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竜石
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ピチョン……冷た!
頬に落ちて来た水滴で覚醒する。
冷たく湿った地面に一人倒れていた私。
ゆっくりと起き上がる。
何かに呼ばれて『穴』に落ちた。
そしてまたまた気絶したのね。
もういい加減慣れてもいいのに!
……ところであれはなんだろう?
今私がいるのはとても広い洞窟。
竜体の時に使う巣穴よりもさらに広く
天井が高い。
その中央に光り輝く菱形の黒い物体が宙に
浮いている。
その物体からの光りのお陰で洞窟は明るい。
……黒いけれど水晶とかガラスみたいな
透明感のある素材。
大きな黒いダイアモンドのようだ。
私の体の倍ぐらいはありそうな黒い
ダイアモンド。
宙に浮きながらゆっくりと回転している。
私、これに呼ばれた?
ゆっくり近づき手を伸ばし、そっと触れた。
すると黒いダイアモンドから何かが私の中に
流れこんでくる。何かのエネルギーだ。
魔力?何これ、気持ち悪い!
慌てて手を離そうとするが体が動かない。
右手が黒いダイアモンドに張り付いて
外れない。その間にもエネルギーが
どんどん体の中に吸収されていく。
ビリビリと体が痺れ目が霞む。
『これ以上はダメよ!』
頭の中で声がする。
あれ?私の声だよね。私の頭の中で私の声が
叫んでいる。
『一人じゃダメ!グレンを呼びなさい!』
助けて……グレン様。
『アニエス声に出して!』
そう言われても口を動かせない。
声もでない。これまずいかも……。
グレン様、助けて。
意識が薄れてきた。
『アニエスダメよ!しっかり!』
私の声に励まされ閉じかけていた目蓋を
開ける。するとどこからか、ひらひらと
金色の蝶が飛んできて私の肩にとまった。
──金竜?
私の肩に止まった金色の蝶はあっと言う間に
黒く染まって砕け散る。
また一匹……二匹と数を増やし金色の蝶が
私の体にとまり黒く染まって砕け散る。
少し楽になった?
口が動く。
「グレン様……助けて」
言葉を口にのせた途端、後ろから抱きしめ
られた。包み込まれ感じる体温と匂いに
心の底からほっとする。
「アニエス」
かすれる声で名を呼ばれた。
「グレン様」
「また一人で何をしている?すぐに呼べ」
「ごめんなさい。自分でも何でこんな事に
なったのか分からなくて。
これに呼ばれて触ったらこんな事に……」
あ、手が外れた。
黒いダイアモンドに張り付いていた手が
離れた。足に力が入らない。
すぐにグレン様に抱き上げられる。
グレン様……人の姿だ。
良かった。竜の姿もきれいで素敵だけれど
やっぱり人の姿のグレン様の方が好き。
「あれ?黒くない……」
黒いダイアモンドが透明なダイアモンドに
変化している。
キラキラと輝く様子はまさにダイアモンド。
「負のエネルギーだったな。お前が浄化
したんだ。結界が張られ中に入れず焦った」
「結界?ここはどこです?それにこれは?」
「竜石です。ここは竜石の間です」
いつの間にかキハダが後ろに立っていた。
キハダの肩には金色の蝶がとまっている。
黒竜と青竜もいる。
「チビすけ……大丈夫か?」
「おチビちゃん……顔色が悪い。どこかで
休んだ方がいい」
いや、あなた達の顔色の方が悪いよ。
物凄く心配かけたみたい。ごめんね?
「私の巣穴に行きましょう。私の巣穴には
誰も入れませんから」
キハダが申し出る。
「そうだな……小僧、いいか?」
黒竜がグレン様に尋ねる。
「かまわない。アニエスを早くここから
離したい。どこてもいい。安全ならな」
グレン様が機嫌悪そうに言う。
あ~心配かけてごめんなさい!
何でホイホイ呼ばれてうっかり触って
しまったかな私は!
悪い物じゃないと思ったのに。
結果的にグレン様達に思い切り心配かけて
しまった。ううっ!後悔。
一人反省していると肩に小さなトカゲが
ちょこんと乗っているのに気がつく。
「それは私のトカゲ。通行権の代わりです。
ついてきて下さい」
キハダが『穴』に消える。
次いで黒竜と青竜も『穴』に消える。
残されたのは私とグレン様の二人。
グレン様が私の額に自分の額を当てる。
「熱があるな。体も熱い。大丈夫か?」
「はい。来てくれてありがとうグレン様」
「もっと早くに呼べ。お前が呼べば俺は
どこにでもお前の側に飛べる」
「誰かにもグレン様を呼べと言われました。
意識がなくなりそうになった時にも励まし
てくれて。私の頭の中で私の声で話しかけて
きて……あれは誰なんでしょう?」
「たぶん黒のアニエスだな。金のアニエスは
俺といたから」
「黒のアニエス?それに金のアニエス?」
「お前の中の黒竜の魔力と金竜の魔力だよ。
落ち着いたら話をしよう。とにかくここから
早く離れたい。行くぞ?」
グレン様は私の頬に口づけを一つ落とすと
私を抱きあげたまま『穴』に落ちる。
あ~また。
暗転する。
私の意識はそこで途絶えた。
頬に落ちて来た水滴で覚醒する。
冷たく湿った地面に一人倒れていた私。
ゆっくりと起き上がる。
何かに呼ばれて『穴』に落ちた。
そしてまたまた気絶したのね。
もういい加減慣れてもいいのに!
……ところであれはなんだろう?
今私がいるのはとても広い洞窟。
竜体の時に使う巣穴よりもさらに広く
天井が高い。
その中央に光り輝く菱形の黒い物体が宙に
浮いている。
その物体からの光りのお陰で洞窟は明るい。
……黒いけれど水晶とかガラスみたいな
透明感のある素材。
大きな黒いダイアモンドのようだ。
私の体の倍ぐらいはありそうな黒い
ダイアモンド。
宙に浮きながらゆっくりと回転している。
私、これに呼ばれた?
ゆっくり近づき手を伸ばし、そっと触れた。
すると黒いダイアモンドから何かが私の中に
流れこんでくる。何かのエネルギーだ。
魔力?何これ、気持ち悪い!
慌てて手を離そうとするが体が動かない。
右手が黒いダイアモンドに張り付いて
外れない。その間にもエネルギーが
どんどん体の中に吸収されていく。
ビリビリと体が痺れ目が霞む。
『これ以上はダメよ!』
頭の中で声がする。
あれ?私の声だよね。私の頭の中で私の声が
叫んでいる。
『一人じゃダメ!グレンを呼びなさい!』
助けて……グレン様。
『アニエス声に出して!』
そう言われても口を動かせない。
声もでない。これまずいかも……。
グレン様、助けて。
意識が薄れてきた。
『アニエスダメよ!しっかり!』
私の声に励まされ閉じかけていた目蓋を
開ける。するとどこからか、ひらひらと
金色の蝶が飛んできて私の肩にとまった。
──金竜?
私の肩に止まった金色の蝶はあっと言う間に
黒く染まって砕け散る。
また一匹……二匹と数を増やし金色の蝶が
私の体にとまり黒く染まって砕け散る。
少し楽になった?
口が動く。
「グレン様……助けて」
言葉を口にのせた途端、後ろから抱きしめ
られた。包み込まれ感じる体温と匂いに
心の底からほっとする。
「アニエス」
かすれる声で名を呼ばれた。
「グレン様」
「また一人で何をしている?すぐに呼べ」
「ごめんなさい。自分でも何でこんな事に
なったのか分からなくて。
これに呼ばれて触ったらこんな事に……」
あ、手が外れた。
黒いダイアモンドに張り付いていた手が
離れた。足に力が入らない。
すぐにグレン様に抱き上げられる。
グレン様……人の姿だ。
良かった。竜の姿もきれいで素敵だけれど
やっぱり人の姿のグレン様の方が好き。
「あれ?黒くない……」
黒いダイアモンドが透明なダイアモンドに
変化している。
キラキラと輝く様子はまさにダイアモンド。
「負のエネルギーだったな。お前が浄化
したんだ。結界が張られ中に入れず焦った」
「結界?ここはどこです?それにこれは?」
「竜石です。ここは竜石の間です」
いつの間にかキハダが後ろに立っていた。
キハダの肩には金色の蝶がとまっている。
黒竜と青竜もいる。
「チビすけ……大丈夫か?」
「おチビちゃん……顔色が悪い。どこかで
休んだ方がいい」
いや、あなた達の顔色の方が悪いよ。
物凄く心配かけたみたい。ごめんね?
「私の巣穴に行きましょう。私の巣穴には
誰も入れませんから」
キハダが申し出る。
「そうだな……小僧、いいか?」
黒竜がグレン様に尋ねる。
「かまわない。アニエスを早くここから
離したい。どこてもいい。安全ならな」
グレン様が機嫌悪そうに言う。
あ~心配かけてごめんなさい!
何でホイホイ呼ばれてうっかり触って
しまったかな私は!
悪い物じゃないと思ったのに。
結果的にグレン様達に思い切り心配かけて
しまった。ううっ!後悔。
一人反省していると肩に小さなトカゲが
ちょこんと乗っているのに気がつく。
「それは私のトカゲ。通行権の代わりです。
ついてきて下さい」
キハダが『穴』に消える。
次いで黒竜と青竜も『穴』に消える。
残されたのは私とグレン様の二人。
グレン様が私の額に自分の額を当てる。
「熱があるな。体も熱い。大丈夫か?」
「はい。来てくれてありがとうグレン様」
「もっと早くに呼べ。お前が呼べば俺は
どこにでもお前の側に飛べる」
「誰かにもグレン様を呼べと言われました。
意識がなくなりそうになった時にも励まし
てくれて。私の頭の中で私の声で話しかけて
きて……あれは誰なんでしょう?」
「たぶん黒のアニエスだな。金のアニエスは
俺といたから」
「黒のアニエス?それに金のアニエス?」
「お前の中の黒竜の魔力と金竜の魔力だよ。
落ち着いたら話をしよう。とにかくここから
早く離れたい。行くぞ?」
グレン様は私の頬に口づけを一つ落とすと
私を抱きあげたまま『穴』に落ちる。
あ~また。
暗転する。
私の意識はそこで途絶えた。
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