66 / 74
連載
怪しい光
しおりを挟む
「くっ! どういうことだ!」
なんだこの光は!
白い光が街を飲み込んでいるぞ。
幸いなことにこちらには謎の光は迫っていないが、眩しくて目が開けられなくなってきた。
「ユート様!」
「なんなのよ!」
「こ、怖いです!」
女性陣は恐怖からか、悲鳴を上げながら両腕と背中に抱きついてきた。
少々動き難いが、視覚が光で遮られても三人の位置がわかるのは助かる。
最大限に周囲を警戒して、何が起きても三人を守れるよう身構えた。
そして数秒程時が経ち、徐々に目が開けられるようになってきたため、辺りを確認する。
俺に抱きついているリズとフィーナとルルは無事だ。
マシロとノアもちゃんといるし、ヨーゼフさんも背後に確認することが出来た。
周囲にも他に誰かがいる様子もないし、攻撃を受けたわけでもない。
「今の光はいったい⋯⋯」
「ま、街が光に包まれていたわよ」
言葉からフィーナの不安な様子が伝わってきた。俺は改めてダーメリアの街に視線を送る。
「何か起きている訳じゃなさそうね」
「そうだな。でもこれから何が起きるかわからない。ちょっと確認してくるよ」
「待って! 私も行くわ」
「ユート様が行かれるなら私も」
いや、ダメだろ。わけがわからない現象が起きた場所に、お姫様を連れて行く訳にはいかない。
「二人はここで待っててくれ。ここは俺と⋯⋯」
チラリとマシロとノアに視線を送る。探知能力が高いどちらかに来てもらうと助かる。
「私が行きます」
俺が指名する前にマシロが立候補した。
「ノアはここで世話係達を守っていなさい」
「わかりました」
「ユート、いいですね?」
「あ、ああ」
驚いたな。マシロは面倒くさがって嫌がると思っていたのに。だけど裏を返せば、それだけさっきの光は見過ごせないってことなのか?
これは細心の注意を払って行動した方が良さそうだな。
「行くぞマシロ」
「ええ」
マシロは定位置であるはずの肩には乗らず、自分の足で歩きダーメリアへと向かう。
「ユート様、お気をつけて」
「わ、私は心配なんてしてないから。でも無事に帰って来なきゃ許さないわよ」
俺はリズとフィーナの激励を受ける。しかし二人とは違ってルルは震えて、顔面蒼白になっていた。
リズもフィーナもそれなりに場数を踏んでいるから、予想外のことが起きても冷静でいられるのだろう。だけどルルは箱入りの公爵令嬢であるため、恐怖を感じていてもおかしくはない。
「大丈夫⋯⋯ここにいれば安全だ。ノアもいるしな」
俺はルルを軽く抱きしめる。
「でも⋯⋯」
「すぐに戻って来るよ」
「は、はい⋯⋯」
ルルの震えが収まったので、俺は抱きしめていた手を緩める。
「じゃあ行ってく⋯⋯」
俺は別れの言葉を述べると、リズとフィーナがジト目でこちらを見てきた。
「な、何?」
「女神セレスティア様は仰いました。リズリットを抱きしめてから行きなさいと」
「えっ?」
「さあユート様。セレスティア様のお告げですよ」
リズは手を広げて俺を受け入れる準備をする。
ほ、本当に? 毎回思うがタイミングが良すぎないか?
これはリズが考えていることで、セレスティア様は関係ないんじゃ⋯⋯
疑問に思っていると、俺を急かす声が聞こえてきた。
「早くしなさい。セレスティア様のお告げですよ」
セレスティア様の聖獣であるマシロは、リズの言うことを完全に信じている。逆らうことは許さないという目だな。あれは。
「わ、わかったよ。それじゃあ失礼して⋯⋯」
俺はリズを抱きしめる。すると鼻を刺激する香りが漂ってきた。
ルルの時も思ったが、何で女の子は男には出せない甘い匂いがするのだろう。俺には一生わからなそうだ。
それに胸に大きくて柔らかい物が押しつけられているから、どうしても気になってしまう。
俺は理性が壊れる前にリズから離れる。
「こ、これでいいかな?」
「はい♪」
満面の笑みを返された。
取りあえずこれで⋯⋯ひっ!
フィーナから殺気が⋯⋯こっちを睨んでいる気がする。
リズを抱きしめたことがいけなかったのか? でも前も同じようなことをフィーナの前でしたよな?
その真意が俺にはわからなかった。
「フィーナ様、ここは素直に私も抱きしめてというべきでは?」
「な、何を言ってるのよ! べべべ、別にそんなこと一ミリも考えてないわよ!」
ヨーゼフさんの指摘にフィーナが慌て始める。
えっ? 本当にフィーナが?
フィーナはいつもツンツンしているため、俺にはヨーゼフさんの言うことが信じられなかった。でも漆黒の牙を倒した時に、感極って頬にキスをしてきたな。強ちヨーゼフさんの言うことも間違ってないのか?
「やれやれ。フィーナ様は相変わらずですな」
「別に変じゃないでしょ⋯⋯で、でもユートがどうしても不安だから、落ち着くために私を抱きしめたいって言うなら許可してあげないこともないけど」
確かに不安ではあるけど狼狽えているわけじゃない。だから落ち着く必要はないけど、ヨーゼフさんがフィーナの後ろで頭を下げているから、ここは抱きしめた方がいいのか? でも抱きしめるって口にしたら「この変態!」って言われて、平手打ちが飛んで来ないよな?
「じゃ、じゃあ⋯⋯いいかな」
俺は恐る恐る口する。
するとフィーナは顔を赤らめて、ゆっくり手を広げた。
オッケーが出たってことで良いんだよな?
俺はリズにした時と同じように、フィーナを優しく抱きしめる。
すると先程リズやルルから感じた時と同じように、フィーナから甘い香りがした。
しかし二人と決定的に違う所がある。
それは胸からは⋯⋯いや、考えるのはやめよう。もし口に出したら、ダーメリアを確認する前にフィーナにやられてしまう。
俺は心の声を封印することにして、フィーナから離れる。
「ぜ、絶対に無事に帰って来なさいよ」
「わかってる。約束するよ」
フィーナはそっぽを向きながら話しかけてくる。
おそらく抱きしめられて凄く恥ずかしかったのだろう。
「それじゃあ行ってくるよ」
俺は見送るリズ達を背に、マシロとダーメリアの街へと向かうのであった。
―――――
【猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る】2巻が、アルファポリス様より4月16日頃に書籍化されることが決定しました!
フィーナのツンデレや意地悪なフェリが登場し、1巻よりさらにパワーアップした内容となっています。
もし書店等で見かけましたら、手にとって頂けると幸いです。
なんだこの光は!
白い光が街を飲み込んでいるぞ。
幸いなことにこちらには謎の光は迫っていないが、眩しくて目が開けられなくなってきた。
「ユート様!」
「なんなのよ!」
「こ、怖いです!」
女性陣は恐怖からか、悲鳴を上げながら両腕と背中に抱きついてきた。
少々動き難いが、視覚が光で遮られても三人の位置がわかるのは助かる。
最大限に周囲を警戒して、何が起きても三人を守れるよう身構えた。
そして数秒程時が経ち、徐々に目が開けられるようになってきたため、辺りを確認する。
俺に抱きついているリズとフィーナとルルは無事だ。
マシロとノアもちゃんといるし、ヨーゼフさんも背後に確認することが出来た。
周囲にも他に誰かがいる様子もないし、攻撃を受けたわけでもない。
「今の光はいったい⋯⋯」
「ま、街が光に包まれていたわよ」
言葉からフィーナの不安な様子が伝わってきた。俺は改めてダーメリアの街に視線を送る。
「何か起きている訳じゃなさそうね」
「そうだな。でもこれから何が起きるかわからない。ちょっと確認してくるよ」
「待って! 私も行くわ」
「ユート様が行かれるなら私も」
いや、ダメだろ。わけがわからない現象が起きた場所に、お姫様を連れて行く訳にはいかない。
「二人はここで待っててくれ。ここは俺と⋯⋯」
チラリとマシロとノアに視線を送る。探知能力が高いどちらかに来てもらうと助かる。
「私が行きます」
俺が指名する前にマシロが立候補した。
「ノアはここで世話係達を守っていなさい」
「わかりました」
「ユート、いいですね?」
「あ、ああ」
驚いたな。マシロは面倒くさがって嫌がると思っていたのに。だけど裏を返せば、それだけさっきの光は見過ごせないってことなのか?
これは細心の注意を払って行動した方が良さそうだな。
「行くぞマシロ」
「ええ」
マシロは定位置であるはずの肩には乗らず、自分の足で歩きダーメリアへと向かう。
「ユート様、お気をつけて」
「わ、私は心配なんてしてないから。でも無事に帰って来なきゃ許さないわよ」
俺はリズとフィーナの激励を受ける。しかし二人とは違ってルルは震えて、顔面蒼白になっていた。
リズもフィーナもそれなりに場数を踏んでいるから、予想外のことが起きても冷静でいられるのだろう。だけどルルは箱入りの公爵令嬢であるため、恐怖を感じていてもおかしくはない。
「大丈夫⋯⋯ここにいれば安全だ。ノアもいるしな」
俺はルルを軽く抱きしめる。
「でも⋯⋯」
「すぐに戻って来るよ」
「は、はい⋯⋯」
ルルの震えが収まったので、俺は抱きしめていた手を緩める。
「じゃあ行ってく⋯⋯」
俺は別れの言葉を述べると、リズとフィーナがジト目でこちらを見てきた。
「な、何?」
「女神セレスティア様は仰いました。リズリットを抱きしめてから行きなさいと」
「えっ?」
「さあユート様。セレスティア様のお告げですよ」
リズは手を広げて俺を受け入れる準備をする。
ほ、本当に? 毎回思うがタイミングが良すぎないか?
これはリズが考えていることで、セレスティア様は関係ないんじゃ⋯⋯
疑問に思っていると、俺を急かす声が聞こえてきた。
「早くしなさい。セレスティア様のお告げですよ」
セレスティア様の聖獣であるマシロは、リズの言うことを完全に信じている。逆らうことは許さないという目だな。あれは。
「わ、わかったよ。それじゃあ失礼して⋯⋯」
俺はリズを抱きしめる。すると鼻を刺激する香りが漂ってきた。
ルルの時も思ったが、何で女の子は男には出せない甘い匂いがするのだろう。俺には一生わからなそうだ。
それに胸に大きくて柔らかい物が押しつけられているから、どうしても気になってしまう。
俺は理性が壊れる前にリズから離れる。
「こ、これでいいかな?」
「はい♪」
満面の笑みを返された。
取りあえずこれで⋯⋯ひっ!
フィーナから殺気が⋯⋯こっちを睨んでいる気がする。
リズを抱きしめたことがいけなかったのか? でも前も同じようなことをフィーナの前でしたよな?
その真意が俺にはわからなかった。
「フィーナ様、ここは素直に私も抱きしめてというべきでは?」
「な、何を言ってるのよ! べべべ、別にそんなこと一ミリも考えてないわよ!」
ヨーゼフさんの指摘にフィーナが慌て始める。
えっ? 本当にフィーナが?
フィーナはいつもツンツンしているため、俺にはヨーゼフさんの言うことが信じられなかった。でも漆黒の牙を倒した時に、感極って頬にキスをしてきたな。強ちヨーゼフさんの言うことも間違ってないのか?
「やれやれ。フィーナ様は相変わらずですな」
「別に変じゃないでしょ⋯⋯で、でもユートがどうしても不安だから、落ち着くために私を抱きしめたいって言うなら許可してあげないこともないけど」
確かに不安ではあるけど狼狽えているわけじゃない。だから落ち着く必要はないけど、ヨーゼフさんがフィーナの後ろで頭を下げているから、ここは抱きしめた方がいいのか? でも抱きしめるって口にしたら「この変態!」って言われて、平手打ちが飛んで来ないよな?
「じゃ、じゃあ⋯⋯いいかな」
俺は恐る恐る口する。
するとフィーナは顔を赤らめて、ゆっくり手を広げた。
オッケーが出たってことで良いんだよな?
俺はリズにした時と同じように、フィーナを優しく抱きしめる。
すると先程リズやルルから感じた時と同じように、フィーナから甘い香りがした。
しかし二人と決定的に違う所がある。
それは胸からは⋯⋯いや、考えるのはやめよう。もし口に出したら、ダーメリアを確認する前にフィーナにやられてしまう。
俺は心の声を封印することにして、フィーナから離れる。
「ぜ、絶対に無事に帰って来なさいよ」
「わかってる。約束するよ」
フィーナはそっぽを向きながら話しかけてくる。
おそらく抱きしめられて凄く恥ずかしかったのだろう。
「それじゃあ行ってくるよ」
俺は見送るリズ達を背に、マシロとダーメリアの街へと向かうのであった。
―――――
【猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る】2巻が、アルファポリス様より4月16日頃に書籍化されることが決定しました!
フィーナのツンデレや意地悪なフェリが登場し、1巻よりさらにパワーアップした内容となっています。
もし書店等で見かけましたら、手にとって頂けると幸いです。
79
あなたにおすすめの小説
ゴミスキル【生態鑑定】で追放された俺、実は動物や神獣の心が分かる最強能力だったので、もふもふ達と辺境で幸せなスローライフを送る
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティの一員だったカイは、魔物の名前しか分からない【生態鑑定】スキルが原因で「役立たず」の烙印を押され、仲間から追放されてしまう。全てを失い、絶望の中でたどり着いた辺境の森。そこで彼は、自身のスキルが動物や魔物の「心」と意思疎通できる、唯一無二の能力であることに気づく。
森ウサギに衣食住を学び、神獣フェンリルやエンシェントドラゴンと友となり、もふもふな仲間たちに囲まれて、カイの穏やかなスローライフが始まった。彼が作る料理は魔物さえも惹きつけ、何気なく作った道具は「聖者の遺物」として王都を揺るがす。
一方、カイを失った勇者パーティは凋落の一途をたどっていた。自分たちの過ちに気づき、カイを連れ戻そうとする彼ら。しかし、カイの居場所は、もはやそこにはなかった。
これは、一人の心優しき青年が、大切な仲間たちと穏やかな日常を守るため、やがて伝説の「森の聖者」となる、心温まるスローライフファンタジー。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。