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首謀者
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カーテンの隙間から差す朝日で目が覚める。
記憶が混濁している。ここは……一体……? ああ、そうだわ。たしか合宿の途中でイザベラに閉じ込められて……その後フェリクスと……。フェリクスと……?
「……っ!」
はっきりと目覚めた途端、目の前にフェリクスの顔があって驚くと同時に赤面してしまった。
「ん……エマ……?」
フェリクスがうっすらと目を開けてこちらを見る。けだるげな雰囲気がやけに色っぽくてドキッとしてしまう。ね、寝起きのフェリクスったらなんだかすごく色っぽいわ。だ、ダメよダメ、何を考えているの私ったら。
「あ、嵐も去ったようですし屋敷の様子を見に行かなくちゃ」
そう言って立ち上がろうとした私の腕をフェリクスが掴む。そのまま後ろから抱き締められた。
「なっ……?! フェ、フェリクス……」
「……もう少しだけこうしていたい」
「な、なにを言っているの? 早く屋敷の様子を……!」
「心配ない。昨夜からずっと屋敷の気配を伺っていたが、目立った戦闘があった気配はなかったからな」
「で、ですけれど……」
フェリクスが私の髪に顔をうずめる。鼻先が首筋に触れてびくっと反応してしまう。
「寝ている間の不意打ちは我慢したのだから、せめてもう一度くらい口づけてもいいだろう?」
そう言ってフェリクスが私を向かい合わせにして見つめてくる。
こういう時のフェリクスの声と目線は本当にずるい。ガラスみたいに綺麗な瞳につややかな髪、美しい肌、私をまっすぐ見つめる熱のこもった眼差しに甘い声。
「ちょ……フェ、フェリクス……」
フェリクスに見つめられるとまるで魔法にかかったみたいに動けなくなってしまう。半ば強引に唇を奪われる。
「……っん」
ちゅぱっと軽く触れるように一度。二度目は深く。そのまま強く抱き締められる。
い、一度くらいってさっき言ったのに……!
唇を離したフェリクスが言う。
「……っエマ……君はなんて可愛らしいんだ……」
そうしてまた長いキスをされる。熱い舌が入ってきてドキドキで呼吸ができなくなりそう。
そのままベッドに押し倒された。
「……フェ、フェリクス! ちょ、ちょっと!」
力の限りどんと押すとフェリクスが真後ろに倒れた。
「こ、こんなことしている場合ではないんですったら……!」
洋館にいるみんなが無事か様子を見にいかなくちゃ。
「それならば次からはちゃんと夜に相手をしてくれるのだろう? 夜ならば誰にも邪魔」
「そーろーそーろー本気で怒るわよ?! フェリクス様?!」
フェリクスの言葉をぶった切る私の怒声にフェリクスはしぶしぶといった様子で部屋を出る。
……まったく先が思いやられるわ。私が真剣に王太子妃をやらなければこの国は危ういんじゃないかしら、もしかして。
・
・
・
「フェリクス! エマ! 無事だったか」
リアムが私とフェリクスの姿を見つけて駆け寄ってくる。
「俺たちは大丈夫だ。2人で一晩中身を隠していたからな」
「え、2人で一晩……?」
リアムがフェリクスの言葉に気まずそうな顔をしていたけれど気がつかなかったふりをした。
「それで、こちらは大丈夫なの?」
「まあ一応けが人なんかは出ていないけど……。色々とトラブルがあって合宿は中止になった」
「なんですって?」
「イザベラが姿を消した。何人かの生徒が彼女に操られて意識を失っていたらしい」
イザベラがこれほど大胆な罠を仕掛けてくるとは思ってもみなかった。彼女も相当追い詰められているということかもしれない。ある意味彼女も家というものに縛られた被害者と言えるのだろうか。
「……イザベラの行き先なら心当たりがありますわ」
イザベラとアルバートはつながっている。そして2人を引き合わせたもう一人の首謀者がいるはずね。……私を疎ましく、邪魔に思っているに違いないあの人。
フェリクスも大方の予想はついているらしく私を慮るような表情でこちらを見ている。
「もしこの件に関わった全員を処罰するということになれば、君の生家であるメイソン家自体の存亡もあやうくなりかねない。……それでもいいのか? エマ」
「……ええ。覚悟はできていますわ」
私とフェリクスはメイソン家へと向かった。
記憶が混濁している。ここは……一体……? ああ、そうだわ。たしか合宿の途中でイザベラに閉じ込められて……その後フェリクスと……。フェリクスと……?
「……っ!」
はっきりと目覚めた途端、目の前にフェリクスの顔があって驚くと同時に赤面してしまった。
「ん……エマ……?」
フェリクスがうっすらと目を開けてこちらを見る。けだるげな雰囲気がやけに色っぽくてドキッとしてしまう。ね、寝起きのフェリクスったらなんだかすごく色っぽいわ。だ、ダメよダメ、何を考えているの私ったら。
「あ、嵐も去ったようですし屋敷の様子を見に行かなくちゃ」
そう言って立ち上がろうとした私の腕をフェリクスが掴む。そのまま後ろから抱き締められた。
「なっ……?! フェ、フェリクス……」
「……もう少しだけこうしていたい」
「な、なにを言っているの? 早く屋敷の様子を……!」
「心配ない。昨夜からずっと屋敷の気配を伺っていたが、目立った戦闘があった気配はなかったからな」
「で、ですけれど……」
フェリクスが私の髪に顔をうずめる。鼻先が首筋に触れてびくっと反応してしまう。
「寝ている間の不意打ちは我慢したのだから、せめてもう一度くらい口づけてもいいだろう?」
そう言ってフェリクスが私を向かい合わせにして見つめてくる。
こういう時のフェリクスの声と目線は本当にずるい。ガラスみたいに綺麗な瞳につややかな髪、美しい肌、私をまっすぐ見つめる熱のこもった眼差しに甘い声。
「ちょ……フェ、フェリクス……」
フェリクスに見つめられるとまるで魔法にかかったみたいに動けなくなってしまう。半ば強引に唇を奪われる。
「……っん」
ちゅぱっと軽く触れるように一度。二度目は深く。そのまま強く抱き締められる。
い、一度くらいってさっき言ったのに……!
唇を離したフェリクスが言う。
「……っエマ……君はなんて可愛らしいんだ……」
そうしてまた長いキスをされる。熱い舌が入ってきてドキドキで呼吸ができなくなりそう。
そのままベッドに押し倒された。
「……フェ、フェリクス! ちょ、ちょっと!」
力の限りどんと押すとフェリクスが真後ろに倒れた。
「こ、こんなことしている場合ではないんですったら……!」
洋館にいるみんなが無事か様子を見にいかなくちゃ。
「それならば次からはちゃんと夜に相手をしてくれるのだろう? 夜ならば誰にも邪魔」
「そーろーそーろー本気で怒るわよ?! フェリクス様?!」
フェリクスの言葉をぶった切る私の怒声にフェリクスはしぶしぶといった様子で部屋を出る。
……まったく先が思いやられるわ。私が真剣に王太子妃をやらなければこの国は危ういんじゃないかしら、もしかして。
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「フェリクス! エマ! 無事だったか」
リアムが私とフェリクスの姿を見つけて駆け寄ってくる。
「俺たちは大丈夫だ。2人で一晩中身を隠していたからな」
「え、2人で一晩……?」
リアムがフェリクスの言葉に気まずそうな顔をしていたけれど気がつかなかったふりをした。
「それで、こちらは大丈夫なの?」
「まあ一応けが人なんかは出ていないけど……。色々とトラブルがあって合宿は中止になった」
「なんですって?」
「イザベラが姿を消した。何人かの生徒が彼女に操られて意識を失っていたらしい」
イザベラがこれほど大胆な罠を仕掛けてくるとは思ってもみなかった。彼女も相当追い詰められているということかもしれない。ある意味彼女も家というものに縛られた被害者と言えるのだろうか。
「……イザベラの行き先なら心当たりがありますわ」
イザベラとアルバートはつながっている。そして2人を引き合わせたもう一人の首謀者がいるはずね。……私を疎ましく、邪魔に思っているに違いないあの人。
フェリクスも大方の予想はついているらしく私を慮るような表情でこちらを見ている。
「もしこの件に関わった全員を処罰するということになれば、君の生家であるメイソン家自体の存亡もあやうくなりかねない。……それでもいいのか? エマ」
「……ええ。覚悟はできていますわ」
私とフェリクスはメイソン家へと向かった。
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