平原に誰か倒れています」
周囲の探知をしていたのか、マシロが突然驚愕の言葉を口にする。
ここはもうムーンガーデン王国内だ。ムーンガーデン王国の人間は、漆黒の牙が討伐されたことはまだ知らないはず。
それなのに平原に足を踏み入れるなんて自殺行為だ。
「どんな人かわかる?」
「いえ、そこまではわかりません。ただ西に一キロ程行った所に人が倒れていると、風が教えてくれました」
一キロ先の人がわかるなんてさすがだな。
「ユート様」
「わかっている。すぐに向かおう」
確率からいってムーンガーデン王国の人間の可能性が高いだろう。王女としては自国の民かもしれないから見過ごすことは出来ないだろう。いや、優しいリズならどんな人でもすぐに助けに行くか。
「とりあえず先に行くからみんなは後から来てくれ」
「わかりました」
リズに抱かれていたマシロが俺の肩に乗ったのを確認して、強化魔法を自分自身にかける。
そしてマシロの指示の元、俺は急ぎ倒れている人の元へ向かうのであった。
走り出してから一分程経つと、マシロが指示してくれた場所付近にたどり着いた。
「あそこです」
マシロが視線を向ける先には、確かに人がうつ伏せで倒れていた。顔は見えないが、セミロングくらいの長さの髪とスカートということから、女性だということがわかる。
そして倒れた拍子でそうなってしまったのかわからないが、スカートが捲れており、白いものが見えている。
「ユート⋯⋯」
マシロが怒気を含んだ声で睨んできた。
「私の世話係ともあろう者が、女性の下着をまじまじと見るなど許されませんよ」
「ま、まじまじとなんて見てないぞ。それより意識があるのか確認した方がいいな」
俺は下着を見てしまったことを誤魔化すため、女性の肩を揺らす。
「大丈夫ですか?」
返事がない。まるで屍のようだ⋯⋯というのは冗談で女性は動く気配がない。
俺は心配になって女性の首を触ってみる。すると脈を確認することが出来たので、少なくとも生きているのは間違いないようだ。
そして俺が首に触れたからなのか、突然女性が⋯⋯いや、女の子がゆっくりと起き上がり、俺と目が合う。
だがその瞳はぼんやりとしていて、焦点があっていないように見えた。
「え~と⋯⋯だいじょう⋯⋯」
俺が言葉を言い終える前に女の子は驚きの行動に出た。
何と突然俺の方に迫り、抱きついてきたのだ。
予想外の行動に動くことが出来ない。
そして女の子は俺の背中に手を回し、一言呟くのであった。
「やっと会えた⋯⋯」
すると既にリズとフィーナと見たことのない中年男性が俺のことを待っていた。
「時間通りね。さあ行きましょ」
「いや、ちょっと待ってくれ。こちらの方は?」
「え~と⋯⋯ヨーゼフよ。私のお目付け役。お父さんの差し金でついて来ることになったの」
なるほど。フィーナとしては、ヨーゼフさんについてきてほしくないと言った所か。少し不機嫌に見えるのは気のせいじゃないだろう。
「ヨーゼフです。お見知りおきを」
「ユートです。よろしくお願いします」
何だかヨーゼフさんから圧を感じるのは気のせいか?
仏頂面だし、怒っているのか顔が赤い。俺のことが⋯⋯いや、人族のことが嫌いなのかもしれない。
もし俺の考えている通りなら、これからの旅は少し気が重いな。
「ユート、気にしないでいいわよ。ヨーゼフは寡黙なだけで、人族が嫌いという訳じゃないから」
表情に出ていたのか、フィーナが心配して声をかけてくれた。
「むしろ漆黒の牙を倒した猛者と旅が出来るなんて光栄だって言ってたし」
「そうなの?」
俺はヨーゼフさんの方をチラリと見る。視線が合うとヨーゼフさんは明後日の方を向いてしまった。
えっ? 何? ヨーゼフさんの顔が赤い理由は、実は恥ずかしかっただけってこと?
フィーナはそう言っているが、にわかには信じられない話だ。
「ヨーゼフは恥ずかしがり屋だから、いないものとして扱った方が本人のためだから」
「本当に?」
でもフィーナの言葉でヨーゼフさんは首を縦に振っていた。
どうやらフィーナの言うことが正しいという訳か。
それならあまり気にしないでいいのかな?
