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第17話
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ルギスの顔から、悲しげな色が一切失せた。ティトに恐怖はない。そのためにニコラとリオールに残ってもらっていた。
階段から突き飛ばされた瞬間、ティトは身を翻した。すぐに逃げようとしていたその人物はまさかティトが振り向くとは思っていなかったのか、一歩逃げ遅れたらしい。
驚いたようなルギスと、落下する直前に目が合った。
「どうしてこんなことをしたの? エレア様にとって不名誉な噂を意図的に流してるのも兄様だよね?」
ルギスは短く息を吐き、乾いたように笑う。ニコラとリオールは警戒を強めた。
「どうしてそう思う?」
「おかしいんだ、噂が流れる速さが尋常じゃない。誰かが意図的に断定してエレア様を貶めようとしているとしか思えない。犯人は七年前からエレア・ジラルドの印象操作をおこなって、噂を信じられやすいようにしていた。そしてそれが犯人の思惑なんだと思った。理由は分からないけど」
「ああ、そうか……やっぱりおまえは頭がいい。俺の自慢の弟だ」
ベッドサイドにおいてある簡素な椅子に、ルギスは力なく腰掛ける。
感情の読めない表情だった。これまでに見たこともないルギスのその表情に、ティトの胸はじくりと痛む。
「……七年前。エレア・ジラルドは一人で階段を降りていた。ホールでジラルド夫人がヤツを探していたから、子どもの好奇心で迷子になったんだとすぐに分かったよ」
感情の乗らない声である。淡々と紡がれる言葉に、その場の誰もが口を挟まない。
「チャンスだと思った。だけどヤツは上品な仕草で歩いていたし、ティトのことを見てもいなかったから、俺が動くしかなかった。……俺がティトを突き飛ばしたんだ」
ニコラがやや衝撃を受けたようにリオールを見る。リオールもまた同じような顔をしていた。
「いや、語弊があるか。ほんの少し押したんだ。落ちるようにね。それからは知ってる通り、俺はエレア・ジラルドが突き飛ばしたと派手に言いふらした」
ティトの表情は厳しく、しかしどこか悲しそうでもある。そんなティトを一瞥して、見ていられなかったのか、ルギスはすぐに目を伏せた。
「毒は誰でも良かった。誘発剤もそう、リオール・イヴァーノがオメガであることは学校側は理解していたからな、ティトの周囲で事件を多発させる目的でやった」
まさか毒をティトが飲むとは思わなかったと、ルギスはため息まじりにつぶやく。
「……どうして兄様は、そんなにエレア様を敵視するの」
「あいつは必ず、おまえを殺す」
ルギスの目に炎が宿る。その強い色にはティトも圧倒され、「どういう意味?」なんてことすら問いかけることもできなかった。
「だから引き離す必要があった。ティトを殺させないために、あいつをどうにかティトの人生から排除してやりたかった。それなのにおまえはエレア・ジラルドに構いたがる。俺がどれほど気を揉んだか」
「……ルギス先生、話が見えません。どうしてティトはジラルドに殺されるんですか」
戸惑いながらも小さく言ったリオールは、ルギスの振り返らない背中を恐ろしげに見下ろす。どこか異質な雰囲気で、なぜかひどく恐ろしいものに思えたからだ。
「どのルートを選んでも、悪役は必ず当て馬を殺すからだ」
ティトがゆっくりと瞠目する。しかしルギスはそんなティトを見て自嘲気味に笑い、言葉を続けた。
「なあ、俺はもうおまえが死ぬのは見たくないんだよ。おまえは思い出していないのかもしれないが、当て馬の末路はすべて同じだ。おまえは死ぬ。この物語で大人になることはない。だから俺が守らないといけない」
「……兄様、何を……」
「俺は、おまえの死に目に間に合わなかった。……交通事故だったよ。それでも生きてたんだ。それなのに俺が駆けつけたときにはもう、息を引き取っていた。もう二度と、俺は家族を失いたくない」
まさか、と動いたティトの唇は、音をなさなかった。
手が震える。心臓がはやる。目の前で静かに涙を流すルギスから目を離すことができない。やがてルギスの目がうっそりとティトに向けられると、ティトはぎくりと肩を揺らす。
「……真広。どうしておまえは物語を変えた」
ティトの目から、涙がひと筋流れ落ちた。ティト自身にも自分の感情が分からない。ただなぜか自然と涙が溢れて、目の前の存在に安堵が広がる。
「……静希くん?」
ティトのおそるおそるの問いかけに、ルギスは一つうなずいた。
「おまえが前世の記憶がなんだと言い始めたときには驚いたよ。だけどそれでも良かった、自分が死ぬ運命までは思い出していなかったからな」
「待って……兄様はいつから……」
「俺は生まれたときから記憶がある。おまえが真広だと気付いたのは、おまえが記憶を取り戻したときに話していたことからだった。半信半疑だったが……」
ティトの頭はひどく混乱していた。思考はまとまらず、目をうろうろと泳がせながら言葉を探す。何を言えば良いのかも分からない。どうするのが正解なのかも。
「ティトが幼い頃に王太子殿下と出会い、物語を変えるなんて思ってもいなかった。戦争はなくなり、隣国の情勢も安定して移民もなく、アルファスト国は平和に続いている。おかげで二人もこの有様だ。ニコラ・フェデーレは存在しない」
突然名前を出されて、ニコラはぎくりと体を揺らす。ティトはどこか不安げな目をニコラに向けたが、すぐにルギスに視線を戻す。
心がぐちゃぐちゃにされたような気持ちだった。何を言えば良いのかも、これからどうすべきなのかも分からない。もしかしたら、自身が必ず死ぬ運命であることに衝撃を受けたというのもあるのかもしれない。
エレアに殺される。それを考えて、エレアに向けられた憎悪を思い出す。
しかし、不思議と恐ろしいとは思わなかった。
ティトはそれよりも、ルギスに言われたことばかりが頭をめぐる。
「……僕、間違えてた?」
不安定なようでいて、その言葉はしっかりと芯があった。ルギスは意図を探るように、無言で続きを促す。
「……僕は嫌だ。僕だけが守られて、僕だけが幸せな世界なんて嫌だよ。僕はニコラもリオールも、兄様だって、みんな幸せな物語で終わってほしい」
ティトは泣かないようにと、ぐっと拳を握りしめる。
「僕には家族が居なかった。友達も居なかった。兄様が一番知ってるでしょ。だからこそ、今世では家族も友達も大切にしたいんだよ。友達にも兄様にも傷ついてほしくない。そんな存在を傷つけてまで成り立つ幸せなんて要らない。……最初に言ってくれたら、一緒に頑張れたよ。言いにくいことかもしれないけど……静希くんだって言ってくれたら、僕も嬉しかった」
激情的ではなかった。だからこそルギスも何も言えず、ぐっと眉を寄せる。
「ティト、おまえは何も間違えてない。……誇りに思うよ。全部兄様が悪いな。ごめん」
ティトの手に、ルギスの震える手が重なる。ニコラもリオールも何も言わなかった。
医務室に重たい沈黙がやってくる。そんな空気を裂いたのは、やや閉められていたレースカーテンを勢いよく開く鋭い音だった。
「話は分かりました。ルギス先生、私たちと一緒に来てください」
目を向けた先には、レンとエラルド、そして変装をしたエミディオが居た。最初から聞かれていたのだろうか。物言わず立ち上がるルギスの手を、ティトが反射的に掴む。ルギスは驚いてティトに振り向いたが、ティトはまっすぐにレンを見ていた。
「兄様はどうなりますか」
ティトの手は震えていた。ルギスは気付いたが、何もしてやれなかった。
「……大丈夫。悪いようにはしないよ」
「たった一人の兄です。大好きな兄です。絶対にやってはいけないことをしましたが、僕にとっては大切な家族です。……兄様がこうなってしまったのは僕に原因があります。僕の責任にしてくださって構いませんからどうか、」
「分かっている。大丈夫だから、あとは任せて」
穏やかなレンの様子に、ティトの手からゆっくりと力が抜ける。解放されたルギスは「ごめんな」と小さく謝り、エラルドにうながされてベッドから離れた。
「ニコラ、おまえも来い」
「え、僕も?」
「ったりまえだろ。約束、忘れたわけじゃねえだろうな」
エミディオに睨まれ、ニコラは渋々とそちらに向かう。
「ティト、ありがとう。君はやっぱり強い子だ。君の無実を、君自身が証明してみせた」
「言っとくけど、オレはまだ信じてねえからな」
レンの言葉を否定したのは、少し離れたところに居るエミディオである。しかしすぐにエラルドに頭を叩かれていた。
「詳しい話はまた後日。今日は歩けるようになったらもう帰っていいからね」
ティトの頭を優しく撫でると、レンはくるりと背を向けた。
リオールと二人取り残され、ティトは何気なく彼を見上げる。リオールにはその表情が悲しいような寂しいような、まるで迷子の子どものように見えてしまい、苦笑を漏らしながらもベッドサイドの近くに腰掛けた。
「俺も聞きたいこといっぱいあるけど、今は疲れただろ。屋敷まで送るよ」
「……リオは今、幸せなの?」
「もちろん。俺はこんな見た目でオメガだし、オメガだったから家族を落胆させたかもしれないけど、ちっさい頃にニコラに出会えて、学園に入ってからはティトが一緒にいてくれて、今が一番楽しいし幸せだ」
