男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして？

無自覚モード

プロローグ 神様大っ嫌い

「神様神様かみさまぁッーー！　どうか来世は貞操逆転世界に転生させてください！　そしておっぱいが大きい美少女たちとイチャラブさせてくださいーーーっ！！」
　
　ある日の休日。
　僕は神社にお参りに来ていた。

　何故かって？　今の生活に不満だから。

　日浦大晴ひうらたいせい　高校2年、男子。

　スペック　凡人
　彼女なし、ヘタレ、童貞。

　………。

　う、うるさいっ！　
　僕はハーレムを作るんだ！

　貞操逆転世界にいって、イケメンになって、美少女とイチャラブするんだッ！

　そんな不毛な願いを神聖な神社で祈ったバチが当たったのか、その帰り——僕はトラックに轢かれ死んだ。

　実に寂しい人生だった。
　彼女もできず、女の子とイチャイチャできす。
　それどころか女友達の1人すらいなかった。

　ハーレム主人公◯ねっ！　ハーレム主人公◯ねっ！





「と……ここまでは覚えてるんだよなぁ」

　なんて振り返りながら現実を見る。

　確かに僕はお願い通り貞操逆転世界に転生して、今は教室にいる。

　貞操逆転世界の学園といえば皆さんご存知。

　女子にモテモテ。
　何をやっても許される。
　自然にハーレムができる。
　「あれ？　僕なんかしちゃった？」とすっとぼける。
　
　まさに男の欲望を具現化した素晴らしき世界。

　だがしかし、この学園だけは——

「喉渇いたからジュース買ってこいって言ってるだろっ！」

「は、はひ！」

　隣を見ていると、同じクラスの男子で気の弱い田中がまた女子にパシリをされていた。

　普通女子は男子に媚び媚び。

　例外で、僕の通う学園だけは女子の方が男子より立場が上という『女尊男卑』を取り入れているのだ。
　
　つまり、簡単にハーレムができる環境ではない。

　……神様だいっきらい。