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何が何やら(魔法学園二年 リアム・クラスナー視点)
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最近の魔法学園はなんだか色々と騒がしい。
魔法学園二年の教室で俺は深いため息をついた。
パーティに魔獣が乱入した事件から始まり、フェリクスが死にかけ、助かったと思ったらルーク様とフェリクスがエマの取り合いを始め、そんなさなか彼女の妹と名乗る人物が学園に編入してきた。
おまけに彼女の妹ユリアも光魔法に目覚めたらしい。ルーク様は何やら慌てふためいている。新たな光魔法保持者をどのように扱えばいいのか困惑しているみたいだ。
一方でフェリクスとエマは相変わらずイチャついている。ふと見ると教壇近くにいたフェリクスがくしゃみを連発していてそれをエマが怪訝な表情で見つめている。
「フェリクス、あなたもしかしてラブシーズの花粉にアレルギーがあるんじゃない?」
「ラブシーズの花粉……っていったいなんだい?」
フェリクスの問いかけにエマが頬を赤らめる。
「媚薬……とかに使われる植物よ」
「なっ……?! エマ、君、そんなものを持っているのか? 一体誰に使うつもりで……っ?!」
「ご、誤解よフェリクス、これは確かに媚薬に使われることが多い植物だけど他にも腹痛なんかに効果が……!」
取り乱すことが少ないエマがあんなに顔を真っ赤にしてあたふたしているのを見るのはなかなか愉快なものだ。
エマは変わった子だ。
街育ちの庶民と聞いていたけれど、それは嘘で実際は侯爵家の娘だったことがついこの間分かった。
彼女の妹が学園に編入してきたから分かったことだけれど、なんでも婚約破棄に心を痛めて家出、そのことにより父親から絶縁されたために偽名を使って城下町で一人で暮らしていたらしい。
婚約破棄されて家出ねぇ……。あのエマの言動を見ている限り、とてもそんな純情な子には見えないけど。男にフラれるなんてことでは傷つくこともなさそうなくらい図太い性格をしているように見える。
魔獣が出ればヒールの靴を脱いでスカートを捲り上げて全力疾走するし、魔獣の毒を恐れるでもなく自らが血を吸いだして仲間の応急処置もする。
暮らしてくためには金を稼がなければならないと豪語するし、自由を勝ち取るための地位と収入を得るために自分は努力して自らの価値を最大化していくと宣言していた。
体面や大義のためということなく実利で国民が動く国を作るべきだと主張する。あんな貴族の娘には今まで出会ったことがない。
なんていうか、すべてがドライだ。
そして今のエマは周りにいるどの男にも興味なんかなさそうに見える。
ルーク様があれだけエマに対する明らかな好意を示しているというのに彼女はそっけない態度を貫き通しているように見える。
俺だってそこそこ上流の家の貴族の息子だし、女には不自由したことのないくらいの容姿ではある。女の子と話すと熱のこもった視線で見つめられることが多いって言うのにあのエマ嬢ときたら、俺を見る目は完全に空気を見るような目だ。
……いや、そんな表現はおかしいか。空気をまじまじと見つめるヤツなんかいないもんな。まあとりあえず空気扱い。
エマに好意を示しているもう一人がフェリクスだ。正直、あのフェリクスが女の子に特別な興味を示すなんてものすごく意外だった。
魔法学園のどんな美女に対してもフェリクスが心からの笑顔を向けるところなんて見たことがなかったからだ。
女の子に限らず、フェリクスは学園に入学してきたときからずっと、他者に興味なんてまったく抱いていないように見えた。そのフェリクスが今じゃエマに対してだけは興味津々な様子だし、彼女と話す時だけはすごく自然な笑顔を見せている。
フェリクスは正直よくわからない男だ。学業や剣術、体術はものすごくできるけど、魔法の腕は正直ぱっとしないしとにかく影が薄い。
顔が綺麗なのは隠していてもバレてきているから、女の子からはモテているけれど、とにかく本人が表舞台に立ちたがらない。
だけどフェリクスも馬鹿だよな。恋のライバルが王太子だなんて、勝てる見込みのない戦いじゃないか。王太子と地方貴族の息子、結婚相手にどちらを選ぶかなんて一目瞭然だ。
叶うはずの恋なんてしたって無駄なのに。
俺はフェリクスを憐憫のこもった眼差しで見つめた。
魔法学園二年の教室で俺は深いため息をついた。
パーティに魔獣が乱入した事件から始まり、フェリクスが死にかけ、助かったと思ったらルーク様とフェリクスがエマの取り合いを始め、そんなさなか彼女の妹と名乗る人物が学園に編入してきた。
おまけに彼女の妹ユリアも光魔法に目覚めたらしい。ルーク様は何やら慌てふためいている。新たな光魔法保持者をどのように扱えばいいのか困惑しているみたいだ。
一方でフェリクスとエマは相変わらずイチャついている。ふと見ると教壇近くにいたフェリクスがくしゃみを連発していてそれをエマが怪訝な表情で見つめている。
「フェリクス、あなたもしかしてラブシーズの花粉にアレルギーがあるんじゃない?」
「ラブシーズの花粉……っていったいなんだい?」
フェリクスの問いかけにエマが頬を赤らめる。
「媚薬……とかに使われる植物よ」
「なっ……?! エマ、君、そんなものを持っているのか? 一体誰に使うつもりで……っ?!」
「ご、誤解よフェリクス、これは確かに媚薬に使われることが多い植物だけど他にも腹痛なんかに効果が……!」
取り乱すことが少ないエマがあんなに顔を真っ赤にしてあたふたしているのを見るのはなかなか愉快なものだ。
エマは変わった子だ。
街育ちの庶民と聞いていたけれど、それは嘘で実際は侯爵家の娘だったことがついこの間分かった。
彼女の妹が学園に編入してきたから分かったことだけれど、なんでも婚約破棄に心を痛めて家出、そのことにより父親から絶縁されたために偽名を使って城下町で一人で暮らしていたらしい。
婚約破棄されて家出ねぇ……。あのエマの言動を見ている限り、とてもそんな純情な子には見えないけど。男にフラれるなんてことでは傷つくこともなさそうなくらい図太い性格をしているように見える。
魔獣が出ればヒールの靴を脱いでスカートを捲り上げて全力疾走するし、魔獣の毒を恐れるでもなく自らが血を吸いだして仲間の応急処置もする。
暮らしてくためには金を稼がなければならないと豪語するし、自由を勝ち取るための地位と収入を得るために自分は努力して自らの価値を最大化していくと宣言していた。
体面や大義のためということなく実利で国民が動く国を作るべきだと主張する。あんな貴族の娘には今まで出会ったことがない。
なんていうか、すべてがドライだ。
そして今のエマは周りにいるどの男にも興味なんかなさそうに見える。
ルーク様があれだけエマに対する明らかな好意を示しているというのに彼女はそっけない態度を貫き通しているように見える。
俺だってそこそこ上流の家の貴族の息子だし、女には不自由したことのないくらいの容姿ではある。女の子と話すと熱のこもった視線で見つめられることが多いって言うのにあのエマ嬢ときたら、俺を見る目は完全に空気を見るような目だ。
……いや、そんな表現はおかしいか。空気をまじまじと見つめるヤツなんかいないもんな。まあとりあえず空気扱い。
エマに好意を示しているもう一人がフェリクスだ。正直、あのフェリクスが女の子に特別な興味を示すなんてものすごく意外だった。
魔法学園のどんな美女に対してもフェリクスが心からの笑顔を向けるところなんて見たことがなかったからだ。
女の子に限らず、フェリクスは学園に入学してきたときからずっと、他者に興味なんてまったく抱いていないように見えた。そのフェリクスが今じゃエマに対してだけは興味津々な様子だし、彼女と話す時だけはすごく自然な笑顔を見せている。
フェリクスは正直よくわからない男だ。学業や剣術、体術はものすごくできるけど、魔法の腕は正直ぱっとしないしとにかく影が薄い。
顔が綺麗なのは隠していてもバレてきているから、女の子からはモテているけれど、とにかく本人が表舞台に立ちたがらない。
だけどフェリクスも馬鹿だよな。恋のライバルが王太子だなんて、勝てる見込みのない戦いじゃないか。王太子と地方貴族の息子、結婚相手にどちらを選ぶかなんて一目瞭然だ。
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俺はフェリクスを憐憫のこもった眼差しで見つめた。
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