婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《30話》

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 土鍋で炊いた炊き立ての白ご飯。
 お野菜たっぷりの具沢山味噌汁。
 ホカホカ湯気を立てている白身の煮魚。
 こちらもまた湯気を立てている茶ががった色のジャガイモと肉を中心とした人参と鞘エンドウで彩を鮮やかにした煮物。
 細切れのネギと生姜の擦り下ろしが乗せられた冷奴。
 付け合わせの糠漬けの漬物3種。

 サラにとってあまりにも魅惑的な光景がテーブルの上に並んでいた。

「これ全部、セブンさんが、作った、です、か?」

「サキュバスのナナに作れる訳が無いだろう?」

「美味しそう、です。ジュルリ」

「美味しそうじゃなくて美味しいんだよ俺の料理は」

 涎が垂れそうなのを堪えてサラが目をキラキラさせながらテーブルの上の料理を凝視する。

(”待て”を言われた犬みたいだな…)

「サラちゃんワンコみたいで可愛いわ♡」

「ワンコでも何でも良いです!この料理が食べれるなら!!」

 もう既にサラの瞳がキラキラではなくギラギラとした眼光を宿している。
 自分の料理に夢中なサラにセブンも満更ではない。
 人に料理を振舞う機会はあまりないが、セブンは料理にかなりの自信がある。
 ソレを褒められれば気分も良いと言うものだ。

「冷める前に食べるぞ」

「はい!頂く、です!!」

 物凄いスピードで椅子に座ったサラは箸を持つ(セブンが嗜みだと休憩時間に教えた)と、まずは湯気を立てているジャガイモの煮物に手を付けた。
 箸でジャガイモを掴むとホカホカと湯気を立てているのが良く見える。
 
 パクリ

「~~~~~~おいひぃっ!!」

 サラが足をジタバタさせる。

「コレ本当にジャガイモ、ですか!?神殿で食べていた、ジャガイモ、と、全然違う、です!」

「肉じゃがと言う料理だ。カカン発祥の料理だぞ」

「甘じょっぱい?と言うヤツ、ですか?お米によく合う、です!お米も甘い、です!!」

 サラが肉じゃがと米に舌鼓をうつ。
 肉じゃがは味が染みていてほっくほく。
 お肉はブタのばら肉で柔らかくこちらも味が良く染みている。
 白米はふっくらとしており噛めば噛むほど口の中で甘みが増す。

「土鍋で米を炊くのは意外と難しくも煩わしくもないんだぞ。火の加減とか、水の量とか色々面倒そう…と思いがちだが、一度やってみると、こんなに簡単にできるんだと感動すらする。その上、ふっくらと美味しいのでなおさらだな。しかも、自分の好みに調整できるのも、土鍋での炊飯の醍醐味だ」

「ウチの炊飯器ちゃんも頑張り屋さん、ですが、土鍋さんも、良い仕事する、です!」

「魚も食ってみろ」

「こちらもお米に合う、です!白身のお魚がほろほろ、口の中で解け、ます!煮魚、初めてですが、とても美味しい、です!!お味噌汁も具沢山!お野菜ゴロゴロ、で、食べ応え盛沢山、です!!」

「クックックッ、旨いだろう旨いだろう。好きなだけ食え!俺が施してやってるんだ。最上限に感謝してとっとと回復して仕事に励め!」

「はい、です!モキュモキュ」

「悪ぶってるけど胃もたれしない食事メニューで、お米が好きなサラちゃんに合わせてオカズを作ってあげてる当たりドクターも大概過保護よね~♡」

 温かい目でナナが見つめる中、セブンとサラは2人して上機嫌で食事に夢中になるのだった。
 
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