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第三章 けだものでも、まおうでも
エルフの尖り耳
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信じがたいことに、屋台にはオルガやグレウスだけでなく、ディルタスやヴァルファーレンまでがついてきた。
これが庶民の食べ物かと、健啖家のディルタスは屋台を次々と梯子している。ヴァルファーレンは、串を分け合って食べる主君の姿を見て喉に肉を詰まらせ、騎士団長のカッツェは馬の世話があるからと早々に逃げた。
上空では久しぶりに目覚めた黒竜が、翼慣らしのため辺りを旋回しているが、オルガの魔法でその姿は街の人々には見えない。今日は涼しい風が吹くと、心地よさげだ。
腹を満たしたオルガとグレウスは、そのまま二人手を繋いで屋敷へと戻った。
出迎えたのは、白い髭を蓄えた老齢の執事と――、さっきまで空を飛んでいた黒い竜だ。
竜舎を作ったのは城の中かと思っていたのだが、グレウスの屋敷の方だったらしい。そういえば屋敷の車寄せがやけに広く造られていると思っていたが、元から時機を見て呼ぶつもりだったのか、人目に付きにくいちょうどいい一角に黒竜の寝床が造られている。
門番のロイスは初夏だというのに厚めの外套を着ていた。どうやらこの竜は周囲の気温を下げてしまう特性があるらしい。
肝の据わった料理長が、さっそく夏場に傷みやすい食材を竜の寝床の側に移動させている。ここの使用人は、本当に物に動じない人間ばかりだ。
アッテカの山にもう雪は積もらないだろう。その代わりに、今年の夏からは帝都の一角がえらく冷えるかもしれない。が、いざとなったらオルガが魔法で何とかしてくれるだろう。多分。
「お帰りなさいませ、旦那様、奥様」
何事もなかったかのような穏やかな様子で、マートンが出迎えの挨拶をした。
今まで気にしたこともなかったが、よく見てみればマートンの耳も上端が少し尖っている。この老執事もまた、アスファロトの時代から仕えるエルフの一人のようだ。
「お二人仲睦まじく揃ってのご帰宅、何よりでございます」
晴れやかな笑みを浮かべ、マートンが深々と頭を下げる。
グレウスとオルガはそっと顔を見合わせ、微笑み合って口を開いた。
「ただいま、マートン」
「一応聞いておきたいのですが、俺と貴方は前世でも夫婦だったんでしょうか?」
昼間の汚れを落として、早い時間に二人は寝室に入った。
今日もこの部屋は丁寧に整えられている。二人を祝福するような色とりどりの花、雰囲気のある濃い蜜蝋の香り。寝台の横に用意された琥珀色の香油。
執事のマートンは、毎日が結婚して初めて迎える夜のごとく、厳かに華やかに部屋を整えてくれている。
もしかして、アスファロトとゴルディナも毎日こんな部屋で夜を迎えていたのだろうか。
「……いや、前の時は接吻一つしなかった。お前も私も、やっと手にした平穏を維持するために、それぞれ子を持たねばならなかったから」
こうして手を握るのが精いっぱいだったと、オルガが指を絡めてきた。
ゴルディナは獣人族の王で、のちにアスファロトに将軍として仕えたらしい。
熊のように強く荒々しい戦士で、絶対的な魔法防御を持っていたため、魔法戦を得意とするエルフの天敵のような存在だったそうだ。アスファロトの剣となり盾となって戦ったが、やっと平穏が訪れたという頃に寿命が尽きて世を去った。
その頃にはアスファロトに残された寿命もそう多くはなかった。純血のエルフは数百年を生きるが、アスファロトは平和な世を創るために魔力を酷使しすぎたせいで、エルフとしては早くに没した。
ゴルディナの亡骸を抱いて、アスファロトは願いを掛けたそうだ。
次にゴルディナが生まれ変わってくるときに、自分も新たな生を受けるようにと。そして友人たちと再会を約束し、転生の秘術を自らにかけて命を終えた。
「――あの口煩いヴァルファーレンが側に張り付いていなければ、駆け落ちしようと考えたこともあったのだがな」
憎らしげにオルガが言う。
熱狂的な信奉者だったエルフの参謀は、アスファロトを神聖視するあまりにゴルディナとの恋路を邪魔したようだ。
聖教会の長として帝都に残っていることは知っていたが、今度は邪魔をされたくなかったので、正体は明かさなかったのだと。しかし黙っていれば黙っていたで、エルロイドを生まれ変わりだと勘違いして、余計なことをしまくったので、オルガはまだ怒っている。
気の毒なのは、エルロイドだ。
エルロイドは、ヴァルファーレンに『貴方様は魔導皇の生まれ変わりです』と吹き込まれて育ったため、一時は皇位簒奪まで企むようになっていた。
しかし黒竜に吠え付かれたのがよほど恐ろしかったらしく、治療室で目を覚ました時にはすっかり怯えていて、『もう皇籍を離れたい。誰ぞの奥方に収まって平穏に暮らしたい』と震えているそうだ。
あとはディルタスが上手く計らってくれるだろう。
「オルガ……」
グレウスは少し痩せた頬に口づけた。
髪を掻き分け、美しい形をした耳にそっと触れる。
かつては数多くいたエルフや、獣人や亜人や人間たちは混血を繰り返し、今では誰がどんな血を引いているのかもわからぬほど複雑に混じり合っている。エルフの血が濃い者たちも、そうとは知らずに人間として生活している。
転生の秘術を用いたことで、今のオルガの肉体はかなりエルフに近かった。
特にこの繊細に尖った薄い耳はエルフ特有のものらしい。
「昔の記憶を思い出せたらいいのに……」
きっとたくさんの思い出があっただろう。
一人ですべてを覚えているのは、寂しくはないだろうか。グレウスが過去の記憶を取り戻せれば、オルガはもっと幸福なのではないか。
「思い出さなくていい」
オルガがグレウスの手を取り、大きな手の甲に愛おしそうに口づけをした。
「たとえお前がゴルディナの生まれ変わりでなくとも、今のお前を愛している。アスファロトではない只のオルガが、強く優しいグレウス・ロアを好きでいるのだから」
「オルガ……」
感極まって、グレウスは口づけした。
薄い唇を吸い、合わせ目から舌を滑り込ませて、互いの吐息を交換する。
「ん……んん…………グレウス……」
唇を合わせたまま、オルガの手がグレウスのガウンの紐をほどく。
冷たい手が心臓の鼓動を確かめるように胸に押し当てられた。
絡めていた舌で歯列をなぞり、薄く開いた両目がグレウスを見上げる。
――それが、愛を確かめ合う合図になった。
「あ……グレウス……」
小さな喘ぎを聞きながら、グレウスは頬の端にそっと口づけする。
耳はエルフにとって特別な部位なのだと、グレウスは帰宅後すぐに尖った耳の執事に叱られた。耳は顔以上に美醜を左右する場所であり、伴侶以外には絶対に触らせない場所でもあるのだと。
長い髪で耳を隠すのは、エルフの社会では決まった相手がいるという印らしい。
『とても敏感な部位ですから、触れるときはお優しく』
齢何歳かも計り知れない老エルフの忠告を聞き入れて、グレウスは直接は触れずに耳の近くに唇を寄せる。
「……あっ……あ、あぁん、っ……」
首筋やこめかみを唇で触れるだけで、オルガはギュッと目を閉じて体を竦める。
透き通るような白い肌が瞬く間に血の気を昇らせ、汗ばんで火照ってくるさまが艶めかしい。唇からは濡れた喘ぎが漏れ、閉じた瞼は長い睫毛を震わせる。
触れるか触れないかのこんな微かな愛撫でここまで感じるのだとしたら、強引に耳を舐めたりしたのはとんでもない狼藉だった。
申し訳なく思いながらも、グレウスは伸ばした舌先でチロリと耳朶を舐める。
「ひぃ……んッ!」
びくん、と体を竦めるのが愛しくて可愛い。
日頃は冷たいほど凛としたオルガが、頬を染めてこんなに頼りない声を上げるのだから、ついつい触ってしまうのも仕方がないというものだ。この先、ここに触れずに過ごせというのは無理がある。
オルガは嫌がるだろうが、たまにでいいからこの尖り耳を思う存分可愛がらせてもらいたい。
「……オルガ……貴方のすべてを愛しています」
唇を吸うと、少し緊張を解いてオルガが口づけに応えてくれた。
舌先はもう十分に温かい。感じ始めて欲情している証だ。
グレウスは手を肩から滑らせ、胸元の突起を探り当てる。
「……ふぅ、っ……ん……っ」
小さな乳首を指先に捉える。
柔らかいくせに弾力があって、グレウスの硬い掌で圧し潰しても健気に押し返してくる。グレウスがここを可愛がるせいで、すっかり感じやすい突起に変わってしまった。
その周りの乳輪も敏感だ。指で撫でると微かに盛り上がって、もっと触ってほしいと主張する様子なのが愛らしい。
お望み通り、色が変わって張りつめるまで愛さずにはいられない。
唇を離すと、オルガの息はもう荒かった。
膝を立てて脚をもじもじと擦り合わせるのは、血を通わせて硬くなったものを隠そうとする仕草だ。そんなことをしても意味はないのに。今日はここも念入りに愛するつもりでいるのだから。
首筋に鎖骨の上に、なだらかな胸の隆起と、引き締まった腹部に。
グレウスはゆっくりと吸い跡をつけていく。
時々噛みついて歯型を残したくなるのは、獣人だった時の無意識の記憶だろうか。
ゴルディナがアスファロトに触れなかったのは、もしかすると自分の爪や牙で愛しいエルフの体に傷を残してしまうことを怖れたのかもしれない。
脚を開かせると、恥じらいながらもオルガは従順に膝を立てた。
柔らかな下生えから、張りつめた雄の印がしっかりと天を向いている。
グレウスはその根元を指で支えると、ヒクヒクと揺れる先端から、口の中に咥えこんでいった。
これが庶民の食べ物かと、健啖家のディルタスは屋台を次々と梯子している。ヴァルファーレンは、串を分け合って食べる主君の姿を見て喉に肉を詰まらせ、騎士団長のカッツェは馬の世話があるからと早々に逃げた。
上空では久しぶりに目覚めた黒竜が、翼慣らしのため辺りを旋回しているが、オルガの魔法でその姿は街の人々には見えない。今日は涼しい風が吹くと、心地よさげだ。
腹を満たしたオルガとグレウスは、そのまま二人手を繋いで屋敷へと戻った。
出迎えたのは、白い髭を蓄えた老齢の執事と――、さっきまで空を飛んでいた黒い竜だ。
竜舎を作ったのは城の中かと思っていたのだが、グレウスの屋敷の方だったらしい。そういえば屋敷の車寄せがやけに広く造られていると思っていたが、元から時機を見て呼ぶつもりだったのか、人目に付きにくいちょうどいい一角に黒竜の寝床が造られている。
門番のロイスは初夏だというのに厚めの外套を着ていた。どうやらこの竜は周囲の気温を下げてしまう特性があるらしい。
肝の据わった料理長が、さっそく夏場に傷みやすい食材を竜の寝床の側に移動させている。ここの使用人は、本当に物に動じない人間ばかりだ。
アッテカの山にもう雪は積もらないだろう。その代わりに、今年の夏からは帝都の一角がえらく冷えるかもしれない。が、いざとなったらオルガが魔法で何とかしてくれるだろう。多分。
「お帰りなさいませ、旦那様、奥様」
何事もなかったかのような穏やかな様子で、マートンが出迎えの挨拶をした。
今まで気にしたこともなかったが、よく見てみればマートンの耳も上端が少し尖っている。この老執事もまた、アスファロトの時代から仕えるエルフの一人のようだ。
「お二人仲睦まじく揃ってのご帰宅、何よりでございます」
