578 / 1,471
本編
56話 三つ色の樹 その7
しおりを挟む
正午になる前にサビナはゾーイと共に商会へ赴き、マフダとリーニーを連れ出すと学園へ向かった、美容服飾研究会の為である、延期したとはいえ、開催する事は確約しており、会場も今日であれば自由に使えるであろう、意気揚々と4人は学園へ向かい、事務室に一度確認を取って講堂に入ると既に新入生と思われる集団が幾つか屯していた、どうやら彼女達は研究会の事を先輩達に聞いていたらしい、授業自体は早めに終わっており講堂で待っていた様子である、勿論であるが見知った顔も有り、ルルとグルジアが良かったーとサビナに駆け寄り、見ればその後ろにはレスタの姿も有る、さらにサレバとコミンも駆け寄って来た、
「ありゃ、そっか、あれか、初めて参加する子も居るんだねー」
サビナは状況を察してそういう事なら少し手間が掛かるがやわらかクリームの作り方から始めようかなと進行を頭の中で組み替えつつ、会場設営の指示を飛ばす、皆喜んで椅子を並べていると、
「おう、ちょっといいかな?」
学園長がノソリと顔を出した、サビナがまた何かあったかと慌てて駆け寄ると、
「すまんな、忙しい所、ユーリ先生と打ち合わせがしたくてな、今日は学園で見ていないと事務員達が言っていたがどうかしたのかな?」
と心配そうな顔である、サビナはあーと思いつつ、適当に話しを合わせ、
「では・・・あーっと・・・御免なさい、ゾーイさん」
周囲を見渡してゾーイを呼びつける、ゾーイがすぐに二人の元へ駆け付けると、
「すまんな、ゾーイさん・・・ん?何じゃ、どうした、早速男でもできたのか?」
学園長はゾーイの顔を見て目を剝いた、そのあからさまな変化に気付いたのであろう、サビナは年齢の割に目敏いなーとほくそ笑み、ゾーイは、
「えっと・・・そういうわけでは・・・」
静かに呟きはにかんで俯いた、
「そうか、いや、すまんな、年頃の娘さんに失礼じゃったな」
失敬失敬と学園長は頭を掻く、そしてサビナはゾーイにユーリを呼んで来るように頼み、ゾーイはそそくさとユーリの研究室へ走った、
「いや・・・気を悪くしたかのう」
その背を学園長は見送って呟く、
「そんな事ないですよ、褒められて嬉しくない女性はおりません、問題があるとすれば褒め方ですかね」
ニヤリと笑うサビナに、そうじゃなと学園長は頷き、
「そう言えばサビナさんも雰囲気が変わっておるな、何ぞ良い事でもあったのかな?」
しげしげとサビナを見つめた、
「ですから、素直に褒めればいいんです、変に勘繰るから拗れるんですよ」
サビナの指摘に、なるほどそういう事かと学園長は破顔し、すまんすまんと笑いながら講堂を後にした、
「まったく」
とサビナは苦笑いで振り返る、会場設営は大人数であったこともあって順調に進んでおり、まぁこんなものかなと使える程度には出来上がった様子で、足りないようならまた並べれ良いかとサビナは判断し、他の生徒が来る迄若干時間もありそうだなと考え、
「はいはい、じゃ、初めての人達には基礎知識から始めるからー、前の方に座んなさい」
と研究会の開始を告げた。
学園長がさてどうするかと事務長と相談していると、扉を叩く音が響き、学園長が入室を大声で促す、
「失礼します」
ユーリが顔を覗かせた、
「おう、すまんなユーリ先生、忙しかったじゃろ」
「それほどでも・・・あはは・・・」
ユーリは誤魔化し笑いを浮かべて学園長室へ滑りこむ、ゾーイから状況を聞いているがサビナが今日のユーリの事をどのように学園長に説明したかまではゾーイも把握しておらず、取り敢えず場の雰囲気に合わせようとユーリは冷や汗を掻きながら扉を叩いたのであった、とてもではないが羽を伸ばしていましたとは口が裂けても言えないであろう、
「うむ、さ、座れ、早速で悪いのじゃが」
と学園長は流れる様に話し始めた、同席する事務長は既に聞いた事であり、ユーリは随分性急ねと思いつつも腰を下ろして静かに耳を傾ける、
「というわけでじゃ、ユーリ先生にも意見が欲しくてな」
「意見ですか・・・」
ユーリは心持ちを仕事状態に強引に引き上げるとフムと考え込む、学園長の説明によると、午前中学園長は学部長と共に領主邸へ招かれ、先日も取り沙汰された資金提供について本格的な意見交換をしたらしい、しかしどうやら少しばかり心変わりがあったようで、それによると、カラミッド本人は学園そのものよりも街中の平民への教育の提供を考えているらしく、それはユスティーナの入れ知恵と、リシャルトの表だっての交流は場合によっては問題の種になるであろうとの助言によっての決断らしい、ユーリはユスティーナの名前を聞いた瞬間に、エレインが絡んでいるなと瞬時に見抜き、しかし、それはそれで結構な事かしらと良い事と捉え直す事とした、そして、その構想については学園長自身は大変に乗り気のようであり、事務長をチラリと伺えば悪い顔はしていない、若干渋い顔なのは単に実際に動き出したら手間だろうなと現実的な事を考えている為であろうと勘繰る、
「そうですね、以前エレインさんの所で伺ったそのままに聞こえますが・・・」
ユーリはそっと学園長を伺う、以前商会へ学園長と共に訪問した際にエレインが話していた、子供を預かりつつ学問を提供する場にしたいとの構想に近いものであったからである、
「そうなのじゃ、恐らくだがユスティーナ様の入れ知恵とやらがエレインさんのそれなのではないかと思うのだが・・・」
学園長も同じように捉えた様子で、
「やはりそう思われますか?」
「うむ、全くとは言わないが方向性が同じだからな、違うとすればその対象じゃな、エレインさんは仕事をしながらでもと話していたが、カラミッド様のそれは子供達を中心としたものであった、恐らくじゃがエレインさんの構想をユスティーナ様なりに咀嚼して、さらにカラミッド様が味付けをした、で、リシャルト殿が調整した・・・のかな、どうかのう?」
学園長はニヤリと微笑む、
「そうですね、私もそのように感じます・・・すると・・・どうでしょう、エレインさんを巻き込みます?」
「いや、それも含めての相談なのじゃ、あの女人の実力は十分に理解しておるが、忙しいであろう、学園に席がまだあるとはいえ貴族出身者である事もあってな、あまりこちらから積極的に助力を乞うのも難しいかと思ってな、事務長とも話していたのじゃが・・・うん」
と学園長は盛大に首を捻る、ユーリとしてはエレインが喜びそうな話しだなと思っていたが、どうやら彼女を巻き込む事は本人よりもその立場が問題になるらしい、
「と言いますと?」
「うむ、ほれ、どうしても貴族が絡んでくるとその綱引きというか利権がなどうしてもこう絡んでしまう、儂は貴族の席はあるが傍系じゃからな、まるでそっちの世界は他人事と生きて来たのじゃが、事務長の意見ではな、貴族と貴族とのやり取りにはそれはそれで暗黙の決まりがあるそうでな、今回はほれ、まず何よりも王と公爵の関係だな、それとエレインさんはライダー子爵家であったか、うん、そこら辺のな、恐らく本人達でなければ理解出来ない力関係という奴がな、問題になるかもしれんとな、何とも雲を掴むような言い方しかできんのじゃが、うん」
どうやら学園長自身では判断出来かねる事らしい、そういうものなのかとバリバリの平民であるユーリはフーンと頷くしかなく、
「カラミッド様としては気にはしないと笑っていたが、そこに今度は学園の立場も絡んでしまうのじゃな、学園として生徒を預かっている以上、学問意外に生徒を動員するのはちと難しくてな、彼女が卒業していればまた話しは変わるが・・・」
ユーリはもう卒業しているようなものであろうと鼻白む、あれだけ好き勝手やっていて何のお咎めも無いのだ何を今更と呆れるしかない、
「いや、ユーリ先生のお気持ちも分かります」
事務長が口を開いた、
「エレインさんに関しては貴族の特別扱いの状態であります、色々と思う所もあるでしょうが、これは学園としても先方の貴族としても実に便利な扱いでしてな、しかし、このような状況になったのは初めての事でして、簡単にはいかんのですよ」
何とも煮え切らない言葉であった、
「そうですか・・・そうなると・・・うん、どうでしょう私から直接聞いてみましょうか?それと、クロノスですか、そちらにも聞いておきたいと思いますが如何でしょうか?」
「そうなるか・・・」
「そうですね・・・」
学園の重鎮二人は渋い顔であるが頷くしかないといった様子であった、正直な所、この二人を持ってしても簡単には結論が出せないのであろう、特に貴族が絡んだ問題である、場合によっては火種になりかねない、この場合、領主は良いとしても王国が背後にある学園としては王国の理解は絶対に必要で、さらに事の構想の端緒もまた下級とはいえ貴族である、三方を上手く取りまとめる必要があると二人は考えている様子で、エレインさんも随分偉いのねとユーリは改めて思うが、偉いのはその実家であり、血縁者である、エレイン自身は実力はありつつも腐っていたような人物なのだから気兼ねなど必要無いのではないかとユーリは考えるが、こと政治の絡んだ話しとなると一筋縄ではいかないのであろう、
「全く・・・どうせそのつもりで呼んだのでしょう?」
ユーリはやれやれとこれ見よがしに溜息を吐いた、こちら側の重要人物であるエレインとクロノスを相手にして気兼ねが無いどころか好き放題言えるのはユーリとソフィアくらいのものである、さらに言えばこういった騒動は二人共にお手の物であり、その中心にしれっと居る事が多い、学園長と事務長から見ても扱いには困る事もあるが稀有で唯一無二の、いや唯二無三の人材であったりする、
「すまんな、その通りだ」
学園長は真摯な瞳でユーリを伺う、本来であれば自分が走らねばならない案件なのであるが、ここは先に根回しと意思確認をユーリに願っているのだ、故に先程から大変に歯切れが悪い、このような案件に一教師どころか一研究員を巻き込むのは本来あってはならないことであろう、ユーリ個人はそのどちらでもあってその程度には収まらない人物であるのだが、それを知る二人故にどこまでも頼るのは自分達の無力を再確認するようで歯痒い思いもあった、
「はい、理解致しました、ですが・・・そうですね、時間はどの程度ありますでしょうか?」
「うむ、それなのだがな」
さらに詳細な打合せが始まる、それは構想の内容は一先ず置いておいてどこの誰にどこまでの情報提供が必要かという、正に政と下準備のそれであった。
「ありゃ、そっか、あれか、初めて参加する子も居るんだねー」
サビナは状況を察してそういう事なら少し手間が掛かるがやわらかクリームの作り方から始めようかなと進行を頭の中で組み替えつつ、会場設営の指示を飛ばす、皆喜んで椅子を並べていると、
「おう、ちょっといいかな?」
学園長がノソリと顔を出した、サビナがまた何かあったかと慌てて駆け寄ると、
「すまんな、忙しい所、ユーリ先生と打ち合わせがしたくてな、今日は学園で見ていないと事務員達が言っていたがどうかしたのかな?」
と心配そうな顔である、サビナはあーと思いつつ、適当に話しを合わせ、
「では・・・あーっと・・・御免なさい、ゾーイさん」
周囲を見渡してゾーイを呼びつける、ゾーイがすぐに二人の元へ駆け付けると、
「すまんな、ゾーイさん・・・ん?何じゃ、どうした、早速男でもできたのか?」
学園長はゾーイの顔を見て目を剝いた、そのあからさまな変化に気付いたのであろう、サビナは年齢の割に目敏いなーとほくそ笑み、ゾーイは、
「えっと・・・そういうわけでは・・・」
静かに呟きはにかんで俯いた、
「そうか、いや、すまんな、年頃の娘さんに失礼じゃったな」
失敬失敬と学園長は頭を掻く、そしてサビナはゾーイにユーリを呼んで来るように頼み、ゾーイはそそくさとユーリの研究室へ走った、
「いや・・・気を悪くしたかのう」
その背を学園長は見送って呟く、
「そんな事ないですよ、褒められて嬉しくない女性はおりません、問題があるとすれば褒め方ですかね」
ニヤリと笑うサビナに、そうじゃなと学園長は頷き、
「そう言えばサビナさんも雰囲気が変わっておるな、何ぞ良い事でもあったのかな?」
しげしげとサビナを見つめた、
「ですから、素直に褒めればいいんです、変に勘繰るから拗れるんですよ」
サビナの指摘に、なるほどそういう事かと学園長は破顔し、すまんすまんと笑いながら講堂を後にした、
「まったく」
とサビナは苦笑いで振り返る、会場設営は大人数であったこともあって順調に進んでおり、まぁこんなものかなと使える程度には出来上がった様子で、足りないようならまた並べれ良いかとサビナは判断し、他の生徒が来る迄若干時間もありそうだなと考え、
「はいはい、じゃ、初めての人達には基礎知識から始めるからー、前の方に座んなさい」
と研究会の開始を告げた。
学園長がさてどうするかと事務長と相談していると、扉を叩く音が響き、学園長が入室を大声で促す、
「失礼します」
ユーリが顔を覗かせた、
「おう、すまんなユーリ先生、忙しかったじゃろ」
「それほどでも・・・あはは・・・」
ユーリは誤魔化し笑いを浮かべて学園長室へ滑りこむ、ゾーイから状況を聞いているがサビナが今日のユーリの事をどのように学園長に説明したかまではゾーイも把握しておらず、取り敢えず場の雰囲気に合わせようとユーリは冷や汗を掻きながら扉を叩いたのであった、とてもではないが羽を伸ばしていましたとは口が裂けても言えないであろう、
「うむ、さ、座れ、早速で悪いのじゃが」
と学園長は流れる様に話し始めた、同席する事務長は既に聞いた事であり、ユーリは随分性急ねと思いつつも腰を下ろして静かに耳を傾ける、
「というわけでじゃ、ユーリ先生にも意見が欲しくてな」
「意見ですか・・・」
ユーリは心持ちを仕事状態に強引に引き上げるとフムと考え込む、学園長の説明によると、午前中学園長は学部長と共に領主邸へ招かれ、先日も取り沙汰された資金提供について本格的な意見交換をしたらしい、しかしどうやら少しばかり心変わりがあったようで、それによると、カラミッド本人は学園そのものよりも街中の平民への教育の提供を考えているらしく、それはユスティーナの入れ知恵と、リシャルトの表だっての交流は場合によっては問題の種になるであろうとの助言によっての決断らしい、ユーリはユスティーナの名前を聞いた瞬間に、エレインが絡んでいるなと瞬時に見抜き、しかし、それはそれで結構な事かしらと良い事と捉え直す事とした、そして、その構想については学園長自身は大変に乗り気のようであり、事務長をチラリと伺えば悪い顔はしていない、若干渋い顔なのは単に実際に動き出したら手間だろうなと現実的な事を考えている為であろうと勘繰る、
「そうですね、以前エレインさんの所で伺ったそのままに聞こえますが・・・」
ユーリはそっと学園長を伺う、以前商会へ学園長と共に訪問した際にエレインが話していた、子供を預かりつつ学問を提供する場にしたいとの構想に近いものであったからである、
「そうなのじゃ、恐らくだがユスティーナ様の入れ知恵とやらがエレインさんのそれなのではないかと思うのだが・・・」
学園長も同じように捉えた様子で、
「やはりそう思われますか?」
「うむ、全くとは言わないが方向性が同じだからな、違うとすればその対象じゃな、エレインさんは仕事をしながらでもと話していたが、カラミッド様のそれは子供達を中心としたものであった、恐らくじゃがエレインさんの構想をユスティーナ様なりに咀嚼して、さらにカラミッド様が味付けをした、で、リシャルト殿が調整した・・・のかな、どうかのう?」
学園長はニヤリと微笑む、
「そうですね、私もそのように感じます・・・すると・・・どうでしょう、エレインさんを巻き込みます?」
「いや、それも含めての相談なのじゃ、あの女人の実力は十分に理解しておるが、忙しいであろう、学園に席がまだあるとはいえ貴族出身者である事もあってな、あまりこちらから積極的に助力を乞うのも難しいかと思ってな、事務長とも話していたのじゃが・・・うん」
と学園長は盛大に首を捻る、ユーリとしてはエレインが喜びそうな話しだなと思っていたが、どうやら彼女を巻き込む事は本人よりもその立場が問題になるらしい、
「と言いますと?」
「うむ、ほれ、どうしても貴族が絡んでくるとその綱引きというか利権がなどうしてもこう絡んでしまう、儂は貴族の席はあるが傍系じゃからな、まるでそっちの世界は他人事と生きて来たのじゃが、事務長の意見ではな、貴族と貴族とのやり取りにはそれはそれで暗黙の決まりがあるそうでな、今回はほれ、まず何よりも王と公爵の関係だな、それとエレインさんはライダー子爵家であったか、うん、そこら辺のな、恐らく本人達でなければ理解出来ない力関係という奴がな、問題になるかもしれんとな、何とも雲を掴むような言い方しかできんのじゃが、うん」
どうやら学園長自身では判断出来かねる事らしい、そういうものなのかとバリバリの平民であるユーリはフーンと頷くしかなく、
「カラミッド様としては気にはしないと笑っていたが、そこに今度は学園の立場も絡んでしまうのじゃな、学園として生徒を預かっている以上、学問意外に生徒を動員するのはちと難しくてな、彼女が卒業していればまた話しは変わるが・・・」
ユーリはもう卒業しているようなものであろうと鼻白む、あれだけ好き勝手やっていて何のお咎めも無いのだ何を今更と呆れるしかない、
「いや、ユーリ先生のお気持ちも分かります」
事務長が口を開いた、
「エレインさんに関しては貴族の特別扱いの状態であります、色々と思う所もあるでしょうが、これは学園としても先方の貴族としても実に便利な扱いでしてな、しかし、このような状況になったのは初めての事でして、簡単にはいかんのですよ」
何とも煮え切らない言葉であった、
「そうですか・・・そうなると・・・うん、どうでしょう私から直接聞いてみましょうか?それと、クロノスですか、そちらにも聞いておきたいと思いますが如何でしょうか?」
「そうなるか・・・」
「そうですね・・・」
学園の重鎮二人は渋い顔であるが頷くしかないといった様子であった、正直な所、この二人を持ってしても簡単には結論が出せないのであろう、特に貴族が絡んだ問題である、場合によっては火種になりかねない、この場合、領主は良いとしても王国が背後にある学園としては王国の理解は絶対に必要で、さらに事の構想の端緒もまた下級とはいえ貴族である、三方を上手く取りまとめる必要があると二人は考えている様子で、エレインさんも随分偉いのねとユーリは改めて思うが、偉いのはその実家であり、血縁者である、エレイン自身は実力はありつつも腐っていたような人物なのだから気兼ねなど必要無いのではないかとユーリは考えるが、こと政治の絡んだ話しとなると一筋縄ではいかないのであろう、
「全く・・・どうせそのつもりで呼んだのでしょう?」
ユーリはやれやれとこれ見よがしに溜息を吐いた、こちら側の重要人物であるエレインとクロノスを相手にして気兼ねが無いどころか好き放題言えるのはユーリとソフィアくらいのものである、さらに言えばこういった騒動は二人共にお手の物であり、その中心にしれっと居る事が多い、学園長と事務長から見ても扱いには困る事もあるが稀有で唯一無二の、いや唯二無三の人材であったりする、
「すまんな、その通りだ」
学園長は真摯な瞳でユーリを伺う、本来であれば自分が走らねばならない案件なのであるが、ここは先に根回しと意思確認をユーリに願っているのだ、故に先程から大変に歯切れが悪い、このような案件に一教師どころか一研究員を巻き込むのは本来あってはならないことであろう、ユーリ個人はそのどちらでもあってその程度には収まらない人物であるのだが、それを知る二人故にどこまでも頼るのは自分達の無力を再確認するようで歯痒い思いもあった、
「はい、理解致しました、ですが・・・そうですね、時間はどの程度ありますでしょうか?」
「うむ、それなのだがな」
さらに詳細な打合せが始まる、それは構想の内容は一先ず置いておいてどこの誰にどこまでの情報提供が必要かという、正に政と下準備のそれであった。
1
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる