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「重ねるだけ」
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しおりを挟む「遥奈。お前は出ていけ。」
まって
「御意。」
いかないで
この状況で2人きりはかなりヤバい。
「……なぁふーくん。なんで器具が外れてるの?」
「はっえっ??」
“なんで?”って、さっきあのメイドと話してたんじゃないのか…???
「早く答えてよ。」
「ゔっ!!?!」
今度は腹を殴られた。
「ほら、もっと痛いことしちゃうよ?」
「はっあっ”…」
声が出せない。
息をするのも辛い。
(だけど言わなきゃ…)
「あのめいどがっ…はずしたっ」
「あのメイド…遥奈が?なんで?」
「しらないっ!勝手に部屋に入って外して、俺を殺すって!!」
「……成る程ね。」
ご主人様はピタッと殴る手を止めた。
(納得…してくれたのか?)
「ふーくん。」
倒れてる俺の頬に彼は手を当て、
バチンッ!!!
力強く叩いた。
「薬の幻覚症状?それとも嘘?どっちにしてもタチが悪いね。」
「あ………」
信じてくれない。
なんで?
なんで、
「メイドの言葉はしんじるの…?」
「信頼してるからだよ。」
「え………」
“信頼”
つまり俺のことは信頼していないってことか?
昔からずっと一緒にいる幼馴染なのに、そんな俺より屋敷のメイドを信頼してると言うのか…?
俺を支配したいとか言ってた癖に。
俺のこと好きだって言ってた癖に。
お前は、俺のご主人様だろ。
「ふーくんを信頼してない訳じゃないよ。ただ、今の状況だと」
「おれのこと、好きじゃないの…?」
………
…………………
……………………………………
(は?何言ってるだ俺は?!なんでいきなりそんなこと言ってんの?!意味わかんねぇ!!)
「………」
(雄斗も無表情のままフリーズしてるよ!いや、雄斗はいつも無表情だけど!これ俺またケツの穴開かれて放置されるよきっと!!無理!信頼してなくていいから早く殺して!親父と一緒に天国行かせて!!!)
「随分可愛い質問をするね。」
「へっ」
雄斗が今何を言ったのか理解する前に倒れてる俺を彼はお姫様抱っこし、ベッドの上に乗せて俺を押し倒す。
「そんなこと言うなんて意外。俺のこと好きになった?」
「えあっそ、その?」
「んー?可愛いなぁ。ほんと可愛い。」
雄斗はそう言い、まるで犬や猫のようにスリスリしてくる。
(やば、雄斗めっちゃいい匂いする~香水かな?爽やかな柑橘系~…)
「やっぱり主従関係が1番効率良かったか…」
「ん?」
「ううん、なんでもない。」
雄斗が小さい声で何か言ってたけど俺の耳に入らない。それよりも、
「ん~ふーくん~。」
(こんなに上機嫌ならさっきの事忘れてるんじゃね?)
絶対忘れてる。
そうに決まってる。
つまり、俺はお仕置きされずに済むんだ!!!
(よかったぁ~一旦これで一安心。あとはこれからの計画を立てて、母さんを連れてここを逃げないと……)
「はぁ、ふーくんっ」
「ん?どうした、雄斗……」
ゴリッ
「えっ」
待て
嘘だ
「困ったような顔で愛を再確認しようとするふーくん見てたら…」
“勃起した。”
雄斗はそう耳元で囁く。
(またか?また、それ?つまり、)
「ほら、愛が不安なふーくんに”情交”してやるよ。」
「じょうこう、?」
困ったような顔と無表情な顔しかしない彼が、今は獣のような視線を俺に向ける。
頬は赤く、興奮をしたような顔をしているのに顔面が崩れることはなく、
ただ、”その漢らしい顔”に何故か惚れてしまう。
口づけろ
「ほらふーくん。”【Kiss】”」
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