セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

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本編

61話 計略と唄う妖鳥 その6

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現在のアイセル公であるクンラート・ミラ・コーレインは40代の頑健な偉丈夫である、その立ち姿は正に軍人と言ってよく、先の大戦時に於いても王国軍を置き去りにして魔族軍に切り込む程に血の気の多い人物であった、その命令に従わない傍若無人ぶりにメインデルトは、暴れ馬ならまだしも猪を乗りこなせるもの等おらんと評し、さらに政治的にも独特の感性を持っているのか勘が良く、王国軍の障害としてその行動を制御下に置くほどに卓越した見えない影響を振るって見せた、これには全軍を預かっているメインデルトは公に非難する事も出来ず国王に泣き付く事態となる、メインデルトは生粋の軍人であり、政治家ではない、ボニファースはメインデルトの要請に、文官と当時の右腕であった従者の一人を送って対処させる事となった、メインデルトとしては非常に不甲斐ない状況である、而して今日この場で一番の問題となっているのがその有能な人物であり、タロウが口にした人物はその実父である先代のレイナウト・ミラ・コーレインの事であった、その先代もまた独特の感性を持った人物で、王国との諍いを陰で制御しつつ、魔族との戦が始まるや否や、これは自分の手には負えないと実子に後を託したのである、先見の明があると言えばそうであり、引き際を理解しているという点でもこの人物はなかなかと評するに値する、

「あれだろ、その傷跡を時々摩る癖があるのではないか?」

ボニファースが続けてタロウに確認した、

「・・・確かに、あったかもしれません、こう右手で左手を押さえるような、単に腕を組んでいるようにも見えましたが・・・私は傷を隠しているのかなと・・・そう思って見てました」

「そうか・・・であれば・・・まぁ、あれであれば・・・冒険者を陰ながら助けたつもりなのであろうな、らしいと言えばらしい・・・」

ふむとボニファースは黙り込む、これはどうしたものかと軍団長二人とクロノスは顔を見合わせた、

「いや、実はな、今日この場に学園長と事務長を呼んだのは別の方策があるかと思ってのことでな」

とボニファースは口を開いて学園長らが座る席へ視線を向けた、学園長と事務長は何事かと背筋を伸ばし、ユーリもつられて緊張してしまう、

「クレオノート家と親交を深めていると聞いているが、それは事実かな?」

ボニファースの問いに、学園長は口を開きかけてヨリックを伺う、ヨリックは小さく頷いて了承の意とした、

「はっ、はい、経緯は興味深い・・・いや、失礼必要無いですな・・・クレオノート家の細君と御息女とは懇意にさせて頂いております、また、クレオノート伯御本人とも状況によりますが、同様であります」

学園長は慌てつつも考えながら答えた、

「そうだな、クロノスやリンドからも報告を受けている、その縁を使えないかと思ったのだが、どうだ?」

「どうだと言われますと?」

「・・・そうだな、一つ腹を割って話したいと思っていたのだ、クレオノート伯とはな、その上で、アイスル公とも協議を持ちたいとな、あいつらは王都に呼び出してもなんのかんのと理由をつけて出てくることが無くてな、儂でさえその顔は一度か二度しか見ておらん、これは王国の統治にとって重大な問題なのだが・・・まぁ、それは良いとして、クレオノート伯の自治はなかなかに見るべきものがある、儂はそう思っておってな、そのうちそういう機会をと考えていたところにこの騒ぎだ、丁度良いと思ってな」

「左様でしたか・・・であれば・・・」

学園長はユーリを伺う、ユーリはエッこっちに振るのかと、分かりやすい狼狽の色を浮かべた、

「うむ、ソ・・・いや、六花商会の会長・・・うむ、何とかなるのではないかな?」

学園長は一応と個人名を避けた、タロウがそうしていた事に敏感にも気付いていたからである、

「確かに・・・しかし、どういった名目に致しましょう、それにある意味でだまし討ちのような行為です、折角仲良くなっているものを、それを壊すことにもなりかねません」

「それはモニケンダムが滅ぶよりも大事かな?」

ユーリが困惑して躊躇するが、ボニファースがすぐさま辛辣で現実的な危機を指摘する、これにはユーリも黙るほか無かった、

「取り合えず、現状を維持した場合、恐らくモニケンダムとアルメレは侵攻に気付いてから一月と持たず陥落するであろう、モニケンダムは特に、城も無く城壁も無い、さらに弱兵である、弱兵と評するのは違うな・・・寡兵と呼ぶべきかな、ヘルデルにはそれなりの兵があるが、それでも彼の地から兵を回すのに10日は必要であろう、その間3万の軍に対抗する力はモニケンダムには無い、モニケンダムが戦場となれば・・・1日で蹂躙されるだろう、これは儂と軍団長、クロノスも同じ意見だ、そしてそれはアルメレも同様だ、モニケンダムよりかはまし程度だな、城壁もあるし兵もいる・・・が、恐らくモニケンダムからの避難民の対応をしている間に攻められる、そしてその避難民はヘルデルか王都に向かうであろう、そして・・・」

ボニファースは一旦言葉を区切り、

「うん、儂であれば、そのままヘルデルなり、王都なりに攻め込むな、向こうの王は何と言ったかな?」

「皇帝であります」

ヨリックが答えた、

「それだ、その若く血気盛んな皇帝とやらであれば、一気に王国全土を手に入れようと画策するやもしれん、現段階でアルメレまでとしているのはこちらの戦力が未知で、王国の全容・・・軍に人に農地に道路に・・・まぁまさに全容だがそれが分らないからだな・・・調査はしたのであろうが、かの報告書とやらの内容を精査してみないとわからんか・・・しかし、モニケンダムを落とせば全てはあっという間に理解されるだろうな、市井で聞き及ぶ以上の事が簡単に理解されるだろう・・・こちらの言葉も文字も調査済みらしいしな・・・」

ボニファースがジッと学園長らを見据えると、

「この存亡を回避するにはモニケンダムの手前で阻止するしかないのだよ、それには王国全土が一丸とならんと難しい、さらにアイスル公の協力も勿論だな」

「・・・なるほど、理解しました」

ユーリは口元を引き締めて頷いた、そうせざるを得なかったとも言えるが、先程のヨリックの報告が全て事実なのであれば、王国の存亡の危機である事は疑いようがない、ここで個人間の友好関係云々を持ち出すのは愚か者の所業であろう、

「でだ・・・しかし、タロウ・・・お前さんの方の縁を辿ることは可能か?」

ボニファースがタロウへ視線を向ける、タロウは少しばかり考え、

「そう・・・ですね、ヘルデルのローレン商会に連絡を取ればもしかしたら・・・但し、大戦時の事であります、辿ることは可能かと思いますが、件の先代公爵に会えるかどうか・・・」

と言葉を濁した、すると、

「失礼」

事務長が小さく手を上げている、ヨリックが促すと、

「はい、すいません、タロウさん、ローレン商会で間違いはないですか?」

と確認する、

「そこは間違いないですね、食材から雑貨から武器まで取り扱っている商会は少ないですから、その中でもローレン商会は何かと便利に使っておりましたので」

「そうですか、であれば、別の縁がありますね」

「あっ・・・もしかして」

ユーリも何かに気付いた、

「はい、これは別途確認致しますが、そのローレン商会の娘が我が学園に在籍しておるやもしれません・・・少なくとも私の記憶にある限りはローレン商会で間違いないかと・・・」

「ほう・・・それは面白い」

ボニファースがニヤリと微笑む、タロウはへーそうなんだと感心している、

「そうなると・・・どうだ、少し動いてくれるかな、儂の要望はクレオノート伯又は先代コーレイン公との会談だ、二人同時でも構わん、現コーレイン公は後回しで良かろう、手段は問わんが・・・できるだけ・・・そうだな、柔らかく話せる場が欲しいかな・・・」

学園長はユーリと事務長、それからタロウへと視線を移し、これはまた重大な仕事を任せられたものだと額に手を当て沈思する、そして、

「分かりました、何より王国、さらにモニケンダムの為を思えば、必要な事と思います」

スッと顔を上げて了承する、

「うむ、頼む、仔細はクロノスとリンドと協議せよ、取り合えずアイスル公に対してはそのようにな、アンドリース、メインデルト、構わんな?」

ボニファースは己が両翼に確認し二人は静かに頷いた、

「では次だ」

はいとアンドリースが次の議題を口にする、戦争の開始時期である、これはタロウの情報によると年明けとの事であった、それに向けての軍需物資の確認が口頭でなされ、軍の関係者が指名され次々と答えていく、

「となると、第一第二、第五、第六も即応体制に移れると思ってよいかな?」

アンドリースがメインデルトとクロノスに確認する、二人共に異論は無いようであった、

「では、次に戦の最終目的となる、これはこの場で決定するものではないが意見を聞きたい」

アンドリースがゆっくりと参加者を見渡す、事務官の一人が手を上げヨリックが指名すると、

「撃退するだけでは足りませんですか?」

当然の質問が発せられた、今回の戦は防衛戦である、単純に言えば敵を追い返せば取り合えず目先の危機は去るであろう、

「それも考えたが・・・難しいと思う、いや、追い返すだけならとも考えたのだが、すぐに次が来るであろうな、そうなると、モニケンダムとその荒野とやらに2個軍団は常駐させたい、それも良いと思うが・・・次となれば相手も増強するだろう、その気になれば30万もの軍勢が押し寄せるぞ、その上戦争自体の長期化も考えられる・・・だから・・・うん、何らかの明確な戦果を上げるべきだな、向こうが二度と手を出したくないと思わせる程に・・・」

とアンドリースも悩んでいる様子であった、戦争とは始めるのは容易いが終わらせるのは難しいものである、特に侵略する側であればある程度の戦果で手打ちに持ち込むというのが常套手段とされるが、今回は防衛戦から始まるのが確定している、さらに今回の事例は大変に稀有である、本来であれば明確な宣戦布告なり攻撃なりをもって有事となるのであるが、まずもってそれが為されていない、さらに向こうは奇襲する事が前提で動いているが、すでにその情報はこちら側が得ている、何気に有利な立場にあるのはこちら側なのであった、こうなると、明確な戦果を設定しても良いかもと欲をかいてしまう、そうして、特に軍人から様々な意見が出された、この場では決定とはならない為にやや自由に発言が許される、

「分かった、皆の意見尤もと思う、改めて協議する事としたい」

活発な発言を受けアンドリースは締め括った、これはアンドリースが個人で決定できる事では無い、ましてアイスル公との兼ね合いもある、アンドリースは私からは以上だとヨリックに告げた、ヨリックは、

「はい、では、まとめますと対応協議としましては、アイスル公及びクレオノート伯との会談をバーク魔法学園長に一任、報告先はクロノス殿下及びリンド補佐官へ、各軍の即応体制については・・・」

と決定事項他を黒板を差しながら確認する、

「以上となりますが、宜しいですか」

最後にボニファースを伺う、

「本日はこんな所だろうな、まずは情報共有だ、以後、各軍団長との協議によって対応が為される、皆、王国の命運がかかっている、予想だにしなかったと言える状況であるが、切迫した状況でもある、迅速かつ確実に業務に当たるように頼む、それとここで交わされた一切の情報は他言は許されない、これからの一件も併せ、特に文官達は気を付けろ、来年まで酒の席は慎むように、それと学園関係者も同様だ、口を滑らせる事の無いように細心の注意を払う事、モニケンダムとアルメレに不要な混乱を招きかねん・・・それこそ噂話だけで潰れた村もある、重々心得よ」

ボニファースは低く力強い声音で言い放ち、一同は深刻な顔で受け止める、

「では続きまして人事になります」

ヨリックは静かになった一同を見渡して次の議題へと入る、そして、

「陛下、お願い致します」

とボニファースに水を向けた、若干その頬がほころんでいる、

「うむ、で、これもまた度肝を抜く・・・なぁ・・・」

ボニファースはここで初めて笑顔を見せてクロノスへ視線を向けた、

「そうですね、しかし、このように早い段階で宜しいのですか?」

クロノスも肩の力を抜いて微笑む、その様子にアンドリースとメインデルトは眉根を寄せ、参加者もまたどういう事かと訝しそうに二人を見つめた、

「早いと思うか?」

「そりゃ・・・だって、魔法の修行がまだですから・・・」

「しかし、お前の隣に座らせておくよりかは良いだろう」

「それは政の勉強だと話したでしょう、暫くは続けますよ」

「飽きていたぞ」

「だから、そういうものでしょう、あれは・・・」

「そうだがな、それこそ少し早いぞ」

「甘やかしすぎですよ、気持ちは・・・分かりますが、知ったこっちゃないです」

「厳しいなぁ・・・」

先程までとは打って変わった砕けた口調である、どういうことかとさらに困惑する一同であった、

「まぁいい、おい、前に」

ボニファースが一同の最後列に声を掛ける、一斉に全員の顔が振り向くと、男が一人スッと立ち上がって上座に進み出た、その姿を見た瞬間に、あまりの事に声を無くすもの、エッと大声を上げる者、さらに、

「まさか・・・」

「いや、これは嬉しい・・・」

アンドリースとメインデルトは目を見開いて腰を上げた、

「何だ、酷い顔だぞ、死人でも歩いていたのか?」

ニヤリと微笑み、ヨリックの隣に立つイフナースである、

「ん、皆、ここにイフナースの快癒を発表する、それと同時に第六軍団の軍団長の責をクロノスからイフナースへ移譲する事とする、これは決定事項であるが、公布期日は追って連絡する、故に暫くは機密だ、異論はあるか?」

ボニファースはニヤニヤと一同を見渡す、誰も声を上げる者はいない、

「異論は無いようだな、イフナース、ケルネーレスの後を継げ、重責だが有能な補佐官達と厳しくも甘っちょろい義兄がいる、口うるさい古株も力になるだろう、遠慮無く頼るようにな」

「はっ、謹んでお受けいたします」

イフナースは軍人式敬礼でもって実父に応えた、その瞬間にワッと声が上がり、皆慌てて席を立つ、

「いや、すごい人気だな・・・」

タロウは大したもんだと口角を上げ、

「だろう?あれだ、若くて顔が良ければそれだけで良いんだよ」

クロノスは雑言を口にするが嬉しそうではある、

「なんだ僻みか?」

「言ってろ」

ニヤニヤと微笑む二人を背に、イフナースは力強い満面の笑みで歓声に答えるのであった。
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