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そして全能神は愉快犯となった
【136話】
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その日、町外れの小さな教会で結婚式が行われていた。
新婦は若い少女。
まだ15,6歳の美少女だ。菜の花のような黄色い髪に菫色の目が美しい。
大人になりきれていないこの年頃特有の美しさが少女にはあった。
大きな目には涙が浮かんでいる。
それを零さない様にずっと上を向いている。
顔を下げれば溜まった
涙が溢れてくるだろう。
涙を流さないよう、少女は唇を噛み締めて自分の心を閉ざしていた。
少女の腕をとるのはその父親。
今からチャペルのヴァージンロードを共に歩き、少女の新たに使えるべき夫にその手を引き渡すのだ。
父親も苦しそうな顔をしていた。
平民の少女が、格の高い伯爵家の妻に望まれたのにだ。
何故なら夫となる伯爵ーダイカーン伯爵ーはもう58歳の初老に近いオヤジなのだ。
しかもすでに64妃娶っている。
天界では貴族は側室を持つことが許されている。
貴族は代々の全能神たちの親類の者が多く、優秀な能力の持ち主が多いからだ。
出来るだけ有能な人材をかき集めるため、貴族は側室を取ることが許されているのだ。
所謂種馬である。
同じように女当主も側室を取ることが出来る。
ようは有能な人材が多くそろえれられれば何でもいいのだ。
何代前の全能神が決めた法律かは知らないが、かなりクレバーな全能神がいたようだ。
何時かサイヒも似たような政策をやらかすかも知れない。
出来れば良い政策で名を残して欲しい。
流石に代々語り継がれる全能神が残念女神では困ると言うものだ。
その前にサイヒを倒して新しい全能神が今後生まれるかが問題だが。
サイヒの能力が高すぎて、ソレこそ歴代最強だ、なので倒して襲名の今の全能神の資格を引き継ぐシステムでは中々次代が生まれる予感はしない。
何時かサイヒを越えるものが何処かで産声を上げていれば良いのだが…。
しばらくは全能神が変わることは無いだろう。
閑話休題
リーンゴーン
鐘がなる。
チャペルの扉が開かれる。
ヴァージンロードの先に見える脂ぎった壮年のオヤジ。
新婦クムリーは、その血走った目で舐めるように見られて体を硬くした。
それが手を組んでいる父親にも伝わった。
まさに舐めるよう、と言うのが良く合う視線だった。
いや、想像では舐めあげているかもしれない。
ハァハァと息が荒い。
そのダイカーン伯爵の姿を見て父親はこのままクムリーを逃がそうかと考えた。
自分の大切な娘が、新婦の父親よりも一回り以上年の離れたオヤジに嫁ぐなんて我慢ならない。
こんな親父にやるために娘に愛情をかけて育てて来た訳では無いのだ。
だがチャペルの席を見る。
自分の親類しか席には居ない。
体の弱い自分の妻が嗚咽を堪えて震えていた。
席から立ち上がろうとする度、兵士に押さえつけられている。
きっと妻もクムリーに逃げろと言いたいのだ。
だが何かされたのであろう。
妻の声は出ないようだった。
病弱な妻。
まだ下に居る5人の子供たち。
年老いてベッドから離れられない両親。
それがクムリーがダイカーン伯爵に嫁ぐだけで、全て面倒見て貰えると交渉されたのだ。
勿論父親は却下した。
自分が働けば良いと。
しかし、その日の夕方クムリーが書類を持って帰って来た。
婚姻届けを持って。
伯爵はクムリー本人にも話を付けに行っていたのだ。
そして心優しいクムリーがソレに首を縦に振らない訳が無かった。
婚姻届けは後は父親の蘭を埋めるだけだった。
破り捨てたかったが、契約の術がしたためられているため叶わなかった。
婚姻届けを受理されるまで、1秒に付き1秒分の寿命が縮む術がその婚姻届けにはかけられていた。
そして父親は泣きながらサインをしたのだった。
