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第四章.救えない
12.殲滅姫
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「本当に大丈夫なのよね?」
シーラが鼻歌をしながら進んでいるとピンクの……えっと、アリシア! アリシアちゃんが不安そうな声を出す……シーラは無敵で天才なので安心しても大丈夫なのに、なんでだろう? ちゃんと灰色の……えっと、ヴェロニカ! ヴェロニカちゃんの言い付け通りに二人一組になったのにな~! なんでだろうな~!
「シーラは無敵で天才なので大丈夫ですよー!」
「そ、そう?」
まだ不安な……不安そうな顔をしているんだよね? むむむむむ……やはりこの天才シーラを以てしても認識できないとは、人の顔とは複雑でありますなぁ! 色と匂いでしか判別できないや! 表情なんて理解できるはずもなく……アッハッハッハッハッ!!
「シーラに任せれば敵の十や二十、チョロいでありますよ!」
「本当かしら? ……まぁ、ヴェロニカ大尉を信じましょう」
アリシアは疑り深いなぁ~、シーラは無敵で天才なのにね! ……むむっ、お腹が空いてきたから早めに片付けないといけないね。あ、あそこの壁の染み面白い形してる! すごい! アリシアちゃんが何か言ってる気がするけど、いいや!
「……二人? あの野郎、しくじったな」
「っ!」
…………は? せっかく面白い染みを見て楽しんでいたのに、ナニコイツラ? いきなり現れて殺気をぶつけて来てシーラちょっと不機嫌です。
「まぁいい、用があるのは『緋色』……てめぇだ──」
「──死ね」
なんか鳴き声を発してる躾のなっていない方の頭を、ポチを纏わせて巨大になったシーラの腕で握り潰してお掃除です! 本当にどこにでも現れるんだから~。
「貴様っ?!」
「魔法使いは殺すのが決まりであります! シーラ理解しています! 天才なので!」
供物を取り出した……えーと、もう! 人の顔なんて難しいもの分からないんだから一度にいっぱい出てこないでよね! とりあえず敵意ありありの魔法使いの身体ごと握り潰してあげます!
「プギャッ?!」
「『我が願いの対価は──ブゥッ?!』」
手刀で立ったままの魔法使いの頭を潰して、魔法を使おうとした魔法使いを天井まで思っ切り振りかぶって殴り飛ばす! 楽しい! もっともっと!
「ぎゃっ?!」
「がぁっ?!」
拳をハンマーのように打ち付けて新しく染みを作って、頭と足を持って雑巾絞り~! ……うわっ、本当に赤い水が出ました! ばっちぃ。
「おい……おいおいおいおい!!」
「やべぇぞコイツ?!」
彼らが放ってくる魔法によって出来たコンクリートの槍や音速の炎をシーラの血を吸わせ、『対価』を得たポチに纏わせる魔力を増やして両手で叩き潰す! ……ドヤっ!
「か、幹部を呼べ!」
「供物も足らんぞ!」
突き込まれる槍をジャンプで躱して、空中で一回転して上から押し潰しながら背後に着地……ついでに振り返って後ろに居た魔法使いを横薙ぎにぶっ飛ばす! ……壁が近いからぺっしゃんこになっちゃった!
「『我が願いの対価は紅玉三つ 望むは敵阻む壁』!!」
「おろっ?」
通路が狭くなって腕が振り回せなくなってしまいした! 武器が大きいとこういう場所では不便だってシーラ知ってます! 天才ですからね!
「これで──」
「──タマ、おすわり」
声が弾んだ魔法使いを短剣サイズにしたタマで喉を貫いて耳障りな鳴き声を止めましょう! あんまり煩いと近所迷惑になって飼い主が叱られてしまうそうです! シーラ知ってますよ! 天才なのでね!
