42 / 53
第四十二話:幕間・兄弟の帰郷と平穏の価値
しおりを挟む
極寒の学術都市から、長い旅路を経て、俺たち兄弟は、ようやく懐かしき我がヴァインベルク領へと帰還した。
季節はすっかり移ろい、領地は穏やかで、暖かい空気に満ちている。
屋敷では、父上をはじめ、使用人たちが総出で俺たちを出迎えてくれた。
その顔には、安堵と、そして英雄の凱旋を迎えるような、誇らしげな色が浮かんでいる。
特に、父上が俺を見る目には、もう以前のような呆れや失望の色はなく、ただ、無事に帰ってきた息子を慈しむような、そんな温かい光が宿っていた。
だが、俺は、そんな感動的な歓迎の雰囲気もそこそこに。
「……ただいま。
悪いが、疲れたから、もう寝る」
そう一言だけ告げると、一直線に自室へと向かった。
そして、数ヶ月ぶりに再会した、我が魂の友、愛すべき深紅のソファへと、全身全霊でダイブした。
「ああ……あああっ……!
やはり、こいつが……!
こいつが、俺の、世界の中心だ……!」
この体を優しく受け止めてくれる、完璧な弾力。
もはや俺の体の一部と化した、この滑らかな感触。
俺が、ソファとの感動の再会を心ゆくまで堪能していると、ソフィアが、呆れを通り越して、もはや悟りの境地に達したかのような顔で、紅茶を差し出してくれた。
◇
その日の午後。
ヴァインベルベルク家の書斎で、父上と、兄さんと、そして、ソファから無理やり引きずり出されてきた俺による、三者会談が開かれた。
議題はもちろん、俺たちが持ち帰った、三つの『封印の欠片』の処遇についてだ。
「王家に預け、賢者たちによる厳重な管理下に置くべきです。
セレスティーナ殿も、それが最善だと」
兄さんが、そう進言する。
「うむ。
だが、王家とて、一枚岩ではない。
学術都市の評議会のように、『探求者』の息がかかった者が紛れ込んでいないとも限らん。
迂闊に動かすのは、危険かもしれんぞ」
父上が、慎重な意見を述べる。
二人の真剣な議論を、俺は欠伸を噛み殺しながら聞いていた。
そして、しびれを切らしたように、口を開いた。
「……面倒だから、その辺の庭にでも、埋めておけばいいんじゃないか?」
「「馬鹿者ッ!」」
父上と兄さんの声が、綺麗にハモった。
俺は、耳をほじりながら続ける。
「だって、考えてみろよ。
一番安全な場所ってのは、敵が一番『まさか、そんなところに』って思う場所だろ?
灯台下暗し、ってやつだ」
俺のやる気のない発言に、二人は呆れた顔をしていたが、その言葉に、一理あるとは認めざるを得ないようだった。
結局、議論の末、三つの欠片は、ヴァインベルク家の地下深くにある、古代魔法によって固く守られた宝物庫に、一時的に封印されることになった。
ひとまず、これで一安心だ。
事件の後、俺は宣言通り、完璧なぐうたらライフを再開した。
一日中ソファの上でゴロゴロし、ソフィアの淹れる極上の紅茶を味わい、時々、昼寝をする。
最高だ。
兄さんは、騎士団の訓練を再編し、次期当主として、精力的に領地の運営に取り組んでいるようだった。
時折、俺の部屋を訪れては、訓練の相談や、各地から集めた『欠片』に関する情報の共有してくるのが、少しだけ面倒だったが。
それでも、そんな穏やかな日々は、俺が心の底から望んでいた、平穏そのものだった。
「……アレン様。
本当に、幸せそうですわね」
俺の寝顔を見下ろしながら、ソフィアが、そんなことを呟いた。
彼女は、俺が背負っているものの大きさを、誰よりも理解してくれている。
だからこそ、この束の間の平穏が、一日でも長く続くようにと、祈ってくれているのだろう。
だが、そんな彼女の祈りも、空しくはかなく、打ち砕かれることになる。
穏やかな日々が、数週間ほど続いた、ある日のこと。
一羽の伝書鳥が、俺の部屋の窓を、激しく、そして執拗に、コツコツと叩いた。
その鳥の足に結ばれていた手紙。
そこに押されていたのは、王家の紋章でも、砂漠の国の紋章でも、学術都市の紋章でもない。
俺が、一度も見たことのない、不気味な螺旋を描く、黒い紋章だった。
差出人は、不明。
しかし、その手紙から放たれる気配だけで、俺には分かった。
これまで感じたことのない、冷たく、深く、そして巨大な意思。
俺は、ソファからゆっくりと体を起こした。
嫌な、予感がした。
その手紙を開くと、中には、美しい飾り文字で、こう書かれていた。
『拝啓、理を歪める者よ。
君がこれまで動かした駒の動き、実に興味深く拝見させてもらった。
だが、これまでの余興は終わりだ。
次なる舞台では、この私、王自らが盤面に降り立つことにしよう。
君の愛する者たちを、駒として使いながら、な』
その手紙の意味を、俺は瞬時に理解した。
これまでは、俺が盤外から介入して、奴の計画を邪魔してきた。
だが、次は違う。
俺自身と、俺の周りの人間……兄さんや、ソフィア、父上、そして友人たちが、奴の仕掛けるゲームの駒として、直接狙われるという、明確な宣戦布告だ。
俺は、その手紙を、くしゃりと、強く握りつぶした。
「……最悪だ」
その呟きと共に、俺の顔から、怠惰な表情が、完全に消え失せていた。
季節はすっかり移ろい、領地は穏やかで、暖かい空気に満ちている。
屋敷では、父上をはじめ、使用人たちが総出で俺たちを出迎えてくれた。
その顔には、安堵と、そして英雄の凱旋を迎えるような、誇らしげな色が浮かんでいる。
特に、父上が俺を見る目には、もう以前のような呆れや失望の色はなく、ただ、無事に帰ってきた息子を慈しむような、そんな温かい光が宿っていた。
だが、俺は、そんな感動的な歓迎の雰囲気もそこそこに。
「……ただいま。
悪いが、疲れたから、もう寝る」
そう一言だけ告げると、一直線に自室へと向かった。
そして、数ヶ月ぶりに再会した、我が魂の友、愛すべき深紅のソファへと、全身全霊でダイブした。
「ああ……あああっ……!
やはり、こいつが……!
こいつが、俺の、世界の中心だ……!」
この体を優しく受け止めてくれる、完璧な弾力。
もはや俺の体の一部と化した、この滑らかな感触。
俺が、ソファとの感動の再会を心ゆくまで堪能していると、ソフィアが、呆れを通り越して、もはや悟りの境地に達したかのような顔で、紅茶を差し出してくれた。
◇
その日の午後。
ヴァインベルベルク家の書斎で、父上と、兄さんと、そして、ソファから無理やり引きずり出されてきた俺による、三者会談が開かれた。
議題はもちろん、俺たちが持ち帰った、三つの『封印の欠片』の処遇についてだ。
「王家に預け、賢者たちによる厳重な管理下に置くべきです。
セレスティーナ殿も、それが最善だと」
兄さんが、そう進言する。
「うむ。
だが、王家とて、一枚岩ではない。
学術都市の評議会のように、『探求者』の息がかかった者が紛れ込んでいないとも限らん。
迂闊に動かすのは、危険かもしれんぞ」
父上が、慎重な意見を述べる。
二人の真剣な議論を、俺は欠伸を噛み殺しながら聞いていた。
そして、しびれを切らしたように、口を開いた。
「……面倒だから、その辺の庭にでも、埋めておけばいいんじゃないか?」
「「馬鹿者ッ!」」
父上と兄さんの声が、綺麗にハモった。
俺は、耳をほじりながら続ける。
「だって、考えてみろよ。
一番安全な場所ってのは、敵が一番『まさか、そんなところに』って思う場所だろ?
