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「二人ともお疲れ様、今日は上がって良いよ、気をつけて帰るんだよ。」
今バイトが終わり俺たちは二人で着替えている。
そう、俺と城田の二人で、、
退院して初めてバイトに入った時、何故か城田もバイトで入っていた。
なんでも俺が入院している間俺の代わりとして城田がバイトしてくれていたらしい、城田がバイトを始めてから明らかに女性客が増えて売上も上がりそのままここで働いてくれるようにオーナーが頼んだらしいのだが、問題はそのシフトである。
俺と城田のシフトが全く同じなのだ。
そしてバイト先でも城田の過保護は健在で、何かと俺の心配をしては手伝おうとするし、さっきは少しよろけただけで城田が飛んできて肩を抱き寄せてきた。
城田目当てで増えた女性客の何人かがその光景を見て嬉しい悲鳴をあげていた。
よく見ると大学で見かける顔が何人か紛れていた。
このままでは過保護脱却がより遠ざかってしまう。
どうしてこんなに城田と一緒なのかオーナーに聞いたら、あの事件があって俺が心配だからだと言われてしまった。
花岡から俺と城田が一緒に住んでいることを聞いていたらしく、なら同じシフトにして一緒に帰れば安全だと考えたらしい。
そんな風に言われてしまえば納得せざるえない。退院してからオーナーのお疲れ様の挨拶に必ず「気を付けて帰ってね」が着くようになったのだ。本当に色んな人に心配をかけてしまっている自分が情けない。
とにかくこれで俺たちは違う講義を受ける時間以外は一日中一緒にいることになる。
そしてそれが別に嫌じゃないことに俺は危機感を覚えている。
この状況に慣れすぎてしまったら、もし本当に城田が誰かと付き合った時俺はどうなってしまうのか。
花岡には止められたがここは作戦を急ぐためにも現状を知っておく必要がある。
俺は勇気をだしてオシャレな私服に着替え終わった城田に聞くことにした。
「それでさ城田、モデル関係の人へのアプローチは上手くいってるの?」
「モデル関係?」
「城田がアプローチしてる好きな人ってモデルの仕事関係の人だろ?」
城田は驚いた顔をして俺を凝視する。
どうやら図星のようだ俺の推理力を甘く見ていたらしい。
しかしその後城田は盛大にため息をついて何やらぶつぶつ言い始めた。
内容は聞き取らないがかなり落ち込んでいるように見える。
もしかして、、、
「ふられたよ。」
しばらく沈黙が流れたあと城田がポつりと呟いた。
まさかあの城田がふられるなんて思いもよらなかった。
俺がどう返したらいいか悩んでいると、城田が俺の肩をつかんだ。
「俺ふられて辛いんだ、今は何か別のことに専念したい、例えば黒川のお世話とか、、、
友達の傷心を癒すと思って俺のお世話を受け入れてくれない?」
予想外のお願いをされてしまった。
もちろん城田にとってそれで気が紛れるというのなら協力したいが、それを受け入れるということは俺の過保護脱却大作戦の真逆になってしまうことを意味する。
「ごめん、忘れて、こんな頼み気持ち悪いよな」
俺が少し迷っていると城田悲しそうな顔をしてお願いを取り消してきた。
そんな顔されたら断れる訳ないそれに、、
「気持ち悪いわけないだろ、ちょっとびっくりしただけで、むしろ城田に迷惑かけてばっかりな気がして、、」
「迷惑だなんて思ったことない、むしろ俺今、黒川のお世話をしてる時が1番癒されるんだ。」
、、、俺は自分の事ばかり考えていた。
今は先の俺のことは考えずに、せっかく仲良くなれた大事な友達の失恋の傷を癒すことを考えよう。
なんで俺の世話が癒されるのか全くもって謎ではあるが、、、
「分かった、でも人前ではほどほどにな。」
城田は「本当に」っと満面の笑みで喜んでいた。なんか一緒に住む時も同じ手で手懐けられた気がするが、
本当に嬉しそうで、失恋したとは思えない笑顔に深くは考えないことにした。