屈託のないその笑みに、ティトは「それならいいんだ」とようやく安堵の笑みをこぼした。
階段から突き飛ばされた瞬間、ティトは身を翻した。すぐに逃げようとしていたその人物はまさかティトが振り向くとは思っていなかったのか、一歩逃げ遅れたらしい。
驚いたようなルギスと、落下する直前に目が合った。
「どうしてこんなことをしたの? エレア様にとって不名誉な噂を意図的に流してるのも兄様だよね?」
ルギスは短く息を吐き、乾いたように笑う。ニコラとリオールは警戒を強めた。
「どうしてそう思う?」
「おかしいんだ、噂が流れる速さが尋常じゃない。誰かが意図的に断定してエレア様を貶めようとしているとしか思えない。犯人は七年前からエレア・ジラルドの印象操作をおこなって、噂を信じられやすいようにしていた。そしてそれが犯人の思惑なんだと思った。理由は分からないけど」
「ああ、そうか……やっぱりおまえは頭がいい。俺の自慢の弟だ」
ベッドサイドにおいてある簡素な椅子に、ルギスは力なく腰掛ける。
感情の読めない表情だった。これまでに見たこともないルギスのその表情に、ティトの胸はじくりと痛む。
「……七年前。エレア・ジラルドは一人で階段を降りていた。ホールでジラルド夫人がヤツを探していたから、子どもの好奇心で迷子になったんだとすぐに分かったよ」
感情の乗らない声である。淡々と紡がれる言葉に、その場の誰もが口を挟まない。
「チャンスだと思った。だけどヤツは上品な仕草で歩いていたし、ティトのことを見てもいなかったから、俺が動くしかなかった。……俺がティトを突き飛ばしたんだ」
ニコラがやや衝撃を受けたようにリオールを見る。リオールもまた同じような顔をしていた。
「いや、語弊があるか。ほんの少し押したんだ。落ちるようにね。それからは知ってる通り、俺はエレア・ジラルドが突き飛ばしたと派手に言いふらした」
ティトの表情は厳しく、しかしどこか悲しそうでもある。そんなティトを一瞥して、見ていられなかったのか、ルギスはすぐに目を伏せた。
「毒は誰でも良かった。誘発剤もそう、リオール・イヴァーノがオメガであることは学校側は理解していたからな、ティトの周囲で事件を多発させる目的でやった」
まさか毒をティトが飲むとは思わなかったと、ルギスはため息まじりにつぶやく。
「……どうして兄様は、そんなにエレア様を敵視するの」
「あいつは必ず、おまえを殺す」
ルギスの目に炎が宿る。その強い色にはティトも圧倒され、「どういう意味?」なんてことすら問いかけることもできなかった。
「だから引き離す必要があった。ティトを殺させないために、あいつをどうにかティトの人生から排除してやりたかった。それなのにおまえはエレア・ジラルドに構いたがる。俺がどれほど気を揉んだか」
「……ルギス先生、話が見えません。どうしてティトはジラルドに殺されるんですか」
戸惑いながらも小さく言ったリオールは、ルギスの振り返らない背中を恐ろしげに見下ろす。どこか異質な雰囲気で、なぜかひどく恐ろしいものに思えたからだ。
「どのルートを選んでも、悪役は必ず当て馬を殺すからだ」
ティトがゆっくりと瞠目する。しかしルギスはそんなティトを見て自嘲気味に笑い、言葉を続けた。
「なあ、俺はもうおまえが死ぬのは見たくないんだよ。おまえは思い出していないのかもしれないが、当て馬の末路はすべて同じだ。おまえは死ぬ。この物語で大人になることはない。だから俺が守らないといけない」
「……兄様、何を……」
「俺は、おまえの死に目に間に合わなかった。……交通事故だったよ。それでも生きてたんだ。それなのに俺が駆けつけたときにはもう、息を引き取っていた。もう二度と、俺は家族を失いたくない」
まさか、と動いたティトの唇は、音をなさなかった。
手が震える。心臓がはやる。目の前で静かに涙を流すルギスから目を離すことができない。やがてルギスの目がうっそりとティトに向けられると、ティトはぎくりと肩を揺らす。
「……真広。どうしておまえは物語を変えた」
ティトの目から、涙がひと筋流れ落ちた。ティト自身にも自分の感情が分からない。ただなぜか自然と涙が溢れて、目の前の存在に安堵が広がる。
「……静希くん?」
ティトのおそるおそるの問いかけに、ルギスは一つうなずいた。
「おまえが前世の記憶がなんだと言い始めたときには驚いたよ。だけどそれでも良かった、自分が死ぬ運命までは思い出していなかったからな」
「待って……兄様はいつから……」
「俺は生まれたときから記憶がある。おまえが真広だと気付いたのは、おまえが記憶を取り戻したときに話していたことからだった。半信半疑だったが……」
ティトの頭はひどく混乱していた。思考はまとまらず、目をうろうろと泳がせながら言葉を探す。何を言えば良いのかも分からない。どうするのが正解なのかも。
「ティトが幼い頃に王太子殿下と出会い、物語を変えるなんて思ってもいなかった。戦争はなくなり、隣国の情勢も安定して移民もなく、アルファスト国は平和に続いている。おかげで二人もこの有様だ。ニコラ・フェデーレは存在しない」
突然名前を出されて、ニコラはぎくりと体を揺らす。ティトはどこか不安げな目をニコラに向けたが、すぐにルギスに視線を戻す。
心がぐちゃぐちゃにされたような気持ちだった。何を言えば良いのかも、これからどうすべきなのかも分からない。もしかしたら、自身が必ず死ぬ運命であることに衝撃を受けたというのもあるのかもしれない。
エレアに殺される。それを考えて、エレアに向けられた憎悪を思い出す。
しかし、不思議と恐ろしいとは思わなかった。
ティトはそれよりも、ルギスに言われたことばかりが頭をめぐる。
「……僕、間違えてた?」
不安定なようでいて、その言葉はしっかりと芯があった。ルギスは意図を探るように、無言で続きを促す。
「……僕は嫌だ。僕だけが守られて、僕だけが幸せな世界なんて嫌だよ。僕はニコラもリオールも、兄様だって、みんな幸せな物語で終わってほしい」
ティトは泣かないようにと、ぐっと拳を握りしめる。
「僕には家族が居なかった。友達も居なかった。兄様が一番知ってるでしょ。だからこそ、今世では家族も友達も大切にしたいんだよ。友達にも兄様にも傷ついてほしくない。そんな存在を傷つけてまで成り立つ幸せなんて要らない。……最初に言ってくれたら、一緒に頑張れたよ。言いにくいことかもしれないけど……静希くんだって言ってくれたら、僕も嬉しかった」
激情的ではなかった。だからこそルギスも何も言えず、ぐっと眉を寄せる。
「ティト、おまえは何も間違えてない。……誇りに思うよ。全部兄様が悪いな。ごめん」
ティトの手に、ルギスの震える手が重なる。ニコラもリオールも何も言わなかった。
医務室に重たい沈黙がやってくる。そんな空気を裂いたのは、やや閉められていたレースカーテンを勢いよく開く鋭い音だった。
「話は分かりました。ルギス先生、私たちと一緒に来てください」
目を向けた先には、レンとエラルド、そして変装をしたエミディオが居た。最初から聞かれていたのだろうか。物言わず立ち上がるルギスの手を、ティトが反射的に掴む。ルギスは驚いてティトに振り向いたが、ティトはまっすぐにレンを見ていた。
「兄様はどうなりますか」
ティトの手は震えていた。ルギスは気付いたが、何もしてやれなかった。
「……大丈夫。悪いようにはしないよ」
「たった一人の兄です。大好きな兄です。絶対にやってはいけないことをしましたが、僕にとっては大切な家族です。……兄様がこうなってしまったのは僕に原因があります。僕の責任にしてくださって構いませんからどうか、」
「分かっている。大丈夫だから、あとは任せて」
穏やかなレンの様子に、ティトの手からゆっくりと力が抜ける。解放されたルギスは「ごめんな」と小さく謝り、エラルドにうながされてベッドから離れた。
「ニコラ、おまえも来い」
「え、僕も?」
「ったりまえだろ。約束、忘れたわけじゃねえだろうな」
エミディオに睨まれ、ニコラは渋々とそちらに向かう。
「ティト、ありがとう。君はやっぱり強い子だ。君の無実を、君自身が証明してみせた」
「言っとくけど、オレはまだ信じてねえからな」
レンの言葉を否定したのは、少し離れたところに居るエミディオである。しかしすぐにエラルドに頭を叩かれていた。
「詳しい話はまた後日。今日は歩けるようになったらもう帰っていいからね」
ティトの頭を優しく撫でると、レンはくるりと背を向けた。
リオールと二人取り残され、ティトは何気なく彼を見上げる。リオールにはその表情が悲しいような寂しいような、まるで迷子の子どものように見えてしまい、苦笑を漏らしながらもベッドサイドの近くに腰掛けた。
「俺も聞きたいこといっぱいあるけど、今は疲れただろ。屋敷まで送るよ」
「……リオは今、幸せなの?」
「もちろん。俺はこんな見た目でオメガだし、オメガだったから家族を落胆させたかもしれないけど、ちっさい頃にニコラに出会えて、学園に入ってからはティトが一緒にいてくれて、今が一番楽しいし幸せだ」
屈託のないその笑みに、ティトは「それならいいんだ」とようやく安堵の笑みをこぼした。
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