灯台下暗し、ってやつだ」
俺のやる気のない発言に、二人は呆れた顔をしていたが、その言葉に、一理あるとは認めざるを得ないようだった。
結局、議論の末、三つの欠片は、ヴァインベルク家の地下深くにある、古代魔法によって固く守られた宝物庫に、一時的に封印されることになった。
ひとまず、これで一安心だ。
事件の後、俺は宣言通り、完璧なぐうたらライフを再開した。
一日中ソファの上でゴロゴロし、ソフィアの淹れる極上の紅茶を味わい、時々、昼寝をする。
最高だ。
兄さんは、騎士団の訓練を再編し、次期当主として、精力的に領地の運営に取り組んでいるようだった。
時折、俺の部屋を訪れては、訓練の相談や、各地から集めた『欠片』に関する情報の共有してくるのが、少しだけ面倒だったが。
それでも、そんな穏やかな日々は、俺が心の底から望んでいた、平穏そのものだった。
「……アレン様。
本当に、幸せそうですわね」
俺の寝顔を見下ろしながら、ソフィアが、そんなことを呟いた。
彼女は、俺が背負っているものの大きさを、誰よりも理解してくれている。
だからこそ、この束の間の平穏が、一日でも長く続くようにと、祈ってくれているのだろう。
だが、そんな彼女の祈りも、空しくはかなく、打ち砕かれることになる。
穏やかな日々が、数週間ほど続いた、ある日のこと。
一羽の伝書鳥が、俺の部屋の窓を、激しく、そして執拗に、コツコツと叩いた。
その鳥の足に結ばれていた手紙。
そこに押されていたのは、王家の紋章でも、砂漠の国の紋章でも、学術都市の紋章でもない。
俺が、一度も見たことのない、不気味な螺旋を描く、黒い紋章だった。
差出人は、不明。
しかし、その手紙から放たれる気配だけで、俺には分かった。
これまで感じたことのない、冷たく、深く、そして巨大な意思。
俺は、ソファからゆっくりと体を起こした。
嫌な、予感がした。
その手紙を開くと、中には、美しい飾り文字で、こう書かれていた。
『拝啓、理を歪める者よ。
君がこれまで動かした駒の動き、実に興味深く拝見させてもらった。
だが、これまでの余興は終わりだ。
次なる舞台では、この私、王自らが盤面に降り立つことにしよう。
君の愛する者たちを、駒として使いながら、な』
その手紙の意味を、俺は瞬時に理解した。
これまでは、俺が盤外から介入して、奴の計画を邪魔してきた。
だが、次は違う。
俺自身と、俺の周りの人間……兄さんや、ソフィア、父上、そして友人たちが、奴の仕掛けるゲームの駒として、直接狙われるという、明確な宣戦布告だ。
俺は、その手紙を、くしゃりと、強く握りつぶした。
「……最悪だ」
その呟きと共に、俺の顔から、怠惰な表情が、完全に消え失せていた。
11
あなたにおすすめの小説
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
異世界カードSHOP『リアのカード工房』本日開店です 〜女神に貰ったカード化スキルは皆を笑顔にさせるギフトでした〜
夢幻の翼
ファンタジー
自分のお店を経営したい!
そんな夢を持つアラサー女子・理愛(リア)はアルバイト中に気を失う。次に気がつけばそこでは平謝りする女神の姿。
死亡理由が故意か過失か分からないままに肉体が無い事を理由に異世界転生を薦められたリアは仕方なしに転生を選択する。
だが、その世界では悪事を働かなければ自由に暮らして良い世界。女神に貰ったスキルを駆使して生前の夢だった店舗経営に乗り出したリア。
少々チートなスキルだけれど皆を笑顔にさせる使い方でたちまち町の人気店に。
商業ギルドのマスターに気に入られていろんな依頼も引き受けながら今日も元気にお店を開く。
異世界カードSHOP『リアのカード工房』本日も開店しています。
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
追放された荷物持ち、【分解】と【再構築】で万物創造師になる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~
黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーから「足手まとい」と捨てられた荷物持ちのベルク。しかし、彼が持つ外れスキル【分解】と【再構築】は、万物を意のままに創り変える「神の御業」だった!
覚醒した彼は、虐げられていた聖女ルナを救い、辺境で悠々自適なスローライフを開始する。壊れた伝説の剣を直し、ゴミから最強装備を量産し、やがて彼は世界を救う英雄へ。
一方、彼を捨てた勇者たちは没落の一途を辿り……。
最強の職人が送る、痛快な大逆転&ざまぁファンタジー!
元商社マンの俺、異世界と日本を行き来できるチートをゲットしたので、のんびり貿易商でも始めます~現代の便利グッズは異世界では最強でした~
黒崎隼人
ファンタジー
「もう限界だ……」
過労で商社を辞めた俺、白石悠斗(28)が次に目覚めた場所は、魔物が闊歩する異世界だった!?
絶体絶命のピンチに発現したのは、現代日本と異世界を自由に行き来できる【往還の門】と、なんでも収納できる【次元倉庫】というとんでもないチートスキル!
「これ、最強すぎないか?」
試しにコンビニのレトルトカレーを村人に振る舞えば「神の食べ物!」と崇められ、百均のカッターナイフが高級品として売れる始末。
元商社マンの知識と現代日本の物資を武器に、俺は異世界で商売を始めることを決意する。
食文化、技術、物流――全てが未発達なこの世界で、現代知識は無双の力を発揮する!
辺境の村から成り上がり、やがては世界経済を、そして二つの世界の運命をも動かしていく。
元サラリーマンの、異世界成り上がり交易ファンタジー、ここに開店!
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる