108 / 297
【閑話・小話詰め15】
しおりを挟む
【小話19】
〇番外ーカスタットの恋ー
「ルーク様ぁ、うぅ、ひっく…居なくなるなんて、ひどいですわぁ…あの小娘だけ連れて行って、何処かへ行ってしまうなんて………ひっく」
その日もカスタットは己の部屋で枕を抱きしめて泣き崩れていた。
もうルークが側近のクオンと第3皇太子妃であるマロンを伴って居なくなって半年も経つのに、カスタットはまだルークの事が忘れられないのである。
ルークはカスタットの理想であった。
公爵令嬢のカスタットは王族に嫁入りする事が決まっていた。
だがカスタットは大の男嫌いだった。
線の細い男なら受け付ける。
筋骨隆々のむさい男が嫌いなのだ。
カスタットが幼い頃攫われた時の犯人がむさい男たちばかりだったのでトラウマなのだろう。
だがルークは違った。
白銀の髪にエメラルドの瞳。
柔和な雰囲気を持った何処か少女めいた美貌。
10歳の皇太子はカスタットの理想の姿をしていた。
それから年がたってもカスタットの想いは消えなかった。
体の線が細く、柔和な美貌。
衰えるどころか益々増していく美しさの虜にカスタットはなった。
正直ルークは自分の事が苦手なのは気付いていた。
積極的なのがいけないのだろうか?
推してダメなら引いてみろ、と引いてみたら距離が空いただけだった。
なのでカスタットはルーク相手には押せ押せで対応していた。
第2皇太子妃が来た時も。
第3皇太子妃が来た時も。
ルークの態度は変わらなかった。
だが何時からかルークは第3皇太子妃との距離を詰めていた。
特に2人が進展する展開など無かったはずだ。
ルークは後宮に通っていないのだから。
実際にはルークは後宮に通い詰めであった。
サイヒに会うために。
そしてサイヒの【認識阻害】のためルークが居ないと認識させられていた為だ。
サイヒと仲が深まると必然とサイヒが可愛がっているマロンとも距離は縮まる。
それ以上でもそれ以下でもない。
しいて言うなら2人してサイヒフリークだったので気は合っていたのは間違いない。
だが実際の所マロンに恋心を抱いていたのはクオンであるし、マロンもクオンを選んだ。
しかし第3者の視点で見ると、”ルークはマロンと駆け落ちし、側近だけが付いて行った”と見えるのは仕方ない事だった。
「まーだ泣いてんのかいお嬢さん?」
「な、無礼ですよ騎士団長!!」
何時の間にか扉を開け聖騎士団長がカスタットの部屋の入口に居た。
「ちゃんと親御さんの許可は取ってある。心配すんな」
「だれが貴方の心配をしているのですか!!」
「俺はお嬢さんの心配をこの半年し続けているぞ?」
聖騎士団長の目が真剣みを帯びる。
そうすると人懐こい表情が、一瞬にして精悍な男の顔に変わる。
「貴方には関係のない問題ですわ!」
「い~や、大いにあるね。俺は今日、お嬢さんに求婚しに来た」
「な、ななな求婚?頭がトチ狂いましたか!?この私が貴方のようなオヤジの妻になれと!?」
「確かに俺はお嬢さん、いやカスタット嬢の両親と変わらない年齢かも知れないがオヤジは酷いな。はは、これでも10近く若く見られるんだぜ」
「でも、でも……」
「カスタット嬢が攫われた日、初めて俺とあった日、幼いアンタに俺は一目で心奪われたんだ。切れ長の瞳に整った端整な大人びた顔立ち、若木のような肢体。俺のモノにしたいと一目で思った」
「あぅあぅ……」
「カスタット嬢は公爵家、俺は一兵士だったから俺は頑張ったんだぜ。カスタット嬢に釣り合うように功績上げて、戦って闘って、聖騎士団長の座に上り詰めた。戦場から帰って来たら貴女はもう皇太子妃だった。
パーティーのエスコートだけが貴女に触れれる機会だった。だから今回の事、俺はルーク様に感謝していますよ。
カスタット嬢、貴女は誰のものでもなくなった。ルーク様との結婚生活も白い結婚だったのは有名だしな。
綺麗なままの貴女の初めての男になりたい。なぁカスタット嬢、俺の手を取ってくれないか?」
「あ、あぅぁぅぁぅ……」
ボフンッ!
カスタットが茹蛸のように真っ赤になり気を失った。
パタリ、とベッドに倒れる。
「おいおい、まだ指先一つ触れて無いのに気を失うとか…据え膳にしても勘弁してくれよ。ははっ、でもまぁソコが可愛くて良いんだけどな」
クールに見えて心は少女。
真っ新な体。
こんな可愛い生き物手放す気など出来ようはずがない。
「また来るよ俺のお嫁さん」
聖騎士団長は入り口から1歩も先に進むことなく、部屋を出て扉を閉めた。
まずは今した話しをカスタットの親に報告するべきだろう。
だがあれ程意識してくれるのなら、勝算は上場にある。
自分は負け戦はしないと決めているのだ。
聖騎士団長は韻を外した鼻歌を歌いながらカスタットの両親の元へと向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アホ犬に幸あれ(*´▽`*)
〇番外ーカスタットの恋ー
「ルーク様ぁ、うぅ、ひっく…居なくなるなんて、ひどいですわぁ…あの小娘だけ連れて行って、何処かへ行ってしまうなんて………ひっく」
その日もカスタットは己の部屋で枕を抱きしめて泣き崩れていた。
もうルークが側近のクオンと第3皇太子妃であるマロンを伴って居なくなって半年も経つのに、カスタットはまだルークの事が忘れられないのである。
ルークはカスタットの理想であった。
公爵令嬢のカスタットは王族に嫁入りする事が決まっていた。
だがカスタットは大の男嫌いだった。
線の細い男なら受け付ける。
筋骨隆々のむさい男が嫌いなのだ。
カスタットが幼い頃攫われた時の犯人がむさい男たちばかりだったのでトラウマなのだろう。
だがルークは違った。
白銀の髪にエメラルドの瞳。
柔和な雰囲気を持った何処か少女めいた美貌。
10歳の皇太子はカスタットの理想の姿をしていた。
それから年がたってもカスタットの想いは消えなかった。
体の線が細く、柔和な美貌。
衰えるどころか益々増していく美しさの虜にカスタットはなった。
正直ルークは自分の事が苦手なのは気付いていた。
積極的なのがいけないのだろうか?
推してダメなら引いてみろ、と引いてみたら距離が空いただけだった。
なのでカスタットはルーク相手には押せ押せで対応していた。
第2皇太子妃が来た時も。
第3皇太子妃が来た時も。
ルークの態度は変わらなかった。
だが何時からかルークは第3皇太子妃との距離を詰めていた。
特に2人が進展する展開など無かったはずだ。
ルークは後宮に通っていないのだから。
実際にはルークは後宮に通い詰めであった。
サイヒに会うために。
そしてサイヒの【認識阻害】のためルークが居ないと認識させられていた為だ。
サイヒと仲が深まると必然とサイヒが可愛がっているマロンとも距離は縮まる。
それ以上でもそれ以下でもない。
しいて言うなら2人してサイヒフリークだったので気は合っていたのは間違いない。
だが実際の所マロンに恋心を抱いていたのはクオンであるし、マロンもクオンを選んだ。
しかし第3者の視点で見ると、”ルークはマロンと駆け落ちし、側近だけが付いて行った”と見えるのは仕方ない事だった。
「まーだ泣いてんのかいお嬢さん?」
「な、無礼ですよ騎士団長!!」
何時の間にか扉を開け聖騎士団長がカスタットの部屋の入口に居た。
「ちゃんと親御さんの許可は取ってある。心配すんな」
「だれが貴方の心配をしているのですか!!」
「俺はお嬢さんの心配をこの半年し続けているぞ?」
聖騎士団長の目が真剣みを帯びる。
そうすると人懐こい表情が、一瞬にして精悍な男の顔に変わる。
「貴方には関係のない問題ですわ!」
「い~や、大いにあるね。俺は今日、お嬢さんに求婚しに来た」
「な、ななな求婚?頭がトチ狂いましたか!?この私が貴方のようなオヤジの妻になれと!?」
「確かに俺はお嬢さん、いやカスタット嬢の両親と変わらない年齢かも知れないがオヤジは酷いな。はは、これでも10近く若く見られるんだぜ」
「でも、でも……」
「カスタット嬢が攫われた日、初めて俺とあった日、幼いアンタに俺は一目で心奪われたんだ。切れ長の瞳に整った端整な大人びた顔立ち、若木のような肢体。俺のモノにしたいと一目で思った」
「あぅあぅ……」
「カスタット嬢は公爵家、俺は一兵士だったから俺は頑張ったんだぜ。カスタット嬢に釣り合うように功績上げて、戦って闘って、聖騎士団長の座に上り詰めた。戦場から帰って来たら貴女はもう皇太子妃だった。
パーティーのエスコートだけが貴女に触れれる機会だった。だから今回の事、俺はルーク様に感謝していますよ。
カスタット嬢、貴女は誰のものでもなくなった。ルーク様との結婚生活も白い結婚だったのは有名だしな。
綺麗なままの貴女の初めての男になりたい。なぁカスタット嬢、俺の手を取ってくれないか?」
「あ、あぅぁぅぁぅ……」
ボフンッ!
カスタットが茹蛸のように真っ赤になり気を失った。
パタリ、とベッドに倒れる。
「おいおい、まだ指先一つ触れて無いのに気を失うとか…据え膳にしても勘弁してくれよ。ははっ、でもまぁソコが可愛くて良いんだけどな」
クールに見えて心は少女。
真っ新な体。
こんな可愛い生き物手放す気など出来ようはずがない。
「また来るよ俺のお嫁さん」
聖騎士団長は入り口から1歩も先に進むことなく、部屋を出て扉を閉めた。
まずは今した話しをカスタットの親に報告するべきだろう。
だがあれ程意識してくれるのなら、勝算は上場にある。
自分は負け戦はしないと決めているのだ。
聖騎士団長は韻を外した鼻歌を歌いながらカスタットの両親の元へと向かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
アホ犬に幸あれ(*´▽`*)
14
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる