【完結】可愛く転生したのに、僕は生まれ変わっても好きなものを好きと言えない

cyan

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二人の進展

21.※

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 屋敷に一泊して僕は寮に戻った。父上も兄さんたちももう仕事に出かけてしまった。
 一人で寮の部屋に戻ると、部屋の前で殿下が待っていた。
「リアン待っていたぞ」
「殿下……中に入りますか?」
 殿下はいつから待ってたんだろう?

 部屋に入ってもらうと、殿下は僕にアメジストのネックレスをくれた。
「卒業祝いとウサギのお礼だ。気持ちを落ち着ける効果があるそうだ」
「ありがとうございます」
 こんな高そうなもの、いいんだろうか。銀細工の真ん中にアメジストが埋め込まれていて、とても綺麗だ。僕が手のひらに乗せて眺めていると、殿下が後ろに回ってネックレスをつけてくれた。

「リアン、お前を俺のものにしていいか?」
 後ろから抱きしめられて、耳元で囁かれたら、僕に抗うことはできない。殿下の心が僕に向いていないのは分かってる。それなのに、体だけだったとしても殿下に求められて嬉しいと思ってしまったんだ。

「はい」
 とうとうあのオイルを使う時が来た。僕はこっそり自分に清浄魔法をかけた。
 ぐるりと反対を向かされて、向き合うとぎゅっと抱きしめられた。それで僕は殿下の背中に腕を伸ばして、力を込めた。
「リアン、本当に可愛いな。こっち向いて」
 殿下を見上げると唇を塞がれた。
「んっ……」
 久しぶりの殿下とのキス。嬉しくて幸せで、夢中で殿下を求めた。
 そっとベッドに押し倒されて、シャツのボタンが殿下の手によって外されていく。僕は恥ずかしくて顔を背けていた。

「俺を見ろ」
「はい」
 目が合うと、さっきもらったネックレスのアメジストのような目が僕を見下ろしていた。ドキドキと心臓が煩いくらいに鼓動して、殿下に聞こえてしまったらどうしようと、そればかり考えていた。

「リアンの白い肌、とても綺麗だ。ここも」
「あっ……」
 殿下が僕の胸に手を這わせ、先端を弾いた。声を抑えなきゃいけないと思って、慌てて自分の腕を口に当てて塞いだ。
「可愛いリアン、もっと声を聞かせて」
「でも……」
「リアンの声を聞きたい」
 そんなこと言うなんて狡い。殿下に言われたら、僕はその願いを叶えたくなってしまう。少しでも、ほんの少しでも、殿下の心がこっちを向いてくれるならと、思ってしまうんだ。

 殿下はバサッと雑に上を脱いでポイッと捨てた。トレーニングルームや訓練場では、上半身裸になる騎士が多いから見慣れてはいる。だけど好きな人の裸は違った。
 彫刻刀で彫ったように綺麗な凹凸。腹筋は綺麗に割れているし、胸筋の谷間がすごい。
「綺麗……」
 僕は呟いていた。
 男の裸を綺麗だと思ったのは初めてだった。龍男の頃は勝手についてしまう筋肉が嫌だったし、騎士学校に入ってから周りの友達はみんな筋肉自慢をし合っていて、男らしいかもしれないけど何がいいのか分からなかった。
 でも、好きな人の裸はとても綺麗に見えた。

 ボーッと見つめていると、キスされた。
「んっ……」
 キスをしながら、殿下の手によって僕のブーツやパンツや下着が脱がされていった。
「リアンのここ、ちゃんと反応してんな」
「あっ……」
 僕の中心が殿下の温かくて大きい手で握り込まれると、それだけでビクンと震えてイきそうになった。

「可愛いな、本当に可愛い」
 トロトロと溢れていく先走りを絡めて扱かれると、もうダメだった。
「ダメ……出ちゃう……」
「出していいぞ」
 僕はダメだと首を左右に振ったけど、殿下はやめてくれなかった。
「んっ……っ!」
 ビュクッ、ビュクッと震えながら飛び出していった僕の欲望。生温かい何かに包まれていると思って、そっと目を開けたら殿下が僕の欲望を口で受け止めていた。

「殿下! ダメです、吐き出して」
「無理だ、もう飲んだ」
「え……?」
 龍男の頃の知識でごっくんは知っていたけど、まさか殿下がそれをやるとは思わなかった。
 なんでそんなことしたんだろう? そういう性癖だろうか? 僕は少し引いてしまった。

「続けていいか?」
「あ、はい」
 僕はキャビネットに手を伸ばしてオイルを取り出した。
「リアン……それはどうした?」
「前はこれを準備していなかったから、あの後買いに行ったんです」
「誰かと使ったわけじゃないんだな?」
「まだ開封していません」
 僕はまるで高級な香水の瓶のようなオイルの瓶のコルク栓をキュポンッと抜いた。
「リアン、後は俺に任せろ」
「はい」
 殿下は慣れている。僕も石鹸屋のお姉さんに教えてもらったけど、経験はない。慣れている殿下に任せればいいと思った。

 ガチガチに緊張して、殿下が少し困った顔をしていたのは申し訳なかったけど、好きな人にそんなところを見られるのはやっぱり恥ずかしい。
 それにちょっと怖い。痛いかもしれないと思うと、体が強張ってしまうんだ。

 指がヌルッと入ってきて、グニグニと動いている。変な感じだけど、痛くはなかった。もっと気持ちいいものだと思っていたけど、そうでもない。だから僕は少し力を抜いて、殿下に身を任せた。

「もういいだろう」
 殿下が呟く声が聞こえると、途端に緊張が走る。緊張で体がガチガチに固まって、怖くてたまらなくなる。殿下がオイルを自分のものに塗っているところをジッと見ていた。
 そして明らかに指より太いものがあてがわれ、押し込まれた。
「痛っ……」
 痛すぎた。裂けるかもと思って、僕は逃げてしまった。
「ごめんなさい……」
「いや、すまん、まだだったようだ」
 そう言うと、殿下はまた僕の後ろに指を入れた。またグニグニと動いている。
 本当に裂けたかは分からない。痛みで咄嗟にヒールをかけたから、血だらけになったりはしなかった。だけどさっきの裂けるような痛みを経験してしまうと、体はガチガチに固まったまま力を抜くことができなくなった。

「もう一度試していいか?」
「はい」
 怖かったけど、やめてほしいとは思わなかった。それよりも、上手くできなくて申し訳ないと思った。
 もう一度殿下の硬いものがあてがわれ、グイッと押し込まれた。

「いっ……」
 次は逃げなかったけど、痛くて死ぬと思った。我慢しても、涙がポロポロと溢れていく。

「すまん……今日はやめておこう」
「……はい、ごめんなさい」
「リアンが謝ることはない。大丈夫だ」
 殿下は上手くできなくて不甲斐ない僕を、裸のまま抱きしめて背中をさすってくれた。
 せっかく殿下に望まれたのに、応えられなかった。悔しくて悲しくて、なかなか涙は止まってくれなかった。それなのに殿下は、ずっと抱きしめていてくれた。

 涙が止まってもしばらくは抱きしめたままでいてくれて、脱ぎ捨てた服を着ると殿下は部屋を後にした。

 
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