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午後のキャンパス、昼休み。
ユウマは購買の前で、同じゼミの後輩に声をかけられていた。
たわいもない会話。笑いあうだけの、なんでもない時間――のはずだった。
「先輩、今日のシャツ、似合ってますね」
「……え? あ、ありがと……」
何気ないその言葉に、ユウマは照れくさく笑ってみせた。
だが――その背後から、地を這うような視線を感じた。
「ユウマ」
振り向けば、そこにはハヤトが立っていた。
笑っていない。声も低い。目も、どこまでも冷たい。
「今の、誰?」
「えっ……あぁ、ゼミの後輩で……たまたま会って、少し話しただけで……」
「話しただけ?」
ハヤトが一歩、近づいてきた。後輩の目が驚きに揺れる。
その時、ユウマのシャツの首元から――あの首輪が、ちらりと覗いた。
「…………!」
ハヤトの目が一瞬で変わった。まるで理性の糸がプツンと切れる音が、聞こえた気がした。
「見た? 今、お前……ユウマの首元、見た?」
「えっ、い、いえ……別に――」
バンッ。
ハヤトが壁を強く殴った。周囲が一瞬静まり返る。
「他のやつが見るような場所に、痕を残したつもりじゃない。
……でも、お前が油断するなら、意味ないよな、ユウマ?」
ユウマの手首を掴んで、そのまま引き寄せる。
怒りと嫉妬が入り混じったその目は、何よりも本気だった。
「お前は俺のだって、何度言わせれば気が済むんだ。
他のやつの前で、気安く笑うな。……優しくされるな。……“奪われそう”になるのが、どれだけ怖いか、わかってるのかよ。」
そのまま、ユウマの耳元に唇を寄せて囁く。
「……今すぐ、帰ろう? 誰にも見せたくない。
ユウマの泣き顔も、感じてる声も、首につけたこの印も……俺だけが知ってればいい。」
「……ハヤト……」
「帰ったら、罰だからね。」
耳元でそう囁いたその声は――甘くて、恐ろしくて、でも確かに愛だった。
ユウマは購買の前で、同じゼミの後輩に声をかけられていた。
たわいもない会話。笑いあうだけの、なんでもない時間――のはずだった。
「先輩、今日のシャツ、似合ってますね」
「……え? あ、ありがと……」
何気ないその言葉に、ユウマは照れくさく笑ってみせた。
だが――その背後から、地を這うような視線を感じた。
「ユウマ」
振り向けば、そこにはハヤトが立っていた。
笑っていない。声も低い。目も、どこまでも冷たい。
「今の、誰?」
「えっ……あぁ、ゼミの後輩で……たまたま会って、少し話しただけで……」
「話しただけ?」
ハヤトが一歩、近づいてきた。後輩の目が驚きに揺れる。
その時、ユウマのシャツの首元から――あの首輪が、ちらりと覗いた。
「…………!」
ハヤトの目が一瞬で変わった。まるで理性の糸がプツンと切れる音が、聞こえた気がした。
「見た? 今、お前……ユウマの首元、見た?」
「えっ、い、いえ……別に――」
バンッ。
ハヤトが壁を強く殴った。周囲が一瞬静まり返る。
「他のやつが見るような場所に、痕を残したつもりじゃない。
……でも、お前が油断するなら、意味ないよな、ユウマ?」
ユウマの手首を掴んで、そのまま引き寄せる。
怒りと嫉妬が入り混じったその目は、何よりも本気だった。
「お前は俺のだって、何度言わせれば気が済むんだ。
他のやつの前で、気安く笑うな。……優しくされるな。……“奪われそう”になるのが、どれだけ怖いか、わかってるのかよ。」
そのまま、ユウマの耳元に唇を寄せて囁く。
「……今すぐ、帰ろう? 誰にも見せたくない。
ユウマの泣き顔も、感じてる声も、首につけたこの印も……俺だけが知ってればいい。」
「……ハヤト……」
「帰ったら、罰だからね。」
耳元でそう囁いたその声は――甘くて、恐ろしくて、でも確かに愛だった。
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