【完結】契約結婚のはずが、旦那様の独占欲が強すぎます!

22時完結

文字の大きさ
4 / 15

嵐の夜に見えた素顔

しおりを挟む

公爵家を揺るがす噂
ある日、公爵家に不穏な噂が広がり始めた。リリアナが夫人としての責務を果たしている中、ある貴族から「公爵夫人が公爵とは冷え切った関係だ」と耳にしたのだ。さらに、リリアナが他の男性と親しくしているのではないかという話まで流れていた。

リリアナは噂を知ると、冷静を装いながらも胸がざわつくのを感じた。彼女が何かをした覚えはなかったが、このような話が公爵家の名誉を傷つけることは明白だった。

「これ以上、噂が広がるわけにはいかないわ……」

リリアナは夫人としての責任を果たすため、さらなる努力を決意した。しかし、そんな彼女の意志とは裏腹に、レオンの態度はますます険しいものになっていった。

レオンの怒り
その日の夜、レオンがリリアナを自室に呼び出した。

「この噂の件、聞いているな?」
「ええ……もちろんです。でも、私は何も……」
「お前が他の男と無闇に親しくするから、こんなことになる」

レオンの冷たい言葉に、リリアナはショックを受けた。

「私はそんなつもりで話をしているわけではありません。ただ、公爵家の人間として、相手に礼儀を尽くしているだけです」
「礼儀を尽くす必要がない相手もいるだろう」

リリアナは反論しようとしたが、レオンの険しい表情を見て言葉を飲み込んだ。彼の怒りの背後には、どこか不安や焦りのようなものが垣間見えたからだ。

嵐の夜の出来事
その夜は嵐だった。激しい雨と風が窓を叩きつけ、屋敷全体がその音に包まれていた。

リリアナは眠れずに窓辺で外を眺めていた。心の中は嵐と同じように荒れていたが、同時にレオンの感情を理解したいという思いが浮かんでいた。

突然、部屋の扉がノックされた。

「こんな時間に……?」

ドアを開けると、そこには濡れた髪を拭いながら立つレオンがいた。

「どうしたのですか?」
「君に話がある」

リリアナを窓際の椅子に座らせると、レオンも隣に腰を下ろした。

「……君が礼儀を尽くしているのは分かる。だが、私はそれが許せない」
「どうしてですか?」

リリアナの問いに、レオンはしばらく黙った後、ポツリと答えた。

「おそらく、私は君を失いたくないのだろう」

その言葉に、リリアナは息をのんだ。初めて彼が自分の感情を口にした瞬間だった。

初めての甘い夜
その夜、二人は長い時間をかけてお互いの気持ちを語り合った。レオンの不器用な愛情に気づいたリリアナは、彼の隠れた優しさを知り、少しずつ距離を縮めることができた。

嵐がやみ、静けさが戻った頃、レオンはリリアナを見つめながら言った。

「これからは、もっとお前のことを知りたいと思う。お前がどんなことを考えているのか、何を望んでいるのか……」

リリアナはその言葉に胸が締め付けられるような思いを感じながらも、素直にうなずいた。

「私も、あなたのことをもっと知りたいです」

新たな絆
翌日、レオンの態度は少しだけ柔らかくなっていた。朝食の席でも、彼はリリアナに微笑みかけたり、気遣うような言葉をかけたりするようになった。

それは些細な変化だったが、リリアナにとっては大きな喜びだった。

「旦那様、今日は何かご予定はありますか?」
「特にない。お前が庭を見たいと言うなら、付き合おう」

その提案に、リリアナは驚きつつも嬉しそうにうなずいた。

「ぜひご一緒したいです」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました

有賀冬馬
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。 魔力が弱い私には、価値がないという現実。 泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。 そこで目覚めた彼は、私を見て言った。 「やっと見つけた。私の番よ」 彼の前でだけ、私の魔力は輝く。 奪われた尊厳、歪められた運命。 すべてを取り戻した先にあるのは……

【完結】契約結婚のはずが、冷酷な公爵の独占欲が強すぎる!?

22時完結
恋愛
失われた信頼を取り戻し、心の壁を崩していく二人の関係。彼の過去に迫る秘密と、激しく交錯する感情の中で、愛を信じられなくなった彼は、徐々にエリーナに心を開いていく。

もふもふグリフォンの旦那様に溺愛されています

さら
恋愛
無能だと罵られ、聖女候補から追放されたリリア。 行き場を失い森を彷徨っていた彼女を救ったのは――翼を広げる巨大なグリフォンだった。 人の姿をとれば美丈夫、そして彼は自らを「旦那様」と名乗り、リリアを過保護に溺愛する。 森での穏やかな日々、母の故郷との再会、妹や元婚約者との因縁、そして国を覆う“影の徒”との決戦。 「伴侶よ、風と共に生きろ。おまえを二度と失わせはしない」 追放から始まった少女の物語は、 もふもふ旦那様の翼に包まれて――愛と祈りが国を救う、大団円へ。

結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。

しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。 友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。 『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。 取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。 彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。

公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています

六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった! 『推しのバッドエンドを阻止したい』 そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。 推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?! ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱ ◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!  皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*) (外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)

女王は若き美貌の夫に離婚を申し出る

小西あまね
恋愛
「喜べ!やっと離婚できそうだぞ!」「……は?」 政略結婚して9年目、32歳の女王陛下は22歳の王配陛下に笑顔で告げた。 9年前の約束を叶えるために……。 豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。 「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。 本作は小説家になろうにも投稿しています。

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

【完結】ハメられて追放された悪役令嬢ですが、爬虫類好きな私はドラゴンだってサイコーです。

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
 やってもいない罪を被せられ、公爵令嬢だったルナティアは断罪される。  王太子であった婚約者も親友であったサーシャに盗られ、家族からも見捨てられてしまった。  教会に生涯幽閉となる手前で、幼馴染である宰相の手腕により獣人の王であるドラゴンの元へ嫁がされることに。  惨めだとあざ笑うサーシャたちを無視し、悲嘆にくれるように見えたルナティアだが、実は大の爬虫類好きだった。  簡単に裏切る人になんてもう未練はない。  むしろ自分の好きなモノたちに囲まれている方が幸せデス。

処理中です...