「なぁ?!」
「シーラは天才なので! 合体させているんですよ! だから無敵なのです!」
シーラは天才なのでねー、複数のワンちゃんと仲良しになれるんですよ! なので分解して繋げちゃいました! なので今も短剣を降り抜いたと同時に薙刀のココに切り替えて、少し離れた魔法使いの首を刎ね飛ばす事もできるのです! だから無敵なのです!
「コイツ複数持ちだ!」
「はァっ?! そんな大物がなんで?!」
「『乱獲』のボーゼスか?! それとも──」
薙刀で胴体を切断してから飛んでくる魔法を棒高跳びみたいに回避……空中で回転しながら二丁拳銃のロロに切り替えて四人の頭を撃ち抜き、着地する時にポチを脚に纏わせて踵落としでさらに一人潰しちゃいます!
「やはりシーラは天才なのでは? ──『破砕する──チェルシー』」
「シ、シーラ?! 『殲滅姫』のシーラだと?!」
一番仲良しのお友達であるチェルシーを呼び出してその場で構える……ふふん! この子はとっても強いんですよ!
「ばいばーい! ……『存在する事を許さず』」
数の少なくなった魔法使いの居る前方へと全力で撃ち出す……ふふっ! やっぱり彼女は強いです! 一気に掃除できたし、道も広くなりましたよ!
「アリシア殿終わりましたよ!」
「え、あっ……そうね?」
むむっ? アリシアちゃんがなんだか上の空ですね? せっかく張り切って頑張ったのに、もしかして──
「──ご褒美はないのですか?」
「っ?!」
せっかく頑張ったのになー、シーラ物凄く頑張ったのになー! アリシアちゃん褒めてくれないとか悲しいのです……。
「よ、よくやったわね! ビーフジャーキーもあげちゃう!」
「本当でありますか?! やったー!!」
アリシアちゃんに撫でられたー! 嬉しいー! しかもビーフジャーキーまで貰ったー! 超嬉しいー! 次も頑張るー!
「おいふぃいでありまふ……!」
やっぱりこの世で一番美味しいのはビーフジャーキーだと、改めて思うのですよシーラは! アリシアちゃんに撫でられたし、今日は良い日だなぁ。
「……リコリス少尉ともはぐれたし、上手く制御しなきゃ……大きな怪我をしないように……」
「……?」
アリシアちゃんが何か言ってるけど、とりあえず次も褒めて貰うために魔法使いを見つけようと先を進む。
▼▼▼▼▼▼▼
「チッ! いきなり分断されたか!」
声を荒らげながら周囲の魔法使いと協力者達を一緒くたに大振りの大剣の一撃によって、上下に分断するガイウス中尉の後ろで私は必死になってアリシア准尉の安否を、彼女に忍ばせた自身の『鴉』の分体から探っていく。
「安心しろ! そのための『殲滅姫』だ!」
「本当に大丈夫なんだろうな?!」
「見ろ! 飛ばされる前にちゃっかりピエロ野郎を殺してる!」
「……今は信じるしかないか」
…………ふぅ、良かったぁ! ちゃんとアリシア准尉は無事な様ね。監視を言い付けられていたのに、目の前で見失うどころか死んでしまいました……じゃあ私の首が物理的に飛ぶところだった。
まだイケメン高身長、高収入の私にだけ優しい男性と出逢ってすらいないのに、死ねないわ。
「仕方ない。俺たちは俺たちでこのまま進むぞ!」
「道案内は任せろ!」
「……あっ! け、怪我とかは私が治せますので仰ってください!」
いけないいけない……表の任務もちゃんと熟さなきゃいけないよね、大変だけれどしっかりと狩人達について行かなきゃ。
……大っぴらに『鴉』を使えれば楽なんだけどな、そうはいかないから辛いのよね。
「先ずは『緋色』達と合流する事を目標としつつも、子どもを見つけ次第、そちらを優先する!」
「あぁ!」
「了解です!」
とりあえず、ついでに私達の間で話題になっている『殲滅姫』の実力とやらも分体を通して覗き見しておこう。……それで今回の失敗はチャラよね? ね?
