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第二十四話:黒い雨と太陽の盾
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「瑠璃色の薬草店」の評判が高まるにつれ、アリアドネの成功を快く思わない者たちの動きは、より陰湿かつ大胆なものとなっていった。
ある日、王都の薬師ギルドに、衝撃的な告発状が叩きつけられた。
差出人は、さる有力な子爵家の当主。
内容は、「アリアドネの店で購入したハーブティーを飲んだ後、激しい腹痛と眩暈に襲われ、数日間床に伏せった。彼女の調合する薬草は極めて危険であり、薬草師としての資格に疑義がある」というものだった。
この告発を重く見た薬師ギルドの一部幹部――その中には、アリアドネを以前から敵視していた古参のエルマンという老薬師の顔もあった――は、即座に調査委員会の設置を決定し、アリアドネに対し、「瑠璃色の薬草店」の営業を一時停止するよう勧告してきた。
それは、事実上の営業停止命令に等しかった。
店にはギルドからの通達書が張り出され、アリアドネは薬草の調合も、客への販売も禁じられてしまう。
(またしても……こんな理不尽なやり方で、私から全てを奪おうというの……?)
アリアドネの脳裏に、かつてエリオットとリディアによって無実の罪を着せられ、全てを失ったあの雨の夜の記憶が、鮮明に蘇った。
唇を噛み締め、俯くアリアドネの肩を、しかし、力強く支える者がいた。
セドリック・アシュワースだった。
「アリアドネさん、これは明らかに何者かによる罠です。あなたの薬草が人に害をなすなど、あり得ない。私が、必ずあなたの無実を証明します。」
セドリックの緑色の瞳には、アリアドネへの揺るぎない信頼と、卑劣な罠に対する静かな怒りが燃えていた。
彼は、アシュワース家の顧問弁護士に連絡を取り、ギルドの告発状と営業停止勧告の不当性を法的に検討するよう依頼。
さらに、王立アカデミーの薬学部の信頼できる教授たちに協力を仰ぎ、告発内容の医学的・薬学的見地からの反証準備に取り掛かった。
アリアドネは、セドリックのその献身的な姿に、胸が熱くなるのを覚えた。
かつての自分なら、きっと一人で抱え込み、絶望していたかもしれない。
しかし、今は違う。
自分を信じ、守ろうとしてくれる人がいる。
その事実に、アリアドネは勇気づけられ、セドリックと共にこの不当な告発に立ち向かう決意を固めた。
「セドリック様……ありがとうございます。私も、諦めません。」
アリアドネの危機を知ったルシアンもまた、黙ってはいなかった。
彼は自身の新聞「王都クロニクル」で、「若き才能に薬師ギルドの鉄槌?『瑠璃色の薬草店』営業停止の裏に潜む旧守派の影」と題した特集記事を掲載。
告発の不自然な点や、ギルド内部の権力争いの可能性を示唆し、アリアドネを擁護する論陣を張った。
この記事は王都で大きな反響を呼び、多くの市民がアリアドネへの同情と、ギルドの対応への疑問の声を上げ始めた。
アルバン元王宮薬草管理官も、薬師ギルドの長老たちや、懇意にしている公正な立場の幹部たちに直接働きかけ、調査委員会が公平かつ透明性をもって運営されるよう、強い圧力をかけた。
セドリックの調査は迅速かつ的確だった。
告発者である子爵は、数年前から慢性の消化器系の持病を抱えており、暴飲暴食が原因で度々体調を崩していたこと。
そして何よりも、彼が問題のハーブティーを飲んだとされる日、実は大量の酒と脂っこい食事を摂取していたという証言を、子爵家の使用人から得ることに成功したのだ。
