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その頃の妹ユリア(メイソン家次女 ユリア視点)
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メイソン家の自室で私は今日も使用人たち相手に当たり散らしている。
くそっ! くそっくそっくそっくそっ!
すべてあの女のせいだわ!
アルバートがあんな変態クソ野郎だなんて、あの女、最初からすべて知っていてわざと私に奪わせたのね!
そしてあのくっさい演技を見せて散々ひとをおちょくった後、傷心をよそおって邸を出ていくなんて、あのクソ女のやりそうなことだわ。
危うくあの変態アルバートに処女を奪われて人生を棒に振るところだったじゃないの。
間一髪でなんとか寝室から逃げおおせたからいいものの、私の人生には婚約破棄という人生最大の汚点が残ったわ!
すべてすべてすべてあの女のせい!
最近ではお父様まで、二度目の婚約なのだから贅沢は言うななどと言ってくだらない下級侯爵との縁談ばかり持ってくる。
私が田舎の下級侯爵の妻で人生を終える? そんなことがあるはずがないわ!
あの女に騙されていなければ今頃は、アルバートなんていうクソチン野郎にひっかかることもなく、上流貴族の侯爵夫人として優雅で何不自由ない毎日を送っていたはずなのに……!
あの女、無能で醜くて怠惰なのを大目にみて18までは邸に置いておいてやった恩をこうして仇で返すなんて。
絶対に見つけ出して屈辱の限りを味わわせなくちゃ気が済まない。
なんとかマリアンヌを見つけ出そうと国中を探させているのに消息は全く掴めない。
どうやらいかにもドブネズミらしく姿を隠すことだけは得意なようね。
それともまさかあの女、売春宿を放り出されて野垂れ死んででもいるのかしら。あり得るわ。あれほど無能で容姿も劣る女だもの。どこに行ったって疎まれるに決まってる。
もしマリアンヌがそのへんで野垂れ死んでいたならつまらないけれど、それならそれでせめて死体だけでも蹴り飛ばしてやらなきゃ気が済まない。
・
・
・
イライラした気分を持てましてふと窓の外に目をやると街道を練り歩く豪華なパレードが目についた。
部屋の掃除をしている使用人に尋ねる。
「あのパレードはなんですの?」
老いぼれた老女の使用人は答える。
「あれは王太子ルーク様がお通りになっているのです」
「王太子ルーク様?」
「ええ。見目麗しく聡明でお優しい、王国中から慕われている王太子様ですよ」
「ふうん……」
「今は魔法学園で魔術を学ばれているそうですよ。ご自身の地位に甘んじることなく能力を磨かれ国民のために尽くそうとする、君主の鑑のような方だと聞いております」
「年はいくつなの?」
「今年で御年19になられたとのことです」
ふぅーーーん。私は思わず笑みを浮かべる。
……いいこと思いついた☆
・
・
・
私はそれから1日かけて王太子ルーク・アレステッドについて調べた。調べれば調べるほど、ルーク・アレステッドは私の好みだった。
あの美しい容姿、柔らかな物腰、そしてその王太子という地位。
これまで何度も社交界や舞踏会に出席していた私だったけれど、さすがに王太子と懇意になれるほどのコネはなかったから今まで考えつきもしなかった。
だけど魔法学園でなら、学友として自然とお近づきになれるというわけよね。
長身に甘いマスク、魔術の腕も立つ上に優しくて賢い。その王太子ルークと結婚すれば私は王太子妃として国中から崇められる存在になれる。
魔法学園は年齢が15を過ぎていればその魔術のレベルに応じて好きな学年に編入できると聞くから、私の魔術の腕前ならルークと同じ二年次に編入できるはずだ。
早速私はお父様に魔法学園への入学手続きをお願いした。
お父様はすぐに入学の手続きをしてくれた。
はぁ……入学が楽しみだわ。ここから私の人生挽回しなくちゃね。
くそっ! くそっくそっくそっくそっ!
すべてあの女のせいだわ!
アルバートがあんな変態クソ野郎だなんて、あの女、最初からすべて知っていてわざと私に奪わせたのね!
そしてあのくっさい演技を見せて散々ひとをおちょくった後、傷心をよそおって邸を出ていくなんて、あのクソ女のやりそうなことだわ。
危うくあの変態アルバートに処女を奪われて人生を棒に振るところだったじゃないの。
間一髪でなんとか寝室から逃げおおせたからいいものの、私の人生には婚約破棄という人生最大の汚点が残ったわ!
すべてすべてすべてあの女のせい!
最近ではお父様まで、二度目の婚約なのだから贅沢は言うななどと言ってくだらない下級侯爵との縁談ばかり持ってくる。
私が田舎の下級侯爵の妻で人生を終える? そんなことがあるはずがないわ!
あの女に騙されていなければ今頃は、アルバートなんていうクソチン野郎にひっかかることもなく、上流貴族の侯爵夫人として優雅で何不自由ない毎日を送っていたはずなのに……!
あの女、無能で醜くて怠惰なのを大目にみて18までは邸に置いておいてやった恩をこうして仇で返すなんて。
絶対に見つけ出して屈辱の限りを味わわせなくちゃ気が済まない。
なんとかマリアンヌを見つけ出そうと国中を探させているのに消息は全く掴めない。
どうやらいかにもドブネズミらしく姿を隠すことだけは得意なようね。
それともまさかあの女、売春宿を放り出されて野垂れ死んででもいるのかしら。あり得るわ。あれほど無能で容姿も劣る女だもの。どこに行ったって疎まれるに決まってる。
もしマリアンヌがそのへんで野垂れ死んでいたならつまらないけれど、それならそれでせめて死体だけでも蹴り飛ばしてやらなきゃ気が済まない。
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イライラした気分を持てましてふと窓の外に目をやると街道を練り歩く豪華なパレードが目についた。
部屋の掃除をしている使用人に尋ねる。
「あのパレードはなんですの?」
老いぼれた老女の使用人は答える。
「あれは王太子ルーク様がお通りになっているのです」
「王太子ルーク様?」
「ええ。見目麗しく聡明でお優しい、王国中から慕われている王太子様ですよ」
「ふうん……」
「今は魔法学園で魔術を学ばれているそうですよ。ご自身の地位に甘んじることなく能力を磨かれ国民のために尽くそうとする、君主の鑑のような方だと聞いております」
「年はいくつなの?」
「今年で御年19になられたとのことです」
ふぅーーーん。私は思わず笑みを浮かべる。
……いいこと思いついた☆
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私はそれから1日かけて王太子ルーク・アレステッドについて調べた。調べれば調べるほど、ルーク・アレステッドは私の好みだった。
あの美しい容姿、柔らかな物腰、そしてその王太子という地位。
これまで何度も社交界や舞踏会に出席していた私だったけれど、さすがに王太子と懇意になれるほどのコネはなかったから今まで考えつきもしなかった。
だけど魔法学園でなら、学友として自然とお近づきになれるというわけよね。
長身に甘いマスク、魔術の腕も立つ上に優しくて賢い。その王太子ルークと結婚すれば私は王太子妃として国中から崇められる存在になれる。
魔法学園は年齢が15を過ぎていればその魔術のレベルに応じて好きな学年に編入できると聞くから、私の魔術の腕前ならルークと同じ二年次に編入できるはずだ。
早速私はお父様に魔法学園への入学手続きをお願いした。
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はぁ……入学が楽しみだわ。ここから私の人生挽回しなくちゃね。
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