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しおりを挟む「大輔、おはよう。」
「……おはよう、春馬。」
「ふぁ~っ、遅くまで起きてたから眠いんだよね…歯、磨いてくるね。」
「……………」
(もう、春馬に嫌われてるって分かってるのに。)
俺は、嫌われたくなくて春馬のために朝食を作っている。
「ベーコン、生焼けにしよっかな………」
(だめだ、そんなことしたら春馬がお腹を下して俺のこと嫌いになっちゃう。)
美香よりも好かれるために俺はもっと頑張らないと………
「んーっ卵焼きのいい匂い……ベーコンと一緒に焼いてるの?器用だね。」
「…………」
(褒められた!!嬉しい!!!)
「……着替えたら?」
「大輔だってまだ着替えてないじゃん。ご飯食べ終わったら着替えるよ。」
春馬はそう言いながら朝のテレビ番組で天気を確認している。
「今日の昼は雨かー、外食しようと思ったのになー………」
ピクっと反応してしまう。
(それって……美香って人と……?)
「……どこで食べる予定なの?」
「んー?うーん……田中食堂とか?」
「…………」
(そこ…俺と行ったことある場所じゃん……)
田中食堂に美香と行く予定だったのかな……?
「大輔、体調悪い?」
「……なんで。」
「なんか……口数が少ないから。」
(誰のせいだと思ってんだよ……)
「そういえば、また薬飲んだ?もう飲まないって約束したよね。」
「….…….」
「……そういう薬って体に負担かかるだろ?心配してるんだよ。」
整った春馬の顔が俺のほうを、俺だけを見つめてくれている。
(久しぶりに心配してくれた……)
「はい、ごはん。……俺、着替えてくるわ。」
春馬だけを取り残して、俺は部屋へ戻りワイシャツを手に取る。
シャツに大粒の雫が落ちている。
それが、自分の涙だと察するのは簡単なことだ。
(よく……春馬の前で泣かなかった俺……)
もしかしたら、春馬は俺がヘラる行為にうんざりしていたのかもしれない。
リスカの手当とか……普通、やりたくないよな。
それなら、俺にも問題はあった。
春馬を浮気させたのは俺の責任だったんだ。
……だから、また好きになってもらえるように春馬の理想の恋人になれるようにしないと……
美香に盗られる。
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