さらに、その子爵が、薬師ギルドのエルマンと最近頻繁に会合を重ねていたこと、そしてエルマンから何らかの「依頼」を受けていたことを示唆する手紙の断片まで発見した。
エルマンは、過去にも自身の地位を脅かす可能性のある若い薬師たちを、同様の卑劣な手口で失脚させてきたという黒い噂のある人物だった。
数日後、薬師ギルドの調査委員会が開かれた。
エルマンは、したり顔でアリアドネの「罪状」を糾弾し、彼女の薬草師としての資格剥奪を声高に主張した。
しかし、その直後、証人として立ったセドリックが、アシュワース家の顧問弁護士と共に、これまでに集めた数々の反証を提示。
告発者である子爵の持病、当日の不摂生、そしてエルマンとの不審な関係。
それらが白日の下に晒されると、形勢は一気に逆転した。
エルマンは顔面蒼白となり、しどろもどろに弁解を試みたが、もはや誰の耳にも届かない。
最終的に、調査委員会はアリアドネに対する告発を「証拠不十分かつ悪意のある誣告(ぶこく)の可能性が高い」として退け、「瑠璃色の薬草店」への営業停止勧告も即刻解除された。
それどころか、エルマンの過去の不正行為や、今回の誣告事件への関与について、ギルドが改めて調査委員会を設置するという、皮肉な結末となった。
店の営業が再開された日、アリアドネは、改めてセドリックに心からの感謝を伝えた。
「セドリック様……あなたの助けがなければ、私はまた全てを失うところでした。本当に、ありがとうございました。」
アリアドネの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
セドリックは、その涙を優しく指で拭うと、アリアドネの手をそっと握った。
「アリアドネさん、あなたが無事で本当に良かった。私は……私は、あなたを失いたくないのです。あなたの薬草師としての才能も、あなたの優しさも、そして……あなたの全てを。」
セドリックの真摯な眼差しと、その言葉に込められた熱い想いが、アリアドネの心の奥深くまで染み渡る。
過去の裏切りによって負った傷が、彼の温もりによって完全に溶けていくのを感じた。
もう、人を信じることを恐れる必要はない。
この人なら、心から信じられる。
アリアドネは、セドリックの手を握り返し、初めて素直な気持ちを込めて、彼を見つめ返した。
「セドリック様……私も……私も、あなたといると、とても安心できるのです。あなたのそばに……いたいと、思います。」
言葉は拙かったかもしれない。
しかし、その瑠璃色の瞳に宿る確かな愛情は、何よりも雄弁に彼女の心を伝えていた。
セドリックは、喜びと感動に顔を輝かせ、アリアドネをそっと抱きしめた。
降り注いだ黒い雨は止み、二人の頭上には、困難を乗り越えた先に広がる、どこまでも澄み渡った青空が見えていた。
ある日、王都の薬師ギルドに、衝撃的な告発状が叩きつけられた。
差出人は、さる有力な子爵家の当主。
内容は、「アリアドネの店で購入したハーブティーを飲んだ後、激しい腹痛と眩暈に襲われ、数日間床に伏せった。彼女の調合する薬草は極めて危険であり、薬草師としての資格に疑義がある」というものだった。
この告発を重く見た薬師ギルドの一部幹部――その中には、アリアドネを以前から敵視していた古参のエルマンという老薬師の顔もあった――は、即座に調査委員会の設置を決定し、アリアドネに対し、「瑠璃色の薬草店」の営業を一時停止するよう勧告してきた。
それは、事実上の営業停止命令に等しかった。
店にはギルドからの通達書が張り出され、アリアドネは薬草の調合も、客への販売も禁じられてしまう。
(またしても……こんな理不尽なやり方で、私から全てを奪おうというの……?)
アリアドネの脳裏に、かつてエリオットとリディアによって無実の罪を着せられ、全てを失ったあの雨の夜の記憶が、鮮明に蘇った。
唇を噛み締め、俯くアリアドネの肩を、しかし、力強く支える者がいた。
セドリック・アシュワースだった。
「アリアドネさん、これは明らかに何者かによる罠です。あなたの薬草が人に害をなすなど、あり得ない。私が、必ずあなたの無実を証明します。」
セドリックの緑色の瞳には、アリアドネへの揺るぎない信頼と、卑劣な罠に対する静かな怒りが燃えていた。
彼は、アシュワース家の顧問弁護士に連絡を取り、ギルドの告発状と営業停止勧告の不当性を法的に検討するよう依頼。
さらに、王立アカデミーの薬学部の信頼できる教授たちに協力を仰ぎ、告発内容の医学的・薬学的見地からの反証準備に取り掛かった。
アリアドネは、セドリックのその献身的な姿に、胸が熱くなるのを覚えた。
かつての自分なら、きっと一人で抱え込み、絶望していたかもしれない。
しかし、今は違う。
自分を信じ、守ろうとしてくれる人がいる。
その事実に、アリアドネは勇気づけられ、セドリックと共にこの不当な告発に立ち向かう決意を固めた。
「セドリック様……ありがとうございます。私も、諦めません。」
アリアドネの危機を知ったルシアンもまた、黙ってはいなかった。
彼は自身の新聞「王都クロニクル」で、「若き才能に薬師ギルドの鉄槌?『瑠璃色の薬草店』営業停止の裏に潜む旧守派の影」と題した特集記事を掲載。
告発の不自然な点や、ギルド内部の権力争いの可能性を示唆し、アリアドネを擁護する論陣を張った。
この記事は王都で大きな反響を呼び、多くの市民がアリアドネへの同情と、ギルドの対応への疑問の声を上げ始めた。
アルバン元王宮薬草管理官も、薬師ギルドの長老たちや、懇意にしている公正な立場の幹部たちに直接働きかけ、調査委員会が公平かつ透明性をもって運営されるよう、強い圧力をかけた。
セドリックの調査は迅速かつ的確だった。
告発者である子爵は、数年前から慢性の消化器系の持病を抱えており、暴飲暴食が原因で度々体調を崩していたこと。
そして何よりも、彼が問題のハーブティーを飲んだとされる日、実は大量の酒と脂っこい食事を摂取していたという証言を、子爵家の使用人から得ることに成功したのだ。
さらに、その子爵が、薬師ギルドのエルマンと最近頻繁に会合を重ねていたこと、そしてエルマンから何らかの「依頼」を受けていたことを示唆する手紙の断片まで発見した。
エルマンは、過去にも自身の地位を脅かす可能性のある若い薬師たちを、同様の卑劣な手口で失脚させてきたという黒い噂のある人物だった。
数日後、薬師ギルドの調査委員会が開かれた。
エルマンは、したり顔でアリアドネの「罪状」を糾弾し、彼女の薬草師としての資格剥奪を声高に主張した。
しかし、その直後、証人として立ったセドリックが、アシュワース家の顧問弁護士と共に、これまでに集めた数々の反証を提示。
告発者である子爵の持病、当日の不摂生、そしてエルマンとの不審な関係。
それらが白日の下に晒されると、形勢は一気に逆転した。
エルマンは顔面蒼白となり、しどろもどろに弁解を試みたが、もはや誰の耳にも届かない。
最終的に、調査委員会はアリアドネに対する告発を「証拠不十分かつ悪意のある誣告(ぶこく)の可能性が高い」として退け、「瑠璃色の薬草店」への営業停止勧告も即刻解除された。
それどころか、エルマンの過去の不正行為や、今回の誣告事件への関与について、ギルドが改めて調査委員会を設置するという、皮肉な結末となった。
店の営業が再開された日、アリアドネは、改めてセドリックに心からの感謝を伝えた。
「セドリック様……あなたの助けがなければ、私はまた全てを失うところでした。本当に、ありがとうございました。」
アリアドネの瞳には、うっすらと涙が浮かんでいた。
セドリックは、その涙を優しく指で拭うと、アリアドネの手をそっと握った。
「アリアドネさん、あなたが無事で本当に良かった。私は……私は、あなたを失いたくないのです。あなたの薬草師としての才能も、あなたの優しさも、そして……あなたの全てを。」
セドリックの真摯な眼差しと、その言葉に込められた熱い想いが、アリアドネの心の奥深くまで染み渡る。
過去の裏切りによって負った傷が、彼の温もりによって完全に溶けていくのを感じた。
もう、人を信じることを恐れる必要はない。
この人なら、心から信じられる。
アリアドネは、セドリックの手を握り返し、初めて素直な気持ちを込めて、彼を見つめ返した。
「セドリック様……私も……私も、あなたといると、とても安心できるのです。あなたのそばに……いたいと、思います。」
言葉は拙かったかもしれない。
しかし、その瑠璃色の瞳に宿る確かな愛情は、何よりも雄弁に彼女の心を伝えていた。
セドリックは、喜びと感動に顔を輝かせ、アリアドネをそっと抱きしめた。
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