158 / 297
そして全能神は愉快犯となった
【135話】
しおりを挟む
「あら、お兄様お眠りですか?」
珍しくサイヒが執務室のソファで小さな寝息を立てて横になっていた。
無防備な事この上ない。
仮にも全能神でり、一応女の身なのだ。
そしてサイヒは頓着しないが兎に角姿だけは美しいのだ。
「寝てる顔もお綺麗ですわ…」
思わずサイヒの顔を見慣れているマロンですら頬をバラ色に染めるほどだ。
性別の分からない中性的な美貌。
今は寝ているせいで少し幼げに見える。
閉じた瞼の睫毛の長さに思わず魅入ってします。
この下にあの青銀の瞳があるのかと思うと考えるだけでゾクリとする。
あの目はいけない。
世の中の全てを見通しそうな、あの目は魂までも魅入られる。
形のいい鼻梁に薄く開いた唇。
唇の色素はそう濃くない。
マロンのピンクの唇に比べるとやや薄めだ。
だが薄く形の良い唇は、己の唇を重ねたくなるほど淫靡だ。
開いた口の中が見える。
真っ白な形の良い歯列。
ちらりと見える赤い舌。
ルーク以外は知らないだろうが、サイヒの舌は長く分厚い。
その舌でいつもルークは鳴かされている訳である。
その舌で口の中を蹂躙されると腰が秒で砕けるらしい。
全くもって情操教育に良くない舌である。
そんな眠る猥褻物がふるり、と睫毛を揺らしゆっくりと目を開けた。
少しぼーっとしている。
無警戒のサイヒと言うのもレアだ。
マロンは心の中で拳を握った。
グッジョブ私!良い所に尋ねに来た!!
そんなマロンの横でサイヒは眉間に皺を寄せた。
「どうなされましたお兄様?夢見が悪かったのですか?」
「いや、式神にチャンネルを繋げてたら汚いモノを見てしまった……」
「そんなに汚いモノですの?」
「ルークのと比べたら月とスッポンのスッポンに悪いくらいだ。あぁやはりルークのように長く太く硬く綺麗な色合いなものが最高だな…ククク、今日は少しねちっこく絡んでみようか?」
あーそういうことかー…
マロンは大体の事を察した。
それにしてもサイヒはルークが好きすぎじゃないかと思ったが、自分とクオンも似たようなものなので突っ込めなかった。
そう、現在マロンとクオンは夜の主導権はマロンが握っているのだ。
サイヒと居る月日が長すぎたのかも知れない。
マロンは夜だけはガッツリ肉食系女子になってしまったのだ。
「また街で何かされているのですか?」
「まぁ趣味と実益を兼ねた良いお仕事をな」
「正体だけはバレない様にして下さいよ?」
「あぁ、私の専属メイドは厳しいな」
「私が厳しくしないと他に厳しくする方が居ないじゃないですか」
クスクス笑うマロンはとても可憐だ。
今日も自分のメイドが可愛らしい。
サイヒは満足した。
「で、お仕置きはどんなのだ?」
「もうお菓子つくってあげないです、ふふ」
「それは困った、正体はバレないよう厳重に注意しよう。で、ここに来たと言う事はもう茶の時間か?」
「はい、持って来てますよ。今日はガトーショコラです」
「では頂こう。式神は定期的に情報を流すようオートにしておこう」
そう言って笑うサイヒは、マロンが淹れた紅茶に口をつけ満足そうな顔を浮かべるのであった。
珍しくサイヒが執務室のソファで小さな寝息を立てて横になっていた。
無防備な事この上ない。
仮にも全能神でり、一応女の身なのだ。
そしてサイヒは頓着しないが兎に角姿だけは美しいのだ。
「寝てる顔もお綺麗ですわ…」
思わずサイヒの顔を見慣れているマロンですら頬をバラ色に染めるほどだ。
性別の分からない中性的な美貌。
今は寝ているせいで少し幼げに見える。
閉じた瞼の睫毛の長さに思わず魅入ってします。
この下にあの青銀の瞳があるのかと思うと考えるだけでゾクリとする。
あの目はいけない。
世の中の全てを見通しそうな、あの目は魂までも魅入られる。
形のいい鼻梁に薄く開いた唇。
唇の色素はそう濃くない。
マロンのピンクの唇に比べるとやや薄めだ。
だが薄く形の良い唇は、己の唇を重ねたくなるほど淫靡だ。
開いた口の中が見える。
真っ白な形の良い歯列。
ちらりと見える赤い舌。
ルーク以外は知らないだろうが、サイヒの舌は長く分厚い。
その舌でいつもルークは鳴かされている訳である。
その舌で口の中を蹂躙されると腰が秒で砕けるらしい。
全くもって情操教育に良くない舌である。
そんな眠る猥褻物がふるり、と睫毛を揺らしゆっくりと目を開けた。
少しぼーっとしている。
無警戒のサイヒと言うのもレアだ。
マロンは心の中で拳を握った。
グッジョブ私!良い所に尋ねに来た!!
そんなマロンの横でサイヒは眉間に皺を寄せた。
「どうなされましたお兄様?夢見が悪かったのですか?」
「いや、式神にチャンネルを繋げてたら汚いモノを見てしまった……」
「そんなに汚いモノですの?」
「ルークのと比べたら月とスッポンのスッポンに悪いくらいだ。あぁやはりルークのように長く太く硬く綺麗な色合いなものが最高だな…ククク、今日は少しねちっこく絡んでみようか?」
あーそういうことかー…
マロンは大体の事を察した。
それにしてもサイヒはルークが好きすぎじゃないかと思ったが、自分とクオンも似たようなものなので突っ込めなかった。
そう、現在マロンとクオンは夜の主導権はマロンが握っているのだ。
サイヒと居る月日が長すぎたのかも知れない。
マロンは夜だけはガッツリ肉食系女子になってしまったのだ。
「また街で何かされているのですか?」
「まぁ趣味と実益を兼ねた良いお仕事をな」
「正体だけはバレない様にして下さいよ?」
「あぁ、私の専属メイドは厳しいな」
「私が厳しくしないと他に厳しくする方が居ないじゃないですか」
クスクス笑うマロンはとても可憐だ。
今日も自分のメイドが可愛らしい。
サイヒは満足した。
「で、お仕置きはどんなのだ?」
「もうお菓子つくってあげないです、ふふ」
「それは困った、正体はバレないよう厳重に注意しよう。で、ここに来たと言う事はもう茶の時間か?」
「はい、持って来てますよ。今日はガトーショコラです」
「では頂こう。式神は定期的に情報を流すようオートにしておこう」
そう言って笑うサイヒは、マロンが淹れた紅茶に口をつけ満足そうな顔を浮かべるのであった。
2
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる