125 / 297
そして全能神は愉快犯となった
【103話】
しおりを挟む
「マジでチビ達が相手なんの?」
「カマラでもドラジュでも好きな方を選ぶと良いぞ?」
王宮には広場がある。
主に騎士たちの訓練場として使われる。
其処にお茶タイムが終わった全能神と愉快な仲間たちが現れた訳だ。
兵士たちは一瞬で広場を明け渡した。
移動に淀みがない。
相当慣れているのだろう。
全能神、普段からいったい何をしているのだ…。
さて今回広場に来たのはルーシュへのサービスである。
バトルジャンキーのルーシュがサイヒに手合わせを挑んだからだ。
人間時代でさえデコピン1発で沈められたのに、よりによって神の資格を得たサイヒと手合わせしたいとは無謀にもほどがある。
だがルーシュの珍しい我儘を聞いてやりたいと思ったサイヒは条件を出した。
カマラ及びドラジュに勝てたら手合わせしてやる、と。
そして冒頭に戻る。
チビを倒さないとサイヒと戦えない。
だが相手は生後3ヶ月の幼児である。
普通の子供とは違うのは分かるが流石に気が引ける。
「ルーシュ様、ドラジュと手合わせする?」
コテリ、とドラジュが小首を傾げる。
途轍もなく可愛い。
着ているのが寅さん着ぐるみなので可愛さ倍増だ。
エメラルドの零れ落ちそうな程の大きな目がキラキラとルーシュを見ていた。
騎士たちも身悶えている。
余りにも可愛い。
双子が生まれてからその可愛さに、王宮中の者が何時も何処かで誰かが身悶えている。
特にドラジュは子供特有の可愛さを発揮しているので皆大変である。
しかしカマラも侮れない。
生後3ヶ月で既に王宮のメイドを誑し込んでいる。
サイヒに似すぎていて本当に怖い。
こっそり王宮から抜け出して、肉体年齢を変えて国民の少女のハートも奪っている。
ついたあだ名が「初恋泥棒」。
王宮で働いている使用人たちは、ドラジュには絶対自分の子供を合わせないと決めている。
敵わぬ恋はするものでは無い。
「じゃぁ、カマラちゃんで」
流石にドラジュに手を出せない。
闘気を向けるのも躊躇う愛らしさ。
その点カマラはサイヒのミニチュア版なので手合わせくらいは何とかなるかも、とルーシュは考えた。
「ご指名有難う御座いますルーシュ殿。では」
【肉体成長】
カマラの術が発動する。
銀色の光に包まれてカマラの姿が見えなくなる。
そうして光が消えるとソコには色違いのサイヒが居た。
「マジでサイヒに似すぎだわカマラちゃん……」
サイヒとの違いは色と胸と身長くらいだろう。
カマラは中性体なので胸は無い。
身長はサイヒより男性よりの性質があるからか5cm前後高い。
ルーシュと同じほどの体系だ。
「サイヒの色違いと思えば戦えちゃうね!」
「あまり舐めないで下さいよルーシュ殿」
クッ、とカマラ唇が弧を描く。
本当にサイヒによく似ている。
色気が無いのは年季の差か性質の差か?
そして戦いの火ぶたは切って落とされた。
その5分後、額から煙を出しての去れているルーシュの姿があった。
「だから油断するなと言ったろうに」
「カマラはドラジュに比べて戦闘に能力が向いているからな。ルーシュが負けるのも仕方がない」
「ルーシュ大丈夫?おでこに【治癒】の法術かけるね?」
「あざーす、アンドュアイス様……うぅ幼児に負けた………」
相当悔しかった様子である。
「仕方ないよルーシュ、だってカマラはルークよりも強いでしょ?」
「えっ!?」
「おぉ、さすがはアンドュ。カマラの戦闘力を見抜いたか」
「だってカマラは魔力でも法力でもない力感じるから。神力だよね?多分僕も勝てないや。オグリと【融合】したら何とかなるかなぁ……」
流石の慧眼だ。
大帝国の皇帝になる男はそこいらの物とは格が違う。
アンドュアイスの場合ソコに本能も加わっているが。
「今度はルインが帰って来てから【融合】使ってもうワンチャン!」
「と言っているが構わないかカマラ?」
「私は良いですよ母様」
「だ、そうだ。ルインがデートから戻って来たら2回戦を始めると良い。それと夕食までまだ時間もあるし、騎士たちの訓練に加わっても良いぞ」
「マジ!?やった、天界の騎士と合同訓練!!」
「じゃぁ僕も加わるね」
「ルーク様とお話しなくて良いんですか?」
「うん、僕も興味があるからルーシュと一緒に訓練に加わるね」
ニッコニコと笑っている様だが、目が笑っていない。
剣呑な光を内に宿して天界の騎士たちを見ている。
アンドュアイスの迫力に天界の騎士は及び腰である。
「折角だから私たちも見学をしようかルーク?」
「兄様の雄姿も見たいし見学をしよう」
「僕も見学する」
「じゃぁ私も見学しよう」
「冷たい飲み物持ってきますね。クオン様、日差しを遮るものを」
「パラソルでも持ってきます」
こうしてルーシュのバトルジャンキーのせいで、天界の騎士たちは全能神一家に見学されながら訓練を行う事になった。
全く持って周りを巻き込んで人に迷惑をかける辺り、ルーシュもサイヒと同族だ。
悪気が無いから余計に質が悪い。
そんな心友とぺっt…義兄の楽しそうな姿を見ながらサイヒは茶を嗜むのだった。
「カマラでもドラジュでも好きな方を選ぶと良いぞ?」
王宮には広場がある。
主に騎士たちの訓練場として使われる。
其処にお茶タイムが終わった全能神と愉快な仲間たちが現れた訳だ。
兵士たちは一瞬で広場を明け渡した。
移動に淀みがない。
相当慣れているのだろう。
全能神、普段からいったい何をしているのだ…。
さて今回広場に来たのはルーシュへのサービスである。
バトルジャンキーのルーシュがサイヒに手合わせを挑んだからだ。
人間時代でさえデコピン1発で沈められたのに、よりによって神の資格を得たサイヒと手合わせしたいとは無謀にもほどがある。
だがルーシュの珍しい我儘を聞いてやりたいと思ったサイヒは条件を出した。
カマラ及びドラジュに勝てたら手合わせしてやる、と。
そして冒頭に戻る。
チビを倒さないとサイヒと戦えない。
だが相手は生後3ヶ月の幼児である。
普通の子供とは違うのは分かるが流石に気が引ける。
「ルーシュ様、ドラジュと手合わせする?」
コテリ、とドラジュが小首を傾げる。
途轍もなく可愛い。
着ているのが寅さん着ぐるみなので可愛さ倍増だ。
エメラルドの零れ落ちそうな程の大きな目がキラキラとルーシュを見ていた。
騎士たちも身悶えている。
余りにも可愛い。
双子が生まれてからその可愛さに、王宮中の者が何時も何処かで誰かが身悶えている。
特にドラジュは子供特有の可愛さを発揮しているので皆大変である。
しかしカマラも侮れない。
生後3ヶ月で既に王宮のメイドを誑し込んでいる。
サイヒに似すぎていて本当に怖い。
こっそり王宮から抜け出して、肉体年齢を変えて国民の少女のハートも奪っている。
ついたあだ名が「初恋泥棒」。
王宮で働いている使用人たちは、ドラジュには絶対自分の子供を合わせないと決めている。
敵わぬ恋はするものでは無い。
「じゃぁ、カマラちゃんで」
流石にドラジュに手を出せない。
闘気を向けるのも躊躇う愛らしさ。
その点カマラはサイヒのミニチュア版なので手合わせくらいは何とかなるかも、とルーシュは考えた。
「ご指名有難う御座いますルーシュ殿。では」
【肉体成長】
カマラの術が発動する。
銀色の光に包まれてカマラの姿が見えなくなる。
そうして光が消えるとソコには色違いのサイヒが居た。
「マジでサイヒに似すぎだわカマラちゃん……」
サイヒとの違いは色と胸と身長くらいだろう。
カマラは中性体なので胸は無い。
身長はサイヒより男性よりの性質があるからか5cm前後高い。
ルーシュと同じほどの体系だ。
「サイヒの色違いと思えば戦えちゃうね!」
「あまり舐めないで下さいよルーシュ殿」
クッ、とカマラ唇が弧を描く。
本当にサイヒによく似ている。
色気が無いのは年季の差か性質の差か?
そして戦いの火ぶたは切って落とされた。
その5分後、額から煙を出しての去れているルーシュの姿があった。
「だから油断するなと言ったろうに」
「カマラはドラジュに比べて戦闘に能力が向いているからな。ルーシュが負けるのも仕方がない」
「ルーシュ大丈夫?おでこに【治癒】の法術かけるね?」
「あざーす、アンドュアイス様……うぅ幼児に負けた………」
相当悔しかった様子である。
「仕方ないよルーシュ、だってカマラはルークよりも強いでしょ?」
「えっ!?」
「おぉ、さすがはアンドュ。カマラの戦闘力を見抜いたか」
「だってカマラは魔力でも法力でもない力感じるから。神力だよね?多分僕も勝てないや。オグリと【融合】したら何とかなるかなぁ……」
流石の慧眼だ。
大帝国の皇帝になる男はそこいらの物とは格が違う。
アンドュアイスの場合ソコに本能も加わっているが。
「今度はルインが帰って来てから【融合】使ってもうワンチャン!」
「と言っているが構わないかカマラ?」
「私は良いですよ母様」
「だ、そうだ。ルインがデートから戻って来たら2回戦を始めると良い。それと夕食までまだ時間もあるし、騎士たちの訓練に加わっても良いぞ」
「マジ!?やった、天界の騎士と合同訓練!!」
「じゃぁ僕も加わるね」
「ルーク様とお話しなくて良いんですか?」
「うん、僕も興味があるからルーシュと一緒に訓練に加わるね」
ニッコニコと笑っている様だが、目が笑っていない。
剣呑な光を内に宿して天界の騎士たちを見ている。
アンドュアイスの迫力に天界の騎士は及び腰である。
「折角だから私たちも見学をしようかルーク?」
「兄様の雄姿も見たいし見学をしよう」
「僕も見学する」
「じゃぁ私も見学しよう」
「冷たい飲み物持ってきますね。クオン様、日差しを遮るものを」
「パラソルでも持ってきます」
こうしてルーシュのバトルジャンキーのせいで、天界の騎士たちは全能神一家に見学されながら訓練を行う事になった。
全く持って周りを巻き込んで人に迷惑をかける辺り、ルーシュもサイヒと同族だ。
悪気が無いから余計に質が悪い。
そんな心友とぺっt…義兄の楽しそうな姿を見ながらサイヒは茶を嗜むのだった。
13
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる