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そして全能神は愉快犯となった
【147話】
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ドゴッ!!!
大きな音を立てて建物の壁に大穴が空いた。
「セツナ!無事かっ!?」
「とーさまっ!!」
セツナと同じ青緑の瞳。
オレンジ色の髪。
整った容貌に鍛え抜かれた体。
”とーさま”と呼ばれるその人物は、魔王の副官クオン・ロングストーンである。
その存在は天界ではかなり有名である。
魔王の副官。
全能神の心友。
愛妻家で夫にしたい天界ランキングNO1の男である。
ちなみにランキングNO3はドラジュ・フワーラであり、ランキングNO2はリリー・オブ・ザ・ヴァリーである。
閑話休題
「なんでとーさまなの!なんでサイヒさまじゃにのーっ!?」
グサッ
クオンの心臓に見えない言葉の刃が突き刺さった。
愛娘を溺愛しているクオンにとって、自分よりサイヒに心を向けているセツナの今の状況がとても悲しい。
胃が痛くなるのとは違う、胸の痛みにクオンは泣きたくなった。
「サイヒは居ないがリリーなら来てるぞ……」
もう駄目だ、クオンの目は死んでいる。
リリーの名を聞いて愛娘が目を輝かせたからだ。
「リリーさま、きてるの?はやくつれてってとーさま!」
「あぁ、早く合流しないとな……」
今日のクオンの痛みはマロンのポーションでも治せそうにない。
愛妻の抱擁が1番必要だろう。
その愛妻も夫の自分より主の方に心を傾けているのだから、本当に不憫な男である。
「あ、あの……」
「何だ少年?」
「あ、貴方は魔王様の副官のクオン様ではないですか?」
胸を押さえ、顔を真っ赤にして10歳ほどの少年がクオンに問いかけた。
「あぁ、そうだが君は?」
「俺、いえ、私はシナモン伯爵家の次男です!クオン様に憧れて成人したら騎士団に入り鍛えてもらうのが夢だったんです!あ、あああ握手、して貰えないでしょうか!?」
美少年が顔を赤らめて精悍な大人の男に握手を頼む。
その筋の者が見たら垂涎ものだ。
此処にとある古代種がいなくて良かったものだ。
「無事に逃げ切れた後でな」
ふっ、と口元を緩めると途端にクオンの印象は柔らかくなる。
その大人の包容力と色香に幼い少女たちは真っ赤になった。
ちなみにクオンは自分がモテる事実を知らない。
マロンとの仲が良すぎて言い寄ってくる女が居ないからだ。
全能神と魔王の美貌を見慣れているせいで美形の水準がクオンの中では狂っているのだ。
自分は平凡。
そう信じて疑わない若干天然の入った男なのである。
美丈夫なうえに仕事も出来るのに勿体ない話である。
「皆顔が赤いな、熱でもあるのか?長時間閉じ込められていたのだから体に不調をきたしていてもおかしくはないな。リリーと合流したら法術をかけて貰おう」
「セツナが1ばんにリリーさまにほうじゅつかけてもらうんだからぁ~!!」
「あぁ、1番にリリーに抱き着くが良い…悔しくない、俺は悔しくないぞ………」
クオンの瞳が若干潤んでいたことに気付いたものは居なかった。
大きな音を立てて建物の壁に大穴が空いた。
「セツナ!無事かっ!?」
「とーさまっ!!」
セツナと同じ青緑の瞳。
オレンジ色の髪。
整った容貌に鍛え抜かれた体。
”とーさま”と呼ばれるその人物は、魔王の副官クオン・ロングストーンである。
その存在は天界ではかなり有名である。
魔王の副官。
全能神の心友。
愛妻家で夫にしたい天界ランキングNO1の男である。
ちなみにランキングNO3はドラジュ・フワーラであり、ランキングNO2はリリー・オブ・ザ・ヴァリーである。
閑話休題
「なんでとーさまなの!なんでサイヒさまじゃにのーっ!?」
グサッ
クオンの心臓に見えない言葉の刃が突き刺さった。
愛娘を溺愛しているクオンにとって、自分よりサイヒに心を向けているセツナの今の状況がとても悲しい。
胃が痛くなるのとは違う、胸の痛みにクオンは泣きたくなった。
「サイヒは居ないがリリーなら来てるぞ……」
もう駄目だ、クオンの目は死んでいる。
リリーの名を聞いて愛娘が目を輝かせたからだ。
「リリーさま、きてるの?はやくつれてってとーさま!」
「あぁ、早く合流しないとな……」
今日のクオンの痛みはマロンのポーションでも治せそうにない。
愛妻の抱擁が1番必要だろう。
その愛妻も夫の自分より主の方に心を傾けているのだから、本当に不憫な男である。
「あ、あの……」
「何だ少年?」
「あ、貴方は魔王様の副官のクオン様ではないですか?」
胸を押さえ、顔を真っ赤にして10歳ほどの少年がクオンに問いかけた。
「あぁ、そうだが君は?」
「俺、いえ、私はシナモン伯爵家の次男です!クオン様に憧れて成人したら騎士団に入り鍛えてもらうのが夢だったんです!あ、あああ握手、して貰えないでしょうか!?」
美少年が顔を赤らめて精悍な大人の男に握手を頼む。
その筋の者が見たら垂涎ものだ。
此処にとある古代種がいなくて良かったものだ。
「無事に逃げ切れた後でな」
ふっ、と口元を緩めると途端にクオンの印象は柔らかくなる。
その大人の包容力と色香に幼い少女たちは真っ赤になった。
ちなみにクオンは自分がモテる事実を知らない。
マロンとの仲が良すぎて言い寄ってくる女が居ないからだ。
全能神と魔王の美貌を見慣れているせいで美形の水準がクオンの中では狂っているのだ。
自分は平凡。
そう信じて疑わない若干天然の入った男なのである。
美丈夫なうえに仕事も出来るのに勿体ない話である。
「皆顔が赤いな、熱でもあるのか?長時間閉じ込められていたのだから体に不調をきたしていてもおかしくはないな。リリーと合流したら法術をかけて貰おう」
「セツナが1ばんにリリーさまにほうじゅつかけてもらうんだからぁ~!!」
「あぁ、1番にリリーに抱き着くが良い…悔しくない、俺は悔しくないぞ………」
クオンの瞳が若干潤んでいたことに気付いたものは居なかった。
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