晴れやかな笑みを浮かべ、マートンが深々と頭を下げる。
グレウスとオルガはそっと顔を見合わせ、微笑み合って口を開いた。
「ただいま、マートン」
「一応聞いておきたいのですが、俺と貴方は前世でも夫婦だったんでしょうか?」
昼間の汚れを落として、早い時間に二人は寝室に入った。
今日もこの部屋は丁寧に整えられている。二人を祝福するような色とりどりの花、雰囲気のある濃い蜜蝋の香り。寝台の横に用意された琥珀色の香油。
執事のマートンは、毎日が結婚して初めて迎える夜のごとく、厳かに華やかに部屋を整えてくれている。
もしかして、アスファロトとゴルディナも毎日こんな部屋で夜を迎えていたのだろうか。
「……いや、前の時は接吻一つしなかった。お前も私も、やっと手にした平穏を維持するために、それぞれ子を持たねばならなかったから」
こうして手を握るのが精いっぱいだったと、オルガが指を絡めてきた。
ゴルディナは獣人族の王で、のちにアスファロトに将軍として仕えたらしい。
熊のように強く荒々しい戦士で、絶対的な魔法防御を持っていたため、魔法戦を得意とするエルフの天敵のような存在だったそうだ。アスファロトの剣となり盾となって戦ったが、やっと平穏が訪れたという頃に寿命が尽きて世を去った。
その頃にはアスファロトに残された寿命もそう多くはなかった。純血のエルフは数百年を生きるが、アスファロトは平和な世を創るために魔力を酷使しすぎたせいで、エルフとしては早くに没した。
ゴルディナの亡骸を抱いて、アスファロトは願いを掛けたそうだ。
次にゴルディナが生まれ変わってくるときに、自分も新たな生を受けるようにと。そして友人たちと再会を約束し、転生の秘術を自らにかけて命を終えた。
「――あの口煩いヴァルファーレンが側に張り付いていなければ、駆け落ちしようと考えたこともあったのだがな」
憎らしげにオルガが言う。
熱狂的な信奉者だったエルフの参謀は、アスファロトを神聖視するあまりにゴルディナとの恋路を邪魔したようだ。
聖教会の長として帝都に残っていることは知っていたが、今度は邪魔をされたくなかったので、正体は明かさなかったのだと。しかし黙っていれば黙っていたで、エルロイドを生まれ変わりだと勘違いして、余計なことをしまくったので、オルガはまだ怒っている。
気の毒なのは、エルロイドだ。
エルロイドは、ヴァルファーレンに『貴方様は魔導皇の生まれ変わりです』と吹き込まれて育ったため、一時は皇位簒奪まで企むようになっていた。
しかし黒竜に吠え付かれたのがよほど恐ろしかったらしく、治療室で目を覚ました時にはすっかり怯えていて、『もう皇籍を離れたい。誰ぞの奥方に収まって平穏に暮らしたい』と震えているそうだ。
あとはディルタスが上手く計らってくれるだろう。
「オルガ……」
グレウスは少し痩せた頬に口づけた。
髪を掻き分け、美しい形をした耳にそっと触れる。
かつては数多くいたエルフや、獣人や亜人や人間たちは混血を繰り返し、今では誰がどんな血を引いているのかもわからぬほど複雑に混じり合っている。エルフの血が濃い者たちも、そうとは知らずに人間として生活している。
転生の秘術を用いたことで、今のオルガの肉体はかなりエルフに近かった。
特にこの繊細に尖った薄い耳はエルフ特有のものらしい。
「昔の記憶を思い出せたらいいのに……」
きっとたくさんの思い出があっただろう。
一人ですべてを覚えているのは、寂しくはないだろうか。グレウスが過去の記憶を取り戻せれば、オルガはもっと幸福なのではないか。
「思い出さなくていい」
オルガがグレウスの手を取り、大きな手の甲に愛おしそうに口づけをした。
「たとえお前がゴルディナの生まれ変わりでなくとも、今のお前を愛している。アスファロトではない只のオルガが、強く優しいグレウス・ロアを好きでいるのだから」
「オルガ……」
感極まって、グレウスは口づけした。
薄い唇を吸い、合わせ目から舌を滑り込ませて、互いの吐息を交換する。
「ん……んん…………グレウス……」
唇を合わせたまま、オルガの手がグレウスのガウンの紐をほどく。
冷たい手が心臓の鼓動を確かめるように胸に押し当てられた。
絡めていた舌で歯列をなぞり、薄く開いた両目がグレウスを見上げる。
――それが、愛を確かめ合う合図になった。
「あ……グレウス……」
小さな喘ぎを聞きながら、グレウスは頬の端にそっと口づけする。
耳はエルフにとって特別な部位なのだと、グレウスは帰宅後すぐに尖った耳の執事に叱られた。耳は顔以上に美醜を左右する場所であり、伴侶以外には絶対に触らせない場所でもあるのだと。
長い髪で耳を隠すのは、エルフの社会では決まった相手がいるという印らしい。
『とても敏感な部位ですから、触れるときはお優しく』
齢何歳かも計り知れない老エルフの忠告を聞き入れて、グレウスは直接は触れずに耳の近くに唇を寄せる。
「……あっ……あ、あぁん、っ……」
首筋やこめかみを唇で触れるだけで、オルガはギュッと目を閉じて体を竦める。
透き通るような白い肌が瞬く間に血の気を昇らせ、汗ばんで火照ってくるさまが艶めかしい。唇からは濡れた喘ぎが漏れ、閉じた瞼は長い睫毛を震わせる。
触れるか触れないかのこんな微かな愛撫でここまで感じるのだとしたら、強引に耳を舐めたりしたのはとんでもない狼藉だった。
申し訳なく思いながらも、グレウスは伸ばした舌先でチロリと耳朶を舐める。
「ひぃ……んッ!」
びくん、と体を竦めるのが愛しくて可愛い。
日頃は冷たいほど凛としたオルガが、頬を染めてこんなに頼りない声を上げるのだから、ついつい触ってしまうのも仕方がないというものだ。この先、ここに触れずに過ごせというのは無理がある。
オルガは嫌がるだろうが、たまにでいいからこの尖り耳を思う存分可愛がらせてもらいたい。
「……オルガ……貴方のすべてを愛しています」
唇を吸うと、少し緊張を解いてオルガが口づけに応えてくれた。
舌先はもう十分に温かい。感じ始めて欲情している証だ。
グレウスは手を肩から滑らせ、胸元の突起を探り当てる。
「……ふぅ、っ……ん……っ」
小さな乳首を指先に捉える。
柔らかいくせに弾力があって、グレウスの硬い掌で圧し潰しても健気に押し返してくる。グレウスがここを可愛がるせいで、すっかり感じやすい突起に変わってしまった。
その周りの乳輪も敏感だ。指で撫でると微かに盛り上がって、もっと触ってほしいと主張する様子なのが愛らしい。
お望み通り、色が変わって張りつめるまで愛さずにはいられない。
唇を離すと、オルガの息はもう荒かった。
膝を立てて脚をもじもじと擦り合わせるのは、血を通わせて硬くなったものを隠そうとする仕草だ。そんなことをしても意味はないのに。今日はここも念入りに愛するつもりでいるのだから。
首筋に鎖骨の上に、なだらかな胸の隆起と、引き締まった腹部に。
グレウスはゆっくりと吸い跡をつけていく。
時々噛みついて歯型を残したくなるのは、獣人だった時の無意識の記憶だろうか。
ゴルディナがアスファロトに触れなかったのは、もしかすると自分の爪や牙で愛しいエルフの体に傷を残してしまうことを怖れたのかもしれない。
脚を開かせると、恥じらいながらもオルガは従順に膝を立てた。
柔らかな下生えから、張りつめた雄の印がしっかりと天を向いている。
グレウスはその根元を指で支えると、ヒクヒクと揺れる先端から、口の中に咥えこんでいった。
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