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アニエス、王宮侍女になりました
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「君との婚約をなかった事にして欲しい。
君と結婚はできない。すまないアニエス」
すべてはこの言葉から始まった。
もともと是非にと請われた婚約だった。
代々、騎士を輩出してきた武門の家だが、
子爵家。しかも、魔物が跋扈する辺境に居を
構える田舎者。
王都の侯爵家とは家格が違い過ぎる。
それでも私がいいと熱烈に求婚された。
侯爵家の嫡男、ロベルト様。
父君の視察に随行し、森で魔物に襲われて
いたところを兄達とお助けしたのが
縁だった。
「君は、僕の運命の人だ!」
私を他家へ養子縁組させてまで無理を通し
て婚約したのはロベルト様だったはず……。
でも、運命は身長差に負けたらしい。
無理やり養子に出され王都に来た時の私は
小柄な娘だった。
12歳、まだ成長期。私の身長は伸びた。
伸びすぎた。
ロベルト様より高くなった身長は
ロベルト様の高いプライドを傷つけた。
「あんなに可愛いかったのに……」
彼の身長に追い付いた十五歳から疎まれ、
さらに彼の身長を追い抜いた十七歳で婚約
を破棄された。
「役立たずめ!今までかかった金を返せ!」
侯爵家との縁を期待して私を養子にした
伯爵は婚約破棄された私に怒り狂った。
縁を切られ、身ひとつで叩き出される。
王都に親しい者がいない私は途方に暮れた。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
夕暮れ時に女が一人。暗い顔で橋の上から
川面を見つめている。それが目を引いたの
か老年の優しそうな騎士様が心配して声を
かけてくれた。
騎士様に請われるまま、事情を説明する
うちにポロポロと大粒の涙がこぼれる。
やはり心細かったのだ。悲しかった。
何でこんな事にとやりきれなかった。
「大変だったね。とりあえず家においで」
騎士様は私を自宅に連れて帰ってくれた。
出迎えた奥様は目を真っ赤に腫らした私に
驚きはしたが優しく、何くれとなく世話を
して下さった。
「城へ上がってみるかい?」
騎士様は翌日、王宮に私を連れて行った。
今は閑職にあるがそれなりに地位のある方
なのだろう。下女として働けるようにその
日のうちに決まってしまった。
「辛かったり何か困ったら私を頼りなさい。
第三騎士団に行けば私に連絡がつくから。
ところで親御さんには、本当に連絡しなく
ていいのかい?」
騎士様、オ―ウェン様は心配そうな顔で
私に問いかける。もう、本当に善い方だ。
思わす笑顔で答える。
「はい、もう縁は切られてますから」
生家の家族のことだ。父と三人の兄達。
仲は良かったはずなのに。
嫌がったのに無理矢理養子に出された。
寂しくて王都に来てから何通も家族に
手紙を書いた。
でも、返事はなかった。一通も。
父や兄達に何かしてしまったのだろうか?
嫌われてしまったの?
五年で期待するのはやめてしまった。
オ―ウェン様は何か思案顔だが頷く。
「しっかり、働きなさい」
大きな手で私の頭を撫でてくれた。
「ありがとうございました。」
オ―ウェン様の背中に頭を下げる。
城の案内人に遠慮がちに声を掛けられ
るまで。
「これから働く場所と寮に案内しますね。
ですが、その前に王宮に働く者として受け
なければならない儀式があります。
まずは、そちらにご案内しますね」
ちょっとふくよかな案内人は人の善さそう
な笑顔を見せる。私は 三の閣の兵舎の下女
として採用された。当然そちらへ直接行く
ものだと思っていたがどうやら違うようだ。
「儀式ですか?」
「ええ、これから案内する庭で咲いている
花を一輪摘んでくるだけです。どの花でも
かまいません。」
「……花ですか?」
「そんなに難しく考えなくとも大丈夫。
ただ王宮に勤める者は、必ず確かめる事に
なっているだけです」
余程私が困惑顔だったのだろう。
案内人は安心させるように笑う。
何だか不思議な話だ。
王宮に勤めるのに花を摘む儀式なんて。
何を確かめるのだろう?
まあ、案内人の呑気な顔を見る限り
大変な事ではなさそうだ。
お城は広い。案内人が汗をハンカチで
拭う頃合いで目的地に着いたようだ。
特に変わった様子はない。
薔薇や色とりどりの花が咲き乱れる
見事な庭園が広がっている。
女神像が置いてある。
ファメラ、恋の女神だ。
「 では、女神像を越えた先に咲く花を
摘んきて下さい。
最初に言っておきますが摘んで来れなく
ても気にしないで下さいね。
むしろ摘んで来られる方が大事です。
人によっては、何かしらの衝撃がある
場合があります。
怪我をしないように。
倒れないように。
無理せず。もう、進めないと思ったら
すぐに引き返して下さい」
「はい」
いや、何だか物騒な事をサラっと言った?
倒れるって何?
衝撃って何?
衝撃のある庭って何?
不安に思いながら
ゆっくり女神像を目指し歩く。
すた、すた、すた。
「あれ?特になんともないけど……。
最初に脅かすのが儀式なのかな?」
特に問題なく女神像を通過する。
ふと足元を見ると小さな白い花が咲いて
いる。自然に手がのび花を摘む。
辺境の荒れ地によく咲く花だ。
懐かしい。
王宮で咲いているなんて……。
ちょっと感慨深く花を見つめ匂いを嗅ぐ。
甘い花の香りを感じながら振り向くと
案内人が顎がはずれんばかりに驚いていた。
「……こりゃ、大事だ」
案内人は汗を拭き拭き呟いた。
確かにその後、大事になった。
身元保証人であるオ―ウェン様はすぐに
呼び戻され、王宮魔術師団長様や侍従長、
女官長と畏れ多い方々に話しを聞かれた。
そこから三ヶ月、必要な知識を詰め込まれ
侍女としての教育を受ける事になる。
私の身元調査の時間稼ぎの意味もあったの
だろう。
そう私は第二王女様付きの侍女となる事に
なったのだ。
何がどうしてこうなった?
三の閣の兵舎の下女から、王女様付の侍女に
いきなり昇格だ。
元の身分は子爵家とはいえ伯爵家に養子に
入り、侯爵家の花嫁修業をした身だ。
まあ、侍女としての勤めはできるだろう。
ただし、今は勘当されて平民ですけれど。
身分はいいのかしら?
オ―ウェン様に聞いてみる。
「身分より何より、第二王女宮に入れる事が
重要なんだよ。普通の人間は宮に入る事が
できないから」
それってどういう事?私は小首を 傾げる。
「第二王女様は呪われているんだよ。
突然、出現した結界に弾かれて宮から一歩
も出られない。
外からも宮には入れない。
もう十年、完全に孤立した状態だ」
「えっ?あの第二王女様の呪いの話は本当
なのですか?噂話ではなく?」
病気療養中で宮から出て来られないのだと
思っていたのに呪い?
「呪いというか……。あの女神像から先は
王女宮の庭に繋がっていて見えない結界が
あるから普通は弾かれたり、動けなくなっ
たり意識がなくなったりするんだけどね」
「私はなんともなかったですけど?」
「まあ、それは普通ではないね」
今、サラっと普通じゃない言われました。
地味にショック。
「魔術師団長は、結界の影響を受けない。
だが、魔力の強さが問題な訳ではない。
他に二人、結界の影響を受けない者が
いるのだけれど、
一人はほぼ魔力がないからね。
今はその二人が王女様付きの侍女として
仕えている。
城に仕える者全て試し、これぞと思われる
魔力持ちを試してきたが結界の影響を
受けない者は現れなかった。
君は十年ぶりに現れた三人目の侍女になる。
まあ、 大事だろう?」
なんか大変な事になってきた。
王女様の侍女……責任重大だ。
何だか頭がついてこない。
でも、職と住居は保証されているのは
私にとってはありがたい事だ。
よし。前向きに考えて頑張ってみよう。
「私に何が出来るか分かりません…。
ですが誠心誠意お仕えさせていただきます」
オ―ウェン様はにっこり笑うと大きな手で
私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
こうして、私は王宮侍女になりました。
君と結婚はできない。すまないアニエス」
すべてはこの言葉から始まった。
もともと是非にと請われた婚約だった。
代々、騎士を輩出してきた武門の家だが、
子爵家。しかも、魔物が跋扈する辺境に居を
構える田舎者。
王都の侯爵家とは家格が違い過ぎる。
それでも私がいいと熱烈に求婚された。
侯爵家の嫡男、ロベルト様。
父君の視察に随行し、森で魔物に襲われて
いたところを兄達とお助けしたのが
縁だった。
「君は、僕の運命の人だ!」
私を他家へ養子縁組させてまで無理を通し
て婚約したのはロベルト様だったはず……。
でも、運命は身長差に負けたらしい。
無理やり養子に出され王都に来た時の私は
小柄な娘だった。
12歳、まだ成長期。私の身長は伸びた。
伸びすぎた。
ロベルト様より高くなった身長は
ロベルト様の高いプライドを傷つけた。
「あんなに可愛いかったのに……」
彼の身長に追い付いた十五歳から疎まれ、
さらに彼の身長を追い抜いた十七歳で婚約
を破棄された。
「役立たずめ!今までかかった金を返せ!」
侯爵家との縁を期待して私を養子にした
伯爵は婚約破棄された私に怒り狂った。
縁を切られ、身ひとつで叩き出される。
王都に親しい者がいない私は途方に暮れた。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
夕暮れ時に女が一人。暗い顔で橋の上から
川面を見つめている。それが目を引いたの
か老年の優しそうな騎士様が心配して声を
かけてくれた。
騎士様に請われるまま、事情を説明する
うちにポロポロと大粒の涙がこぼれる。
やはり心細かったのだ。悲しかった。
何でこんな事にとやりきれなかった。
「大変だったね。とりあえず家においで」
騎士様は私を自宅に連れて帰ってくれた。
出迎えた奥様は目を真っ赤に腫らした私に
驚きはしたが優しく、何くれとなく世話を
して下さった。
「城へ上がってみるかい?」
騎士様は翌日、王宮に私を連れて行った。
今は閑職にあるがそれなりに地位のある方
なのだろう。下女として働けるようにその
日のうちに決まってしまった。
「辛かったり何か困ったら私を頼りなさい。
第三騎士団に行けば私に連絡がつくから。
ところで親御さんには、本当に連絡しなく
ていいのかい?」
騎士様、オ―ウェン様は心配そうな顔で
私に問いかける。もう、本当に善い方だ。
思わす笑顔で答える。
「はい、もう縁は切られてますから」
生家の家族のことだ。父と三人の兄達。
仲は良かったはずなのに。
嫌がったのに無理矢理養子に出された。
寂しくて王都に来てから何通も家族に
手紙を書いた。
でも、返事はなかった。一通も。
父や兄達に何かしてしまったのだろうか?
嫌われてしまったの?
五年で期待するのはやめてしまった。
オ―ウェン様は何か思案顔だが頷く。
「しっかり、働きなさい」
大きな手で私の頭を撫でてくれた。
「ありがとうございました。」
オ―ウェン様の背中に頭を下げる。
城の案内人に遠慮がちに声を掛けられ
るまで。
「これから働く場所と寮に案内しますね。
ですが、その前に王宮に働く者として受け
なければならない儀式があります。
まずは、そちらにご案内しますね」
ちょっとふくよかな案内人は人の善さそう
な笑顔を見せる。私は 三の閣の兵舎の下女
として採用された。当然そちらへ直接行く
ものだと思っていたがどうやら違うようだ。
「儀式ですか?」
「ええ、これから案内する庭で咲いている
花を一輪摘んでくるだけです。どの花でも
かまいません。」
「……花ですか?」
「そんなに難しく考えなくとも大丈夫。
ただ王宮に勤める者は、必ず確かめる事に
なっているだけです」
余程私が困惑顔だったのだろう。
案内人は安心させるように笑う。
何だか不思議な話だ。
王宮に勤めるのに花を摘む儀式なんて。
何を確かめるのだろう?
まあ、案内人の呑気な顔を見る限り
大変な事ではなさそうだ。
お城は広い。案内人が汗をハンカチで
拭う頃合いで目的地に着いたようだ。
特に変わった様子はない。
薔薇や色とりどりの花が咲き乱れる
見事な庭園が広がっている。
女神像が置いてある。
ファメラ、恋の女神だ。
「 では、女神像を越えた先に咲く花を
摘んきて下さい。
最初に言っておきますが摘んで来れなく
ても気にしないで下さいね。
むしろ摘んで来られる方が大事です。
人によっては、何かしらの衝撃がある
場合があります。
怪我をしないように。
倒れないように。
無理せず。もう、進めないと思ったら
すぐに引き返して下さい」
「はい」
いや、何だか物騒な事をサラっと言った?
倒れるって何?
衝撃って何?
衝撃のある庭って何?
不安に思いながら
ゆっくり女神像を目指し歩く。
すた、すた、すた。
「あれ?特になんともないけど……。
最初に脅かすのが儀式なのかな?」
特に問題なく女神像を通過する。
ふと足元を見ると小さな白い花が咲いて
いる。自然に手がのび花を摘む。
辺境の荒れ地によく咲く花だ。
懐かしい。
王宮で咲いているなんて……。
ちょっと感慨深く花を見つめ匂いを嗅ぐ。
甘い花の香りを感じながら振り向くと
案内人が顎がはずれんばかりに驚いていた。
「……こりゃ、大事だ」
案内人は汗を拭き拭き呟いた。
確かにその後、大事になった。
身元保証人であるオ―ウェン様はすぐに
呼び戻され、王宮魔術師団長様や侍従長、
女官長と畏れ多い方々に話しを聞かれた。
そこから三ヶ月、必要な知識を詰め込まれ
侍女としての教育を受ける事になる。
私の身元調査の時間稼ぎの意味もあったの
だろう。
そう私は第二王女様付きの侍女となる事に
なったのだ。
何がどうしてこうなった?
三の閣の兵舎の下女から、王女様付の侍女に
いきなり昇格だ。
元の身分は子爵家とはいえ伯爵家に養子に
入り、侯爵家の花嫁修業をした身だ。
まあ、侍女としての勤めはできるだろう。
ただし、今は勘当されて平民ですけれど。
身分はいいのかしら?
オ―ウェン様に聞いてみる。
「身分より何より、第二王女宮に入れる事が
重要なんだよ。普通の人間は宮に入る事が
できないから」
それってどういう事?私は小首を 傾げる。
「第二王女様は呪われているんだよ。
突然、出現した結界に弾かれて宮から一歩
も出られない。
外からも宮には入れない。
もう十年、完全に孤立した状態だ」
「えっ?あの第二王女様の呪いの話は本当
なのですか?噂話ではなく?」
病気療養中で宮から出て来られないのだと
思っていたのに呪い?
「呪いというか……。あの女神像から先は
王女宮の庭に繋がっていて見えない結界が
あるから普通は弾かれたり、動けなくなっ
たり意識がなくなったりするんだけどね」
「私はなんともなかったですけど?」
「まあ、それは普通ではないね」
今、サラっと普通じゃない言われました。
地味にショック。
「魔術師団長は、結界の影響を受けない。
だが、魔力の強さが問題な訳ではない。
他に二人、結界の影響を受けない者が
いるのだけれど、
一人はほぼ魔力がないからね。
今はその二人が王女様付きの侍女として
仕えている。
城に仕える者全て試し、これぞと思われる
魔力持ちを試してきたが結界の影響を
受けない者は現れなかった。
君は十年ぶりに現れた三人目の侍女になる。
まあ、 大事だろう?」
なんか大変な事になってきた。
王女様の侍女……責任重大だ。
何だか頭がついてこない。
でも、職と住居は保証されているのは
私にとってはありがたい事だ。
よし。前向きに考えて頑張ってみよう。
「私に何が出来るか分かりません…。
ですが誠心誠意お仕えさせていただきます」
オ―ウェン様はにっこり笑うと大きな手で
私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
こうして、私は王宮侍女になりました。
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