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冷静でいられない
9(梶原 風)
しおりを挟む麻耶の後追いをしたい
そう思って、ここを出た時に死のうと思った。
“「……雄斗様を……、愛しているの?」”
メイドが言った発言。
俺は気づかなかった。
ご主人様を愛していたことに。
思い出す。
『私のご主人様は梶原くんと一緒だよ!』
百合先輩の……言葉………
……愛してるって言った言葉も百合先輩に言ってて………
俺とヤる時みたいに……百合先輩にも激しく…優しく……
「梶原くん、私の匂いが如何かしたの?」
急に優しい口調になったメイド。
頭がいっぱいで言葉が出ない
ただ、只々……百合先輩がまた脳裏にこびり付く…
「梶原くん。」
フワッと女が俺を抱きしめる
その瞬間、百合先輩の匂いが濃くなる。
「離せっ…」
「お願い……ここを出て行こう……」
あ、この声、
百合先輩と同じ……穏やかで優しい……
“私は梶原くんみたいな人がタイプかな”
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