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本編
41話 家門祭りは泥遊び その5
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「あ、あれかー、へー、目立つねー」
眠そうな顔の麗人がその見た目とは不釣り合いな子供を連れて屋台ひしめく街路を歩いている、一際目を引く容貌であるが、祭りという事もあってか人々の目は屋台へと向けられていた、
「六花商会って書いてあるよ、あれだよー」
「そうだよ、あれだよー」
「早くいこーよー」
子供達は口々に言いたい放題に騒ぎたて、麗人の両手を力任せに引っ張り、めんどくさそうなその顔を見上げギャーギャーわめいている、
「はいはい、まだ大丈夫だよ、並んでないしー」
「でも、マフダが早めに来てって言ってたー」
「そうだよ、マフダが言ってたー」
「マフダねーさんでしょ」
「いいのー、マフダはいいのー」
「良くないよ、マフダが怒ったら怖いんだからねー」
「怒ったの見た事ないよー」
「そう?んじゃ、あたしが代わりに怒るわよー」
ジロリと妹達を睨みつけるフィロメナである、妹達はフィロメナが怒ったフリなのか本気なのかは理解しないままに、
「あー、フィロメナねーさんが怒ったー」
嬌声を張り上げ駆け出した、
「こら、危ないから走るなー」
フィロメナが大声をあげるが、周囲の人達は特に気にする様子はない、祭りという雰囲気がそうさせているのであろうか、普段であれば衆目が集まるところであるが、屋台の主達も見物客達もどうやら楽しむ事に集中している様子である、フィロメナはやれやれと六花商会の屋台に近付くと、
「えーと、マフダは居る?居るとは聞いてるんだけどさ」
フィロメナが店先に立つ体格の良い若者に気さくに声をかけた、ジャネットである、
「はいはい、マフダさーん、お客様だよー」
ジャネットはおっと驚いてフィロメナは見つめ、ニコリと微笑むと、二つ並んだ屋台の奥に大声で呼び掛けた、すると木箱の積まれたその奥からヒョイと小さい頭が飛び出し、こちらを見て、慌てたように走って来る、
「あー、忙しかった?」
「ううん、大丈夫だよ、奥で準備してただけー」
「そっか、うーん、こいつちゃんと仕事してる?」
フィロメナはマフダをジロジロ見てからジャネットに問いかけた、
「勿論ですよ、大事な新戦力だもん、ね、マフダー」
ジャネットがニヤリとマフダに笑いかける、
「や、そんな大層なものでは・・・」
マフダは頬を赤らめて俯いた、
「えーでも、マフダがいなかったらこの髪飾りは無かったんだよ、大したもんだよ」
「あー、それかー、マフダが言ってたの・・・なるほど、良い出来だね」
フィロメナの視線がジャネットとマフダの髪へ向かう、髪飾りがキラキラとその存在を誇示していた、
「あー、マフダいたー」
「マフダみっけー」
「マフダ、朝ごはんいなかったー」
「親父に怒られるぞー」
散らばっていた妹達がいつの間にやら集まっており、フィロメナの回りで騒ぎ出す、
「皆で来たの?」
「そうだよー、親父がマフダを見てこいって言ってたー」
「そうなの、でもねー、ヒセラねーさんはめんどいってー」
「だから、フィロメナねーさんなのよー」
「マフダー、髪飾りかわいいねー」
やんやと騒がしい4人の妹達である、上からノールとノーラ、リセン、サスキアである、対外的には13女から16女としているがそれには大した意味は無い、家庭内では一括りに幼女組とか4人衆とか呼ばれていたりもする、勿論であるが皆養女であり、捨て子又は孤児であった、しかし、彼女達にその出生による陰鬱さは皆無である、ガキンチョは走って笑って食って寝るのが仕事だ、が彼らの養父であるリズモンドの口癖である、その教育方針が彼女達の人格形成に多分に影響している事は明らかであろう、それはマフダやフィロメナを見ても分かる通りに概ね真っ当に結実する様子である、しかし、やはりであるが、遊んでばかりでは足りないだろうと年長の姉達はしっかりと読み書き算学を教え込んでもいる、実に良い家庭なのである、
「もー、騒がないの」
