【完結】可愛い女の子との甘い結婚生活を夢見ていたのに嫁に来たのはクールな男だった

cyan

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アルマ

夜のこと

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 夜になると共に食事をとり、それぞれの部屋に戻るのかと思ったら、ヴィーは俺の後を付いてきた。

「どうした? 部屋に戻らないのか?」
「一緒にいたい、です」
「ん? そうか。分かった」


 部屋に入るとソファーに座るよう言って、扉からグラスを2つと酒を出して注いで渡した。

「ありがとう」
「長旅だったんだろ? 疲れているんじゃないのか?」
「いえ。大丈夫です」
「そうか」

 彼は聞いたことには答えるが、自分から話題を広げたりはしないらしい。
 沈黙に耐えられず、酒をチビリチビリと喉の奥に流し込んだ。


「ヴィー、お前は俺が結婚相手でいいのか? 不満はないのか?」
「はい。不満などありません」
「そうか。緊張しているのか? それとも元々口数が少ない方なのか?」
「すみません。不快、でしたか? 両方、です……」
「いや、別にいい。俺もそれほど口数が多いわけではないから」
「はい……」

 再び訪れる沈黙。


「あの、アルマ様は私でいいのですか?
 私は名前も女性みたいですし、もしかして私のことは女だと思って結婚を受けたのかもしれないと……」

 バレていたか。しかし、肯定してしまうと関係が拗れるだろう。俺は迷ったまま何も答えられなかった。

「すみません。失礼なことを言いました。あの……夜はどうしますか?」
「夜?」
「はい。アルマ様が望まれるなら私は受けでも攻めでもいけますが」

 受け? 攻め? もしや、夜伽のことか?
 俺は男となどしたことがないぞ? ヴィーは俺のような男とできるのか?


「あ、そ、その、今日はヴィーが移動で疲れているだろうから、やめておこう。また、そのうち……」
「分かりました。では、私はそろそろ部屋に戻ります」
「あぁ」

 彼は立ち上がると俺の前まで来て、流れるような自然な動きで俺の頬に手を当てて唇にキスをした。
 そしてすぐに離れると、「おやすみなさい」と一言告げて部屋を出て行った。


 俺は唖然としたままその場から動けなかった。
 触れた唇は柔らかかった。そして何だか甘いいい香りがして、触れられた頬がどんどん熱を持っていくのが分かった。

 本当に彼は俺との結婚を受け入れているようだ。そうでなければキスなどするわけがない。
 女性だと思って結婚を受けたなどと言わなくてよかった。
 なぜかドキドキ胸が高鳴って、こんなことは初めてだった。いや、もしかしたら俺は心臓病なのか?

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