今バイトが終わり俺たちは二人で着替えている。
そう、俺と城田の二人で、、
退院して初めてバイトに入った時、何故か城田もバイトで入っていた。
なんでも俺が入院している間俺の代わりとして城田がバイトしてくれていたらしい、城田がバイトを始めてから明らかに女性客が増えて売上も上がりそのままここで働いてくれるようにオーナーが頼んだらしいのだが、問題はそのシフトである。
俺と城田のシフトが全く同じなのだ。
そしてバイト先でも城田の過保護は健在で、何かと俺の心配をしては手伝おうとするし、さっきは少しよろけただけで城田が飛んできて肩を抱き寄せてきた。
城田目当てで増えた女性客の何人かがその光景を見て嬉しい悲鳴をあげていた。
よく見ると大学で見かける顔が何人か紛れていた。
このままでは過保護脱却がより遠ざかってしまう。
どうしてこんなに城田と一緒なのかオーナーに聞いたら、あの事件があって俺が心配だからだと言われてしまった。
花岡から俺と城田が一緒に住んでいることを聞いていたらしく、なら同じシフトにして一緒に帰れば安全だと考えたらしい。
そんな風に言われてしまえば納得せざるえない。退院してからオーナーのお疲れ様の挨拶に必ず「気を付けて帰ってね」が着くようになったのだ。本当に色んな人に心配をかけてしまっている自分が情けない。
とにかくこれで俺たちは違う講義を受ける時間以外は一日中一緒にいることになる。
そしてそれが別に嫌じゃないことに俺は危機感を覚えている。
この状況に慣れすぎてしまったら、もし本当に城田が誰かと付き合った時俺はどうなってしまうのか。
花岡には止められたがここは作戦を急ぐためにも現状を知っておく必要がある。
俺は勇気をだしてオシャレな私服に着替え終わった城田に聞くことにした。
「それでさ城田、モデル関係の人へのアプローチは上手くいってるの?」
「モデル関係?」
「城田がアプローチしてる好きな人ってモデルの仕事関係の人だろ?」
城田は驚いた顔をして俺を凝視する。
どうやら図星のようだ俺の推理力を甘く見ていたらしい。
しかしその後城田は盛大にため息をついて何やらぶつぶつ言い始めた。
内容は聞き取らないがかなり落ち込んでいるように見える。
もしかして、、、
「ふられたよ。」
しばらく沈黙が流れたあと城田がポつりと呟いた。
まさかあの城田がふられるなんて思いもよらなかった。
俺がどう返したらいいか悩んでいると、城田が俺の肩をつかんだ。
「俺ふられて辛いんだ、今は何か別のことに専念したい、例えば黒川のお世話とか、、、
友達の傷心を癒すと思って俺のお世話を受け入れてくれない?」
予想外のお願いをされてしまった。
もちろん城田にとってそれで気が紛れるというのなら協力したいが、それを受け入れるということは俺の過保護脱却大作戦の真逆になってしまうことを意味する。
「ごめん、忘れて、こんな頼み気持ち悪いよな」
俺が少し迷っていると城田悲しそうな顔をしてお願いを取り消してきた。
そんな顔されたら断れる訳ないそれに、、
「気持ち悪いわけないだろ、ちょっとびっくりしただけで、むしろ城田に迷惑かけてばっかりな気がして、、」
「迷惑だなんて思ったことない、むしろ俺今、黒川のお世話をしてる時が1番癒されるんだ。」
、、、俺は自分の事ばかり考えていた。
今は先の俺のことは考えずに、せっかく仲良くなれた大事な友達の失恋の傷を癒すことを考えよう。
なんで俺の世話が癒されるのか全くもって謎ではあるが、、、
「分かった、でも人前ではほどほどにな。」
城田は「本当に」っと満面の笑みで喜んでいた。なんか一緒に住む時も同じ手で手懐けられた気がするが、
本当に嬉しそうで、失恋したとは思えない笑顔に深くは考えないことにした。
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