マフダは嬉しいような困ったような微妙な表情を浮かべている、
「こら、マフダは仕事中なんだよ」
「あはは、元気だなー、おねーさんの子供さんですか?随分大きいですけどー」
ジャネットが楽しそうに妹達を見下ろす、
「いんや、妹達だよ、マフダもね」
「あ、そうなんですか、姦しくて楽しそうですねー」
「楽しいかな?姦しいのはその通りなんだけどね」
フィロメナは溜息を吐くと、
「ほれ、お前らは何にする?いつものにする?」
「違うのー、新しいのがあるってマフダが言ってたー」
「ノールも違うのがいいー」
「サスキアもー」
「そうかい、そうかい、じゃ、なんだっけ、ベールパンだっけ、それ貰える」
「はい、ありがとうございます、ソースを選べますが何にします、イチゴと黒糖とアンズとカスタードがあります」
「だって、どうする?」
フィロメナが4人に問う、
「イチゴ」
「アンズってなーにー」
「カスタードってなーにー」
「イチゴがいいー」
「・・・何って聞かれても・・・難しいな・・・」
フィロメナが答えに窮していると、
「はい、では、こちら、ちょっと舐めてみて」
ジャネットが用意してあったであろう小皿を4つ取り出した、色とりどりのソースがそれぞれに盛られ小さなヘラが数本刺さっている、
「?これは?」
「試食用のソースです、ちょっとだけ舐めてみてね」
ジャネットが優しい微笑みを浮かべつつ見やすいようにしゃがみ込み、妹達の熱い視線が小皿に集中した、
「いいの?」
ノーラがフィロメナを見上げ、
「なるほど、気が利いてるな、うん、流石だねー」
フィロメナは感心しつつ、試食を許可する、妹達は争うように小皿に刺さった小さなヘラを口に運ぶと、
「美味しいー、この黄色のなに?」
「それがカスタード」
「こっちのは?」
「それがアンズ」
「これイチゴでしょ」
「そうよー」
「アンズ美味しいー」
「カスタード好きー、カスタードにするー」
「ん?決まった?」
「うん、カスタードー」
「アンズー」
「イチゴはやめー、カスタードがいいー」
「黒糖ね」
一人だけやけに渋い声が上がるリセンの落ち着いた声であった、その子供らしからぬ選択にフィロメナは勿論であるが、ジャネットとマフダも思わずニヤケ笑いを浮かべる、
「そっか、じゃ、カスタードが二つとアンズが一つ、それと黒糖を一つで、あ、私はイチゴにしようかな?」
「はい、ありがとうございます」
ジャネットが復唱しつつアニタが木簡に記入する、
「じゃ、ほら、マフダさん、作ってあげて」
「え、私?いいんですか?」
「勿論よ、昨日練習したでしょ」
「でも、まだ慣れなくて・・・」
「いいから、妹さん達なんでしょ、作ってあげなさいよ」
アニタと調理担当が気を利かせてアニタに場所を譲る、アニタは人前である事もあってか恥ずかしそうにしながら生地の入ったボールに手を伸ばした、
「マフダ出来るのー?」
「大丈夫?ー」
「マフダなのにー」
浮かれた妹達の罵声ともとれる大声が響いた、
「こら、マフダねーさんでしょ」
「マフダ、ガンバレー」
一人だけマフダを応援する声がある、マフダが家にいると常にその側を離れないサスキアの声であった、敬称を付けていないがま良いかと、
「サスキアは優しいわねー」
フィロメナがサスキアの頭を優しく撫でる、
「むー、マフダー、ガンバレー」
「マフダー、負けるなー」
「マフダー・・・えっと、しっかりしろー」
その様子を見て今度は声援を送る事としたらしい妹達である、実に現金なものである、
「もう、調子がいいんだからー」
マフダは笑いをかみ殺し、ジャネットとアニタは楽しそうに見守りつつ、
「あ、じゃ、どうです、ソーダ水とかお持ち帰り用のロールケーキもありますよ」
ジャネットもその役務を忘れていない、しっかりと仕事をしている、
「そっか、じゃ、どうしようかな、お持ち帰りかー、お土産って事だよね・・・ふむ」
フィロメナが黒板を見上げて考え込み、
「ロールケーキはカスタードだっけ?」
確認の為の質問である、
「あ、ごめんなさい、今日用意してあるのはホイップのみのロールケーキだけなんです、以前にもお試しになりました?」
