猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ

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兆候

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 ルルを背負ったまま歩いていると、王妃様の所まで追い付くことが出来た。

「あら? もしかしてルルさんは疲れているの?」
「はい。そのため俺が背負って行くことにしました」
「そうなの? それなら少し休憩しますか?」

 ルルの体調を考えるならその方がいいかもしれないな。そんなに急ぐ旅でもないし。

「いえ! 大丈夫です! 私のせいで到着を遅らせる訳にはいきません」

 だがルルは王妃様の提案を断ってしまう。俺の背中より、地面に座って休んだ方が疲れは取れると思うけどな。
 でもみんなの歩みを止めたくないという気持ちもわかる。

「う~ん。わかったわ。そういうことにしておくわね」
「そ、それ以外に理由なんてないですよ?」
「何故に疑問系?」
「べ、別にいいじゃないですか! ユートさんはうら若き乙女の身体を堪能していればいいんです」
「やめてくれ。俺がそれ目的でルルをおんぶしていると思われるじゃないか」
「えっ? 違うんですか?」

 こ、こいつは⋯⋯
 今の言葉を聞いていたのか、メイドさんの一人が冷たい視線で俺を見ているぞ。
 このまま下に降ろしてやろうか。

「ふふ⋯⋯二人はとても仲がいいのね」
「そんなことないです。いいように使われているだけです」
「ユートさんが背中に乗っていいって言うから、私は乗っただけですよ」
「た、確かにそうだけど」
「いいじゃないですか仲良しで。ユートさんは何が不満なんですか?」
「まあ仲が悪いよりはいいかな?」
「ですです」

 ルルと話すのは嫌いじゃないからいいけど、王妃様がさっきからクスクスと笑っている。
 何だか恥ずかしいぞ。
 早くこの場から逃げ出したいけど、前方にいるフィーナや国王陛下の所に行くと、それはそれで何か言われそうな気が⋯⋯

「わんわん」

 俺が困っていると、王妃様の側にいたノアが突然吠え始める。
 ん? 何だ? まさか敵か?
 でもノアは慌てている様子はない。これは俺に何か伝えたいことがあるということか?
 王妃様の周囲にはメイドさんと兵士がいるから、ここは少し距離をおくか。

 俺は歩いているスピードを遅くする。
 すると周囲に人がいなくなったタイミングで、ノアが話しかけてきた。

「すみません。ちょっとお伝えしたいことがあって」
「謝ることはないよ。俺もある意味助かったし」
「そうですか? それなら良かったです」

 あのまま王妃様と一緒だったら、ルルとの仲をからかわれそうだったからな。

「実はもっと前からお伝えすれぱ良かったのですが⋯⋯」
「どういうこと?」
「ローレリアに戻ってから身体がおかしくて、背中がムズムズするというか」
「えっ? もしかして何かの病気?」
「いえ、嫌な感じはしないのですが⋯⋯すみません、漠然とした話で」

 どういうことだ? 嫌な感じではないということは病気ではないのか?
 神獣はおろか、動物の病気のことも俺はわからない。
 神獣の生体のことは誰に聞けばいいんだ?

「それと実はこの症状は僕だけじゃなくて⋯⋯」
「まさかマシロも?」
「はい。何日か経てば元に戻ると思ったのですが⋯⋯」
「ごめん。俺には何の要因でそうなっているのか全くわからない」
「いえ、僕も変な相談をしてごめんなさい。でも調子が悪い訳じゃないんです。むしろ調子はいいというか⋯⋯」
「そうだ。フェリに聞いてみようか。神獣のことも知っていたし、フェリならわかるかもしれない」

 ちょうど今エルフの里にいるしな。

「フェリ? 誰ですか? 名前からして女性っぽいですが」

 背中のルルから疑問の声が上がる。

「神樹の妖精だよ」
「妖精さんですか? 見てみたいですね」
「もう見られているかもしれないぞ」
「ん? どういうことですか?」
「まあ会えばわかるよ」

 以前猫化したフィーナも、どうやったか知らないけど見られていたからな。
 もしかして今の会話も聞いているかも知れない。

「楽しみにしてますね」

 ある意味からかうことが好きな二人だから相性がいいのかな。
 ルルの嬉しそうな言葉を聞きながら、俺達は城へと向かうのであった。





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