刺されて始まる恋もある

神山おが屑

文字の大きさ
55 / 56

41.

しおりを挟む
流石に二日連続でズル休みするわけにもいかず、まだ違和感の残る腰にムチ打ち大学に向かう。

道中終始「大丈夫?」「手を貸そうか?」と過保護を発動する城田だが、その言葉とは裏腹に顔は満面の笑顔が隠しきれていない。
昨日の昼チュンの時からずっとこの調子だ。

そのあまりに眩しいイケメンスマイルに道行く人が老若男女問わず振り返っている。


「なぁ城田、その、もう少し顔に出さないようにしないとみんなに直ぐにバレちゃうだろ。」

「いや、多分腐頭にバレてると思う」

「え?腐頭さんに言ったの!?」

腐っても女子の腐頭さんに何をバラしてるんだ!

「いや、昨日の講義で腐頭と被ってるのあったから休むことを伝えただけなんだけど、、、多分バレた」

そう言って城田がメッセージアプリの会話画面を見せてくる。

『ゴメン、腐頭、黒川の調子が悪くて俺も休むから今度ノート見せて』

『それは構わないけど、黒川くんは大丈夫なの?お見舞いついでに何か買って行く?』

『イヤ、風邪とかそういうのじゃないから大丈夫』

『察したわ、プレゼントの中に湿布も入ってるから使ってあげて!
お世話イベントも絶対に逃しちゃダメよ!

ps.ノートと引替えに後で絶対に詳しく話聞かせて!』

確かに詳しいことは何も書かれていない。
だが完全にバレている。

風邪じゃない=性行為に繋がる腐頭さんの脳内配線はどうなっているんだ?

というか今俺がお世話になっている湿布もプレゼントに入っていたのか。
準備が良すぎて逆に怖い。

「なぁ城田、なんか見られてる気がするんだけど、俺そんなに変な歩き方かな?」

大学が近づくにつれ周りの人の視線を集めている気がする。

「あー、それは、、」

「自覚ないの?お前らはもうこの大学じゃ有名人だからな」

城田が言いづらそうにしていた後ろから花岡が俺たちの肩を組むように間に入ってきた。
俺たちそんなに有名なのか?

「二人とも刺された同士のカップルなんか日本でもそう居ないだろうし」

てっきり大学一のイケメンとか男同士でとかで有名なのかと思っていたらそっちなのか、まぁ確かにどっちの事件も全国ニュースになったわけだし当然といえば当然か。

「まぁそれより1番知られちゃいけない奴に夜事情がバレたせいだと思うけど」

「ん?花岡なんか言った?」

花岡が小声でなんか言ったのだがちゃんと聞き取れなかった。
何でもないと誤魔化された気がして問い詰めようとした時

「二人とも!これ!お赤飯持ってきたわよー!」

それよりも大学の門の前で大声でとんでもないことを叫んでいる腐頭さんを黙らせるのが先だった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために

ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話 ※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

【完結】俺とあの人の青い春

月城雪華
BL
 高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。  けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。  ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。  けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。  それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。 「大丈夫か?」  涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

美人王配候補が、すれ違いざまにめっちゃ睨んでくるんだが?

あだち
BL
戦場帰りの両刀軍人(攻)が、女王の夫になる予定の貴公子(受)に心当たりのない執着を示される話。ゆるめの設定で互いに殴り合い罵り合い、ご都合主義でハッピーエンドです。

あと一度だけでもいいから君に会いたい

藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。 いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。 もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。 ※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります

僕を惑わせるのは素直な君

秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。 なんの不自由もない。 5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が 全てやって居た。 そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。 「俺、再婚しようと思うんだけど……」 この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。 だが、好きになってしまったになら仕方がない。 反対する事なく母親になる人と会う事に……。 そこには兄になる青年がついていて…。 いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。 だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。 自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて いってしまうが……。 それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。 何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。

処理中です...