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そして全能神は愉快犯となった
【104話】
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キュピーン
サイヒが何かを閃いた。
こう言うのを天啓と言うのかも知れないが、サイヒ自身が神なので何と言うのだろうか?
「どうかしたのかサイヒ?」
流石はルークである。
サイヒの少しの変化も見逃さない。
執務室に居た者は誰もサイヒの変化になど気付かなかった。
「うむ、毎日仕事仕事でつまらん。息抜きをしようと思ってな」
息抜きも何も、しょっちゅう変装して街に降りてるくせによく言えたものだ。
サイヒにとってはあれ位は息抜きにならないらしい。
もう既に王宮外に変装したサイヒのファンクラブもあるのだ。
何処で何をしてそうなったのやら。
取り合えずイコールで全能神と結び付けている者は居ないようなので一安心ではあるが。
それもそうだろう。
国民がサイヒを見たのは襲名式と結婚式のパレードの時のみ。
あの時のサイヒは凄かった。
まさに全能神。
誰もが見惚れる気高く美しい女神であった。
未だに国民の間では語られているほどの神気と美貌。
国民はサイヒが淑やかな女神であると信じている。
いや、実際は男装して街に抜け出す愉快犯だ。
本人に愉快犯の自覚が無いのがまた問題だ。
サイヒが何かやらかす度に後始末に追われるクオンの胃の心配をしてやって欲しい物だ。
そう、ただでさえ全能神と言う立場ゆえ意見できるものが少ないのに、意見を言える立場のルークが筆頭で甘やかすものだからサイヒは加減と言うモノを知らないのだ。
今日も今日とてクオンはポーションとお友達だ。
マロンが淹れてくれるティーポーションは格別に美味しい。
流石は地上の大陸中に支店を持つスクワラル商会の調合師。
天界の素材で作られたソレは地上のものとレベルが違う。
吐血しても増血作用迄ある。
クオンはもうマロン無しでは生きていけない体になってしまった。
言い方に語弊があるようだが、サイヒは意外と芯をついている思っている。
一見クオンの方がマロンに惚れ込んでいるように見えるが、マロンのクオンへの愛情もかなりのものだ。
そしてサイヒに感化されたのか、マロンは所謂る”強い女”である。
淑やかな外見に騙されてはいけない。
皇太子妃の経験もしているのだ。
あんな魔窟で平然と生活できる位にはマロンは肝が据わっている。
そして自分と2つしか年が変わらないサイヒが既に子供が2人居る。
マロンとしては自分もそろそろ女として意識して欲しいのだ。
年の差8歳?
ガフティラベル帝国の次期皇帝は10歳年下の妻を娶る気満々ですが何か?
8歳の差なんて後5年もすれば21歳と29歳だ。
これならもう犯罪とは言われないだろう。
ロリコン扱いもされないはずだ。
いや、クオンがロリコン扱いされている訳では無いが…。
なので最近のマロンは押せ押せである。
どうやら羊の皮を被った狼さんであったらしい。
非常に可愛い上に女として理想的な狼さんであるが。
まぁマロンが成人(18歳)になったらちゃんと婚姻すると言っているので、徐々に関係も進むだろう。
少なくとも最後まで致さなくてもキスの1つでもしてやる!と言う意思が最近のマロンからは伝わる。
可憐な美少女がサイヒのせいで肉食獣に変じてしまった。
サイヒも罪な存在である……。
閑話休題
「で、何をするのだ?温泉でも家族で行くのか?」
和やかな想像をするルークである。
サイヒがそれだけで満足するはずがないだろうに。
未だにサイヒに夢を見ているのだろうか?
