聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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そして全能神は愉快犯となった

【166話】

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「サイヒは誰のコスプレをするのだろうか?」

 先に準備が出来て岩の前で待っているルークはそわそわしている。
 ドキドキのワクワクだ。
 サイヒが楽しみにしておけと言ったのだ。
 なら絶対に楽しいに決まっている。
 サイヒが言葉を違える事はない。

「待たせたなルーク」

「ふわぁっぁあぁあぁあぁぁあっ!!!!」

 思わずルークは声を上げた。
 女の恰好をするだろうと予想はしていたが、想像していない人物のコスプレだった。

 長い髪の二房をサイドテールで一部上げている。
 髪の根本には2か所の蝶の髪飾り。
 蝶の羽を思わせる羽織を着ている。

「胡蝶カ〇エ……」

「風柱に合わせるならコレが一番であろう?」

「風×胡蝶姉尊い」

「だろうだろう、そう思ってコレにしてみた」

「恋柱とは違った可愛さだ…可愛いのに綺麗だ…やっぱりサイヒを何処かに閉じ込めたい………」

「思考回路が物騒になってきているぞルーク…ドラジュの影響だろうか………?」

 日常、傍に粘着質で腹黒い息子がいるせいでルークも影響を受けたのかもしれない。
 サイヒへの執着は以前より増している気がするし、発想が闇属性に切り替わっていることが増えた気がする。
 まぁサイヒもダークルークもお気に入りなのだが。

「写真を撮るぞ。マロンに頼まれているのでな、あとユラさんにも」

「ユラさんも風柱と花柱の絡みが見たいのか?」

「あぁソレは後程コスプレを変えて別件で取る。正直どちらがネコでタチか分からないが、ワイルドルークに期待して良い燃料を造ろうではないか」

「???」

「あぁ、ルークは知らなくて良い事だ。お前まで腐臭に塗れさしたくない」

「サイヒがそう言うのなら分かった」

 ソレで良いのか魔王!?
 この魔王、闇成分が足りなさすぎる。
 むしろサイヒが魔王だと言った方がしっくりくる位だ。

 まぁ可愛いので良いか、サイヒは考えるのを止めた。

 それにしてもワイルドにすると言っていたが、確かに普段よりワイルドだ。
 メイクもちゃんときつめの顔になるようにしている。
 コスプレをするには時には男もメイクが必須なのである。
 鋭い目つきを手に入れるためにはテープも欠かせない。
 ルークの瞳では風柱をするには穏やかすぎる。

「サイヒ、ワイルドになったか私は?」

「あぁ、ちゃんとなっているよ」

「ほぁぁっぁあサイヒに褒められた♡♡♡」

 今まで微かにあったワイルドさが消えた瞬間だった………。
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