神父の入場の声がかかる。
震えながらお互いを支えるように新婦とその父親はヴァージンロードに1歩踏み出した。
新婦は若い少女。
まだ15,6歳の美少女だ。菜の花のような黄色い髪に菫色の目が美しい。
大人になりきれていないこの年頃特有の美しさが少女にはあった。
大きな目には涙が浮かんでいる。
それを零さない様にずっと上を向いている。
顔を下げれば溜まった
涙が溢れてくるだろう。
涙を流さないよう、少女は唇を噛み締めて自分の心を閉ざしていた。
少女の腕をとるのはその父親。
今からチャペルのヴァージンロードを共に歩き、少女の新たに使えるべき夫にその手を引き渡すのだ。
父親も苦しそうな顔をしていた。
平民の少女が、格の高い伯爵家の妻に望まれたのにだ。
何故なら夫となる伯爵ーダイカーン伯爵ーはもう58歳の初老に近いオヤジなのだ。
しかもすでに64妃娶っている。
天界では貴族は側室を持つことが許されている。
貴族は代々の全能神たちの親類の者が多く、優秀な能力の持ち主が多いからだ。
出来るだけ有能な人材をかき集めるため、貴族は側室を取ることが許されているのだ。
所謂種馬である。
同じように女当主も側室を取ることが出来る。
ようは有能な人材が多くそろえれられれば何でもいいのだ。
何代前の全能神が決めた法律かは知らないが、かなりクレバーな全能神がいたようだ。
何時かサイヒも似たような政策をやらかすかも知れない。
出来れば良い政策で名を残して欲しい。
流石に代々語り継がれる全能神が残念女神では困ると言うものだ。
その前にサイヒを倒して新しい全能神が今後生まれるかが問題だが。
サイヒの能力が高すぎて、ソレこそ歴代最強だ、なので倒して襲名の今の全能神の資格を引き継ぐシステムでは中々次代が生まれる予感はしない。
何時かサイヒを越えるものが何処かで産声を上げていれば良いのだが…。
しばらくは全能神が変わることは無いだろう。
閑話休題
リーンゴーン
鐘がなる。
チャペルの扉が開かれる。
ヴァージンロードの先に見える脂ぎった壮年のオヤジ。
新婦クムリーは、その血走った目で舐めるように見られて体を硬くした。
それが手を組んでいる父親にも伝わった。
まさに舐めるよう、と言うのが良く合う視線だった。
いや、想像では舐めあげているかもしれない。
ハァハァと息が荒い。
そのダイカーン伯爵の姿を見て父親はこのままクムリーを逃がそうかと考えた。
自分の大切な娘が、新婦の父親よりも一回り以上年の離れたオヤジに嫁ぐなんて我慢ならない。
こんな親父にやるために娘に愛情をかけて育てて来た訳では無いのだ。
だがチャペルの席を見る。
自分の親類しか席には居ない。
体の弱い自分の妻が嗚咽を堪えて震えていた。
席から立ち上がろうとする度、兵士に押さえつけられている。
きっと妻もクムリーに逃げろと言いたいのだ。
だが何かされたのであろう。
妻の声は出ないようだった。
病弱な妻。
まだ下に居る5人の子供たち。
年老いてベッドから離れられない両親。
それがクムリーがダイカーン伯爵に嫁ぐだけで、全て面倒見て貰えると交渉されたのだ。
勿論父親は却下した。
自分が働けば良いと。
しかし、その日の夕方クムリーが書類を持って帰って来た。
婚姻届けを持って。
伯爵はクムリー本人にも話を付けに行っていたのだ。
そして心優しいクムリーがソレに首を縦に振らない訳が無かった。
婚姻届けは後は父親の蘭を埋めるだけだった。
破り捨てたかったが、契約の術がしたためられているため叶わなかった。
婚姻届けを受理されるまで、1秒に付き1秒分の寿命が縮む術がその婚姻届けにはかけられていた。
そして父親は泣きながらサインをしたのだった。
神父の入場の声がかかる。
震えながらお互いを支えるように新婦とその父親はヴァージンロードに1歩踏み出した。
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