魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

文字の大きさ
1,238 / 1,526
第24章 ドラゴニックエスタ トライアル

第1230話 風呂に必要なのは水だけじゃない

しおりを挟む
部下とは言え‥。そして、屋上のテスト風呂から聞こえる。親子の風呂会話は、こっちの木の板が薄いために聞こえる…という切ない事態だった。ついでに…。
「柴崎…大きい。浮いてる。」
「こらこら…。」
 とか聞かされる私の複雑さを誰かに言いたくなった。そして一時間ほどたつと出てきた二人の顔はすっきりしていた。
「ありがとうございます。でも…これで完成ではないんですか?」
「温度のパイプの長さの調整と燃費の調整だ。一応完成形を調整している。」
「…でもそこまでですか?」
「この辺にノウハウが無いんだ。だから体当たりだ。それに…もう試作版は送ったから向こうの資金とやる気だけだ。」
 実際風呂を組み立てた事はない。というのも今の建築の多くはユニットバスで、単純に風呂場ごと買うんだ。だから風呂場を建築できる建築家というのは地味に少ない。
「…私達の家は寄宿舎なので、風呂を置きたくてもできないんです。」
「まあな、処理に関してはまだ完全ではないからな。排水問題もある。」
「何でですか?」
「この風呂は水を”飲み水作成”で作ってるから必要MPが多い。そして作った水の排水ができないから携帯風呂にならないんだ。」
「…水?」
 水を飲み水作成で作って…風呂に入れるまではいい。熱いのもいい。だが風呂桶に残った水はどうする?という問題もある。そう、水が無限生成されるのも問題に入る。しかも風呂に入った水を飲めないのである。これだけは今のところ排水溝から捨てているが。
「ダンジョンに水を捨てるのと違い…結構問題になるんだ。その結論が出ていない。その辺はじつは向こうに提供していない。」
「結構いろいろあるんですね。」
「…試作品でいい。家に欲しい。」
 どうもエナリシアも遠慮なく欲しがるようになったな。というか、純粋な目で見つめられると困る。
「まあ、重さで運べるのと…配管関連さえどうにかすればいいぞ。」
「…確かに。」
 その言葉に自分たちの部屋を思い…難しい顔になっていた。
「…ここに来る…ダメ?」
「ここは海に捨てるだけでいいが…そう言えば排水システムが無いな。」
 そう、この家も排水システムが無い。そこが難しいな。
「というかパイプ自体がまず開発されてないな。そこからか。」
「…?」
エナリシアだけが理解できない顔になっていた。
「丸と円柱を作れないと無理なんだ。そこがな。」
「作ればいいのでは?」
「何かな…数学は教えても。分かるか?」
「一応聞いたことがあります。が魔法があるなら簡単では?」
「それがそうでもない。まず知識が無いと成型できない。流石にオーパーツすぎると思ってな。」
 そう、計測機器もないのに大丈夫なのか…それが怖い。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...