「それじゃあ行くわよ。マシロ、ノアおいで」
「あっ! フィーナさんずるいです。独り占めはダメですよ」
「わかったわ」
フィーナはマシロを肩に乗せ、リズはノアを抱っこする。
相変わらず、マシロとノアはお姫様達に大人気だな。
でも護衛の意味も兼ねて、どちらかが常に二人の側にいてくれると助かる。
そしてフィーナとリズがムーンガーデン王国へと足を向け、俺とヨーゼフさんは後ろからついて行く。
「何もトラブルがなければ、明後日には城に到着出来ると思います」
チラッ。
「僕は何か起きる予感がします」
チラッ。
「あなた達の話を聞く限り、何が起きてもおかしくないと思うわ」
チラッ。
「とにかくこれ以上面倒なことは起こさないで下さい。ユート、わかりましたね」
「俺は何もしてないぞ。トラブルの元みたいな言い方しないでくれ」
リズとノアとフィーナはチラリと俺の方に視線を送るだけだったが、マシロは名指しで宣言してきやがった。
俺だって好き好んでトラブルを招いている訳じゃない。この異世界での目標は、のんびりとスローライフを送ることだからな。
でも天界から地上に降りてきてから、本当にトラブル続きだよな。マシロとノアを拾って、リズはベッドで寝ているし、ムーンガーデン王国の跡目争いにも関わってしまった。そしてフィーナと出会ってエルフの国、ガーディアンフォレストに来て神剣を抜き、漆黒の牙を倒してフォラン病にかかってしまった人を救った。
でも地上での生活は、最初は穏やかだった。
だけどあの事件からトラブルに巻き込まれるようになった気がする。
そう、あの事件とは盗賊から公爵令嬢を助けたことだ。
あれがターニングポイントだったのか、その後ギアベルのパーティーに推薦され、人生が狂ったように感じる。
だけど今の俺は帝国の人間ではないし、ムーンガーデン王国とガーディアンフォレスト王国の争いの種になりそうなことは全て解決済みだ。
これからは俺が望んだスローライフが送れるはず。
そして俺の願いが通じたのか、一日目は何のトラブルもなく、旅をすることが出来た。
しかし二日目に事件は起こる。
「ユート、平原に誰か倒れています」
周囲の探知をしていたのか、マシロが突然驚愕の言葉を口にする。
ここはもうムーンガーデン王国内だ。ムーンガーデン王国の人間は、漆黒の牙が討伐されたことはまだ知らないはず。
それなのに平原に足を踏み入れるなんて自殺行為だ。
「どんな人かわかる?」
「いえ、そこまではわかりません。ただ西に一キロ程行った所に人が倒れていると、風が教えてくれました」
一キロ先の人がわかるなんてさすがだな。
「ユート様」
「わかっている。すぐに向かおう」
確率からいってムーンガーデン王国の人間の可能性が高いだろう。王女としては自国の民かもしれないから見過ごすことは出来ないだろう。いや、優しいリズならどんな人でもすぐに助けに行くか。
「とりあえず先に行くからみんなは後から来てくれ」
「わかりました」
リズに抱かれていたマシロが俺の肩に乗ったのを確認して、強化魔法を自分自身にかける。
そしてマシロの指示の元、俺は急ぎ倒れている人の元へ向かうのであった。
走り出してから一分程経つと、マシロが指示してくれた場所付近にたどり着いた。
「あそこです」
マシロが視線を向ける先には、確かに人がうつ伏せで倒れていた。顔は見えないが、セミロングくらいの長さの髪とスカートということから、女性だということがわかる。
そして倒れた拍子でそうなってしまったのかわからないが、スカートが捲れており、白いものが見えている。
「ユート⋯⋯」
マシロが怒気を含んだ声で睨んできた。
「私の世話係ともあろう者が、女性の下着をまじまじと見るなど許されませんよ」
「ま、まじまじとなんて見てないぞ。それより意識があるのか確認した方がいいな」
俺は下着を見てしまったことを誤魔化すため、女性の肩を揺らす。
「大丈夫ですか?」
返事がない。まるで屍のようだ⋯⋯というのは冗談で女性は動く気配がない。
俺は心配になって女性の首を触ってみる。すると脈を確認することが出来たので、少なくとも生きているのは間違いないようだ。
そして俺が首に触れたからなのか、突然女性が⋯⋯いや、女の子がゆっくりと起き上がり、俺と目が合う。
だがその瞳はぼんやりとしていて、焦点があっていないように見えた。
「え~と⋯⋯だいじょう⋯⋯」
俺が言葉を言い終える前に女の子は驚きの行動に出た。
何と突然俺の方に迫り、抱きついてきたのだ。
予想外の行動に動くことが出来ない。
そして女の子は俺の背中に手を回し、一言呟くのであった。
「やっと会えた⋯⋯」
421
あなたにおすすめの小説
ゴミスキル【生態鑑定】で追放された俺、実は動物や神獣の心が分かる最強能力だったので、もふもふ達と辺境で幸せなスローライフを送る
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティの一員だったカイは、魔物の名前しか分からない【生態鑑定】スキルが原因で「役立たず」の烙印を押され、仲間から追放されてしまう。全てを失い、絶望の中でたどり着いた辺境の森。そこで彼は、自身のスキルが動物や魔物の「心」と意思疎通できる、唯一無二の能力であることに気づく。
森ウサギに衣食住を学び、神獣フェンリルやエンシェントドラゴンと友となり、もふもふな仲間たちに囲まれて、カイの穏やかなスローライフが始まった。彼が作る料理は魔物さえも惹きつけ、何気なく作った道具は「聖者の遺物」として王都を揺るがす。
一方、カイを失った勇者パーティは凋落の一途をたどっていた。自分たちの過ちに気づき、カイを連れ戻そうとする彼ら。しかし、カイの居場所は、もはやそこにはなかった。
これは、一人の心優しき青年が、大切な仲間たちと穏やかな日常を守るため、やがて伝説の「森の聖者」となる、心温まるスローライフファンタジー。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。