婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

文字の大きさ
77 / 264

《番外》※ アコロ王子&司教side

しおりを挟む
※R-18つけるほどではないかな?
 《聖女の力を姉に譲渡し~110話~112話》も併せて読むと分かりやすいと思います


「ん、ここは?」

 自室のベッドの上で目覚めたアコロ王子は違和感を感じた。
 最後にベッドに入った記憶がない。
 誰かが運んだと言う事だろう。

「アコロ王子!お目覚めになりましたか!?」

 アコロ王子の近衛兵である騎士が声をあげた。

「うっ、頭が痛い…私はどうしたのだ?サラを追い出してからの記憶がないぞ?」

「な、何と!?聖女様が去られた後からの記憶が無いのですか!?」

「あぁ、あの後どうなった?」

 騎士は口を噤んだ。
 まさか男と性交を及んでいたなど言えるはずもない。
 魔物に体を改造されて、女性器が体に出来ていたなど、今の元の体になったアコロ王子は信じもしないだろう。
 そしてゴブリンの巣で種床にされ、何匹ものゴブリンを男のみで出産したなど知っていい訳がない。

「国王がお戻りです。まずは殿下がご無事であることを伝えに行ってまいります」

「父上が凱旋されているのか?では私は1年近く記憶を失った事になるのか!?いったい1年、私は何をしていたのだ!?」

「まずは陛下にお伝えしてからです。殿下はココに居て下さい」

「あ、あぁ分かった」

 本来なら身分の下の者の言う事など聞かないアコロ王子だが、1年間も記憶が無かったことに恐怖したのか騎士の言う通り再びベッドに横になった。

 :::

「司教様が、司教様が戻られた!!」

 神殿の講堂に司教はローブを纏い倒れていた。
 最後に見た異形の姿ではない。
 ちゃんと人間の姿だ。

「う、私は何を……」

「司教様、ですよね…?」

「あぁ、私は何故こんな所で倒れているのだ?」

 司教は当たりを見渡した。
 神官たちが距離を取って司教を見ている。
 当然だ。
 最後に見た司教の姿は完全に人間を止めていた。
 だが今の司教はここ1年どこか目の奥に狂気を宿していた目をしていない。

「司教様が帰って来られた!」

「司教様がその身に付いた悪魔を退けたのだ!」

「あぁ、何という奇跡!!」

 神官たちが司教を崇める。

(悪魔?私が悪魔に憑りつかれていたというのですか?ですが私の体は人間の物…悪魔は浄化されたと言うことですね。あぁやはり私は神に愛されているのだ!)

「まずは湯浴みをします。その後説法をしましょう。どうやらここ1年、記憶が無いようですしね。ちゃんとした説法を久しぶりに行いましょう」

「何と有難い!」

(ふふふ、何やら気分が良いですね。こんな晴れ晴れした気分は初めてです。信徒たちにもこのすがすがしさを分け与ええましょう)

 1年の記憶を失って、司教は幼女に性欲を覚えると言う己の性癖迄も失っていた。
しおりを挟む
感想 951

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて

奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】 ※ヒロインがアンハッピーエンドです。  痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。  爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。  執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。  だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。  ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。  広場を埋め尽くす、人。  ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。  この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。  そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。  わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。  国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。  今日は、二人の婚姻の日だったはず。  婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。  王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。 『ごめんなさい』  歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。  無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。 国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。 悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

処理中です...