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第二部 江戸闇聴聞 ~絡繰りの音~
第十五話 絡繰る音、砕ける歯車
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深川の倉庫奥。市と木暮同心たちが対峙するのは、影の組織の主要メンバーらしき男だった。あたりには、あの甘く淀んだ香りが充満し、倉庫の奥からは「歯車が回るような音」が、焦燥感を伴って響き続けている。男は、その場の支配者であるかのような冷たい気配を纏っていた。
「余計な真似を… 我々の『絡繰り』を邪魔立てするとはな」
男の声は、第十四話で市の感覚が捉えた威圧的な声の主だ。その声には、技術者特有の冷静さと、それを邪魔されたことへの僅かな苛立ちが混じっている。市の鼻腔は、その男から漂ってくる、甘く淀んだ香りとは異なる、別の、しかし非常に精巧な香りの匂いを捉えた。それは、彼が香りの使い手であることを示している。
市の耳は、倉庫の奥から響く「歯車が回るような音」の複雑さを聴き取ろうとする。単なる機械音ではない。複数の歯車が特定の周期で噛み合い、何かを精密に動かしている音だ。それは、盗まれた「絡繰り」の道具が、ここで何かを製造・偽造している音であり、影の組織の企みの核となる音だ。
「お前たちが何を企んでいるのかは知らぬが、人を傷つけ、大切なものを奪う行為は許せぬ!」
木暮同心が男に詰め寄る。しかし、男は嘲るような気配を放つ。
「人を傷つける? 我々は、時代を、江戸を変えようとしているのだ。古い因習に囚われたこの町を、新たな『絡繰り』で動かすのだ」
男がそう言った時、あの「ピィー」という音が、男のいる場所から、先ほどよりもさらに高く、鋭い音程で響いた。それは、単なる合図ではない。音波が、市の聴覚を通して直接脳に働きかけてくるような感覚だ。脳が揺れる。めまいがする。これは、「音絡繰り」による攻撃だ!
視覚に頼る者ならば、この音波攻撃で意識を失うか、激しい混乱に陥るだろう。しかし、市の聴覚は、この「音絡繰り」の波長を感知する。それは、特定の周波数で脳に作用し、平衡感覚を狂わせ、思考を鈍らせる音だ。
市は、意識が遠のきそうになるのを堪えながら、自身の聴覚を別の音に集中させた。自身の心臓の鼓動、自身の息遣い。そして、倉庫の中で聞こえる、微かな別の音。そう、水路を流れる水の音だ。深川の運河の水音が、倉庫の壁を通して微かに響いてくる。
「木暮さん! あの音は、特定の周波数で脳を揺らしています! 水の音に… 水の音に意識を集中させてください!」
市は、自身の感覚を頼りに、音波攻撃への対抗策を叫んだ。水の音は、生命のリズムを持つ音だ。無機質な「音絡繰り」の波長とは異なる。水路が張り巡らされた深川という地形が、皮肉にも市に助け舟を出してくれたのだ。
木暮同心と同心たちは、市の指示に従い、水の音に意識を集中させた。効果があったようだ。意識を失いかけた同心たちが、辛うじて体勢を立て直す。
しかし、影の組織の主要メンバーは、諦めない。彼は、さらに複雑な「音絡繰り」を仕掛けてくる。音が、多層的に重なり合い、市の聴覚を混乱させようとする。同時に、甘く淀んだ香りの濃度が急激に上がり、物理的な攻撃も仕掛けてくる気配を感じる。
市は、音と香りの波の中で、影の組織のメンバーの動きを追う。彼らは、足音を消して闇を移動し、香りを盾に市たちに接近してくる。市の鼻腔は、彼らが纏う香りの僅かな揺らぎから、その移動を捉える。
「木暮さん! 右方向! 香りが動いています!」
市の指示が飛ぶ。木暮同心は、市の言葉を信じ、その方向へ斬りかかる。金属がぶつかり合う音が響く。
倉庫の奥からは、「歯車が回るような音」が、最高潮に達している。あの「絡繰り」が、今まさに完成しようとしているのだ。市は、その音の質、リズムの変化から、何が作られているのかを推測しようとする。材木に印が刻まれる音、そして、何か別のものが取り付けられるような音。
市の頭の中で、平賀甚兵衛の言葉が蘇る。「情報や命令を運ぶための『絡繰り』かもしれん」「音を、情報の伝達や制御に使う『音絡繰り』のようなものだ」。影の組織は、材木に偽造の印を刻むだけでなく、その中に何らかの情報を隠したり、あるいは、その材木自体を、巨大な「絡繰り」の一部として使おうとしているのだ。
そして、あの「ピィー」という音は、その巨大な「絡繰り」を動かすための、起動音、あるいは制御音なのかもしれない。
市は、木暮同心に叫んだ。
「木暮さん! あの絡繰りを止めるのです! あれが完成すれば…!」
木暮同心は、市の言葉の切迫さを感じ取り、影の組織のメンバーの抵抗を退けながら、作業台へと向かおうとする。しかし、影の組織の主要メンバーは、彼を阻止しようと、さらに強力な「音絡繰り」を仕掛けてくる。倉庫全体が、奇妙な音の波に包まれる。
市の感覚は、限界に近づいていた。しかし、ここで立ち止まるわけにはいかない。師・源七爺さんが命を懸けて追っていた闇が、今、目の前でその企みを実行しようとしているのだ。
市は、自身の全ての五感を一点に集中させた。あの「歯車が回るような音」の、最も強く響いている場所。それは、影の組織の主要メンバーが守っている作業台だ。そして、そこから漏れてくる、盗まれた「絡繰り」の道具の匂い。
市は、感覚だけを頼りに、作業台へと向かって駆け出した。足元の材木を触覚で感知し、香りの薄い場所、音の波の隙間を選びながら。
影の組織の主要メンバーが、市の動きに気づいた。彼は、さらに鋭い「ピィー」という音を放ち、市を阻止しようとする。しかし、市の心には、師の最期の声と、あの血の匂いが焼き付いている。その思いが、市を突き動かす。
市は、作業台に飛びついた。金属と油の匂い。そして、今にも完成しようとしている「絡繰り」の感触。複雑な歯車が回っている。
市は、その歯車の一つに、自身の指を…
ガシャン!
鈍い金属音が響き渡った。歯車が砕ける音。
そして、「歯車が回るような音」が、プツリと途絶えた。
影の組織の主要メンバーが、信じられないという気配を放つ。彼の「絡繰り」が、市の行動によって阻止されたのだ。
しかし、勝利の安堵は束の間だった。影の組織の主要メンバーは、自身の企みを阻止された怒りに震えている。彼は、最後に、ある言葉を呟き、そして、倉庫の奥にある隠し水路へと姿を消した。
「これで終わりではない… 我々の『絡繰り』は、まだ始まったばかりだ…!」
その言葉は、市の耳に、不吉な残響となって響いた。影の組織の主要メンバーは逃走した。そして、彼らの企みの一部は阻止できたかもしれないが、全てを止められたわけではない。
盗まれた「絡繰り」の道具は、完全に破壊できたのか? そして、影の組織の企みの全貌は?
深川の運河の水音が、闇の中で静かに響いている。それは、影の組織が、まだこの江戸のどこかに潜んでいることを示唆している。
そして、彼らが仕掛ける次の「絡繰り」の始まりを告げる、不吉な囁きのように聞こえた。
今回の対決は、終わりではなかった。それは、影の組織との、さらに深い戦いの始まりに過ぎないのだ。
「余計な真似を… 我々の『絡繰り』を邪魔立てするとはな」
男の声は、第十四話で市の感覚が捉えた威圧的な声の主だ。その声には、技術者特有の冷静さと、それを邪魔されたことへの僅かな苛立ちが混じっている。市の鼻腔は、その男から漂ってくる、甘く淀んだ香りとは異なる、別の、しかし非常に精巧な香りの匂いを捉えた。それは、彼が香りの使い手であることを示している。
市の耳は、倉庫の奥から響く「歯車が回るような音」の複雑さを聴き取ろうとする。単なる機械音ではない。複数の歯車が特定の周期で噛み合い、何かを精密に動かしている音だ。それは、盗まれた「絡繰り」の道具が、ここで何かを製造・偽造している音であり、影の組織の企みの核となる音だ。
「お前たちが何を企んでいるのかは知らぬが、人を傷つけ、大切なものを奪う行為は許せぬ!」
木暮同心が男に詰め寄る。しかし、男は嘲るような気配を放つ。
「人を傷つける? 我々は、時代を、江戸を変えようとしているのだ。古い因習に囚われたこの町を、新たな『絡繰り』で動かすのだ」
男がそう言った時、あの「ピィー」という音が、男のいる場所から、先ほどよりもさらに高く、鋭い音程で響いた。それは、単なる合図ではない。音波が、市の聴覚を通して直接脳に働きかけてくるような感覚だ。脳が揺れる。めまいがする。これは、「音絡繰り」による攻撃だ!
視覚に頼る者ならば、この音波攻撃で意識を失うか、激しい混乱に陥るだろう。しかし、市の聴覚は、この「音絡繰り」の波長を感知する。それは、特定の周波数で脳に作用し、平衡感覚を狂わせ、思考を鈍らせる音だ。
市は、意識が遠のきそうになるのを堪えながら、自身の聴覚を別の音に集中させた。自身の心臓の鼓動、自身の息遣い。そして、倉庫の中で聞こえる、微かな別の音。そう、水路を流れる水の音だ。深川の運河の水音が、倉庫の壁を通して微かに響いてくる。
「木暮さん! あの音は、特定の周波数で脳を揺らしています! 水の音に… 水の音に意識を集中させてください!」
市は、自身の感覚を頼りに、音波攻撃への対抗策を叫んだ。水の音は、生命のリズムを持つ音だ。無機質な「音絡繰り」の波長とは異なる。水路が張り巡らされた深川という地形が、皮肉にも市に助け舟を出してくれたのだ。
木暮同心と同心たちは、市の指示に従い、水の音に意識を集中させた。効果があったようだ。意識を失いかけた同心たちが、辛うじて体勢を立て直す。
しかし、影の組織の主要メンバーは、諦めない。彼は、さらに複雑な「音絡繰り」を仕掛けてくる。音が、多層的に重なり合い、市の聴覚を混乱させようとする。同時に、甘く淀んだ香りの濃度が急激に上がり、物理的な攻撃も仕掛けてくる気配を感じる。
市は、音と香りの波の中で、影の組織のメンバーの動きを追う。彼らは、足音を消して闇を移動し、香りを盾に市たちに接近してくる。市の鼻腔は、彼らが纏う香りの僅かな揺らぎから、その移動を捉える。
「木暮さん! 右方向! 香りが動いています!」
市の指示が飛ぶ。木暮同心は、市の言葉を信じ、その方向へ斬りかかる。金属がぶつかり合う音が響く。
倉庫の奥からは、「歯車が回るような音」が、最高潮に達している。あの「絡繰り」が、今まさに完成しようとしているのだ。市は、その音の質、リズムの変化から、何が作られているのかを推測しようとする。材木に印が刻まれる音、そして、何か別のものが取り付けられるような音。
市の頭の中で、平賀甚兵衛の言葉が蘇る。「情報や命令を運ぶための『絡繰り』かもしれん」「音を、情報の伝達や制御に使う『音絡繰り』のようなものだ」。影の組織は、材木に偽造の印を刻むだけでなく、その中に何らかの情報を隠したり、あるいは、その材木自体を、巨大な「絡繰り」の一部として使おうとしているのだ。
そして、あの「ピィー」という音は、その巨大な「絡繰り」を動かすための、起動音、あるいは制御音なのかもしれない。
市は、木暮同心に叫んだ。
「木暮さん! あの絡繰りを止めるのです! あれが完成すれば…!」
木暮同心は、市の言葉の切迫さを感じ取り、影の組織のメンバーの抵抗を退けながら、作業台へと向かおうとする。しかし、影の組織の主要メンバーは、彼を阻止しようと、さらに強力な「音絡繰り」を仕掛けてくる。倉庫全体が、奇妙な音の波に包まれる。
市の感覚は、限界に近づいていた。しかし、ここで立ち止まるわけにはいかない。師・源七爺さんが命を懸けて追っていた闇が、今、目の前でその企みを実行しようとしているのだ。
市は、自身の全ての五感を一点に集中させた。あの「歯車が回るような音」の、最も強く響いている場所。それは、影の組織の主要メンバーが守っている作業台だ。そして、そこから漏れてくる、盗まれた「絡繰り」の道具の匂い。
市は、感覚だけを頼りに、作業台へと向かって駆け出した。足元の材木を触覚で感知し、香りの薄い場所、音の波の隙間を選びながら。
影の組織の主要メンバーが、市の動きに気づいた。彼は、さらに鋭い「ピィー」という音を放ち、市を阻止しようとする。しかし、市の心には、師の最期の声と、あの血の匂いが焼き付いている。その思いが、市を突き動かす。
市は、作業台に飛びついた。金属と油の匂い。そして、今にも完成しようとしている「絡繰り」の感触。複雑な歯車が回っている。
市は、その歯車の一つに、自身の指を…
ガシャン!
鈍い金属音が響き渡った。歯車が砕ける音。
そして、「歯車が回るような音」が、プツリと途絶えた。
影の組織の主要メンバーが、信じられないという気配を放つ。彼の「絡繰り」が、市の行動によって阻止されたのだ。
しかし、勝利の安堵は束の間だった。影の組織の主要メンバーは、自身の企みを阻止された怒りに震えている。彼は、最後に、ある言葉を呟き、そして、倉庫の奥にある隠し水路へと姿を消した。
「これで終わりではない… 我々の『絡繰り』は、まだ始まったばかりだ…!」
その言葉は、市の耳に、不吉な残響となって響いた。影の組織の主要メンバーは逃走した。そして、彼らの企みの一部は阻止できたかもしれないが、全てを止められたわけではない。
盗まれた「絡繰り」の道具は、完全に破壊できたのか? そして、影の組織の企みの全貌は?
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そして、彼らが仕掛ける次の「絡繰り」の始まりを告げる、不吉な囁きのように聞こえた。
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