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第二章 長安編
陣容
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まず韓欽、あざなは翁君。武人ではなく文人で、年齢はこの時期すでに壮年。あるは五十代だったかもしれない。
鄧禹から見れば父親の年代だが、彼は主君にすら直言をはばからない硬骨の人として有名だった。
その為人は、畏怖と同時に信頼と敬意を他者に抱かせるもので、鄧禹は自らに足りない「威」を彼に担ってもらおうと考えていた。
樊崇は赤眉の首領と同姓同名だがまったくの別人である。
こちらは武人で、年齢も壮年の四十代であろうか。呉漢などに比べて目覚ましい武勲を立てているわけではないが、堅実で大崩れせず、確実に勝利を手に入れる型の将である。
なにより人としての器が大きく、将兵から自然と慕われており、鄧禹は樊崇のこの部分に大きく期待していた。
つまり鄧禹は、韓欽に全軍に対しての規律を、樊崇に実戦部隊の将兵のまとめ役を任せようと考えていたのだ。
もちろん鄧禹自身も遠征の中で実力を示し、将兵たちの信頼を厚くしてゆくつもりである。
この他に鄧禹は、文人として李文、李春、程慮、武人として馮愔、宗欽、登尋、耿訢、左于の名を挙げている。どの人物も大器には及ばないが有能であり、県の運営や、将として兵をひきいるに不都合はないと思われた。
またこの人選は北州平定に全力を尽くさなければならない劉秀から引き抜ける人員の限度であり、鄧禹らが抜けることで低下する劉秀軍全体の損失を最低限に抑えるものでもあった。劉秀も麾下の人材の能力はほぼ把握しており、鄧禹が示した名簿を見ただけで、彼の意図を正確に理解したのである。このあたり、主従は高い水準で互いを理解しあっていた。
だがそれが理解できるだけに、劉秀にはこの陣容が薄氷上の均衡によってのみ最大の力を発揮できる危険をはらんでいると察してもいた。
李文ら文人の方はさほど問題ではない。だが武人の方は険や癖の強い者がいる。能力を第一に考えた人選ゆえだろうが、下手をすれば味方同士で諍いが起こり、最悪の場合、内部崩壊してしまう恐れがあった。そのあたりを抑えるために樊崇を選んでいるのだろうが、逆に言えば樊崇に何かあればこれらの危険が一気に噴出してしまう。
劉秀は少し難しい顔をして黙り込んでしまったが、その様子から鄧禹は主君が何を考えているかを察した。
「殿下、臣の未熟ゆえのご懸念、慙愧に堪えませぬ。ですがこの状況でのこの一挙、いかに算段したとて万全というわけには参りませぬ。臣も殿下のご期待に添えるよう力を尽くして事に当たりますゆえ、どうぞこの陣容での出撃をお許しください」
鄧禹の殊勝な物言いに、劉秀は彼の軍師も同じあやうさを自覚していることを知り、その危険を承知の上で断行する覚悟ができていることも知った。
本来であれば、不確定な情報と前提をもとに軍を発するなど下の下なのだが、これほど事態が流動的では完全な準備など望むべくもない。そもそも流動的だからこそ付け込む好機が訪れたわけで、状況が定まってしまえばもう手遅れなのだ。今の劉秀陣営で、臨機応変に状況を活かし、長安奪取という目的を完遂するためには、これが最良の人選といえた。
それを自身の中で再確認すると、劉秀も腹を決めた。
「わかった、おぬしの言うとおりにしよう。頼むぞ、仲華」
「感謝いたします、殿下」
自分への信頼と決意を主君の表情に見た鄧禹は、うれしさと責任の重さを感じつつ頭を下げると、そのまま二人で細かな打ち合わせに入る。
総大将たる鄧禹を前将軍、韓欽を軍師、李文、李春、程慮を祭酒、樊崇を驍騎将軍、馮愔を積弩将軍、宗欽を車騎将軍、登尋を建威将軍、耿訢を赤眉将軍、左于を軍師将軍に任じることを決め、それを次の日の軍議で発表する。将いる兵は二万。ただの二万ではなく、劉秀軍の中でも精鋭の半数が与えられたことになる。それだけでこの任務の重要性はすべての将兵に理解できた。
