【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ

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121 誕生日パーティ、準備中

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 色々、調べた。これで合ってるはずだ。
 一太は、どきどきしながら、晃の好物のエビフライとポテトとコーンスープとチキンライスを机に並べる。レタスをちぎっただけのサラダも添えた。生野菜の中では一番好きなはず。冬場のレタスは高かったが、今日は特別。誕生日とは、そういうものらしいので。
 ケーキも、買ってきた方がいいのかどうかを悩んだが、ケーキ屋さんの場所を一太は知らない。気にして見ていないだけかもしれないが、一太が一人でも動ける範囲内には存在していなかったように思う。晃に、ケーキ屋さんに連れて行ってほしいというのは何だか間抜けな気がして、作ることにした。スポンジを焼いて、生クリームと苺で飾る。なかなか上手くいったと思う。
 季節外れの苺は、それもまたとても高かったが、今日は特別である。なにせ、誕生日なので。
 何故か苺はたくさん売っていた。季節外れなのに? と一太は不思議に思ったが、クリスマスのために温室で栽培されているらしい。
 これは、アルバイト先のスーパーで聞いた。
 クリスマスケーキを作るために、この時期に合わせて苺がたくさん入荷するそうだ。助かった。晃が夏生まれだったら、ケーキに飾れる果物が無くて苦労したことだろう。
 クリスマス、というのも一大イベントらしく、スーパーの中は、十二月に入ってからクリスマス一色になった。一太は、クリスマスの存在は知っているという程度だったので、こんなにも大きなイベントだということに驚いた。そういえば、実習に行っていた幼稚園でも、今月はクリスマス会もしなくちゃいけないから大忙しだ、と先生たちが言っていた。それもまた、プレゼントを配るそうだ。
 
「松島くん、誕生日とクリスマスを一緒にされちゃう人?」

 と、実習での誕生日会の後で、賀川かがわが晃に聞いていた。一太は、その時はよく意味が分からなかったが、どちらもプレゼントやパーティをこうして準備するものなのだとしたら、同じ日だから同時にされてしまって損をしている、ということなのかもしれない。

「いや。別だったよ。クリスマスは翌日」
「えー、そうなんだ。いいね。愛されてるなあ。私なんて、弟と誕生日が四日違いだからって、いつもパーティは一緒にされちゃって不満だったよ」
「ケーキ一つ食べ損ねた、みたいな?」
「そうそう」

 あれ?
 そうしたら、明日は明日でクリスマス会がいるのだろうか。クリスマス会と誕生日パーティは、どう違う? 明日も、ご馳走を並べる?
 
「ただいま」

 悩んでいたら、晃の声がした。まずは、誕生日パーティだ。一太は、今日は朝のシフトに入っていて、晃は午後のシフトに入っていた。先月、何気なく出したシフトが、晃の誕生日パーティの準備をしやすい形になっていたのはラッキーだった。
 一太には誕生日パーティの正解が分からないけれど、調べて、やろうと思ったことは全部できていると思う。

「おかえり。晃くん、誕生日おめでとう!」
 
 声が弾む。
 晃の声を聞いたら、喜んでもらえるかどうかの不安より、楽しい気持ちの方が膨れ上がってきた。
 誕生日パーティって、準備している間も楽しいんだな。
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