「あ、ほら、私、保護者代わりだったからさ、エレイン会長にも会ったのよ、マフダの面接の時に、その時にお土産で貰ったんだよね、会長もテラさんも面白い人だよねー」
「そうだったんですか、そうなると、そうですね、多分ですが、カスタード入りのロールケーキだったと思うんですけど、今日のはホイップクリームのみのロールケーキです、若干甘さを強くしたホイップクリームですから、また違った美味しさがあると思いますよ」
流麗なジャネットの説明とその屈託のない笑顔に、フィロメナは大したもんだと感心しつつ、
「では、そうね、4本・・・だと足らなかったんだよね、6本お願いできる?」
「はい、ありがとうございまーす、ロールケーキ3箱御注文でーす」
「はーい、ありがとうございます」
「商売上手だなー」
フィロメナがニヤリと微笑み、会計をしていると、
「ねーさん、髪留め売ってるー」
「なに?」
ノーラが目敏く調理器具の棚を見付けたらしい、さらにブノワトが髪留めと木工細工を紹介し、これだと思ったノーラがフィロメナの足にしがみついたのであった、
「あっち、あっちー」
遠慮なく引っ張るノーラに、
「こら、ちょっと先にお金払ってから」
フィロメナは悲鳴のような声を上げた、
「えー、無くなっちゃうよー」
「大丈夫、大丈夫、いっぱいあるから」
ジャネットがお金を受け取りつつ笑いかける、
「他にも泡立て器とかクッキーの型もありますから、ごゆっくりどうぞ、あ、こちら試供品のクレオの一時です、一個ずつどうぞ」
「あー、これ、美味しいやつだー」
「うん、ノールこれ好きー」
「マフダのお土産と同じやつ?」
「こっちの方が色が綺麗よー」
「そりゃ、マフダだしー」
「スライムのあるー?」
「スライム?」
ジャネットが首を傾げる、
「あー、あれだ、ニャンコの形のやつだ、上下逆にするとスライムなんだってさ」
「あー、なるほどー・・・・って、えっ、スライム?」
「子供の言う事はわかんないよねー」
フィロメナはアッハッハと明るく笑った、
「そうですねー」
「あった、ほら、スライム」
「葉っぱがいいなー」
「これがいいー、星のやつー」
遠慮の無い子供達である、ジャネットはマフダさんも大変だなこりゃと微笑むのであった。
眠そうな顔の麗人がその見た目とは不釣り合いな子供を連れて屋台ひしめく街路を歩いている、一際目を引く容貌であるが、祭りという事もあってか人々の目は屋台へと向けられていた、
「六花商会って書いてあるよ、あれだよー」
「そうだよ、あれだよー」
「早くいこーよー」
子供達は口々に言いたい放題に騒ぎたて、麗人の両手を力任せに引っ張り、めんどくさそうなその顔を見上げギャーギャーわめいている、
「はいはい、まだ大丈夫だよ、並んでないしー」
「でも、マフダが早めに来てって言ってたー」
「そうだよ、マフダが言ってたー」
「マフダねーさんでしょ」
「いいのー、マフダはいいのー」
「良くないよ、マフダが怒ったら怖いんだからねー」
「怒ったの見た事ないよー」
「そう?んじゃ、あたしが代わりに怒るわよー」
ジロリと妹達を睨みつけるフィロメナである、妹達はフィロメナが怒ったフリなのか本気なのかは理解しないままに、
「あー、フィロメナねーさんが怒ったー」
嬌声を張り上げ駆け出した、
「こら、危ないから走るなー」
フィロメナが大声をあげるが、周囲の人達は特に気にする様子はない、祭りという雰囲気がそうさせているのであろうか、普段であれば衆目が集まるところであるが、屋台の主達も見物客達もどうやら楽しむ事に集中している様子である、フィロメナはやれやれと六花商会の屋台に近付くと、
「えーと、マフダは居る?居るとは聞いてるんだけどさ」
フィロメナが店先に立つ体格の良い若者に気さくに声をかけた、ジャネットである、
「はいはい、マフダさーん、お客様だよー」
ジャネットはおっと驚いてフィロメナは見つめ、ニコリと微笑むと、二つ並んだ屋台の奥に大声で呼び掛けた、すると木箱の積まれたその奥からヒョイと小さい頭が飛び出し、こちらを見て、慌てたように走って来る、
「あー、忙しかった?」
「ううん、大丈夫だよ、奥で準備してただけー」
「そっか、うーん、こいつちゃんと仕事してる?」
フィロメナはマフダをジロジロ見てからジャネットに問いかけた、
「勿論ですよ、大事な新戦力だもん、ね、マフダー」
ジャネットがニヤリとマフダに笑いかける、
「や、そんな大層なものでは・・・」
マフダは頬を赤らめて俯いた、
「えーでも、マフダがいなかったらこの髪飾りは無かったんだよ、大したもんだよ」
「あー、それかー、マフダが言ってたの・・・なるほど、良い出来だね」
フィロメナの視線がジャネットとマフダの髪へ向かう、髪飾りがキラキラとその存在を誇示していた、
「あー、マフダいたー」
「マフダみっけー」
「マフダ、朝ごはんいなかったー」
「親父に怒られるぞー」
散らばっていた妹達がいつの間にやら集まっており、フィロメナの回りで騒ぎ出す、
「皆で来たの?」
「そうだよー、親父がマフダを見てこいって言ってたー」
「そうなの、でもねー、ヒセラねーさんはめんどいってー」
「だから、フィロメナねーさんなのよー」
「マフダー、髪飾りかわいいねー」
やんやと騒がしい4人の妹達である、上からノールとノーラ、リセン、サスキアである、対外的には13女から16女としているがそれには大した意味は無い、家庭内では一括りに幼女組とか4人衆とか呼ばれていたりもする、勿論であるが皆養女であり、捨て子又は孤児であった、しかし、彼女達にその出生による陰鬱さは皆無である、ガキンチョは走って笑って食って寝るのが仕事だ、が彼らの養父であるリズモンドの口癖である、その教育方針が彼女達の人格形成に多分に影響している事は明らかであろう、それはマフダやフィロメナを見ても分かる通りに概ね真っ当に結実する様子である、しかし、やはりであるが、遊んでばかりでは足りないだろうと年長の姉達はしっかりと読み書き算学を教え込んでもいる、実に良い家庭なのである、
「もー、騒がないの」
マフダは嬉しいような困ったような微妙な表情を浮かべている、
「こら、マフダは仕事中なんだよ」
「あはは、元気だなー、おねーさんの子供さんですか?随分大きいですけどー」
ジャネットが楽しそうに妹達を見下ろす、
「いんや、妹達だよ、マフダもね」
「あ、そうなんですか、姦しくて楽しそうですねー」
「楽しいかな?姦しいのはその通りなんだけどね」
フィロメナは溜息を吐くと、
「ほれ、お前らは何にする?いつものにする?」
「違うのー、新しいのがあるってマフダが言ってたー」
「ノールも違うのがいいー」
「サスキアもー」
「そうかい、そうかい、じゃ、なんだっけ、ベールパンだっけ、それ貰える」
「はい、ありがとうございます、ソースを選べますが何にします、イチゴと黒糖とアンズとカスタードがあります」
「だって、どうする?」
フィロメナが4人に問う、
「イチゴ」
「アンズってなーにー」
「カスタードってなーにー」
「イチゴがいいー」
「・・・何って聞かれても・・・難しいな・・・」
フィロメナが答えに窮していると、
「はい、では、こちら、ちょっと舐めてみて」
ジャネットが用意してあったであろう小皿を4つ取り出した、色とりどりのソースがそれぞれに盛られ小さなヘラが数本刺さっている、
「?これは?」
「試食用のソースです、ちょっとだけ舐めてみてね」
ジャネットが優しい微笑みを浮かべつつ見やすいようにしゃがみ込み、妹達の熱い視線が小皿に集中した、
「いいの?」
ノーラがフィロメナを見上げ、
「なるほど、気が利いてるな、うん、流石だねー」
フィロメナは感心しつつ、試食を許可する、妹達は争うように小皿に刺さった小さなヘラを口に運ぶと、
「美味しいー、この黄色のなに?」
「それがカスタード」
「こっちのは?」
「それがアンズ」
「これイチゴでしょ」
「そうよー」
「アンズ美味しいー」
「カスタード好きー、カスタードにするー」
「ん?決まった?」
「うん、カスタードー」
「アンズー」
「イチゴはやめー、カスタードがいいー」
「黒糖ね」
一人だけやけに渋い声が上がるリセンの落ち着いた声であった、その子供らしからぬ選択にフィロメナは勿論であるが、ジャネットとマフダも思わずニヤケ笑いを浮かべる、
「そっか、じゃ、カスタードが二つとアンズが一つ、それと黒糖を一つで、あ、私はイチゴにしようかな?」
