婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~では私を信じてくれる方だけ加護を与えますね~

高井繭来

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《137話》

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 日曜日。
 サラは約束の決闘まで時間があるのでゲン担ぎをすることにした。
 意外と婆臭い。

「と、言う訳で、かつ丼、お願いします」

「あははは、勝負に勝つ、ね。今時そのゲン担ぎする人久しぶりに見たわ。かつ丼は玉子とソースどちらにするのサラちゃん」

 久しぶりの『馬の蹄亭』である。
 ウェイトレスのメリーさんは今日も人気者だ。
 笑顔が眩しい18歳である。
 特別美人ではないがコロコロ笑う笑顔が魅力的だ。
 レオンハルトが見たら舌なめずりしたであろう。
 まぁ今のレオンハルトは舌を出しても舐めないだろうが。

「卵と、ソース…考えて、なかったですて、う~ん…じゃぁ両方、で」

「え”っ両方!?」

「はい、両方、で」

「食べれるの?」

「問題ない、です」

「この後決闘なのよね?」

「はい」

「苦しくない?」

「腹3分、が、6分になる、だけです」

「そう、6部ね、あはは~………」

 サラの異次元の胃袋にメリーは引いた。
 普通の女の子はかつ丼1杯でお腹いっぱいになる筈だ。
 普通の女の子とは何だろう…。
 メリーは黄昏た。
 だが仕事は全うする、メリーはお仕事が出来る女の子なのである。
 さらさらと注文を取り、厨房に居るオーナーでありシェフであるポニーにオーダーを通す。
 ポニーシェフはそのオーダーを聞いて客は男2人組だと思った。
 仕方ない、普通の女の子は1人でかつ丼を2種類も食べない。

 そうしてサラは決闘まで時間あるので、ホクホクの顔でかつ丼を待つのだった。
 ちなみにソースの方がサラは個人的には美味しかったらしい。
 書き手は卵の方が好きだが。

 :::

 決闘はセブンの邸の庭で行われる。
 レオンハルトは防具無しの私服(でも高い値段の奴)に木剣。
 流石に刃物を女の子に向ける訳にはいけない。
 レオンハルトのフェミニズム精神がそんなことはさせないのだ。
 しかも相手はサラ。
 生粋の法術師である。
 少しでも手間取ったら騎士団長の推薦まで貰ったクロイツの武力の恥である。

「セブン、本当に手加減しなくて良いのか?」

「手加減したら逆にやられると思うぞ?何せサラに武術を仕込んだのはサイヒ様らしいからな」

「サイヒ、様………?」

 ゾゾゾゾゾゾゾゾ

 レオンハルトの背中に怖気が走る。
 名前を聞いただけで生理的に受け付けない。
 心がその名を否定したがる。

 何せレオンハルトは女相手に、初めて抱かれたいと思ってしまったのだ。
 男と思ったサイヒに。
 己の股間のレーダーはピクリと反応せず、イマジナリー子宮が疼いてしまった。

 もうレオのお腹がキュンキュンするのぉ…♡
 お願い早く胎内に大きくて太いモノ挿れてぐちゃぐちゃにかき回して、レオの1番深いところまで突いてぇ…♡
 レオの子宮に濃い子種を注いで赤ちゃん作ってぇ…♡
 イイ子にするから、ほら、自分で穴だって広げるよ…♡
 くぱぁ、して、ちゃんと大きくても奥まで受け入れるから、太くて長いので奥コチュンコチュンしてぇ…♡
 あぁん、頭馬鹿になぅ…♡
 子宮降りて来て子種が欲しいって言ってるのぉ…♡
 レオの中に子種ドピュドピュっていっぱい注いで、妊娠させてぇっ…♡
 あぁぁぁぁん、赤ちゃんできりゅぅぅぅぅ、レオの子宮に赤ちゃんできちゃうよぉぉぉぉっ……♡♡♡

 そんな事思ってしまった訳であるから、レオンハルトの雄の本能がサイヒを危険視しているのである。

「いや、そこまで思ってないわ!」

「レオ、誰に叫んでるの?」

「はっ、ナナ…俺は一体今何を!?」

 地の文に反抗するとは本当にキャラが勝手に動きやがって天のk…書き手は大変である。

「取り合えずナナ!落ち着くために1度ヤるぞ!」

「やぁんレオったら♡」

「やぁん、じゃないわこの淫魔ども!」

 スパンスパ――――ッン!!

 セブンの黄金の左手が唸り、持っていたスリッパで淫魔2人の頭を叩いた。
 古典的な突っ込みだが、流れるような美しい軌道であった。
 実はこっそり覗き見している何処かの神様がその手裁きに思わず拍手したのは内緒である。

「決闘やる前に絡み合って体力減らす馬鹿が何処にいる!?」

「俺くらいになると肩の力が抜けて丁度良いんだぞ?」

「もう、昨日の夜に12発もしたくせに………」

 ポッ、とナナが頬を染める。
 セブンはナナの住処こそしらないが毎夜レオンハルトが泊まりに行っているので、ちゃんとしてるところに住んでいたんだなこのエロナースと思った。
 どうにもナナは夜は歓楽街でつまみ食いしているイメージしかなかったからだ。
 レオンハルトがちゃんと住めているならちゃんとした住処なのだろう。
 まぁ食事はセブンの手作りを求めて丁度いい塩梅にセブン邸を訪ねてくるのだが。

 サラもセブン邸の近所で住んだら食事時に毎回現れるようになるだろう。
 いや、もう職場も同じなのだし住んでしまう方が早い。
 レオンハルトに食事を作るのが嫌な訳ではないが、サラのために食事を作るなら力の入り方が違う。
 セブンはサラの胃袋を支配することに喜びを感じているのである。
 童貞なりのひん曲がった性癖である。
 オカン属性のせいであろうか?

「おじゃま。する、です」

 そんな事している間にサラが到着した。
 きっかり午後の1時である。
 時間はちゃんと守る、偉い子なのである。
 試合を放棄して下半身の欲望に走ろうとした相手とは大違いだ。

「錫杖、か。サラちゃんは本気な訳だ」

「サイヒ様の顔、潰す訳に、は、いかない、です!」

 サラの瞳の奥に闘志が宿っていた。
 その本気の目を向けられて何も感じないレオンハルトではない。
 騎士団長に任命されるほどの剣の腕前。
 レオンハルトは宰相を生涯の職として選んだが剣を蔑ろにした思いはない。
 寧ろ仕事で振ら無い分、暇な時間は訓練を積むぐらいには真面目である。

「相手にとって不足なし、か」

 ニヤリとレオンハルトが肉食獣のような笑みを浮かべた。
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