聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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【32話】

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※下品な上、少々腐臭が致します。
 苦手な方は飛ばして下さい(*- -)(*_ _)ペコリ

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 クオンが胃痛で倒れたりしたがマロン特性のポーションにより何とか回復した。
 それ以外は和やかなお茶会であった。
 ニコニコ微笑む可愛らしいマロンに、手作りの美味しいお菓子とお茶。
 マロンの部屋は皆の癒しスポットだ。
 勿論マロン自身も癒しの対象だ。
 妃としては見ていないルークでさえもマロンの事は可愛く思っているらしい。
 サイヒが現れなければルークとマロンの2人が仲睦まじく恋を育んでいたかもしれない。

 まぁサイヒが現れていない時点でルークは死亡していたのでそんな未来はありえないのだが。

 そしてクオン。
 はっきり言って誰の目から見てもクオンはマロンに惚れている。
 自覚していないのは本人だけだ。
 ルークに「クオンが女性に笑っているところを初めて見た」と言わせる朴念仁だ。
 流石に童〇はないが元来、恋愛と言うモノに興味が無いらしい。
 まさにマロンの存在は奇跡である。

 マロンの方もクオンを憎からず思っていることが伺える。
 「お兄様が1番です♡」と言ってはいるがコレはブラコン的なモノだ。
 恋愛面ではマロンはクオンに惹かれていると見て間違いない。
 クオンにだけ見せる笑顔はそれはそれは愛らしい。
 恋すると少女は大人になっていくものだ。
 マロンもどことなく大人びて来た。
 大人と少女の中間に位置するマロンは日に日に美しくなる。

 使用人たちも皆マロンとクオンの仲を応援しているのだ。
 頑張れクオン。
 ゲイの主とその片割れも応援しているぞ。
 いや、ゲイに応援されてもクオンは嬉しくないかもしれない。
 だって応援されても応援の返しようがない。

 ルークがゲイだからと言って主への忠誠心が消える訳ではないが、ルークは皇太子だ。
 子孫を残す義務がある。
 サイヒが良い奴とは思うが、子供をなせない2人を大手を振って応援できない。
 やはりクオンはもうしばらく胃痛に悩まされそうである。

 :::

 場所を移してサイヒの部屋だ。
 昨夜の話とアンドュアイスをどうするかについて情報を合わせるためにサイヒがルークとクオンを部屋に招いたのだ。

「で、第2皇太子妃とアンドュアイス殿が不義密通していたと」

「私の【盗聴】の魔術に抜かりはない」

 いやソコは胸を張って自慢するところでは無いと思う。
 だがサイヒのやることに一々突っ込んでいては話は進まない。
 クオンは出来る男なのである。

「それにしても一晩ぶっ通しとは、その体力に恐れ入った…しばらく女の嬌声は聞きたくない……」

 珍しくサイヒの目が死んでいる。
 無理もない。
 一晩、嬌声と睦言を聞いていたのだ。

「だが2人は、その、最後までは、していないのであろう?」

 コテリ、とルークが小首を傾げた。
 大変愛らしい仕草ではある

(が、私は男に可愛い仕草は求めていない!何時もの冷徹な皇太子は何処にやった!?)

 クオンは心の中で突っ込む。
 決して声に出したりはしない。
 このご時世、どんな発言が不敬罪と取られるか分からないからだ。
 クオンは出来る男なので(ry

「ルーク、男女の交わりと言うのはな、破瓜をせずとも出来るのだぞ」

「???」

「後ろの穴を使うんだ」

「うし、ろ?………っ!!」

 ルークの顔が真っ赤になる。
 どうやら話が通じたようだ。
 首まで真っ赤に染まっている。
 この調子なら全身真っ赤だろう。
 誰も確認しようとするものがこの場に居なくて良かったモノだ。
 この可憐な反応を見たらノーマルな者でも1線を超えてしまいかねない。

「まぁ元気な精子が膣迄頑張ったと言う話も聞いたことがあるし、案外遠くない未来で失敗をするかもな」

「嫌な処女受胎だなオイ…」

「それにしても後ろで1晩中とは恐れ入った。何処迄拡張と調教したらそんな真似が出来るんだ…」

「その話を聞く限り、第2皇太子妃とアンドュアイス殿はだいぶ前から関係があったと思って良さそうだな」

「うむ、私もそう思う」

 サイヒとクオンは内容はともかくその眼差しは真剣だ。
 ルークを狙うモノを始末出来るかもしれないチャンスなのだ。
 ここで情報を照らし合わせて、次の行動を読まなければいけない。
 相手よりも半歩でも優位に立たなければ、全てがひっくり返さるかも知れない。
 アンドュアイスにはそれだけの権力と富とカリスマ性がある。

 ルークにカリスマ性が無いと言う訳ではない。
 上流階級の者にルークを支持する者も多数いる。
 だがルークを白。
 アンドュアイスを黒と例えるなら。
 白が黒に染まることがあっても、黒を白で染める事は出来ない。
 決着を早くつけねばルークの味方サイドが敵の手に渡る可能性は多大にある。

 そのためサイヒとクオンは真剣なのだが、ルークは違った方に真剣だった。

「何故にだいぶ前から関係があったと分かるのだ?」

「ルーク、後ろの穴はもともと排泄するための器官だ。モノを受け入れるようにはなっていない。それが1晩中排泄器官で快楽を感じれると言うなら、相当長い時間をかけて開発したとしか思えないと言う事だ。これは男女であっても男同士の行為であっても同じだな」

「男同士で出来るのか!?」

「物理的には可能だぞ?」

(男同士で可能男同士で可能男同士で可能男同士で可能男同士で可能………)

 ルークの頭はその言葉がぐるぐると回っている。
 質問するルークが悪いのか。
 答えるサイヒが悪いのか。

「では第2皇太子妃の背後も洗ってみよう。下手すると属国が反国に回りかねない」

「あぁ頼んだクオン。私は魔術と法術と格闘以外はからっきしなのでな」

(その3つが人間離れしているのだがな…本当に味方側に引き込めて良かった人材だ。アンドュアイスが先にサイヒを手に入れていたら今頃王制がひっくり返っていたかもしれないな……)

「殿下、今日はそろそろ帰りましょう。あまり遅いと色々疑いをかけられかねません」

「あ、あぁ…分かった……」

 心此処に在らずと言った声でルークが答えた。

 :::

 その夜、クオンは内密にルークの部屋に呼び出されていた。

「どうしたのですか殿下?」

「いや、今日の話を聞いて思ったのだが…」

(殿下がついにアンドュアイスが危険だと言う事に気付いて下さったか!)

「私も拡張した方が良いのだろうか?」

「はい?」

「いや、だから、本来排泄に使う器官だから慣らさないと入らないのだろう?サイヒのモノがどれくらいかは知らないが、慣らしておいた方がスムーズに事が進めらr」

 ガフッ

 ドサリッ!!

「クオン!どうしたんだクオン!誰か医者を呼べ!クオンが血を吐いて倒れた!!」

 ルークの叫びに衛生兵たちが部屋に入る。
 吐血して倒れたクオンの惨状を見てすぐに救護室へと連れて行かれることになった。

 その後クオンは、スクワラル商会が今絶賛売り出し中の胃痛に特化したポーションのお陰で一命を取りとめたらしい……。
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