毎日毎日夜中に鳴かされている立場なのに、サイヒの底がまだ見えないらしい。
ルークは楽しい家族旅行に想いを馳せた。
「何だルーク、温泉に行きたいのか?」
「家族風呂に入ってみたい」
可愛らしいお望みである。
ソレを叶える位はサイヒにとっては朝飯前である。
おそらく全能神一家の今日の夜は温泉旅館に泊まる事になるだろう。
サイヒは全能神である前にルークのスパダリなのである。
「それは楽しみにしておいてくれ」
「………碌な思い付きじゃないと思うけど何だ?」
クオンが眉間に皺を寄せてサイヒに問うた。
こう言った場合クオンしかサイヒに意見出来る者は居ない。
有難うクオン・ロングストーン。
我々は君の存在を尊く思う、周りで見ていた者の心中である。
「うむ、天界全土を使ってオリンピックをしようと思う!」
「「「「「オリンピック!?」」」」」
「サイヒ、何だそのオリンピックと言いうのは?」
「オリンピックとは神話時代の祭りだな。オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典で、スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っている。
古代ギリシャのオリンピア地方で行われていた「オリンピア祭典競技」だ。起源には諸説あるが、もともとは神々をあがめる体育や芸術の競技祭だったといわれている。
オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典だ。スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っている。
オリンピックの歴史は、今から約2800年前にさかのぼる。古代ギリシャのオリンピア地方で行われていた「オリンピア祭典競技」です。起源には諸説ありますが、もともとは神々をあがめる体育や芸術の競技祭だったといわれている。
古代オリンピックから1500年後、フランスの教育者であったピエール・ド・クーベルタン男爵の働きかけによって、オリンピックは復活の道を歩み始める。1894年、彼がパリ国際会議において提唱した「オリンピック復興」は満場一致で可決され、2年後の1896年、ギリシャのアテネで記念すべき第1回オリンピック競技大会が開催された。
大会のシンボルとしてなじみ深い五輪のマークも実は彼が考案したもので、世界五大陸の団結を表している。
クーベルタンが唱えたオリンピズム=オリンピックの精神とは「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」。
この理想は今も変わらず受け継がれ、彼は「近代オリンピックの父」と呼ばれている」
「な、何だか凄いなオリンピックと言うやつは」
「そう深く考えるなルーク。要は規模の大きい運動会だ」
例えが雑にもほどがある。
だがサイヒ以外にオリンピックを知る者がこの場に居ないので”そう言うモノなのか”と皆が納得した。
「しかしサイヒは物知りだな」
頬をバラ色の染めてルークがサイヒを見る。
乙女スイッチが入ったらしい。
まだまだルークはサイヒに惚れ直しをして行くのだろう。
真に平和な夫婦である。
「ちょっとばかり先祖の記憶から知識を抜き出した。ふむ、古代種の記憶と言うのは面白い物だ」
「コダイシュ?」
「ふふ、私の先祖に居た存在だ。そうだ、同じ古代種ならユラさんも誘ってみよう」
ピクリ
ルークの肩が揺れた。
「誰だその”ユラさん”とやらは?」
ルークから冷気が発せられる。
忘れていたがルークは魔王なのだ。
人間の肉体を持ってはいるが、それでも亜族である魔族では無い、純アストラル体の悪魔を統括する本物の魔王だ。
魔族の魔王とは魔力量が違う。
「私の先祖の姉の様な存在だった方だ。顔馴染みが居ないうえ暇らしいから、この機会に娯楽を提供してあげたい」
「サイヒは優しいのだな……」
エメラルドの瞳が潤む。
恋敵で無いと分かった瞬間ルークが乙女に戻る。
毎回毎回何を見せられているのだろうと、執務室に居る者は思った。
「よし、ではオリンピックをするぞ!仕事が倍に増えるが皆頑張れ!!」
唇に弧を描いて笑うサイヒの生き生きとした目に”否”と言える強者は存在しなかった。
サイヒが何かを閃いた。
こう言うのを天啓と言うのかも知れないが、サイヒ自身が神なので何と言うのだろうか?
「どうかしたのかサイヒ?」
流石はルークである。
サイヒの少しの変化も見逃さない。
執務室に居た者は誰もサイヒの変化になど気付かなかった。
「うむ、毎日仕事仕事でつまらん。息抜きをしようと思ってな」
息抜きも何も、しょっちゅう変装して街に降りてるくせによく言えたものだ。
サイヒにとってはあれ位は息抜きにならないらしい。
もう既に王宮外に変装したサイヒのファンクラブもあるのだ。
何処で何をしてそうなったのやら。
取り合えずイコールで全能神と結び付けている者は居ないようなので一安心ではあるが。
それもそうだろう。
国民がサイヒを見たのは襲名式と結婚式のパレードの時のみ。
あの時のサイヒは凄かった。
まさに全能神。
誰もが見惚れる気高く美しい女神であった。
未だに国民の間では語られているほどの神気と美貌。
国民はサイヒが淑やかな女神であると信じている。
いや、実際は男装して街に抜け出す愉快犯だ。
本人に愉快犯の自覚が無いのがまた問題だ。
サイヒが何かやらかす度に後始末に追われるクオンの胃の心配をしてやって欲しい物だ。
そう、ただでさえ全能神と言う立場ゆえ意見できるものが少ないのに、意見を言える立場のルークが筆頭で甘やかすものだからサイヒは加減と言うモノを知らないのだ。
今日も今日とてクオンはポーションとお友達だ。
マロンが淹れてくれるティーポーションは格別に美味しい。
流石は地上の大陸中に支店を持つスクワラル商会の調合師。
天界の素材で作られたソレは地上のものとレベルが違う。
吐血しても増血作用迄ある。
クオンはもうマロン無しでは生きていけない体になってしまった。
言い方に語弊があるようだが、サイヒは意外と芯をついている思っている。
一見クオンの方がマロンに惚れ込んでいるように見えるが、マロンのクオンへの愛情もかなりのものだ。
そしてサイヒに感化されたのか、マロンは所謂る”強い女”である。
淑やかな外見に騙されてはいけない。
皇太子妃の経験もしているのだ。
あんな魔窟で平然と生活できる位にはマロンは肝が据わっている。
そして自分と2つしか年が変わらないサイヒが既に子供が2人居る。
マロンとしては自分もそろそろ女として意識して欲しいのだ。
年の差8歳?
ガフティラベル帝国の次期皇帝は10歳年下の妻を娶る気満々ですが何か?
8歳の差なんて後5年もすれば21歳と29歳だ。
これならもう犯罪とは言われないだろう。
ロリコン扱いもされないはずだ。
いや、クオンがロリコン扱いされている訳では無いが…。
なので最近のマロンは押せ押せである。
どうやら羊の皮を被った狼さんであったらしい。
非常に可愛い上に女として理想的な狼さんであるが。
まぁマロンが成人(18歳)になったらちゃんと婚姻すると言っているので、徐々に関係も進むだろう。
少なくとも最後まで致さなくてもキスの1つでもしてやる!と言う意思が最近のマロンからは伝わる。
可憐な美少女がサイヒのせいで肉食獣に変じてしまった。
サイヒも罪な存在である……。
閑話休題
「で、何をするのだ?温泉でも家族で行くのか?」
和やかな想像をするルークである。
サイヒがそれだけで満足するはずがないだろうに。
未だにサイヒに夢を見ているのだろうか?
毎日毎日夜中に鳴かされている立場なのに、サイヒの底がまだ見えないらしい。
ルークは楽しい家族旅行に想いを馳せた。
「何だルーク、温泉に行きたいのか?」
「家族風呂に入ってみたい」
可愛らしいお望みである。
ソレを叶える位はサイヒにとっては朝飯前である。
おそらく全能神一家の今日の夜は温泉旅館に泊まる事になるだろう。
サイヒは全能神である前にルークのスパダリなのである。
「それは楽しみにしておいてくれ」
「………碌な思い付きじゃないと思うけど何だ?」
クオンが眉間に皺を寄せてサイヒに問うた。
こう言った場合クオンしかサイヒに意見出来る者は居ない。
有難うクオン・ロングストーン。
我々は君の存在を尊く思う、周りで見ていた者の心中である。
「うむ、天界全土を使ってオリンピックをしようと思う!」
「「「「「オリンピック!?」」」」」
「サイヒ、何だそのオリンピックと言いうのは?」
「オリンピックとは神話時代の祭りだな。オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典で、スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っている。
古代ギリシャのオリンピア地方で行われていた「オリンピア祭典競技」だ。起源には諸説あるが、もともとは神々をあがめる体育や芸術の競技祭だったといわれている。
オリンピックは4年に一度開催される世界的なスポーツの祭典だ。スポーツを通した人間育成と世界平和を究極の目的とし、夏季大会と冬季大会を行っている。
オリンピックの歴史は、今から約2800年前にさかのぼる。古代ギリシャのオリンピア地方で行われていた「オリンピア祭典競技」です。起源には諸説ありますが、もともとは神々をあがめる体育や芸術の競技祭だったといわれている。
古代オリンピックから1500年後、フランスの教育者であったピエール・ド・クーベルタン男爵の働きかけによって、オリンピックは復活の道を歩み始める。1894年、彼がパリ国際会議において提唱した「オリンピック復興」は満場一致で可決され、2年後の1896年、ギリシャのアテネで記念すべき第1回オリンピック競技大会が開催された。
大会のシンボルとしてなじみ深い五輪のマークも実は彼が考案したもので、世界五大陸の団結を表している。
クーベルタンが唱えたオリンピズム=オリンピックの精神とは「スポーツを通して心身を向上させ、文化・国籍などさまざまな違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献すること」。
この理想は今も変わらず受け継がれ、彼は「近代オリンピックの父」と呼ばれている」
「な、何だか凄いなオリンピックと言うやつは」
「そう深く考えるなルーク。要は規模の大きい運動会だ」
例えが雑にもほどがある。
だがサイヒ以外にオリンピックを知る者がこの場に居ないので”そう言うモノなのか”と皆が納得した。
「しかしサイヒは物知りだな」
頬をバラ色の染めてルークがサイヒを見る。
乙女スイッチが入ったらしい。
まだまだルークはサイヒに惚れ直しをして行くのだろう。
真に平和な夫婦である。
「ちょっとばかり先祖の記憶から知識を抜き出した。ふむ、古代種の記憶と言うのは面白い物だ」
「コダイシュ?」
「ふふ、私の先祖に居た存在だ。そうだ、同じ古代種ならユラさんも誘ってみよう」
ピクリ
ルークの肩が揺れた。
「誰だその”ユラさん”とやらは?」
ルークから冷気が発せられる。
忘れていたがルークは魔王なのだ。
人間の肉体を持ってはいるが、それでも亜族である魔族では無い、純アストラル体の悪魔を統括する本物の魔王だ。
魔族の魔王とは魔力量が違う。
「私の先祖の姉の様な存在だった方だ。顔馴染みが居ないうえ暇らしいから、この機会に娯楽を提供してあげたい」
「サイヒは優しいのだな……」
エメラルドの瞳が潤む。
恋敵で無いと分かった瞬間ルークが乙女に戻る。
毎回毎回何を見せられているのだろうと、執務室に居る者は思った。
「よし、ではオリンピックをするぞ!仕事が倍に増えるが皆頑張れ!!」
唇に弧を描いて笑うサイヒの生き生きとした目に”否”と言える強者は存在しなかった。
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