鄧禹の長安遠征は、これにより正式に決定されたことになる。
赤眉がすでに行動を起こしていることもあり、編成と出発にあまり時間をかけることはできなかったが、それでも鄧禹も諸将も満足できるだけの部隊を組むことはできた。
「数が少なすぎはしませぬか、前将軍」
編成において韓欽は鄧禹にそう質した。鄧禹は韓欽から見れば息子のような年齢であるが、この遠征軍では鄧禹が上位だとわきまえているため、彼を立てることに難は見せない。
韓欽の性情は謹厳実直。前述したように筋が通らねば主君に対しても強諫をはばからず、それは時に劉秀ですら煙たさを感じるほどだったが、この厳格さこそが韓欽の信頼の源であり、彼がうなずけば誰も異を唱えることはなかった。
「これ以上殿下の本隊から兵を割くわけにはまいりませぬ。それにこれから行く先は中華で最も人口の多い地域です。勝ち続ければいくらでも兵は増えましょう。二万の兵はそのための核です」
ある意味、鄧禹にとって韓欽のような男への対応は楽であった。筋が通らなければ頑強に反対するということは、筋さえ通せばあっさり納得してくれるものである。さらに鄧禹は年長者への接し方に気を配り続けて生きてきただけに、韓欽の感情を害するような愚も犯さない。
あるいはこの二人、誰が思う以上に最適な組み合わせかもしれなかった。
「そうですな。勝てば兵は増える。むしろ多くなりすぎて手に余るほどになるかもしれませぬな。そうなったらなったで大変かもしれませぬが、どうにかなるでしょう」
と、この場にいたもう一人が声をあげて笑った。
実戦部隊の統率を任されている樊崇である。大柄だが銚期や蓋延ほどではなく、それでも彼らと質の違うおおらかさを感じるのは、樊崇の人としての器ゆえであろう。韓欽と違う意味で兵や部下たちに「この人が言うのであれば」と自然に納得させてしまう徳があった。
理と情と双方向から兵たちを納得させられる「両腕」に、鄧禹の安堵を増した。
「確かに。人員を増やせれば兵も増えましょうし、余剰になれば河内の寇太守のところへ送ってもよし、またこれから占拠する街に配してもいい。ゆえにまずは一つ一つ勝つことに専念いたしましょう」
穏やかな鄧禹の言に、年長の二人はうなずいた。
軍の編成が終わると、閲兵式もそこそこに鄧禹らは出立した。
「長安を取る」
出立前の兵への演説は短く簡潔なものだったが、この一点だけで彼らには自らの使命の重さを実感することができた。それほど長安奪取とは大事業なのだ。
兵たちには鄧禹が総大将であることもこのとき発表されたが、彼らの間に意外さは薄かった。鄧禹はそれほど劉秀陣営の重鎮として認められていたのだが、意外さはともかく不安の小波すら起こらなかったのは、彼の脇に韓欽や樊崇らが控えていたのも大きな理由だったろう。自らの年齢を常に忘れることが許されない鄧禹は、内心で小さく安堵の息をついていた。
「箕関(関塞の一つ)より河東郡へ入る」
長安への道程において、鄧禹は赤眉と同じ道を使わないことも明言した。
赤眉は函谷関を通って関中へ入り、弘農郡を抜けて、長安への最短距離を西進している。箕関のある河東郡は弘農郡の北に位置し、この進路を取るなら鄧禹らは赤眉の北を進むことになる。劉秀たちの根拠地が北州である以上、北寄りの土地から入る方が都合がいいというのもあるが、他にもいくつか理由はあった。
「赤眉の後をついていっても不毛なだけだからな」
と、鄧禹は苦笑する。事実、赤眉の通った後は略奪され尽くして草も生えないという状態である。保存技術が未熟なこの時代、主に食糧は現地で調達しなければならない。ゆえに鄧禹ら遠征軍にとってこれは死活問題になる。最悪の場合、飢えて前にも後ろにも進めなくなったところを反転してきた赤眉に襲われ、壊滅させられる恐れもあるのだ。
また今回の目的の根幹は、更始帝と赤眉が相争う中、漁夫の利で長安を掌握することにある。彼らが対峙する様を遠巻きに臨むのは当然のことだった。
鄧禹から見れば父親の年代だが、彼は主君にすら直言をはばからない硬骨の人として有名だった。
その為人は、畏怖と同時に信頼と敬意を他者に抱かせるもので、鄧禹は自らに足りない「威」を彼に担ってもらおうと考えていた。
樊崇は赤眉の首領と同姓同名だがまったくの別人である。
こちらは武人で、年齢も壮年の四十代であろうか。呉漢などに比べて目覚ましい武勲を立てているわけではないが、堅実で大崩れせず、確実に勝利を手に入れる型の将である。
なにより人としての器が大きく、将兵から自然と慕われており、鄧禹は樊崇のこの部分に大きく期待していた。
つまり鄧禹は、韓欽に全軍に対しての規律を、樊崇に実戦部隊の将兵のまとめ役を任せようと考えていたのだ。
もちろん鄧禹自身も遠征の中で実力を示し、将兵たちの信頼を厚くしてゆくつもりである。
この他に鄧禹は、文人として李文、李春、程慮、武人として馮愔、宗欽、登尋、耿訢、左于の名を挙げている。どの人物も大器には及ばないが有能であり、県の運営や、将として兵をひきいるに不都合はないと思われた。
またこの人選は北州平定に全力を尽くさなければならない劉秀から引き抜ける人員の限度であり、鄧禹らが抜けることで低下する劉秀軍全体の損失を最低限に抑えるものでもあった。劉秀も麾下の人材の能力はほぼ把握しており、鄧禹が示した名簿を見ただけで、彼の意図を正確に理解したのである。このあたり、主従は高い水準で互いを理解しあっていた。
だがそれが理解できるだけに、劉秀にはこの陣容が薄氷上の均衡によってのみ最大の力を発揮できる危険をはらんでいると察してもいた。
李文ら文人の方はさほど問題ではない。だが武人の方は険や癖の強い者がいる。能力を第一に考えた人選ゆえだろうが、下手をすれば味方同士で諍いが起こり、最悪の場合、内部崩壊してしまう恐れがあった。そのあたりを抑えるために樊崇を選んでいるのだろうが、逆に言えば樊崇に何かあればこれらの危険が一気に噴出してしまう。
劉秀は少し難しい顔をして黙り込んでしまったが、その様子から鄧禹は主君が何を考えているかを察した。
「殿下、臣の未熟ゆえのご懸念、慙愧に堪えませぬ。ですがこの状況でのこの一挙、いかに算段したとて万全というわけには参りませぬ。臣も殿下のご期待に添えるよう力を尽くして事に当たりますゆえ、どうぞこの陣容での出撃をお許しください」
鄧禹の殊勝な物言いに、劉秀は彼の軍師も同じあやうさを自覚していることを知り、その危険を承知の上で断行する覚悟ができていることも知った。
本来であれば、不確定な情報と前提をもとに軍を発するなど下の下なのだが、これほど事態が流動的では完全な準備など望むべくもない。そもそも流動的だからこそ付け込む好機が訪れたわけで、状況が定まってしまえばもう手遅れなのだ。今の劉秀陣営で、臨機応変に状況を活かし、長安奪取という目的を完遂するためには、これが最良の人選といえた。
それを自身の中で再確認すると、劉秀も腹を決めた。
「わかった、おぬしの言うとおりにしよう。頼むぞ、仲華」
「感謝いたします、殿下」
自分への信頼と決意を主君の表情に見た鄧禹は、うれしさと責任の重さを感じつつ頭を下げると、そのまま二人で細かな打ち合わせに入る。
総大将たる鄧禹を前将軍、韓欽を軍師、李文、李春、程慮を祭酒、樊崇を驍騎将軍、馮愔を積弩将軍、宗欽を車騎将軍、登尋を建威将軍、耿訢を赤眉将軍、左于を軍師将軍に任じることを決め、それを次の日の軍議で発表する。将いる兵は二万。ただの二万ではなく、劉秀軍の中でも精鋭の半数が与えられたことになる。それだけでこの任務の重要性はすべての将兵に理解できた。
鄧禹の長安遠征は、これにより正式に決定されたことになる。
赤眉がすでに行動を起こしていることもあり、編成と出発にあまり時間をかけることはできなかったが、それでも鄧禹も諸将も満足できるだけの部隊を組むことはできた。
「数が少なすぎはしませぬか、前将軍」
編成において韓欽は鄧禹にそう質した。鄧禹は韓欽から見れば息子のような年齢であるが、この遠征軍では鄧禹が上位だとわきまえているため、彼を立てることに難は見せない。
韓欽の性情は謹厳実直。前述したように筋が通らねば主君に対しても強諫をはばからず、それは時に劉秀ですら煙たさを感じるほどだったが、この厳格さこそが韓欽の信頼の源であり、彼がうなずけば誰も異を唱えることはなかった。
「これ以上殿下の本隊から兵を割くわけにはまいりませぬ。それにこれから行く先は中華で最も人口の多い地域です。勝ち続ければいくらでも兵は増えましょう。二万の兵はそのための核です」
ある意味、鄧禹にとって韓欽のような男への対応は楽であった。筋が通らなければ頑強に反対するということは、筋さえ通せばあっさり納得してくれるものである。さらに鄧禹は年長者への接し方に気を配り続けて生きてきただけに、韓欽の感情を害するような愚も犯さない。
あるいはこの二人、誰が思う以上に最適な組み合わせかもしれなかった。
「そうですな。勝てば兵は増える。むしろ多くなりすぎて手に余るほどになるかもしれませぬな。そうなったらなったで大変かもしれませぬが、どうにかなるでしょう」
と、この場にいたもう一人が声をあげて笑った。
実戦部隊の統率を任されている樊崇である。大柄だが銚期や蓋延ほどではなく、それでも彼らと質の違うおおらかさを感じるのは、樊崇の人としての器ゆえであろう。韓欽と違う意味で兵や部下たちに「この人が言うのであれば」と自然に納得させてしまう徳があった。
理と情と双方向から兵たちを納得させられる「両腕」に、鄧禹の安堵を増した。
「確かに。人員を増やせれば兵も増えましょうし、余剰になれば河内の寇太守のところへ送ってもよし、またこれから占拠する街に配してもいい。ゆえにまずは一つ一つ勝つことに専念いたしましょう」
穏やかな鄧禹の言に、年長の二人はうなずいた。
軍の編成が終わると、閲兵式もそこそこに鄧禹らは出立した。
「長安を取る」
出立前の兵への演説は短く簡潔なものだったが、この一点だけで彼らには自らの使命の重さを実感することができた。それほど長安奪取とは大事業なのだ。
兵たちには鄧禹が総大将であることもこのとき発表されたが、彼らの間に意外さは薄かった。鄧禹はそれほど劉秀陣営の重鎮として認められていたのだが、意外さはともかく不安の小波すら起こらなかったのは、彼の脇に韓欽や樊崇らが控えていたのも大きな理由だったろう。自らの年齢を常に忘れることが許されない鄧禹は、内心で小さく安堵の息をついていた。
「箕関(関塞の一つ)より河東郡へ入る」
長安への道程において、鄧禹は赤眉と同じ道を使わないことも明言した。
赤眉は函谷関を通って関中へ入り、弘農郡を抜けて、長安への最短距離を西進している。箕関のある河東郡は弘農郡の北に位置し、この進路を取るなら鄧禹らは赤眉の北を進むことになる。劉秀たちの根拠地が北州である以上、北寄りの土地から入る方が都合がいいというのもあるが、他にもいくつか理由はあった。
「赤眉の後をついていっても不毛なだけだからな」
と、鄧禹は苦笑する。事実、赤眉の通った後は略奪され尽くして草も生えないという状態である。保存技術が未熟なこの時代、主に食糧は現地で調達しなければならない。ゆえに鄧禹ら遠征軍にとってこれは死活問題になる。最悪の場合、飢えて前にも後ろにも進めなくなったところを反転してきた赤眉に襲われ、壊滅させられる恐れもあるのだ。
また今回の目的の根幹は、更始帝と赤眉が相争う中、漁夫の利で長安を掌握することにある。彼らが対峙する様を遠巻きに臨むのは当然のことだった。
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毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
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