▼▼▼▼▼▼▼
シーラが鼻歌をしながら進んでいるとピンクの……えっと、アリシア! アリシアちゃんが不安そうな声を出す……シーラは無敵で天才なので安心しても大丈夫なのに、なんでだろう? ちゃんと灰色の……えっと、ヴェロニカ! ヴェロニカちゃんの言い付け通りに二人一組になったのにな~! なんでだろうな~!
「シーラは無敵で天才なので大丈夫ですよー!」
「そ、そう?」
まだ不安な……不安そうな顔をしているんだよね? むむむむむ……やはりこの天才シーラを以てしても認識できないとは、人の顔とは複雑でありますなぁ! 色と匂いでしか判別できないや! 表情なんて理解できるはずもなく……アッハッハッハッハッ!!
「シーラに任せれば敵の十や二十、チョロいでありますよ!」
「本当かしら? ……まぁ、ヴェロニカ大尉を信じましょう」
アリシアは疑り深いなぁ~、シーラは無敵で天才なのにね! ……むむっ、お腹が空いてきたから早めに片付けないといけないね。あ、あそこの壁の染み面白い形してる! すごい! アリシアちゃんが何か言ってる気がするけど、いいや!
「……二人? あの野郎、しくじったな」
「っ!」
…………は? せっかく面白い染みを見て楽しんでいたのに、ナニコイツラ? いきなり現れて殺気をぶつけて来てシーラちょっと不機嫌です。
「まぁいい、用があるのは『緋色』……てめぇだ──」
「──死ね」
なんか鳴き声を発してる躾のなっていない方の頭を、ポチを纏わせて巨大になったシーラの腕で握り潰してお掃除です! 本当にどこにでも現れるんだから~。
「貴様っ?!」
「魔法使いは殺すのが決まりであります! シーラ理解しています! 天才なので!」
供物を取り出した……えーと、もう! 人の顔なんて難しいもの分からないんだから一度にいっぱい出てこないでよね! とりあえず敵意ありありの魔法使いの身体ごと握り潰してあげます!
「プギャッ?!」
「『我が願いの対価は──ブゥッ?!』」
手刀で立ったままの魔法使いの頭を潰して、魔法を使おうとした魔法使いを天井まで思っ切り振りかぶって殴り飛ばす! 楽しい! もっともっと!
「ぎゃっ?!」
「がぁっ?!」
拳をハンマーのように打ち付けて新しく染みを作って、頭と足を持って雑巾絞り~! ……うわっ、本当に赤い水が出ました! ばっちぃ。
「おい……おいおいおいおい!!」
「やべぇぞコイツ?!」
彼らが放ってくる魔法によって出来たコンクリートの槍や音速の炎をシーラの血を吸わせ、『対価』を得たポチに纏わせる魔力を増やして両手で叩き潰す! ……ドヤっ!
「か、幹部を呼べ!」
「供物も足らんぞ!」
突き込まれる槍をジャンプで躱して、空中で一回転して上から押し潰しながら背後に着地……ついでに振り返って後ろに居た魔法使いを横薙ぎにぶっ飛ばす! ……壁が近いからぺっしゃんこになっちゃった!
「『我が願いの対価は紅玉三つ 望むは敵阻む壁』!!」
「おろっ?」
通路が狭くなって腕が振り回せなくなってしまいした! 武器が大きいとこういう場所では不便だってシーラ知ってます! 天才ですからね!
「これで──」
「──タマ、おすわり」
声が弾んだ魔法使いを短剣サイズにしたタマで喉を貫いて耳障りな鳴き声を止めましょう! あんまり煩いと近所迷惑になって飼い主が叱られてしまうそうです! シーラ知ってますよ! 天才なのでね!
「なぁ?!」
「シーラは天才なので! 合体させているんですよ! だから無敵なのです!」
シーラは天才なのでねー、複数のワンちゃんと仲良しになれるんですよ! なので分解して繋げちゃいました! なので今も短剣を降り抜いたと同時に薙刀のココに切り替えて、少し離れた魔法使いの首を刎ね飛ばす事もできるのです! だから無敵なのです!
「コイツ複数持ちだ!」
「はァっ?! そんな大物がなんで?!」
「『乱獲』のボーゼスか?! それとも──」
薙刀で胴体を切断してから飛んでくる魔法を棒高跳びみたいに回避……空中で回転しながら二丁拳銃のロロに切り替えて四人の頭を撃ち抜き、着地する時にポチを脚に纏わせて踵落としでさらに一人潰しちゃいます!
「やはりシーラは天才なのでは? ──『破砕する──チェルシー』」
「シ、シーラ?! 『殲滅姫』のシーラだと?!」
一番仲良しのお友達であるチェルシーを呼び出してその場で構える……ふふん! この子はとっても強いんですよ!
「ばいばーい! ……『存在する事を許さず』」
数の少なくなった魔法使いの居る前方へと全力で撃ち出す……ふふっ! やっぱり彼女は強いです! 一気に掃除できたし、道も広くなりましたよ!
「アリシア殿終わりましたよ!」
「え、あっ……そうね?」
むむっ? アリシアちゃんがなんだか上の空ですね? せっかく張り切って頑張ったのに、もしかして──
「──ご褒美はないのですか?」
「っ?!」
せっかく頑張ったのになー、シーラ物凄く頑張ったのになー! アリシアちゃん褒めてくれないとか悲しいのです……。
「よ、よくやったわね! ビーフジャーキーもあげちゃう!」
「本当でありますか?! やったー!!」
アリシアちゃんに撫でられたー! 嬉しいー! しかもビーフジャーキーまで貰ったー! 超嬉しいー! 次も頑張るー!
「おいふぃいでありまふ……!」
やっぱりこの世で一番美味しいのはビーフジャーキーだと、改めて思うのですよシーラは! アリシアちゃんに撫でられたし、今日は良い日だなぁ。
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「……?」
アリシアちゃんが何か言ってるけど、とりあえず次も褒めて貰うために魔法使いを見つけようと先を進む。
▼▼▼▼▼▼▼
「チッ! いきなり分断されたか!」
声を荒らげながら周囲の魔法使いと協力者達を一緒くたに大振りの大剣の一撃によって、上下に分断するガイウス中尉の後ろで私は必死になってアリシア准尉の安否を、彼女に忍ばせた自身の『鴉』の分体から探っていく。
「安心しろ! そのための『殲滅姫』だ!」
「本当に大丈夫なんだろうな?!」
「見ろ! 飛ばされる前にちゃっかりピエロ野郎を殺してる!」
「……今は信じるしかないか」
…………ふぅ、良かったぁ! ちゃんとアリシア准尉は無事な様ね。監視を言い付けられていたのに、目の前で見失うどころか死んでしまいました……じゃあ私の首が物理的に飛ぶところだった。
まだイケメン高身長、高収入の私にだけ優しい男性と出逢ってすらいないのに、死ねないわ。
「仕方ない。俺たちは俺たちでこのまま進むぞ!」
「道案内は任せろ!」
「……あっ! け、怪我とかは私が治せますので仰ってください!」
いけないいけない……表の任務もちゃんと熟さなきゃいけないよね、大変だけれどしっかりと狩人達について行かなきゃ。
……大っぴらに『鴉』を使えれば楽なんだけどな、そうはいかないから辛いのよね。
「先ずは『緋色』達と合流する事を目標としつつも、子どもを見つけ次第、そちらを優先する!」
「あぁ!」
「了解です!」
とりあえず、ついでに私達の間で話題になっている『殲滅姫』の実力とやらも分体を通して覗き見しておこう。……それで今回の失敗はチャラよね? ね?
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