「はい、ありがとうございます」
ジャネットが復唱しつつアニタが木簡に記入する、
「じゃ、ほら、マフダさん、作ってあげて」
「え、私?いいんですか?」
「勿論よ、昨日練習したでしょ」
「でも、まだ慣れなくて・・・」
「いいから、妹さん達なんでしょ、作ってあげなさいよ」
アニタと調理担当が気を利かせてアニタに場所を譲る、アニタは人前である事もあってか恥ずかしそうにしながら生地の入ったボールに手を伸ばした、
「マフダ出来るのー?」
「大丈夫?ー」
「マフダなのにー」
浮かれた妹達の罵声ともとれる大声が響いた、
「こら、マフダねーさんでしょ」
「マフダ、ガンバレー」
一人だけマフダを応援する声がある、マフダが家にいると常にその側を離れないサスキアの声であった、敬称を付けていないがま良いかと、
「サスキアは優しいわねー」
フィロメナがサスキアの頭を優しく撫でる、
「むー、マフダー、ガンバレー」
「マフダー、負けるなー」
「マフダー・・・えっと、しっかりしろー」
その様子を見て今度は声援を送る事としたらしい妹達である、実に現金なものである、
「もう、調子がいいんだからー」
マフダは笑いをかみ殺し、ジャネットとアニタは楽しそうに見守りつつ、
「あ、じゃ、どうです、ソーダ水とかお持ち帰り用のロールケーキもありますよ」
ジャネットもその役務を忘れていない、しっかりと仕事をしている、
「そっか、じゃ、どうしようかな、お持ち帰りかー、お土産って事だよね・・・ふむ」
フィロメナが黒板を見上げて考え込み、
「ロールケーキはカスタードだっけ?」
確認の為の質問である、
「あ、ごめんなさい、今日用意してあるのはホイップのみのロールケーキだけなんです、以前にもお試しになりました?」
「あ、ほら、私、保護者代わりだったからさ、エレイン会長にも会ったのよ、マフダの面接の時に、その時にお土産で貰ったんだよね、会長もテラさんも面白い人だよねー」
「そうだったんですか、そうなると、そうですね、多分ですが、カスタード入りのロールケーキだったと思うんですけど、今日のはホイップクリームのみのロールケーキです、若干甘さを強くしたホイップクリームですから、また違った美味しさがあると思いますよ」
流麗なジャネットの説明とその屈託のない笑顔に、フィロメナは大したもんだと感心しつつ、
「では、そうね、4本・・・だと足らなかったんだよね、6本お願いできる?」
「はい、ありがとうございまーす、ロールケーキ3箱御注文でーす」
「はーい、ありがとうございます」
「商売上手だなー」
フィロメナがニヤリと微笑み、会計をしていると、
「ねーさん、髪留め売ってるー」
「なに?」
ノーラが目敏く調理器具の棚を見付けたらしい、さらにブノワトが髪留めと木工細工を紹介し、これだと思ったノーラがフィロメナの足にしがみついたのであった、
「あっち、あっちー」
遠慮なく引っ張るノーラに、
「こら、ちょっと先にお金払ってから」
フィロメナは悲鳴のような声を上げた、
「えー、無くなっちゃうよー」
「大丈夫、大丈夫、いっぱいあるから」
ジャネットがお金を受け取りつつ笑いかける、
「他にも泡立て器とかクッキーの型もありますから、ごゆっくりどうぞ、あ、こちら試供品のクレオの一時です、一個ずつどうぞ」
「あー、これ、美味しいやつだー」
「うん、ノールこれ好きー」
「マフダのお土産と同じやつ?」
「こっちの方が色が綺麗よー」
「そりゃ、マフダだしー」
「スライムのあるー?」
「スライム?」
ジャネットが首を傾げる、
「あー、あれだ、ニャンコの形のやつだ、上下逆にするとスライムなんだってさ」
「あー、なるほどー・・・・って、えっ、スライム?」
「子供の言う事はわかんないよねー」
フィロメナはアッハッハと明るく笑った、
「そうですねー」
「あった、ほら、スライム」
「葉っぱがいいなー」
「これがいいー、星のやつー」
遠慮の無い子供達である、ジャネットはマフダさんも大変だなこりゃと微笑むのであった。
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